ブログトップページはコチラ

『透明な夜の香り』

2020年5月27日

もうすぐ梅雨がやってきます。
アスファルトの濡れた匂いを嗅いで
雨の季節だなあと感じる方もいるのでは?

あなたの鼻は敏感ですか?

私はわりと匂いは気になります。
だからといって無臭最高!というわけではありません。
自分の好きな香り、苦手な匂いがはっきりしているだけです。

とくにクサイのは絶対にダメです。
去年、台湾の屋台で嗅いだ「臭豆腐」の匂いはまったく受け付けませんでした。
思い出しただけでも、うっっ。
台湾は好きだけど、あの匂いだけはどうしても無理!

でも、今、臭豆腐の匂いを嗅いだら、間違いなく台湾の屋台を思い出します。
と同時に楽しかった台湾の記憶も。
そういえば、ちょうど一年前の今頃行ったのだっけ。
また行きたいなー。マンゴーかき氷を食べたい!

香りは、脳の海馬に直接届いて、永遠に記憶されるそうで、
久しぶりに嗅いだ懐かしい香りから、突然忘れていた記憶が蘇ることもあるそうです。

例えば、街を歩いているときに、以前好きだった人の香水の香りが突然して、
思わず振り返ってしまったことがある方もいるのでは?

***

今日ご紹介する本は、そんな「香り」にまつわる小説です。

『透明な夜の香り/千早茜(ちはや・あかね)【集英社】』


千早茜さんは、『あとかた』、『男ともだち』が直木賞候補になっています。
『男ともだち』は、以前ラジオでご紹介しています。

◎私の『男ともだち』の感想は コチラ

***

新作の『透明な夜の香り』は、
人並み外れた嗅覚を持つ調香師のもとで
家事手伝いのアルバイトをすることになった女性のお話です。

主人公は「一香(いちか)」という25歳の女性で、
調香師は「朔(さく)」という名の20代後半の男性です。

この朔は匂いから様々なことがわかります。

その人が食べたものや直前に行っていた場所はもちろん、
病気の有無や生活習慣、なんと感情までわかります。
また、花が咲く瞬間までわかるのだとか。すごい!
そういえば、花が咲く瞬間って見たことないかも。

そんな匂いに敏感な朔は、時々「匂いがうるさい」と言います。
確かに普通の人なら気にならない様々な匂いがして
その上、匂いの情報がもれなく頭に浮かんでしまったら疲れそうですね。

匂いでどんなこともわかってしまう朔の前では嘘はつけません。
なぜなら簡単にばれてしまうから。朔は嘘は臭うと言います。

そんな朔は、オーダーメイドの香りを作る仕事をしています。
それも特殊な香りの依頼が多く
「亡き夫の香り」や「入院中の息子が生きる力を呼びさます香り」
などの依頼が舞い込みます。

物語は、それぞれの依頼ごとの短編で構成された連作短編集です。
その上、朔や一香以外の登場人物もキャラが濃いので
来年あたりドラマ化されている気がします。

また、この小説には様々な香りが登場するので
常に何かしらの香りが頭に浮ぶのですが、
それだけでなく、様々な香りの知識を学ぶこともできます。

例えば、空腹時は鼻が敏感になるとか
モンシロチョウの羽はレモンの香りとか。

また、香りに加えて、一香が朔に作る手料理もたびたび登場します。
庭でとれたハーブを使って丁寧に作られた数々の料理は
どれも美味しそうでお腹が減りました。
なんだかずっといい匂いがしていた小説でした。

また、全体的に文章が美しく丁寧なのも印象に残りました。
例えば、一香は朔の声ことを「深い紺色の声」と表現します。
声を色で表現するなんて面白いですよね。
私の声は何色になるんだろう?

これからの雨の季節にお家でゆっくり読むのにおすすめの一冊です。
ぜひ雨音をBGMに読んでみてください。

そうそう、今嘘をついている人は、
ばれていないと思っているかもしれませんが、
実は嘘の匂いがプンプン漂っているかも!?

***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

晶文社(しょうぶんしゃ)創業60周年記念フェア


現在、「今も昔も気になる本にサイのマーク」でおなじみの
「晶文社」の創業60周年記念フェアを開催しています。

ロングセラーから最近話題の書籍まで幅広いラインナップで展開中です。

私、田島も先日フェアを見てきましたが、
それぞれの本の紹介文もあわせて展示されていまして、
これがとても良かったです!

例えば子供向けの『自分で考えよう』という本には、
「この世界は、わかりきってることなんか、ひとつもない。
いつだって、あたりまえを疑って、自分の頭で考えることが大切。
哲学の知恵とノウハウを教える最良のレッスンがはじまるよ」
とありました。

この紹介文を読むと、どの本も読んでみたくなりました。
ぜひ本選びの参考にしてみてください。


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号: 076-491-7031
営業時間: 10:00〜18:00

※当面の間、午前10時から午後6時までの短縮営業です。
ご利用の際はご注意ください。

◎HPは コチラ

yukikotajima 10:57 am

『コロナの時代の僕ら』

2020年5月20日

ステイホーム以降、家にいる時間が長くなり、
私も家じゅう掃除をしたり、苦手な料理どころかお菓子まで作ったりと
家にいるからこそできることをしてきました。

最近は、家で過ごすことにも慣れてきて、
これまでほとんど見なかったYouTubeを見るのが日常になってきました。

落語、ライブ、映画など、これまで何本見たかしら。

最近見て良かったのは映像作品の『肌の記録』
なんとこれ、明日21日(木)までの期間限定なので
まだ見ていない方はぜひご覧ください。

◎『肌の記録』の動画は コチラ

柄本時生さん、岡田将生さん、落合モトキさん、賀来賢人さんの4人が
完全リモートで撮影した映像作品で、舞台は100年後の世界です。

人は家にいるのが当たり前で、基本的に外出は禁止。
すべてがリモートで行われています。
登場人物の4人も幼馴染なのですが、一度も直接会ったことはありません。
でも、みんな仲良しで、それぞれが家の中での生活を受け入れています。
なんなら外に出るのは怖いと言います。

でも。。。

私は、こんな生活が当たり前になってはいけないと思いました。

100年後、地球に暮らす人たちが、家の中にこもりっぱなしではなく
普通に外出できるような生活を送るためには、どうしたらいいのか。

そのヒントが、この本にありました。

イタリアの小説家パオロ・ジョルダーノによるエッセイ
『コロナの時代の僕ら(早川書房)』です。

この本は、紀伊國屋書店富山店の奥野晃英さんのオススメ本です。

まずは、奥野さんのコメントです。

***

ヨーロッパで最悪のコロナウイルス感染に襲われたイタリア。
そんな非常事態下でイタリア人作家が綴った魂のエッセイです。

日本は緩やかではありますが、
コロナウイルスの猛威から脱しつつあるように見えます。

だからこそ、この本を最後まで読んで欲しい。
それぞれが感じた「忘れたくないこと」を考えて欲しい。
そう思い、今回紹介させて頂きました。

***

この本は、イタリアはもちろん
日本をはじめ26ヵ国で緊急刊行された、今話題の本です。

タイトルに「コロナ」とあるとおり、コロナについて書かれています。
つまり出来立てほやほやです。
イタリアで感染が広がり、死者が急激に増えていった2月から3月に
イタリア・ローマで書かれました。

著者は冷静にわかりやすく現状を伝えています。

例えば、感染の広がりをビリヤードの球に例えて、
感染した一つの球が他の球にぶつかることで広がっていくと表現しています。

ちなみに、イタリアは先日、5月18日に外出禁止措置が解除され、
これから復興に向かっていくわけですが、著者はあとがきで
「コロナウイルスが過ぎたあとも、僕が忘れたくないこと」について書いています。

例えば、乗るはずだった飛行機のチケットをキャンセルしなかった自己中心的な自分や
今回のパンデミックの原因は自分たちの軽率な行動にあることなど、
様々な「忘れたくないこと」を挙げています。

また、私たちは「はやく元の生活に戻ってほしい」と口にしますが、
著者は「何に元どおりになってほしくないのかを、よく考えておくべきだ」
と繰り返し書いています。

元どおりではなく、元どおりになってほしくないものを考えようと言っているのです。
元に戻ってはいけないこととは何なのでしょうか。

ちなみに、今のままでは必ず新しい感染症の流行が何度も訪れるだろう、
と著者は予測しています。
では、私たちはどうしたらいいのか。
この続きは、ぜひ本のページをめくってみてください。

***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

※紀伊國屋書店富山店は、営業が再開しましたが、
当面の間、午前10時から午後6時までの短縮営業です。
ご利用の際はご注意ください。

<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:  076-491-7031
営業時間: 10:00〜18:00 ※現在、短縮営業中

◎HPは コチラ

yukikotajima 10:25 am

『今日も町の隅で』

2020年5月13日

今日ご紹介する本は、ある町に関わりのある人々について描かれた短編集です。

『今日も町の隅で/小野寺史宜(おのでら・ふみのり)【角川書店】』


小野寺さんにとって初の短編集だそうで、10の作品が収録されています。

それぞれのお話がつながっている連作ではありませんが、
全員が「みつば」という町に関わりがあります。
また、それぞれ何かしら悩みを抱えています。

物語は、まず11歳の小学生が主人公の物語から始まり、
その後、徐々に年齢が上がっていき、最後の主人公は42歳です。
なお、一人の人の成長物語ではなく、それぞれ異なる人たちです。

***

例えば、「カートおじさん」という物語の主人公は、
スーパーでレジの仕事をしている42歳の女性です。

タイトルの「カートおじさん」は、
スーパーの買い物客用のカートが乱れているのを見つけると
店員でもないのにカートを片付けるおじさんのことなのですが、
この方はカートを片付けるだけで、
普通に買い物もしてくれるし、面倒な人ではありません。

ただ、時にはやっかいな人もやってくるもので
ある日、小学生の男の子が商品のボールペンを
万引きしそうなところを目撃してしまいます。

どうすべきか悩んだ彼女は、男の子に
「レジを通してね。お願いね」とだけ言って、その場を去ります。

しかし、彼女はこの対応でよかったのか悩みます。
私は甘かったのではないか、間違ったのではないかと思っていたら
仕事に集中できず、普段はしないようなミスまでしてしまいます。

結局、小学生の男の子は万引きをしたのか。
また、カートおじさんとは何者なのか。

続きはぜひ本のページをめくってみてください。

***

他には、ある男子のせいで学校に行けなくなった女子が
その男子に誘われて一緒に地元の高校の野球の試合を見に行くお話や
高校でバンドを組んだものの、リードギターからサイドギター、
最終的にはベースになってしまった男子高校生、
作家になりたいけれどなれずに節約生活をしている30歳の男性、
妻から突然、元カレを一日だけ家に泊めてもいいか聞かれ、
心とは裏腹に「いいよ」と言ってしまった男性、
久しぶりに同窓会に出席した40歳の男性の物語などが収録されています。

登場人物は皆、普通の人たちです。
それぞれ、自分はどうしたらいいのか人知れず悩みを抱えています。
だからといって地味で暗い物語なのかといったらそんなことは無く、
どのお話も最後の一文がとてもいいのです。
登場人物たちがスッキリ明るい表情をしているのがわかります。

小野寺さんは、普通の人を描くのが素晴らしいのです。
どこにでもいそうな人たちの物語なのに全然退屈ではありません。

みんないい人なんだけど、ちょっと不器用で、
どちらかといえば、主人公ではなく脇役になりそうな人たちです。
でも実際は、脇役のほうが多いんですよね。

本を読み終えた後は、まさにタイトルの「今日も町の隅で」頑張る人たちの
幸せを願わずにはいられませんでした。

優しい気持ちになれた素敵な短編集でした。

キャラが濃かったり、激しい展開だったりする物語も面白いけれど、
こういう静かなタイプの物語も私は好きです。

最近、色々上手くいかなくてちょっとお疲れ気味という方にもオススメです。
ぜひ一作品ずつゆっくりお読みください。

また、この作品を読んでお気に召したら
以前、ラジオでご紹介した小野寺さんの『ライフ』も是非!
こちらもいい作品です。

◎私の『ライフ』の紹介は コチラ


<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

※現在、紀伊國屋書店富山店は、臨時休業中です。
営業再開が決まりましたら、ラジオでもご案内します。


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号: 076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00 (※現在休業中)

HP:  http://www.kinokuniya

yukikotajima 11:39 am

『読みたいことを、書けばいい。』

2020年5月12日

私の仕事は「喋る」仕事ですが、
ブログをはじめ放送で喋る原稿など、書く作業も多いため
書店に行くと、趣味の小説のほか、喋りや書くことに関する本もチェックし、
気になる本を見つけると買っています。

今日は、ちょっと前に買った本が素晴らしかったので、ご紹介します。

『読みたいことを、書けばいい。
人生が変わるシンプルな文章術
/田中泰延(ひろのぶ)【ダイヤモンド社】


本屋さんでこの本を見かけてパラパラっとページをめくってみたら

「ことばを疑うことから始める」

という文章が、まず目に飛び込んできて
あ、これ、私が日頃大切にしていることだ!と思い、
他のページもパラパラと見てみたら共感だらけ。
これは読んでみたいと購入したのでした。

私は自分が書いたものだけでなく
人が書いた原稿を声に出して読むことも多いのですが、
自分の中でしっくりこない言葉に出くわすと必ず調べています。
まあ、そのせいで「田島はこまかい」と言われることもあるのですが。。。

この本は、本を読んでいるというより
著者の田中さんの話を聞いている感覚で楽しく読めました。

最近、SNSをしている方も多いですが、
毎日投稿をしている方は、ぜひこの本を読んでみてください。
きっと読んだ後は書き方が変わると思いますよー。

でも、この本は、文章のテクニック本ではありません。

タイトル通り「自分が読みたいことを、書けばいい」ということが、
具体的に綴られています。

文章を書く上で大切なことの他、ダメな文章例も載っています。
これがいい塩梅で毒づいていて笑ってしまいました。

また、全体を通して「そう、そう、そうなのよー」と共感の連続でもありました。

例えば、「わたしが愛した部分を、全力で伝える」という一文。

これは、どんなに興味が無い対象でも良いところはある!
それを全力で伝えよう、というものです。
まさに、良いところを見つけて伝えるのが私の仕事なので、
「わかるわー」と本に向かって口に出してしまいました。
他にも共感ポイント満載でした。

最近、こんな状況で3月以降、仕事はキャンセル続きで
ため息をついてしまうこともあったけれど、、、
今、このタイミングでこの本に出合えて良かったです。
この本を読んで、あらためて頑張ろうと思えました。
それこそ初心を思い出しました。

そういう意味では就職活動中の学生さんたちにもオススメです。
就活のマニュアル本も色々とありますが、
私はこの本を読んだほうがきっと役に立つと思うな。
田中さん流の「履歴書の書き方」も載っていますし。
私が就活中に読みたかったわー。

yukikotajima 7:28 pm

『小さいノート活用術』

2020年5月6日

ステイホームでどんな毎日を過ごしてますか?

