ゆきれぽ

2025年5月7日

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『カフネ』

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GW終わっちゃいましたね。
どんなGWでしたか?

私はと言うと、GW後半は先延ばしにしていたことと、ようやく向き合えました。
衣替えに、いらないものの処分、仕事の資料の整理などを一気にやって、
部屋はもちろん、私の心もスッキリしました。

なぜやる気スイッチが入ったのかというと、家事代行を扱った小説を読んだからです。
テキパキと部屋の中を片付けていく主人公に触発され、私もやってみようと思ったのでした。
さらに料理スイッチも入って、本に出てくるマグカッププリンも早速作りました。

いい本を読んだ後は元気になって活動的になりがちなのですが、
今回は自分でもびっくりするほどの行動力でした。

つまり、それだけ読んだ後に元気になったということです!

今日ご紹介する本は、今年の本屋大賞受賞作です。

『カフネ』
阿部暁子(あべ・あきこ)
講談社

受賞おめでとうございます~♪

今日は五月最初のゆきれぽですので、明文堂書店とのコラボ回!
高岡射水店の書籍担当 野口さんのオススメ本です。

本屋大賞は全国の書店員の投票で決まりますが、
今日はまさに書店員さんのイチオシ本です。

『カフネ』は、最愛の弟を亡くした主人公と弟の元恋人が、
食べることを通じて距離を縮めていく物語です。

そう、最初はかなり距離があります。

主人公は、法務局に勤める41歳の「薫子(かおるこ)」です。
真面目で努力家で他人を頼るのが苦手です。
また、離婚をきっかけに荒んだ生活を送っています。

一方、弟の元恋人の「せつな」は、家事代行サービスの会社で働く料理人で、29歳です。
料理を作るのはうまいものの、ぶっきらぼうで可愛げがありません。

そんな年齢も性格も異なる二人が、家事代行サービスを一緒にしていくことになります