突然ですが、質問です。
3日前は何をしてましたか?

家にいたことは確かだけど、何してたっけ?と、すぐに思い出せなかったり、
思い出せても、いや特に何もしていなかったな、という方もいるのでは?

そんなあなたは、小さいノートを活用してみてはいかがでしょう?

あなたのお家に小さいノートはありませんか?

そのノートを使うことで、
ぼんやり過ごしてきた日々にメリハリがうまれて
毎日が充実するかもしれませんよー。

今日は、紀伊國屋書店富山店の奥野晃英さんのオススメ本です。

『時間をもっと大切にするための
小さいノート活用術/高橋拓也【玄光社】』

まずは、奥野さんの推薦コメントです。

***

本書は、「ノートは小さい方がいい」が持論の
文房具紹介サイト編集長、高橋拓也氏が送る
世界で1番気楽なノート術です。

好きなこと、やりたいことへの閃きを
ノートに思いのままに書くことで忘れずにいられます。

今は出来なくても、見返せば、実行に移せる日が来るかもしれません。
未来に繋がる自分だけのノートを作ってみませんか?

***

私も『小さいノート活用術』を読んでみました。

読む前は、すでに紙の手帳にあれこれ書いているし、
あえて小さいノートなんていらないんじゃない?と思っていたのですが、
そんな私でもこの本を読み終えるやいなやノートに文字を書きはじめました。(笑)

私のノートは、以前、紀伊國屋書店富山店で購入した八村塁選手のノートです。

買ったまま全く使っておらず、サイズもちょうど良かったので使うことにしました。

***

『小さいノート活用術』を書かれたのは、
文房具の魅力を紹介するウェブマガジン「毎日。文房具。」編集長の高橋拓也さんです。

高橋さんは、スマホよりはるかに軽い小さいノートを毎日持ち歩いて、
思いついたことを書き留めているのだとか。

ポイントは、「ノートが小さいこと」だけで、
使い方のルールは無いそうです。

でも、自由に書いていいと言われても何を書けばいいのかわからい、
という方もいると思います。

そんな方は「タスク&メモ」から始めるのがいいそうですよ。

まず、日にちを書いて、その日にしなければいけないことを書き、
できたら線を引いて消していく。

たしかにこれならできそうですよね。

他にも、この本には、
買うものリスト、やりたいことリスト、
ひとり会議、三行日記、怒りメモなど
様々なノートの使い方が紹介されています。

中には「こんな飲み会は嫌だ」という、
嫌な理由を書いただけの「嫌だリスト」まであります。

このノートは誰にも見せませんので、
自分の正直な思いを書くことができるのです。

私はというと、今のところ「嫌だリスト」「怒りメモ」は書いていませんが(笑)、
まず、コロナが終息したら行きたいところ、したいことを挙げてみました。

また、「ふと思いついたこと」も書き留めています。

「あれ、ほら、なんだっけ?」が最近、増えてきたような気がするので…
今後はノートに補ってもらおうかと思いまして。(笑)

いや、でも、スマホがあれば十分なんだけど…という方もいると思いますが、
高橋さんは、小さいノートとデジタルツールとの組み合わせの提案もしています。
例えば、電車に乗るとき、ルート検索はスマホでして、
移動時間に本を読みたいなとか、乗り換えの間にお弁当を買おう、
といったことはノートに書こう!
そうすることで、ただの移動時間が楽しくなるよ、と。

この本は、とにかく具体的なのでわかりやすいのです。
また、内容も面白い!
人のノートを見ることは滅多にないので、そういう意味でも楽しかったです。
まるで人の頭の中をのぞているようで。

あなたも小さいノートを持ち歩いてみてはいかがでしょう?
使い方は『小さいノート活用術』をお読みくださいね。

また、この本には、おすすめの小さいノートや
使うのが楽しくなる文房具も紹介されているので
読むだけでワクワクできますし、ノート選びの参考にもなると思います。


<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

※現在、紀伊國屋書店富山店は、臨時休業中です。
営業再開が決まりましたら、ラジオでもご案内します。


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号: 076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00 (※現在休業中)

HP:  http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 9:56 am

『ライオンのおやつ』

2020年4月29日

ステイホームの今、お家で読書をされている方もいらっしゃると思いますが、
今日ご紹介する本は、まさに家で読むのにぴったりな一冊です。

なぜなら涙が止まらないから。

私は家で一人なのをいいことに、子どものようにわんわん泣きました。
終始涙が止まらず、ごみ箱はティッシュの山になるし、目は腫れぼったいしで、
決して人には見せられない状態でした。

でも、読後感は決して重たくはありませんでした。
それどころか心の中にたまっていた膿が涙とともに流されたかのような
すっきり穏やかな気持ちでした。

今日ご紹介する本は、こちら。

『ライオンのおやつ/小川糸(ポプラ社)』


先週のユキコレは、今年の本屋大賞受賞作の
『流浪の月/凪良ゆう〈東京創元社〉』をご紹介しました。

◎私の感想は コチラ

◎本屋大賞の公式サイトは コチラ

今日ご紹介する『ライオンのおやつ』は、今年の本屋大賞2位の作品です。

『流浪の月』も良かったけれど、
どちらかというと『ライオンのおやつ』のほうが
これまでの本屋大賞っぽいなという印象です。

***

『ライオンのおやつ』というタイトルだけを見ると、
動物のライオンが食べるおやつの話?動物園の話?
と思ってしまいそうですが、
表紙のイラストはブルーの海でライオンはどこにもいません。
本の帯にさりげなく動物が描かれていますが、それ犬です。

いったいどんなお話なのか、簡単にご紹介しましょう。

主人公はアラサーの女性、雫です。
彼女はある病と闘っていたのですが、医師から余命を告げられ、
人生の最後の日々を過ごす場所として、瀬戸内の島にあるホスピスを選びます。
そのホスピスの名前が「ライオンの家」なのです。

なぜ「ライオンの家」なのかは、本に理由が書かれていますので、
ぜひ読んでいただきたいのですが、
このホスピスでは、毎週日曜日、入居者が生きている間にもう一度食べたい
思い出のおやつをリクエストできる「おやつの時間」があるのです。

だから「ライオンのおやつ」というタイトルなんですね。

入居者それぞれが、そのおやつをリクエストした理由を思い出ととも綴り、
それをスタッフが朗読してからおやつを食べるのですが、
このおやつの時間が涙無しには読めませんでした。

人生を振り返ってみると、みんな感謝もあれば後悔もあります。
それぞれの思いが心に響きました。

あなたはどうですか?
人生の最後に食べたい「おやつ」は何ですか?

今、お家で手作りのおやつを作って食べている方もいると思いますが、
それこそそのおやつがずっと先の未来に
人生の最後に食べたい思い出の味になっているかもしれませんね。

***

さて、小さな島のホスピスで雫はどのように生活を送っていたのかというと、
自由に外出することもできたので、
元気な時は自然豊かな島をホスピスに住む犬とともにお散歩することもありました。

このワンちゃんのおかげで雫の毎日は幸せな日々でした。
また、提供される食事がどれも美味しくて、それは「魂に直接響くような味」なのだとか。
特に朝のお粥が美味しくて、入居者の中には
このお粥が楽しみで長生きした方もいたそうです。

ホスピスを主宰する看護師の女性は、痛みには体と心の二つの痛みがあり
その両方を取り除かなければ幸せな最期は訪れないと言い、
心のケアも大事にしており、美味しくて体にいい食事を提供するのはもちろん、
入居者一人一人にあったセラピーも取り入れていました。

この代表の女性がとても素敵な人なのです。
包容力があって、優しくて、でも強さもある、心から尊敬できる人です。
こんな人に私もなりたい、と思いました。

***

また、この作品は雫のホスピスでの日々が描かれており、
「泣ける」感動作であることは間違いないのですが、
何がいいって、表現が素晴らしいのです。
独特な感性ゆえのハッとさせられる表現が多く、
そういう意味での心地よさに心が満たされました。

例えば、雫がホスピスに来たばかりのころ、
慣れない景色を見ながら「まだ心のピントが合わない」と表現したり、
島で深呼吸をしたときには
「肺の内側が、きれいな空気でゴシゴシと洗われるよう」と思ったりします。

他にも豊かな表現が多くて、声に出して読みたくなりました。

***

ちなみに、著者の小川糸さんは、
病気で亡くなったお母様が生前「死ぬのが怖い」と怯えていたことから、
読んだ人が、少しでも死ぬのが怖くなくなるような物語を書きたい、
と思って執筆されたのだとか。

物語が全体的に優しい雰囲気なのは、
小川さんがお母様のことを思ってお書きになったからなのかもな。

本当にいい一冊でした。

今、こんな状況で不満ばかりを口にしてしまいがちですが、
雫は余命を告げられてからこんなことを思っています。

幸せは自分が幸せであると気づくこともなく、
ちょっとした不平不満をもらしながらも、
平凡な毎日を送れることなのかもしれない。

この本を読んだ後はきっと世界の見え方が変わります。
私は毎日をもっと大切に過ごしていこうと思えました。


<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

※現在、紀伊國屋書店富山店は、臨時休業中です。
営業再開が決まりましたら、ラジオでもご案内します。


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号: 076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:26 am

『流浪の月』

2020年4月22日

本を選ぶ基準は様々ありますが、
こちらを参考になさっている方も多いのでは?

本屋大賞

「本屋大賞」は、書店員の投票で決定するもので、
過去一年の間、書店員自身が自分で読んで
「面白かった」「お客様にも薦めたい」「自分の店で売りたい」
と思った本を選び投票しています。

つまり、本屋大賞の受賞作は、全国の書店員が今一番売りたい本ということです。

大賞受賞作は毎年話題になり、映像化もされています。
ちなみに、去年は瀬尾まいこさんの『そして、バトンは渡された』
2018年は辻村深月さんの『かがみの孤城』、
2017年は映画化もされた恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』でした。

そして、4月7日に発表された今年の大賞受賞作は、

『流浪の月/凪良ゆう〈東京創元社〉』

でした。

私も早速読んでみたのですが、すぐに作品の世界に没頭。夢中で読み進めました。
また、読み終えた後も登場人物たちのことを考えてしまいました。
もはや登場人物たちが他人では無い感じなのです。

これはこれまでの受賞作にも当てはまります。
いい作品は、ずっと心に居座り続けるのですよね。

***

物語は、自由でキラキラした幸せいっぱいの家族の姿から始まります。
小学生の少女は、家族3人で幸せな生活を送っていました。
ところが、父が病気で亡くなったことから物語は一転。
少女は親戚の家に引き取られるのですが、
そこでの生活は心身ともに辛いものでした。
そんなある日、公園で大学生の青年に声をかけられ、
少女はついていきます。

ここまで紹介すると、ほとんどの人は、
このあと少女がさらに不幸になることを予想すると思います。
でも。
実際は、少女は青年との暮らしに安らぎを感じていました。

しかし、そんな生活も長くは続きません。
あっという間に世間にばれ、
二人は事件の被害者、加害者として引き離されてしまいます。

それから15年経ち、二人は再会。
どんどん接近していきます。
そして、少女はこう思います。

「あなたとともにいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。
それでも、わたしはあなたのそばにいたい」と。

事件の被害者になった彼女は、世間から心配され、優しくされます。
その一方で、青年はずっと悪い人の印象のままです。

彼女がどんなに「彼は悪くない」と伝えても誰もわかってくれません。
彼女は、自分の言葉は人には伝わらず、
勝手に別の意味に解釈されてしまうと落胆します。

でも、私ですら本のページをめくりながら、
ずっと青年を疑いの目で見ていました。

少女の目から見るといい人そうに見えるけど、本当はどうなのよ?と。

果たして青年の本心とは?
また、再会した二人はその後どうなるのか?

気になる方は、ぜひ本のページをめくってみてください♪

頭からずっとコロナが消えない日々ですが、
この本を読んでいる時は忘れることができました。
何かに夢中になる時間って大事ですね。

また、この本を読んで、
私たちは人の話を自分が思っているより聞けていないのかもしれない、
とも思いました。
あなたも人の話を遮ったり、都合よく解釈したり、決めつけたりしていませんか?
特にお子さんの話を聞くとき、そういう傾向になりやすいかなと。
あなたはちゃんと人の話を聞けているでしょうか。

今日は、先日発表された本屋大賞受賞作
凪良ゆうさんの『流浪の月』をご紹介しました。

本屋大賞の公式サイトには、
大賞のほか、10位までの作品が掲載されています。
私は10作品中6作品を読んでいますが、
どれもそれぞれ面白かったですよー。
大賞受賞作と合わせてお読みください。

◎本屋大賞の公式サイトは コチラ

なお、来週のユキコレは、今年の本屋大賞2位の
小川糸さんの『ライオンのおやつ(ポプラ社)』
をご紹介します。
すでにお読みの方はぜひ感想をお寄せください。

***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

※現在、紀伊國屋書店富山店は、臨時休業中です。
営業再開が決まりましたら、ラジオでもご案内します。


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号: 076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:18 am

『心の傷を癒すということ』

2020年4月15日

昨日4月14日は、熊本地震から4年でした。
また今年は、阪神・淡路大震災の発生から25年の年でもあります。

その阪神・淡路大震災で自らも被災しながら
被災者の心のケアを行った精神科医がいたのを知っていますか?

今年1月には、柄本佑さんが、その精神科医を演じたドラマ
「心の傷を癒すということ」がNHKで放送されました。

このドラマをご覧になった方もいらっしゃるのでは?

今日ご紹介する本は、紀伊国屋書店富山店 人文科学書担当の
野中浩大(のなか・こうだい)さん
のオススメ本です。

新増補版『心の傷を癒すということ 〜大災害と心のケア〜
/安克昌(あん・かつまさ)〈作品社〉』


野中さんのオススメコメントです。

***

同名のテレビドラマの原作となった本書は、
夭折した著者の安克昌氏が阪神淡路大震災に際し、
PTSDに苦しむ人々の心のケアに当たった経験を元として、
心的外傷に満ちた現代社会にあって心の傷を癒すということは、
今を生きる私たち全体のあり方の問題であると説くベストセラーです。

人々の心によりそう大切さを見つめ直すために
ぜひ読んでいただきたく、おすすめします。

***

ドラマ「心の傷を癒すということ」は、この本が原案です。
私はドラマを見てから本を読んだので、より心に響くものがありました。

この本は、精神科医の安克昌(あん・かつまさ)先生が
被災者の心のケアを行う中で見たり感じたりしたことを記録したもので、
第18回サントリー学芸賞を受賞しました。

このほど発売されたのは、1996年に発売された本の新増補版です。
受賞作の他、災害精神医学に関するエッセイや
安先生と繋がりのあった方々の文章などが収録されています。
なんと500ページ近くもあり、かなり読みごたえがあります。

もしかしたら、今このブログをお読みの方の中には、
今は災害よりも新型コロナウイルスのことで頭がいっぱい…
という方も少なくないかもしれません。

でも、私は今こそ、この本を大勢の方に読んで頂きたいと思います。

今は、感染するかもしれないという不安の他にも
マスクや消毒液が手に入らない、
仕事が無くなった、
先が全く見えなくて不安
など、地球上の全員がそれぞれ不安を感じていますよね。

最近は、その不安が怒りに変化し、
ちょっとしたことでイライラしている人が増えたように思います。

昨日もあるお店で「マスクはいつになったら買えるの?(怒)」と
店員にしつこく聞いている方がいました。

また、医療関係者に対して酷いことを言う人もいると聞きます。

でも、忘れちゃいけないのは、
店員さんも医療関係者も皆、コロナにかかるかもしれないのです。
地球上の全員が同じ状況なのです。

以前ラジオで紹介した
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の本の中で、
著者の中学生の息子君が
「人間は人をいじめるのが好きなのではなくて、罰するのが好きなんだ」
と言っていましたが、コロナに関する嫌なニュースを見聞きするたびに
この言葉を思い出します。

安さんによると、阪神大震災の時にも同じようなことがあったそうです。

懸命に仕事をする消防隊員に対して被災者から
「消防はなにやってるんや」と罵声があびせられたそうなのです。

災害の規模が大きすぎて全てに対応できない中で
やれることを必死にやっているのに理解されない…
そのことに無力感を感じたり、傷ついたりしていたのだそうです。

また、医療関係者も同じように傷ついていました。

そんな中、安先生は、医療関係者のための心のケアも取り組み始めました。

みんなそれぞれの仕事に誇りを持って取り組んでいても私たちと同じ人間です。
酷いことを言われれば傷つくのです。

震災時だけではなく、今も同じです。
ただでさえ、コロナで不安な気持ちになっているのに、
最近は、別の意味での嫌悪感が加わっています。

今、心がお疲れ気味…という方もいるかもしれませんが、
安先生によると、こういう時は「人との結びつき」が大事なのだとか。
直接人に会うことはできなくても、今の時代、様々な方法で繋がれますよね。
あなたも心許せる人と、交流してみてはいかがでしょう?

この本では、人が心の傷を負うとどういった症状が出るのかや
どのように治っていくのかが、わかりやすい文章で書かれれています。

安先生の文章は、誰に対しても優しく寄り添っており、
私は読みながら何度も涙しました。
読むことで私自身の心も癒されていくのがわかりました。

ドラマをご覧の方はご存じのことと思いますが、
安先生は、2000年12月にがんのため、39歳の若さで亡くなりました。

でも、本を開けば、いつでも安先生に会えます。
こんな時だからこそ、被災地の心のケアのパイオニアである安先生の言葉に
耳を傾けて優しい気持ちで過ごしてみませんか?

***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

===============
「本屋大賞2020」特設コーナー
===============

今年の本屋大賞受賞作、凪良優さんの「流浪の月」をはじめ、
ノミネート作品や翻訳部門の受賞作品を集めた
「本屋大賞2020」特設コーナーを
中央Aカウンター前の文学コーナー特設台で展開中です。
期間は5月末までです。
読み応えのある作品が勢ぞろいしています。
この機会にぜひお読みください。

※来週の「ユキコレ」では、大賞受賞作をご紹介します!

============
クロワッサンムックフェア
============

生活誌として不動の安定感を誇る「クロワッサン」。
そのエッセンスをギュッとつめ込んだ
クロワッサンのムックシリーズを集めたフェアが
中央イベントスペースで4月下旬から行われます。

次の日からご家庭で使える情報いっぱいのフェアです。
どうぞお楽しみください。

※4月18日(土)から予定されていた
「伝統工芸・手摺木版画 浮世絵」フェアは、延期となりました。

<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:   076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:43 am

『発注いただきました!』

2020年4月8日

先週のgraceでは、『なぜ僕らは働くのか』という
これから社会に出る10代の方向けの本をご紹介しました。

今日ご紹介する本も「お仕事」に関する本です。

『発注いただきました!/朝井リョウ〈集英社〉』


本の帯には「これが本当のお仕事小説だ!」とあり、
お、どんな職業の小説かしら?と思ったのですが、
朝井さんが企業からの依頼で書いたタイアップ作品をまとめたものでした。

なるほど。たしかにそれも「お仕事小説」だわ。

ちなみに、朝井リョウさんは、映画化もされた話題作
『桐島、部活やめるってよ』のデビューからちょうど10年ということで、
この本がある意味10年の集大成なんだそうです。

この本は、ただこれまでの短編を順番に載せているのではなく、
まず、発注内容(テーマや枚数など)を明らかにした上で、
実際に朝井さんが書いた作品を掲載。
最後に、発注にどう応えたのか、朝井さん自身の解説が紹介されています。
時々反省や落ち込みもありますが、ほとんどは自画自賛していて、
その本音が面白いのです。

また、企業の依頼内容を知った上で作品を読むことで
まるで読者である私自身が、企業の担当者であるような気持ちにもなり
「依頼に対して、こうきたか!」という驚きを感じることもできます。

各企業の依頼はどれも個性的です。

例えば、JTからの依頼は、
たばこが作中に登場する、「人生の相棒」をテーマにした小説です。

朝井さんが書いた小説のタイトルは「胸元の魔法」。

新婚旅行中に、ふと妻と結婚してよかったのか?と思った夫の物語です。
もしかしたら妻は自分よりも自分の友人のことが今でも好きなのでは?
と悩む夫が大学時代に彼女と出会った頃のことを思い出し…
というお話なのですが、短いながらも心に残る素敵なストーリーでした。

また、アーティストのaikoさんの楽曲を題材とした短編小説もあります。
なんとaikoさんご自身から
「ちょっとエロくて変態要素のある、湿度を感じる作品」
というリクエストがあったのだとか。
さて、朝井さんはこの発注にどう応えたのでしょうか?

他には、
・「ウイスキーっておもしろい」を伝えられる小説
・『こちら葛飾区亀有公園前派出所』と『チア男子!!』のコラボ小説
・『アイアムアヒーロー』の世界の中で書くオリジナル小説
などもあります。

とにかく様々なタイプの作品を書いていらっしゃるのですが、
これまでの朝井さんとは違った作風を楽しめるのも魅力です。
また、短編集ですので、空き時間に少しずつ読めます!

今日は、人気作家、朝井リョウさんのお仕事小説
『発注いただきました!』をご紹介しました。

***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

================
「紙製3Dパズルユーギー」フェア
================

カラフルな厚紙を重ねて可愛い動物たちを作る
ユーギーシリーズのフェアを開催中です。

ペンギン、キリン、シマリス、カクレクマノミなど
カラフルでかわいい動物が勢ぞろい♪
小さなお子さまでも作れます。

作った後は、お部屋に飾って楽しめます。

店内中央イベントスペースで4月30日(木)までの開催です。


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:   076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:29 am

『なぜ僕らは働くのか』

2020年4月1日

今日から新年度がスタートしました。

新人さんが入ってきた職場もあると思いますが、
フレッシュな新人さんを見ながら
自分が新人だった頃のことを思い出して
あらためて仕事を頑張ろう!と思った方もいるのでは?

今日のキノコレでご紹介する本は、
今の時期にぴったりの一冊です。

『なぜ僕らは働くのか
‐君が幸せになるために考えてほしい大切なこと‐
/監修:池上彰(Gakken)』


こちらは、紀伊國屋書店富山店の奥野晃英さんのオススメ本です。

奥野さんの推薦コメントです。

***

今年4月から『働き方改革』が本格的に実施され、
AIを始めとする科学技術も加速度的な発達を遂げる中、
私たちの「働き方」もターニングポイントに差し掛かっています。

そんな中で、いずれ社会に羽ばたく若者にも
そんな彼らを教え導く大人の方々にも
知って欲しい知識が詰まった一冊です。

***

監修を担当された池上彰さんは、将来の働き方について
中学生や高校生に考えてもらおうと思ってお作りになったのだとか。
でも、大人にも読んで頂きたいそうです。

この本を読むことで
「きっと初心に返って仕事への意欲が湧いてくることでしょう」
とおっしゃっています。

たしかに私も読んだ後に前向きな気持ちになれました。

この本は、半分はマンガです。
マンガは、自分に自信が持てず、将来何になりたいかもわからない
中学2年生のハヤト君が、ある本と出合って成長していく様が描かれます。

そして、彼が出合った本が漫画の間に挟まれており、
読者もハヤト君と一緒に「働く」ことや「生きる」ことについて学ぶことができます。

例えば、将来どんな仕事をしたいかわからない場合は、
まずは「好きなこと」を見つけ、
さらに「好きの周りにある仕事」を調べることを提案しています。

サッカーが好きだからと言って
全員がサッカー選手になれるわけではありません。
でも、サッカーに関わる仕事なら
スポーツトレーナー、スポーツ記者、シューズメーカーなど
様々な仕事があります。

一方、好きなことが特にない方も
「やりたい仕事の見つけ方」についても書かれていますので、
今、中高生で将来どんな仕事をしたいのかわからない…
という方は、まずはこの本を読んでみてはいかがでしょう。
また、今の仕事に不安を感じている大人の皆さんもぜひ。

きっと前向きな気持ちになるはずです。

この時期に読むのにぴったりですし、
そばに置いておいて、いつでも読み返したいとも思いました。
ちなみに、かなり充実の内容なのに、1,500円(プラス税)なんですよ!
これは、お得すぎます。

一家に一冊いかがでしょう?

***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

================
「紙製3Dパズルユーギー」フェア
================

来週の月曜から、カラフルな厚紙を重ねて可愛い動物たちを作る
ユーギーシリーズの販売を行います。小さなお子さまでも作れます。

ペンギン、キリン、シマリス、カクレクマノミなど
カラフルでかわいい動物が作れます。
作った後、お部屋に飾るのもきっと楽しいと思います!

店内中央イベントスペースで
4月6日(月)から30日(木)までの開催です。


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:   076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:30 am

『ゆるゆる漢方生活』

2020年3月28日

今日のネッツカフェドライヴィン』のテーマは、「この春から」です。

私、田島がこの春から始めているのが「漢方生活」です。

と言っても漢方薬を飲むということではありません。

では、漢方生活とはいったいどういうものなのか。
その答えは、この本に書かれています。

『櫻井大典先生のゆるゆる漢方生活 - こころとからだに効く! -
/櫻井大典(ワニブックス)』


櫻井さんのことは、Twitterで知りました。
フォロワー数は14万人を超える大人気のゆるゆる漢方家です。
Twitterでは、元気に暮らすためのコツをつぶやいています。

例えば、花粉症の方に対してのツイートですと、
鼻水が水っぽい人は冷えないように温めて
逆に目がかゆい人は熱がこもっているから、辛いものや脂っこいものは避けて
とアドバイスされています。

そんな櫻井さんのエッセイです。

このエッセイには、心身ともに健康に暮らすためのヒントが詰まっています。
それも取り入れやすいものばかりなのです。

なんといってもタイトルが「ゆるゆる漢方生活」ですからね。(笑)

私が早速やろう!と思ったのは「香りで気をそらす」です。

いい香りをかぐと、意識的に気をそらすことができる。
つまり、嫌なことがあってもいい香りをかぐことで気がそれて気が巡り
リラックスすることができるのだとか。

おすすめの香りはかんきつ類だそうですが、
自分の好きな香りでいいそうですよ。

私はもともとかんきつ類の香りが好きなので
ハンドクリームの香りをかんきつ類にして
ちょっとでもイライラしたら香りをかいでいます。
これが効くのです。香りの効果ってすごいなあと実感!

また、どんな食事をとればいいのかや
日々の生活で変えたほうがいいこと、例えば「10分でも早く寝る」など
誰でも簡単に始められることが紹介されています。

そのほか、季節ごとや症状別の不調の整え方も収録されています。
今の時期なら「春はのびのび過ごすことが大切」なんだとか。

今年はなかなか「のびのび」過ごせないかもしれませんが、
自分の体や日々の生活に少しでも不安を感じている方は
『櫻井大典先生のゆるゆる漢方生活 - こころとからだに効く! -』
を読んでみてはいかがでしょう?

yukikotajima 9:32 am

『山内マリコの美術館は一人で行く派展』

2020年3月25日

今日ご紹介する本は、FMとやまでは『オッケイトーク』でおなじみの
富山出身の作家、山内マリコさんのアートエッセイです。

『山内マリコの美術館は一人で行く派展
ART COLUMN EXHIBITION 2013−2019』

山内さんご本人からコメントを頂きました!

***

グレース・リスナーのみなさん、こんにちは、山内マリコです。

この本は、アートを鑑賞するときに、感じたり考えたりしたことを、
遠慮なく好き勝手に書いた、大変バカ正直なエッセイとなっています。

普段美術館に行かない人や、アートをとっつきにくいと思っている人も、
きっと美術館に行ってみたくなるはず!

本のカバーは美術館のチラシっぽく、
カバーを取った状態は、美術館の図録っぽいデザインになっています。
画像やイラスト、わたしが作った素人アートなど、図版もたくさん!
本自体を展覧会に見立てた凝った作りなので、これはぜひ本屋さんで、
手にとって見てもらいたい……。けっこう自信作です!

***

こちらが本のカバー。

カバーを取った状態です。

山内さんと言えば、小説家でありながら
様々な雑誌でエッセイも書いていらっしゃいます。

このエッセイは、雑誌『TV Bros.』で連載されていたものまとめたもので、
もともと美術館めぐりが趣味だった山内さんが
自腹で美術館の企画展に行って感じたことを忖度なく書いています。

それも企画展を見た直後の、誰の意見も介さない、感じたてホヤホヤの思いを。

でも、決してテキトーなことを書いているわけではなく、
芸術家の人となりや時代背景もちゃんと説明してくれています。

だから、アートの知識はそれほど無いものの
美術館に行くのが好きな私にとっては、
大変わかりやすいアート入門書として楽しむことができました。

でも、その表現は話し言葉に近く
例えば、先週ご紹介した写真家の「ソール・ライター」のことは、
「コロッとした体型の、わりと親しみやすいタイプのおじいちゃん」と表現しています。(笑)

山内さんは、芸術家たちを尊敬しつつも一人の人間として見ているのですね。
そのため、芸術家もその作品もとても身近なものに思えてきます。

私は、紹介された中では
「長谷川町子美術館」に行ってみたいと思いました。

サザエさん関連の美術館かと思いきや、
実は、長谷川町子さんが個人的に蒐集した美術品を展示する美術館なんですって!
それも巨匠の名画がたくさんあるのだとか。
それを知り、逆に見に行ってみたくなりました。

そのほか富山の企画展も紹介されています。
(ラジオのことも少し紹介されています!)

良かった企画展や好みの作品は徹底的に褒めて
そうで無い時は「わからなかった」「物足りなかった」と言う。
その潔さも最高です。

また、彼女の亡き愛猫チチモをモチーフに制作した
彼女のオリジナルアートも掲載されており、そこにも彼女らしさを感じました。

今回のエッセイは、今までで一番のびのびと文章を書き、
彼女の好みや性格もよく出ているなあと思いました。

そう、このエッセイは、アートの入門書であると同時に
山内マリコという人間を知ることのできるエッセイでもあるのです。

ですからアートに興味がある方はもちろん、
アートはわからないけど山内マリコのファン!という方もぜひお読みください。

楽しみながら、でもアート知識も身につく読み応え満載の一冊です。

***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

=========
えほんやさんフェア
=========

馴染深いえほんのキャラクターたちが可愛いグッズになりました。

はらぺこあおむし、ノンタン、11ぴきのねこなど
数多くのキャラクターたちが勢ぞろいしています。

ぜひ愛らしいキャラクターたちの姿をご覧ください。

期間は3月末までです。


===============
ドン・ヒラノブックカバーフェア
===============

紀伊國屋書店富山店ではすっかりお馴染みの
ドン・ヒラノブックカバーのフェアを開催中です。

可愛いものから落ち着いたものまで様々なブックカバーがありますので、
きっとあなたのお気に入りのブックカバーが見つかるはず♪

なお、今回のフェアでは、商品売上金の一部が
東日本大震災によって被災した地域への学習支援金として寄付されます。

期間は4月30日までです。


<紀伊国屋書店富山店>

住所:  富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号: 076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00

HP: http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:31 am

ソール・ライター

2020年3月18日

先日、家にいながらアートを堪能しました。
私は美術館に行って作品を鑑賞することが好きですが、
家で図録を好きだなけ眺める時間もいいものですね。

今日ご紹介する本は、紀伊國屋書店富山店の芸術書担当、
冨樫尚美(とがし・なおみ)さんのオススメ本です。

『ソール・ライターのすべて』
『永遠のソール・ライター』

いずれも写真集です。

まずは、冨樫さんの推薦コメントです。

***

ニューヨークが生んだ伝説の写真家ソール・ライターは
2017年日本で初めて回顧展が開催され反響を呼びました。

そして、2020年『永遠のソール・ライター展』の開催と同時に
新たに写真集が出版されました。

映画のワンシーンのようなその表現は誰しもが魅了されるはずです。
彼が愛した空気と時間を写真集で共有してみてはいかがでしょうか

***

ソール・ライターは、
『ハーパーズ・バザー』『ヴォーグ』など
多くのファッション誌で活躍した写真家で、
カラー写真のパイオニアとも言われています。
1923年に生まれ、2013年に亡くなっています。

冨樫さんもおっしゃっている通り、
日本では、2017年に初めて回顧展が開催され話題となりました。

そして、「永遠のソール・ライター」展が今月上旬まで開催予定でしたが、
残念ながらコロナの影響で途中で中止となりました。

今日ご紹介するのは、回顧展の公式図録でもある写真集です。

ライターの写真は、きっと富山の皆さんの心に響くと思います。
というのも、雨や雪の写真が多いのです。
雨や雪というと、どんよりとしている印象をいだきがちですが、
ライターの写真は違います。

例えば、2017年の写真集『ソール・ライターのすべて』の表紙の写真は、
雪景色の中の傘の赤が目を引くお洒落な一枚です。
しかも上から見下ろすように撮っているのが印象的です。

一方、最新の写真集『永遠のソール・ライター』の表紙の雨の写真は、
一見、印象派の絵画のようにも見えますが、
よく見ると雨に濡れた窓越しの写真であることがわかります。

雨に濡れて視界がはっきりしていないのだけれど、
窓の外には人がいて奥には黄色いタクシーが見えます。
また、窓の雨粒がとてもリアルな質感で、触ったら濡れそうなほどです。

実際、ライターは

「雨粒に包まれる窓のほうが、よっぽど有名人の写真よりも面白い」

と言っています。

ライターの写真は、車や建物のガラス越しや高い位置から撮っているため、
一体これは何だ?と思うようなものもあり、
写真を眺める時間が必然的に長くなります。
でも、何を撮った写真なのか気付いた時の喜びがもれなく味わえます。

写真集には、写真のほかライターの言葉も添えられています。

例えば、ライターの写真は自宅周辺で撮ったものが多いのですが、

「神秘的なことは馴染み深い場所で起こる。
なにも、世界の裏側まで行く必要はないのだ」

「重要なのは、どこで見たとか、何を見たかということではなく、
どのように見たかということだ」

とおっしゃっています。

ライターがどのように自宅周辺を見たのか、
気になる方は写真集をご覧ください。

なお、最新作の『永遠のソウル・ライター』には、
様々なポートレートや世界初公開となる作品も収録されており、
こちらも楽しく見ることができます。

そして、東京では途中で中止となったライターの回顧展ですが、
今のところ4月から京都の美術館「えき」KYOTOで開催される予定です。

***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

=========
えほんやさんフェア
=========

馴染深いえほんのキャラクターたちが可愛いグッズになりました。

はらぺこあおむしノンタン11ぴきのねこなど
数多くのキャラクターたちが勢ぞろいしています。

ぜひ愛らしいキャラクターたちの姿をご覧ください。

期間は3月末までです。


===============
ドン・ヒラノブックカバーフェア
===============

紀伊國屋書店富山店でお馴染みの
ドン・ヒラノブックカバーのフェアを開催中です。

可愛いものから落ち着いたものまで様々なブックカバーがありますので、
きっとあなたのお気に入りのブックカバーが見つかるはず♪

なお、今回のフェアでは、商品売上金の一部が
東日本大震災によって被災した地域への学習支援金として寄付されます。

期間は4月30日までです。


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:   076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:41 am

甘夏とオリオン

2020年3月11日

新型コロナウイルスの影響で
家で過ごすことが増えた方も多いと思いますが、
家でできることのひとつに読書があります。

普段あまり本を読まない方や
読みたいけれど読む時間が無いという方は
ぽっかり空いてしまった時間を
読書にあててみてはいかがでしょう?

今日は、大人の皆さんはもちろん
この春、新社会人になる方や
心に秘めた悩みがあり生きづらさを感じている方、
また、落語が大好きな方におすすめの本をご紹介します。

『甘夏とオリオン/増山実【角川書店】』

増山さんと言いますと、以前、『波の上のキネマ』をご紹介しました。
この本が大変面白くて、私は2018年のベスト本に選んだほどです。

◎『波の上のキネマ』の田島の感想は コチラ

新作『甘夏とオリオン』も大変楽しみにしておりました。
タイトルを見て、今回は恋愛小説かしら?と想像したのですが、全然違いました。

タイトルの「甘夏」は主人公の名前です。
大阪の下町に住む駆け出しの若い女性の落語家です。

彼女は、父の影響で自分の感情を表に出せなくなっていたのですが、
ある日、ひょんなことから寄席で落語を見て
落語家たちが語る噺の中の「突き抜けたアホたち」に夢中になります。

「噺家になったら心置きなくアホを演じられる」と思った彼女は、
大学を中退し、親の反対を押し切り、落語の世界に飛び込みます。

しかし、たった一度落語を見ただけで落語家になりたい!と思ったため、
最初の稽古では、師匠の言葉が外国語に聞こえたほどでした。

でも、そのおかげで落語に詳しくない私のような読者でも
甘夏と共に落語の基礎を学ぶことができました。

また、師匠をはじめ彼女の周りには素敵なことをおっしゃる方が多く、
私自身の心にも響きまくりでした。

例えば…

芸人というのは、下手だと思った相手は、自分と同じくらいの実力、
同じくらいと感じた場合は、自分より数段、上を行っている。
上手いと思ったら、手の届かないところにいるということだ。

という言葉。
甘夏が師匠から「うぬぼれるな」と叱られたときに言われた言葉です。

物語は、そんな甘夏の成長物語なのですが…
それだけではありません。

なんと、ある日、師匠が失踪してしまうのです!
どれだけ待っても師匠は帰ってきません。

そこで、師匠待つことを決めた甘夏と二人の兄弟子は、寄席を行うことを思いつきます。
その名も「師匠、死んじゃったかもしれない寄席」(笑)。
場所は、銭湯で、それも深夜に。

そして、深夜の銭湯には、様々な方が寄席を見に集まり…
という物語です。

この続きはぜひ本を読んでください。

***

甘夏は駆け出しの女性の落語家です。
駆け出しゆえの失敗もありますが、
女性が落語をすることの難しさも描かれます。

例えば、男性が言えば笑えることでも女性では笑えないこともあるのです。
そのため男性の何倍も努力が必要になります。

また、彼女自身、できない理由を「女性だから」と決めつけてしまうことも。
本当はただ未熟なだけなのに。

これにはドキリとしました。
私もこれまで同じことをしていなかっただろうか、と。

私は落語家ではないけれど「喋る」仕事という点では重なるところもあり、
アナウンサーになりたての頃に言われた様々なことを思い出しました。
そういう意味でも新年度を前にこの本に出合えてよかったです。

この時期に読むのにぴったりの一冊です。
あなたもこの本を読んで初心を思い出してみませんか?

それから、この本を読んだ後は、落語を見たくなり、
最近、ユーチューブの落語をよく見ています。
本当は生で見たいのですが…。
新型コロナウイルスが落ち着いたら、実際に寄席を見に行きたいな。

***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

============
八村塁選手文房具コーナー
============

アメリカプロバスケットボールリーグNBA、ウィザーズで大活躍中の
富山出身の八村塁選手の文房具コーナーです。

コーナーには八村選手の等身大パネルもありますので、
写真撮影もお楽しみください。

私も先日、撮ってきました♪
私が小さく見える〜。

コーナーは、3月中旬までです。


==========
ミニチュア楽器フェア
==========

手のひらサイズのミニチュア楽器を大展開中!

ヴァイオリン、トランペット、ギター、ドラムといったお馴染みの楽器から
ちょっとマニアックなものまで様々なミニチュア楽器が勢ぞろいしています。
音楽好きな方へのプレゼントにも最適です。

3月15日(日)までの開催です。

※ほかにも様々なフェアを開催中です。詳しくは店頭で♪


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:   076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:56 am

ひみつのしつもん

2020年3月4日

今の時代、パスワードを入力することとが多いですが、
あなたはすべてのサイトのパスワードを覚えていますか?

時には忘れてしまうこともあると思います。
そんな時に役立つのが「秘密の質問」。

出生地は?母親の旧姓は?好きな食べ物は?ペットの名前は?
など様々な質問があります。

あなたは、どんな質問&答えを設定していますか?

今日ご紹介する本は、こちら。

『ひみつのしつもん/岸本佐知子【筑摩書房】』


著者の岸本さんは人気翻訳家で、
この本は、20年近く続いているPR誌「ちくま」の
名物連載「ネにもつタイプ」をまとめたエッセイ集です。

この連載から、これまで2冊の本が出ており、今回は7年ぶり3冊目だそうです。

装丁とイラストは、これまで同様、
作家の吉田篤弘さんと吉田浩美さんによるユニット、
クラフト・エヴィング商會が担当しています。

このイラストが、思わずプッと笑ってしまうようなユーモアあふれるもので、
のほほんとした、ゆる〜い雰囲気を醸し出しています。

そして、こちらの本は、紀伊國屋書店富山店の
藤井翔子(ふじい・しょうこ)さんオススメの本です。

藤井さんのオススメコメントです。

翻訳家である岸本佐知子さんの想像力と言うより妄想力が爆発したエッセイです。
帯文の奇想天外、抱腹絶倒の看板に偽りなし。
本当に面白くて、笑いながら夢中で読んでしまいました。
本書は3巻目にあたるのですが、この巻から読んで頂いて、差し支えありません。
読み終わればきっと既刊も読んでみたくなるはず。
不思議で愉快なキシモトワールドを是非味わってみてください。

私もこの本を読んでみましたが、岸本さんの、妄想力がとにかくすごいのです。

例えば、歌舞伎を見に行ったときに
外国人の若い男性二人が客席にいたのを見かけた岸本さんは、
彼らがちゃんと作品を理解しているのか気になり、
もし自分が翻訳して彼らに説明するなら…と
頭の中で勝手に妄想しているうちに、
歌舞伎に集中できなくなってしまったのだとか。

また、身体を動かしたり、外出したりするのが苦手で、
頭の中であれこれ妄想しては、勝手に落ち込んだり喜んだりしています。

かと思えば、たまに外に出ると、
会う人すべてが面白く、はしゃぎすぎて失敗してしまうそうです。

そんな岸本さんの妄想や失敗談多めのエッセイです。(笑)

ソファにだらりと座ってゆったり読むのにぴったりな一冊です。

新型コロナウィルスの影響で外出を控えている方も多いと思います。
そんな方は、岸本さんのようにあれこれ妄想を楽しんでみるのもいいかも。
また、そのまま文字に起こしてみたら、素敵な物語がうまれるかもしれませんよ〜。

その前に、まずはこちらのエッセイ『ひみつのしつもん』を読んでみてください。

ところで、タイトルにもなっている
岸本さんの「ひみつのしつもん」エピソードは、
「子どものころの親友の名前は?」という質問に対して
親友の名前を入力したものの、名前を入れるたびエラーが出て、
私の親友はいったい誰だったの?というものです。

果たして彼女は答えにたどりつけるのでしょうか?
その答えは、この本に必ず載っていますので安心してお読みください。(笑)


***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

============
八村塁選手文房具コーナー
============

アメリカプロバスケットボールリーグNBA、ウィザーズで大活躍中の
富山出身の八村塁選手の文房具コーナーです。

コーナーには八村選手の等身大パネルもありますので、
写真撮影もお楽しみください。

コーナーは、3月中旬までです。


==========
ミニチュア楽器フェア
==========

手のひらサイズのミニチュア楽器を大展開中!

ヴァイオリン、トランペット、ギター、ドラムといったお馴染みの楽器から
ちょっとマニアックなものまで様々なミニチュア楽器が勢ぞろいしています。
音楽好きな方へのプレゼントにも最適です。

3月15日(日)までの開催です。

※ほかにも様々なフェアを開催中です!詳しくは店頭で♪


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:   076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:57 am

御社のチャラ男

2020年2月26日

あなたの職場に「チャラ男」はいますか?

今日ご紹介する本は、『御社のチャラ男/絲山秋子(講談社)』です

この本に登場するチャラ男は、とある食品会社で働く44歳の三芳部長です。

物語は、三芳部長と同じ職場のメンバーや奥様など
彼をとりまく方たちが次々に登場し、
彼について語るスタイルで進んでいきます。

人によって三芳部長の印象は様々ですが、
共通しているのは「チャラ男」という認識です。

例えば、
・この人の話すことはコピペ。雑誌やネットの受け売りで自分が無い。
・自分の言葉と妄想に酔っている
など、社内での評価はあまりよくありません。

もし自分と同じ職場に三芳部長のようなチャラ男がいたら
私はできれば一緒に仕事をしたくないかなあ。

でも、いいところもあり、
年上女性からは「ダメダメな割に憎めない」とも言われています。
フレンドリーなのは彼のいい部分です。

この物語にはチャラ男自身の語りもあるのですが、
それを読む限りでは、確かに悪い人ではないような気が。

そして気付かされます。
人の噂って怖いなあと。
みんなが「あの人はね…」と噂すれば、
その人のことを良く知らなくても
噂だけで印象が決まってしまうのです!

そう、この本は噂話で成り立っているのです。

この本を読みながら、私はこの食品会社の社員の一人として
次々に様々な社員とチャラ男の噂をしている気分でした。

また、様々な人が登場しますので、
自分の感覚や状況に近い人もいれば、全くタイプの異なる人もいます。
そういった自分とは違う考えに触れることができるのも本ならではです。

人の本音はなかなかわかりにくいものですが、
小説の場合、堂々と頭の中を覗けるのが最高です!

タイトルに「チャラ男」とありますので、
物語もチャラいのでは?と思われそうですが、そんなことはありません。

最初は、社員の皆さんのチャラ男の愚痴物語かなと思ったものの、
徐々にチャラ男の存在感は薄くなっていき(というか慣れていき)、
登場人物それぞれの物語の印象が強くなっていきます。
そして、最後は予想もしていなかった結末が待っていました。
大変面白かったです!

それから、富山がお好きな絲山さんらしく富山の話題も出てきますので、
富山の皆さんはニヤニヤしながら楽しめると思います。

***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

==================
本物そっくり!ミニチュア楽器フェア
==================

ひとつひとつ丁寧に作られたミニチュア楽器のフェアです。
種類もサイズも豊富です。
インテリアやプレゼントにもおすすめ。

店内中央イベントコーナーで開催中!

◎フェアの詳細は コチラ


=========
専門料理書フェア
=========

プロの方向けの専門書から
一般の方にも役に立つレシピや料理エッセイ、辞典まで
様々な専門料理書が勢ぞろいしています。

和・洋・中の様々な専門料理書を豊富な種類で展開中!

場所は、実用書売場です。

<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:   076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00
店休日:  2月26日(水)

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:43 am

気まぐれな朗読会2020

2020年2月25日

2月22日(土)は「気まぐれな朗読会2020」でした。
お越しくださった皆さま、ありがとうございました。

気まぐれな朗読会は、
気ままプランの廣川奈美子さんと
graceの私、田島でお届けしている朗読会で、
今回で4回目の開催でした。

去年の朗読会の模様は コチラ

***

今回も三部構成でした。

一部は、高志の国文学館の新元号「令和」記念コーナー
で紹介されたガイドペーパーを美しい映像とともにご紹介しました。


二部は、「せつない星座物語」と題して
『せつない星座図鑑(三才ブックス)』をベースに
星座と神話の物語を朗読。

え?田島どしたの?なんて言わないで。笑

「愛と美の女神アフロディーテ」です。笑

アフロディーテ役の田島がそれぞれの星座物語を読み、
その横では、気まぐれな朗読会ではすっかりおなじみの
富山で俳優をなさっている室田勝さんが、
ゼウスをはじめ、さまざまな神様を演じました。

こちらは、ゼウスとアフロディーテ。
だから、田島どした・・・?と言わないで。笑

そして、廣川さんは占い師役として登場し、
今年の運勢を紹介しました。

ちなみに、占いは開運セラピストはるさんが
この朗読会のために占ってくださいましたので、本物です!


三部は、私と廣川さんがそれぞれ一人で作品を読みました。

まず、私が『狐物語/林芙美子』を朗読。

演出の広田郁世さんがとてもキュートな人形を作ってくださり、
まるで人形劇のようなスタイルとなりました。

こちらは、牛の赤兵衛と狐の六兵衛が会話をしているところです。

ああ、かわいい♪


廣川さんは『高野聖/泉鏡花』を朗読しました。

怖さと妖しさが入り混じった廣川さんの朗読に
会場の皆さんが真剣に耳を傾けているのがわかりました。

***

そして、今回も演出の広田さんをはじめ、
大勢のスタッフの皆さまにお世話になりました。

今回初めて朗読会にいらっしゃった方が
「映像や人形も出てくるなど、あんなに凝っているとは思わなかった。
また、来年も来ます」
とおっしゃっていて、とても嬉しかったです!

そうなのです。
この朗読会はスタッフの皆さんのおかげで
あれだけのことができているのですよー。

あらためて、お越しくださった皆さん、お世話になった皆さん、
本当にありがとうございました。

残念ながら来られなかったという方も
FMとやまでは来月、3部のみ特別番組として放送しますので、
ぜひお聞きください。

特別番組『気まぐれな朗読会2020』

オンエアー:3月22日(日)18時〜

yukikotajima 5:59 pm

「キノベス!」、「ノースライト」

2020年2月19日

今日の本紹介は、キノコレです。
紀伊國屋書店富山店の書店員オススメの本をご紹介します。

今日ご紹介するのは、「キノベス!」です。

「キノベス!」は過去1年間に出版された新刊を対象に、
紀伊國屋書店で働く全スタッフから公募した推薦コメントをもとに
選考委員の投票で決まった全力でおすすめするベスト30のことです。

面白いのは、スタッフの皆さんのコメントによって順位が決まっているということ。
人気作品ではなく、どれだけ熱い推薦コメントなのかどうかが大事なのです。

ですから「キノベス!」の冊子には、
スタッフの皆さんのコメントがもれなく載っています。
かなり熱いです!
この冊子を読んでいるだけでも楽しい気分になってきます。

それでは、今年の「キノベス!」の結果を発表しましょう。

第1位『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー/ブレイディ みかこ』

こちらは、私、田島も去年1位に選んだ作品です。

◎田島の感想は コチラ

書店員の皆さんのコメントは…

・「あいつの事嫌いだったけど、話してみたら意外と良いヤツだった」
という事が子供にも大人にも起こるのが人生ってやつなんだよ、
と教えてもらった気持ちです。

・凝り固まった思考を柔らかくほぐすように、私のスイッチを回してくれた一冊です。

私も大いに共感!


第2位『むかしむかしあるところに、死体がありました。
/青柳碧人(あおやぎ・あいと)』

こちらも去年、ラジオでご紹介しています。

◎田島の感想は コチラ

こちらは富山店の北村菖(あやめ)さんの推薦コメントが選ばれています。

タイトルと表紙からとても気になる一冊。
昔話の非現実さがありながら、
アリバイや殺害方法はしっかり辻褄が合い、読み応えのあるミステリー。
短編で読みやすいので、あまり本を読まない人にもおすすめ。


第3位『ノースライト/横山秀夫』


「半落ち」や「クライマーズ・ハイ」でおなじみの
横山秀夫さんの長編ミステリーです。
私は未読だったので、今回読んでみました。

面白かったです!
400ページ以上ある長編なのですが、
夢中で一気に読んでしまいました。

主人公は、一級建築士の男性です。
「あなた自身が住みたい家を建てて下さい」
という依頼で建てた家に誰も住んでいないどころか、
そもそも引っ越しをしていないことがわかります。
依頼者との連絡も取れないまま。
一体この家族はどこに消えてしまったのか。

唯一の手掛かりは、その新築の家に残された一脚の古い椅子。

ドイツの建築家、ブルーノ・タウトの椅子ではないか?
と思った彼は、依頼者の行方を探しながら、タウトの椅子についても調べ始めます。

主人公が謎を追う物語かと思いきや、それだけの物語ではありませんでした。
人が人を思うあたたかな人間ドラマでした。

紀伊國屋書店のスタッフの皆さんのコメントも熱いです。

・焦げるような熱さをともなう、生きた人間たちの物語

・こんな小説が読めるなら、何年何十年だって待ちます。


今日は、「キノベス!」の1位〜3位までをご紹介しましたが、
4位以下は、「キノベス!」の公式サイトでご確認ください。

◎『キノベス!』の公式サイトは コチラ

また、店頭には無料の特別小冊子がありますので、ぜひお手に取ってみてください。



***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

==================
本物そっくり!ミニチュア楽器フェア
==================

ひとつひとつ丁寧に作られたミニチュア楽器のフェアです。

種類もサイズも豊富です。
インテリアやプレゼントにもおすすめ♪

店内中央イベントコーナーで
今度の土曜日、22日からスタートします。

◎フェアの詳細は コチラ


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:   076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00
店休日:  2月26日(水)

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:13 am

タイガー理髪店心中

2020年2月12日

2月22日の気まぐれな朗読会まであと10日となりました。

気まぐれな朗読会は、
気ままプランパーソナリティの廣川奈美子さんと
graceの私、田島悠紀子でお届けする朗読会です。

◎気まぐれな朗読会の詳細は コチラ

3部構成で1部は、「令和」の出典『万葉集』を
2部は、ゲストをお迎えして楽しくお届けします。内容はヒミツ!
3部は、廣川さんと私がそれぞれ作品を朗読します。

私が3部で朗読するのは、林芙美子さんの『狐物語』です。

今日のユキコレでご紹介する本は、
林芙美子さんの本ではなく、
林芙美子文学賞を受賞した作品です。

紀伊國屋書店で本を探している時、
本の帯に書かれた「林芙美子文学賞受賞作」を見て、
「読みたい!」と思ってしまったのでした。

その本はこちら。

『タイガー理髪店心中/小暮夕紀子 (朝日新聞出版)』


林芙美子文学賞の選考委員の
井上荒野さん、角田光代さん、川上未映子さんに
絶賛されての受賞だったそうです。

こちらには2つの作品が収録されています。

まず、表題の「タイガー理髪店心中」

こちらは、寂れた町で「タイガー理髪店」を営む老夫婦の物語です。

理髪店にお客様がやってくることは稀で、
理髪師の夫はほぼ毎日、お店の前の椅子に座って町の様子を眺める日々です。

最近、妻が忘れっぽくなったと思っていたら
ある日、発作的に豹変してしまいます。
そんな様子に夫は戸惑います。

のんびりとした雰囲気から一転、後半は緊張感が漂います。
ぜひドキドキしながら本のページをめくってみてください。


もう一つの作品は、「残暑のゆくえ」です。

こちらは、小さな食堂を営む70代の女性のお話です。
彼女の趣味は、幼いころに亡くなった母のことを毎日思い出すこと。

なぜ母はあの日あんなことを言ったのか。
母はあの時、どんな気持ちだったのか。
毎日様々な想像をしては、喜んだり落ち込んだり。

そして、ある日、彼女は過去に母と住んでいた町に行ってみることにします。

こちらのお話もどこかのんびりとしつつも緊張感が漂っています。

いずれも短い作品ですが、あっという間に作品世界に引き込まれます。
そして、絵が見え、音がし、臭いも漂ってきます。

本を読んでいると「私、今、本の中にいる」と思うことがあるのですが、
この本もまさにそうでした。

いずれも短編ですが、読みごたえがありました。


そして2編とも年老いた人々のお話のため「戦争」が出てきました。

令和という新しい時代になり、
これから先、どんどん戦争を知る世代が少なくなっていきます。

戦争がずっと昔の過去の出来事のように思えるけれど、
でも、実はまだずっと苦しんでいる方もいるのですよね。

戦争が人々の心にどんな影響を与えたのか。
この本を読んで胸が締め付けられました。

また、戦争だけでなく、
人には何歳になっても忘れられないことがあるものだなと。

嬉しいことはもちろん、嫌なことや辛いことも。
人から受けた嫌な出来事も。
自分がしてしまったひどいことも。

色々な思いを抱えながら生きていくものなのですよね。

でも、年を重ねることで、
過去には気付けなかったことに
やっと気づいたり理解できたりすることもあります。

長い時間がかかってようやくわかったこと。
あなたにはありますか?

色々なことを考えさせられた2作品でした。
読んで良かった!

***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

=======
別冊太陽フェア
=======

美しいビジュアルを豊富な資料とともに、
一冊ごとに一つのテーマを深く掘り下げて紹介している
「別冊太陽」のフェアです。

店内中央イベントコーナーで開催中!

◎詳細は コチラ


=======
専門料理書フェア
=======

プロの方向けの専門書から
一般の方にも役に立つレシピや
料理エッセイ、辞典まで
様々な専門料理書が勢ぞろいしています。

和・洋・中の様々な専門料理書を豊富な種類で展開中!

場所は、実用書売場です。


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:   076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00
店休日:  2月26日(水)

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 12:21 pm

島を救ったキッチン

2020年2月5日

この冬はなかなか雪が降らず、今日からやっと冬らしいお天気になりそうですが、
それでも冬がこれだけ暖かいということは
この夏はかなり暑くなるのではないか、と心配になります。

また、台風による被害も出ませんように!と願わずにはいられません。

日本では毎年、各地で台風の被害が出ていますが、
日本だけではなく、今、世界各地で様々な自然災害が起きています。

その中の一つ、カリブ海の島・アメリカ領のプエルトリコは、
2017年9月に史上最大級のハリケーン「マリア」で壊滅的な被害を受けました。

今日ご紹介する本は、いち早く被災地に駆けつけた人気シェフ、
ホセ・アンドレスの災害支援日記です。

『島を救ったキッチン
シェフの災害支援日記 in ハリケーン被災地・プエルトリコ
/ホセ・アンドレス、リチャード・ウルフ
訳:御舩(みふね)由美子【双葉社】』


こちらは、紀伊国屋書店富山店奥野晃英さんのオススメ本です。

まずは、奥野さんの推薦文をご紹介しましょう。

***

2017年、超巨大ハリケーンで壊滅的被害を受けたアメリカ領・プエルトリコ。

−たくさんの人を食べさせること

その言葉を胸に、島民たちが餓えと渇きに苦しむ中で
自ら料理を作りながら、被災地で人命に直結する
「食糧支援網」構築に乗り出した著者が記した災害支援体験記です。

日本でも、神戸、東北の大震災、
昨年の大規模な台風を始めとして
各地でたくさんの自然災害が発生しています。

国は違えども心の何処かで共感し、
もしもの時に「何かできるんじゃないか?」
という勇気を与えてくれる1冊です。

***

シェフのホセ・アンドレスは、アメリカでは超有名人です。
何軒もの高級レストランを経営し、メディアにも登場。
去年はノーベル平和賞にもノミネートされました。

そんな人気シェフのアンドレスは、
2017年、ハリケーン被災地のプエルトリコで様々な問題を解決しながら、
冷たい非常食ではなく「温かい、人の作った食事」をふるまい続け、
最終的には約300万食を支援したのだとか。

災害時に優先すべきは、水と食料。
しかも食事は栄養のある温かいものを提供することをモットーに。

また、地元の経済を活性化するために
食材などは地元の業者から仕入れるようにしていたのだそうです。

彼のもとへはシェフたち協力者が集まってきました。
彼らは「シェフス・フォー・プエルトリコ
(プエルトリコのために立ちあがったシェフたち)」
というグループ名をつけ、SNSでその活動を投稿しました。

実際、支援活動の中で一番大変だったのは、料理を被災者に届けること。
料理を運ぶ人や車が必要なのはもちろん、
現地のラジオ番組での発信も役に立ったようです。

そもそもアンドレスが食糧支援を行うようになったのは、
ハリケーン・マリアが襲来する7年前のこと。
同じカリブ海の別の島、ハイチを襲った大地震がきっかけだったそうです。

最初は、現地の人が普段食べる味付けと違うものを出してしまう
などの失敗もあったのだとか。
例えば、日本に当てはめるなら、食べたことのない海外の味付けのスープよりも
きっとお味噌汁が喜ばれますよね。

アンドレスは、ハイチで学んだことをプエルトリコで生かします。

でも、すべてがスムーズにいったわけではなく、問題は山積みでした。

例えば、誰よりも早く行動に移していたアンドレスに対し、
行政や現地で支援活動を行っていた大きな団体は会議に時間を費やしてばかりで、
協力を要請してもなかなか受け入れてもらえなかったのだとか。

このことをアンドレスは「人災」だと言っています。

被災地には大勢のボランティアがいる一方で、
コネや前例にしばられるお偉いさんたちもいました。

この災害支援日記は約400ページあります。
アンドレスがいかにしてプエルトリコを支援していったのかが事細かに綴られています。
同時に災害時のことも学べます。特に「支援」について。

この本を読んで本当に良かった!
皆さんも是非読んでみてください。



<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

=======
別冊太陽フェア
=======


美しいビジュアルを豊富な資料とともに、
一冊ごとに一つのテーマを深く掘り下げて紹介している
「別冊太陽」のフェアです。

店内中央イベントコーナーで開催中!

◎詳細は コチラ


========
キノベス2020!
========


「キノベス」は、紀伊國屋書店のスタッフが全力でおすすめするベスト30です。

無料の特別小冊子もありますので、ぜひご覧ください。

店内中央イベントコーナーで開催中!

◎詳細は コチラ


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:   076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00
店休日:  2月26日(水)

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 12:17 pm

グッドバイ

2020年1月29日

大浦慶(おおうら・けい)さんという女性を知っていますか?

幕末がお好きな方なら、ご存じかもしれません。

大浦慶さんは、幕末の長崎で外国を相手に
茶葉交易に乗り出した伝説の女商人です。

今日は、そんな大浦慶さんの人生を描いた小説をご紹介します。

『グッドバイ/朝井まかて(朝日新聞出版)』

本を書かれたのは、2014年に『恋歌(れんか)』で
直木賞を受賞した朝井まかてさんです。

この『恋歌』も素晴らしい作品でしたが、
新作の『グッドバイ』も大変良かったです。

主人公は、長崎で菜種油を商う大浦屋の女あるじ、
大浦希以(のちに慶)26歳です。

時代は幕末。
当時、長崎に安価な油が出回るようになり、
慶は現状を変えるために、あるアイデアを出します。

それは、外国との交易を考えてみてはどうかというものでした。

ところが、同業の年上の男性たちからは馬鹿にされてしまいます。
長く続いてきたものを大きく変えようとすれば反発は避けられません。
まあこれは幕末だけでなく今も変わりませんね。

外国との交易をあきらめられなかった慶は、ひょんなことから
若いオランダ人の船員に日本の茶葉の見本を渡すことになります。

油ではなく茶葉なのは、外国人との会話の中で茶葉が売り物になると思ったから。

数年間は何の音沙汰もありませんでしたが、
ある日、見知らぬイギリス人が慶のもとへやってきて、
かなりの量の茶葉を注文したことから、慶は茶葉交易に本格的に乗り出します。

とはいっても、茶葉に関しては素人ですので、徹底的に茶葉について学びます。
また、変なものを売りたくないという思いから手抜きは一切しません。

その仕事ぶりは外国の商人たちから
「最も信頼される日本商人」と言われるほどです。

彼女のもとには様々な人がやってきます。
外国人もいれば、日本人も。
中には坂本龍馬ら亀山社中のメンバーたちもいます。

慶自身は国を変えようという気持ちはないけれど、
熱い若者たちの心に寄り添いたいと思い、彼らに資金援助をします。

稼いだお金を若者たちに使うって、お慶さんかっこよすぎます。

しかし、いいときは長く続きません。
また、慶自身も年を重ねていき、自分の変化に気付きます。
若い時分は後先考えずに動いたのに、今は先を読んでしまう、と。

若いころは無知ゆえの勢いがあるけれど、
年を重ねると知識や経験が増える一方、
同時に考えすぎてしまうものなのですよね。
それ、よーーくわかる!

そして、彼女は大きな失敗をしてしまいます。

その後、彼女はどう生きていったのか。
ぜひ続きは本のページをめくってみてください。***

彼女の人生は「仕事」そのものでした。

状況も関わる人も次々に変わっていきますが、
どんなときでも真面目に人と向き合い仕事に取り組んでいきます。
若いから、女だから、誰もやったことがないから、
と言われても彼女は気にしません

お慶さんかっこよすぎます!(2回目。笑)

私もお慶さんのような女性になりたいと思いました。
とてもいい本でした!

女性の物語なので、女性の方に読んで頂きたいのはもちろん、
おじさま世代の男性たちにもぜひお読みいただきたいです!



<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

==============
芥川賞、直木賞受賞作品
==============

芥川賞受賞作
『背高泡立草(せいたかあわだちそう)
/古川真人(ふるかわまこと)【集英社】』

直木賞受賞作
『熱源(ねつげん)
/川越宗一(かわごえ・そういち)【文藝春秋】』

※芥川賞、直木賞ともに入荷しました。

==============
洋書バーゲンセールを開催中!
==============

絵本やフィクションを中心としたジャンルの洋書バーゲンです。

このバーゲンでは、普段、店頭で販売されている書籍ではなく
バーゲン用の書籍が特別に販売されており、現在大好評!

洋書ファンの皆さん、お得なこの機会をお見逃しなく〜。

◆期間:1月16日(木)〜2月16日(日)

◆場所:店内中央催事コーナー(※洋書売り場ではありません)


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:   076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00
店休日:  2月26日(水)

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:40 am

これでもいいのだ

2020年1月22日

今ブログをお読みのあなたは、年を重ねるにつれ何か変化はありましたか?

若いころより生きやすくなったという方もいれば、
逆に、年を重ねていくのが嫌だ…という方もいらっしゃるのでは?

そんな妙齢の皆さんにおすすめのエッセイがあります。

***

今日ご紹介する本は、
紀伊國屋書店富山店 文学担当の北村菖(あやめ)さんのオススメ本です。

『これでもいいのだ/ジェーン・スー【中央公論新社】』

北村さんのオススメコメントです。

ジェーン・スーさんが日常の中で思った様々なことが書かれたエッセイ66篇です。

ジェーン・スーさんとは年齢も環境も違うけれど、
共感できるお話がいくつもありました。

たいしたことではないけれど、悩んでいること、コンプレックスを
ジェーン・スーさんも同じように感じていて、
でもそれを「それでもいいのだ」と言い切ってくれるこの本に少し心が救われました。

66篇もあるので、誰が読んでも共感できるお話があるのではないでしょうか。

***

著者のジェーン・スーさんは、1973年、東京生まれの日本人で、
作詞家、コラムニスト、ラジオパーソナリティとしてご活躍です。

これまでに
『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』
『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』
『今夜もカネで解決だ』
『私がオバさんになったよ』
といったエッセイを出しています。

タイトルを見るだけでもスーさんらしさが伝わってきます。
そして、どのタイトルも秀逸です!

この流れからの新作のタイトルは『これでもいいのだ』。

本の帯には
「思ってた未来とは違うけど、これはこれで、いい感じ。」
とあります。

真面目に頑張っているのに色々うまくいかなくて、
私の人生って何だろう…と思ったとき、ふと書店でこの本を目にしたら
思わず泣いてしまいそうなコメントです。

うまくいないことだらけなのに年齢だけは重ねてしまっていて焦る!
私は一体どうしたらいいんだろう…と思うこと、ありませんか?

そんな時こそ、スーさんの言葉に耳を傾けてみては?

『これでもいいのだ』は、共感したり、笑ったり、突っ込んだり。
まるで友達のブログを読んでいるような親しみやすさです。

私が共感したのは、仲のいい友人との食事は、お互い話に夢中になりながらも
「これ美味しい!」といったような思ったことはすぐに口に出す、というもの。
でも、その後すぐに会話に戻れるのが快感だとスーさんはおっしゃっています。

私もこれにはおおいに共感!
会話のリズムの心地よさは、相手を選びますからね。
気持ちよく喋れる相手との食事は本当に楽しいものです。

その一方で、スーさんは、アドレナリンを放出せずに済む
ゆったりした付き合いも大事にされています。

これもわかる!
勢いよく喋るのではなく、のんびり過ごせる友人との時間も大切です。
全然タイプが違うからこその良さがあるのですよね。

そういった友達の話もあれば、妙齢の女性ならではの話や
以前、レコード会社で働いていたスーさんらしい音楽の話題などもあります。

音楽の話で印象に残ったのは、トップアイドルの曲は、
時代のトップクリエイターが飛び切りの一曲を提供するため、
名曲がそろっている、というもの。
そして、そのケミストリーを制作サイドは楽しんでいるのだとか。

音楽の話題は他にもまだまだありますので、
このエッセイは音楽が好きな方も楽しめると思います。

最後にスーさんは、年を重ねてきたからこその良さをおっしゃっています。

さて、それは何でしょう?
気になる方はぜひ『これでもいいのだ』を読んでみてください。



<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

==============
芥川賞、直木賞発表
==============

芥川賞受賞作
『背高泡立草(せいたかあわだちそう)
/古川真人(ふるかわまこと)【集英社】』

直木賞受賞作
『熱源(ねつげん)
/川越宗一(かわごえ・そういち)【文藝春秋】』

※芥川賞直木賞ともに1月末に入荷予定

==============
洋書バーゲンセールを開催中!
==============

絵本やフィクションを中心としたジャンルの洋書バーゲンが開催されています。

このバーゲンでは、普段、店頭で販売されている書籍ではなく
バーゲン用の書籍が特別に販売されます。

洋書ファンの皆さん!
お得なこの機会をお見逃しなく〜。

◆期間:1月16日(木)〜2月16日(日)

◆場所:店内中央催事コーナー(※洋書売り場ではありません)


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:    076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00
店休日:  22日(水)

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:33 am

勿忘草の咲く町で 〜安曇野診療記〜

2020年1月15日

今日のユキコレ(grace内コーナー13:45頃〜)でご紹介する本は、
映画化もされた『神様のカルテ』シリーズでおなじみの
夏川草介さんの新作です。

『勿忘草の咲く町で 〜安曇野診療記〜(角川書店)』

今回も『神様のカルテ』シリーズと同じく医療小説なのですが、
夏川さんによると、

『神様のカルテ』では書けないことを、書きました。

とのこと。

『勿忘草の咲く町で』のテーマは「高齢者医療」。
それも都会ではなく地方の物語です。

舞台は長野県松本市郊外の病院。
主人公は、看護師になって3年目の女性、美琴(みこと)です。

この病院の特徴は何と言っても高齢の患者が多いということ。
特に内科病棟は、まるで高齢者の介護施設のようです。

その内科へ研修医の桂先生がやってきます。
実家がお花屋さんのため、お花には詳しいけれども、
見た目はちょっと冴えない男性です。
でも、医者としての仕事は真面目にしています。

この病院は地方の小さな病院ですが、
急性期病院でもあり、次々に患者さんが病院に搬送されてきます。

医者不足なのにも関わらず地域からの要求は昔よりも厳しくなっており、
たとえ研修医であったとしても休みなく働き詰めです。

また、患者のほとんどがご高齢です。
寿命と治療をどう考えるか、先生によって考え方も様々です。

研修医の桂先生は、先輩から

何が正しいかは誰にもわからない。
大切なことは、できるだけ色々な考え方に触れて、
自分の哲学を鍛えるということだ。

と言われます。

桂先生は悩みながら自分なりの答えを見つけていきます。

そういった地方の病院における高齢者医療の現実を描いたのが、この作品です。

私自身、自分が高齢者になった時、どんな治療を受けたいのか、
また、人生をどのように終わらせたいのか、
本を読みながら真面目に考えてしまいました。

この本を読むと、きっと誰もが自分や家族の最期について考えると思います。
そういう意味でも読んで良かったです。

また、この本は、医療小説であるだけでなく、
看護師の美琴と研修医の桂先生の恋愛物語でもあるのです。

この恋愛部分がいい感じです!初々しくて。

ベースは高齢者医療ですが、
そこに恋愛のお話が時折はさまれ、物語を彩っています。

また、桂先生がお花が好きということと
彼らが住む安曇野が自然豊かな場所ということもあり、
本を読みながら目の前に美しい景色と華やかな色彩が広がり、
豊かな気持ちになれました。
特に自然の描写が美しく、声に出して読みたくなるほどです。

物語としての面白さはもちろん、
自分や家族が人生の最期をどう迎えるべきか考えるきっかけにもなり、
また初々しい2人の恋愛小説としても楽しめる1冊です。
ぜひお読みください♪


<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

==============
洋書バーゲンセール開催!
==============

絵本やフィクションを中心としたジャンルの洋書バーゲンが開催されます。

このバーゲンでは、普段、店頭で販売されている書籍ではなく
バーゲン用の書籍が特別に販売されます。

洋書ファンの皆さん!
お得なこの機会をお見逃しなく〜。

◆期間:1月16日(木)〜2月16日(日)

◆場所:店内中央催事コーナー(※洋書売り場ではありません)


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号: 076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00
店休日:  今日1月15日(水)、22日(水)

HP http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:48 am

店長がバカすぎて

2020年1月8日

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

私の年末年始については、
私の個人ブログ「続・ゆきれぽ」
にアップしましたので、よかったらご覧ください。

◎続・ゆきれぽは コチラ

さて、今日は私が担当する新年最初のgraceがあります。
そして今日から本紹介コーナー「キノコレ・ユキコレ」がリニューアル。
ユキコレは、これまで同様、私、田島がオススメする本をご紹介していきますが、
紀伊國屋書店富山店オススメの本を紹介するキノコレも
私、田島がご紹介していきます。

***

今年最初に紹介する本は、
紀伊國屋書店富山店 店長 白山善史さんのオススメ本です。

『店長がバカすぎて/早見和真(はやみ・かずまさ)【角川春樹事務所】』

店長から直接、この本を渡されたとき、
思わず「え?これでいいんですか?」と聞き返してしまいました。

だってタイトルが「店長がバカすぎて」なんですよ!

でも、店長は穏やかな笑顔で
「これがいいんです」とおっしゃっていました。

そんな店長のオススメコメントをご紹介しましょう。

***

書店で働く主人公と店長をはじめとした、本に携わる人々の物語。

私が店長となった当初、出張先で見かけたユニークなタイトルの書籍。
思わず手にとった一冊です。

書店を舞台とした物語は多くありますが、
今回この本を読んで良かったと思いました。

職業柄、物語中の多くの言葉が心に突き刺さります。
共感と感動を得られるとともに働くことの意欲を再認識致しました。

本に携わる職業の方だけでなく、より多くの方にも読んでもらいたい、
力が湧いてくるような面白くて楽しい感動の一冊です。

***

私からも簡単に内容をご紹介します。

舞台は東京・吉祥寺にある武蔵野書店。
主人公は、本が大好きな28歳の契約社員、谷原京子。文芸書の担当です。

そんな谷原さんが「バカすぎる!」と思っているのが、店長です。

谷原さんは、仕事が好きで、仕事もできます。
でも、バカな店長に日々振り回されて、いつもイライラしています。(笑)
バッグの中にはいつでも仕事を辞められるよう「退職届」を忍ばせているほどです。

このブログをお読みの方の中にも
年末年始にリフレッシュして、よし今年も頑張ろう!と思ったものの、
出社するやいなや職場の困った人のせいで
早速イライラさせられている…なんて方もいらっしゃるかもしれません。

そんな方がこの本を読んだら、きっと大いに共感するはずです。

物語は、朝礼での店長の話にイライラしているところから始まります。
実際、本当にイライラします。(笑)

そして、この書店では次々に様々なトラブルが生じます。
そのどれもが、まるで他人事と思えず、
私は、まるで自分の物語のような気持ちで本のページをめくり続けました。

また、小説が好きな谷原さんの本への熱い思いも随所に散りばめられていて、
私も同じく本が好きで、ラジオで本を紹介している身として、勉強になりました。

そういう意味でも、新年最初にこの本を読めて良かったです。

例えば…

・物語の持つ力の一つは「自分じゃない誰かの人生」を追体験できること。
自分のことしか考えていない時代に、自分以外の人間を想像できるのが物語!

・自分の好きな本を人に強要してはいけない。

・本の感想は千差万別

などです。

そうなのです。
好みは人それぞれだし、本を読んで感じることも人によって異なります。
でも、それでいいと思うのです。
私自身も今年も自由に本を楽しんでいきたいと思います。
皆さんも、様々な情報に振り回されず、自分の心が感じるままに本を楽しんでください♪

白山さん、素敵な本を教えていただき、ありがとうございました!

ちなみに、店長にイライラして、仕事のトラブルも次々に起きて…
だなんて、そんなの読みたくない!と思われてしまいそうですが、
『店長がバカすぎて』は、「コメディ」です。

そのうちNHKあたりでドラマ化されそうな予感。(笑)


<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

==============
洋書バーゲンセール開催!
==============

絵本やフィクションを中心としたジャンルの洋書バーゲンが開催されます。

このバーゲンでは、普段、店頭で販売されている書籍ではなく、
バーゲン用の書籍が特別に販売されます。

洋書ファンの皆さん!
お得なこの機会をお見逃しなく〜。

◆期間:1月16日(木)〜2月16日(日)

◆場所:店内中央催事コーナー(※洋書売り場ではありません)


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号: 076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00
店休日:  1月15日(水)、22日(水)

HP http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:51 am

田島の今年のベスト3!

2019年12月25日

今日は、今年最後のユキコレがあります。

ユキコレは、私、田島がオススメの本を紹介するコーナーです。

今日は、2019年最後の放送ということで、
この1年のベスト3を発表します。

その前に。

冬休み中に軽く読める本をご紹介します。

先日、紀伊国屋書店富山店の奥野さんから
「たまにはこんな本はいがか?」
とすすめられたのがこの本でした。

せっかくなので読んでみました。

『もっとオシャレな人って思われたい!/峰なゆか(扶桑社)』

峰さんというと、壇蜜さんの主演でテレビドラマ化された
『アラサーちゃん』でおなじみの方です。

『もっとオシャレな人って思われたい!』は、
タイトル通り、オシャレな人と思われるにはどうしたらいいのか?
について綴られた峰さんのエッセイです。

この本を読みながら、まるで峰さんと女子会をしている気分でした。

わーかーるー!と共感したり、
いやいや、それは考えすぎだって!と突っ込んだり、
いずれにしても楽しく読むことができました。

例えば…

・目を守るためにサングラスをかけたいのだけど、似合わない

・女性と言えば「ピンク」でしょ?といった「ダサピンク」が多すぎる

など。

ちなみに、この本は、お洒落な着こなしを紹介する本ではありません。
どちらかというと、峰さんの失敗談が多めです。
私自身もおしゃれをはじめ、ダイエットや買い物など
今年もなんだかんだで色々失敗を重ねました。

峰さんのエッセイをアハハと笑って読みながら、
同時に私自身の今年の様々な失敗を反省。

新しい年を迎える前にこの本と出合えて良かったです。

***

さて、続いては、毎年恒例!
今年、私の印象に残った本ベスト3を発表します!

※本のタイトルをクリックすると、私の感想ブログが開きます。

★第1位 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー/ブレイディみかこ(新潮社)』

こちらは小説ではなくノンフィクションです。
イギリスに住む著者の中学生の息子について書かれています。

いじめ、喧嘩、差別のある中学に入学した息子君は、
それぞれの問題について真剣に向き合い、
お母さんと一緒に何が正しいのか悩み、考えていきます。

すんばらしい本でした!
全ての人に読んで頂きたい!

年の初めの一冊にもおすすめです。


★第2位 『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び/大島真寿美(文藝春秋)』

読み方は、「うず いもせやま おんなていきん たまむすび」です。
今年の夏に直木賞を受賞した作品です。

タイトルは漢字が並んでいて難しそうですが、内容は難しくありません。

江戸中期の人形浄瑠璃作者、近松半二(ちかまつ・はんじ)
の生涯が描かれています。

この本の何がいいって、言葉のリズムが心地いいのです。
文章がいきいきとしていて、声を出して読んでいるわけではないのに、
息継ぎまでがぴったり合う感じです。

いいライブや面白いスポーツを生で観戦しているかのような
興奮を感じながらの読書は本当に楽しかった!


★第3位 『彼女たちの場合は/江國香織(集英社)』

ニューヨークに住む14歳と17歳の日本人女子2人の旅物語です。

それも、親には「旅に出ます」という書置きを残して
突然旅に出てしまうのです。行先も行き当たりばったりです。

年末年始、休みはたっぷりあるけれど、
どこにも出かける予定はないなあ…
という方は、旅気分を味わえるこの本を読んでみては?

でも、この本を読み終えた後は、
ふらっとどこかに出かけたくなるかも。


***

今年も一年、私の本紹介にお付き合い頂き、ありがとうございました。

来年からは、毎週水曜にgraceの中でお送りしている
本紹介コーナーがリニューアルします。

これまで同様、第1・3週は、紀伊國屋書店富山店オススメの本を紹介するキノコレ、
第2・4・5週は、私、田島悠紀子オススメの本を紹介するユキコレをお送りしますが、
今後は、毎週、田島の一人喋りで様々な本をご紹介していきます。

1月以降もどうぞよろしくお願いします。

yukikotajima 11:14 am

365日の親孝行

2019年12月18日

今日は12月18日です。
お正月も近づいてきましたが、
お正月には久しぶりに実家に帰るという方もいらっしゃると思います。

中には親御さんからいつからいつまで実家にいられるのか、
電話やメールが来るが来る頃かもしれません。

私もまさに昨日、母と電話でそんな話をしました。

親御さんと離れて暮らしている皆さんは、
あと何回、親御さんに会えるのか考えたことはありますか?

今日のキノコレで紀伊国屋書店富山店の奥野さんからご紹介いただく本はこちら。

『365日の親孝行/志賀内泰弘(しがない・やすひろ)<リベラル社>』

◎奥野さんの紹介文は コチラ

私もこの本を読みましたので、軽く感想を。

この本には、様々な形の親孝行が365紹介されています。
それも月ごとのものが。
例えば、12月の親孝行の例をあげてみます。

・紅白歌合戦を「この人誰?」「この歌手好き」と言いながら一緒に観る
・一緒に年末年始を過ごす

などです。
え?そんな簡単なことでいいの?と思うような内容もありますが、
でも、冷静に考えてみると、そんな簡単なことさえできていなかったりするのですよね。

この本を読むと、贈り物をすることだけが親孝行で無いことに気付かされます。
特別なことではない「親孝行」こそが大事なんだなと。

でも、具体的に思い浮かばない…という方もご安心ください。
この本には365の親孝行の例がのっていますので、
きっとあなたにもできる親孝行が見つかると思います。

また、親孝行にまつわるショートストーリーものっており、読み物としても楽しめます。

短いお話なのですが、泣けるもの多く、気付いたら涙。そして、また涙。。。でした。

高齢の親御さんのいらっしゃる皆さん、
ぜひおよみください。

***

さて、毎週水曜にgraceの中でお送りしている本紹介コーナーが
2020年1月からリニューアル!

これまで同様、第1・3週は、紀伊國屋書店富山店オススメの本を紹介するキノコレ、
第2・4・5週は、私、田島悠紀子オススメの本を紹介するユキコレをお送りしますが、
今後は、毎週、田島の一人喋りで様々な本をご紹介していきます。

1月以降のキノコレ・ユキコレもどうぞよろしくお願いします。

yukikotajima 10:36 am

歩道橋シネマ

2019年12月11日

今日ご紹介する本は、恩田陸さんの新作です。

『歩道橋シネマ/恩田陸(新潮社)』


恩田陸さんと言いますと、
『蜜蜂と遠雷』が直木賞と本屋大賞を受賞し話題となり、
この秋には映画化されました。

ラジオでも小説をご紹介しました。

◎私の感想は コチラ

新作の『歩道橋シネマ』は、恩田さんにとって約7年ぶりの短編集です。

今回はミステリーやホラーが多めなのですが、
恩田さん自身、10代前半はそういったジャンルの短編集をよく読んでいたそうです。

全部で18作品が収録され、
最後に恩田さん自身の「あとがき」もあるので、
それぞれの作品が生まれた背景などもわかります。

短編集は紹介が難しいのですが、
この作品もどのお話も世界観が独特すぎて
紹介が大変難しい…。(笑)

その中から私の好きなタイプの作品を2つ、
かる〜くご紹介します。

***

『楽譜を売る男』

4日間おこなわれた弦楽器のイベント会場で
楽譜を売っている白人男性の物語です。

彼を目にした主人公は、彼が何を考え、どんな人なのかを想像します。

彼は、置き物のように静かに座っていたそうです。
スマホも触らず、接客をするわけでもなく、ただじっと座っているだけ。

いったい彼は何者なのか。
楽譜は売れているのか。

主人公の妄想はどんどん膨らんでいきます。

果たして彼は…。

という物語です。

私もよく人を観察したり、勝手に想像したりするので、
この主人公の感覚はよくわかるなーと。

彼が何者なのか気になる方は、ぜひ本を読んでくださいね。

***

『歩道橋シネマ』

表題作です。
ある歩道橋では、様々な建物の偶然な組み合わせにより、
巨大な長方形の囲み枠に見えるのだそうです。

その大きな額縁が見える歩道橋に様々な人がやってきては、
じっと見つめているだのとか。

いったい何を見ているのか。

どうやらこの歩道橋にはあるうわさがあるようで…。

ああ、もうこれ以上は言えない!

短編はお話が短い分、すぐにネタバレになってしまうのです。

何かとあわただしい年末です。
でも、本を読みたいという方に短編集はオススメです。
毎晩寝る前に一話読むだけでも満たされると思います。
でも、ホラーもあるので、なかなか寝付けないという日もあるかも!?(笑)

yukikotajima 11:13 am

地図帳の深読み

2019年12月4日

今日のキノコレで紀伊国屋書店富山店の奥野さんから
ご紹介いただく本は、『地図帳の深読み』です。

奥野さんの紹介文は コチラ

この本は、100年以上にわたって地図帳を出版し続けてきた帝国書院と
地図研究家の今尾恵介さんがタッグを組み、
「地図帳」ならではの楽しみ方を紹介している一冊です。

スマホ地図ならよく見ている、という方もいらっしゃると思います。
私もそんな一人ですが、この本では、スマホの地図アプリではできない
「深読み」について詳しく紹介しています。

本の中で私が気になったのは、北海道の大きさ。
例えば、本州と比較するとどれくらいの広さなのかわかりますか?

この本によると、「北海道一周旅行」を本州でやろうと思ったら、
東京見物の翌日に仙台から三陸海岸を回り、最上川下りを楽しんだ後は
日光東照宮へ…といった移動だらけの旅になってしまうのだとか。

また、他の国と比べると島国である「日本」は小さい印象がありますが、
実は、197ヵ国のうち61位なので、かなり広いほうなんですって。
とくにヨーロッパに行けば日本はだいぶ大きい国になるそうです。

この本を読んだ後は、地図アプリではなく、地図帳を開きたくなります。

私の中で「地図帳」というと、授業中、気づくと先生の話から離れて
地図を見ながら妄想トリップをしていた記憶があります。
今思えば、そういう時間って結構幸せだったなあと。

あの頃より、だいぶ知識が増えた今、
あらためて地図帳を眺めると、より楽しめるかもしれません。

あなたも次の休日、地図帳をぼうっと眺めてみては?
その際、『地図帳の深読み』もセットでお楽しみください。

yukikotajima 11:15 am

『愛という名の支配』『エトセトラ』

2019年11月27日

今日のユキコレ(grace内コーナー13:45頃〜オンエアー)には、
ラジオでもおなじみの富山出身の作家、山内マリコさんが登場します。

ユキコレは、私、田島悠紀子オススメの本を紹介するコーナーですが、
今回は、田嶋陽子さん関連の本を2冊ご紹介します。

田嶋陽子さんいったら日本でいちばん有名なフェミニストです。

そんな田嶋さんのことを心から尊敬している山内さんは、
このほど田嶋さんの『愛という名の支配』という本の解説を担当されました。
本の帯にも山内さんのコメントが載っています。

さらに、田嶋さんへのリスペクトに満ちた雑誌の責任編集もなさっています。

雑誌『エトセトラ』の特集タイトルは、「We ❤Love 田嶋陽子!」

私もこの雑誌を読みましたが、田嶋さんへのラブレターといっても言いほどの一冊でした。
山内さんをはじめ、柚木麻子さんや男女問わず様々な皆さんが
田嶋さんへの愛を綴っていらっしゃいます。

田嶋さんというと、私も「田島」のため(漢字は違いますが)
「タジマ」という名前だけでよくいじられました。

私は、法政大学の出身なのですが、
当時、田嶋先生は法政大学の教授をされていたことから
入学してすぐのある授業で教授から「田嶋陽子の親戚か?」と言われ、
笑いが起きたのを覚えています。
あきらかにその笑いは、ちょっとバカにした笑いでした。

だから、田嶋さんのお姿をテレビで拝見し、
他の男性たちからいじられているのを見る度、
ああ、私もまたいじられる…と思うようになってしまいました。

でも、先日、山内マリコさんからすすめられた
『愛という名の支配』を読んで、田嶋さんの印象が変わりました。
田嶋さんは、とても素敵な方でした!

『愛という名の支配』は、1992年、今から27年前に書かれた本です。
でも、まったく古さを感じませんでした。

その時代の小説を読むと、男尊女卑が激しすぎて
読んでいるうちに嫌な気持ちになることがあるのですが、
田嶋さんは、そんな時代に、女性の生きづらさについてお書きになっていたのです。

すごい!すごすぎる!

例えば、

・女が強くなったのではなく、やっともとの状態に復元しだした
・まわりが味方してくれなくても自分を味方につけたらいい
・女の人は、もっと自分にやさしい服装をすべき

などがおっしゃっているのです。27年も前に!

私は、夢中で本のページをめくってしまいました。

確かに27年前に比べたら女性は生きやすい世の中になったと思います。
それでも、いまだ変わらないことも多々あります。

本の帯には「すべての女性に勇気を与える」と書かれています。
確かに読んだ後は「私も頑張ろう」と思えました。
今、この本に出合えて本当に良かった!

また、この本を読んだ後は、雑誌『エトセトラ』をお読みください。

それから、今日の「ユキコレ」もお聞きください♪
放送から1週間以内でしたらラジコのタイムフリーで聞くことができます。

今日の放送は事前に収録したものなのですが、
山内さんがかなり熱く田嶋陽子さんについてお話になっています。

***

さらに!山内さんと言えば、
新潟県長岡市の酒蔵、お福酒造とのコラボで小説を書かれています。

なんと日本酒を買うと、この小説がついてくるのだとか。

お酒にまつわる物語を男性、女性それぞれの目線で描いています。
2冊合わせて、1つの物語です。
私も読みましたが、男性の物語を先に読むと、より楽しめると思います。

日々生活をしている中で、ちょっとときめく瞬間ってありませんか?
そんな心の動きが描かれていて、キュンとなりました。
短いけれど、とても良いお話でした。

気になる方は、お酒とセットでお楽しみください。

yukikotajima 11:17 am

『虹 靴紐をきつく結んで』

2019年11月21日

新聞を読んでいると、富山には様々な人がいることを実感します。

中でも、北日本新聞の「虹」というシリーズを読むと、
富山には素敵な方が多いなあと思います。

『虹』は、「朝、新聞を広げたときに温かな気持ちになれる紙面があったらいい」
という提案から始まったシリーズで、毎月一日に掲載されています。
しかも、贅沢に丸々1ページ使われており、
他の記事よりも文字が大きいので読みやすいのも特徴です。

2009年5月から続いている人気シリーズで、これまで5冊の本になっているのだとか。

このほど、2017年9月から今年4月までの全20話が、
シリーズの6巻目『虹 靴紐をきつく結んで』として
一冊の本として発売されました。

今回は、サクラマス研究をしている高校の先生、
ピアノの先生でもあり僧侶でもある女性、
ジビエ専門の食肉処理施設を運営する男性などが紹介されています。
また、元富山グラウジーズの選手で今は指導者の呉屋さんもいらっしゃいました。

私が印象に残ったのは、80代の画家、藤森兼明さん。

思い通りにいかないことも多く、
画家になることをあきらめ、就職した藤森さんでしたが、
なんとアラフォーになって画家に復帰します。

でも、回り道したからこそ今の自分の作品があると
藤森さんはおっしゃっています。

本を読みながら藤森さんの作品を見に行きたくなりました。

『虹』には様々な方が登場するため、
人選はどのようにしているのか、実際に取材をされた方にお聞きしたところ
県内の「一生懸命な人」を取り上げている、とのことでした。

どこか遠くの「特別な誰か」ではなく、
地元で一生懸命頑張っている人を丁寧に紹介しているのが、
この『虹』です。

身近な人のお話だから、より心に響くのでしょうね。

『虹 靴紐をきつく結んで』は、すでに発売されています。
北日本新聞社の他、紀伊国屋書店富山店でも買うことができるそうですので
是非お読みになってみては?

◎本の詳細は コチラ

yukikotajima 12:19 pm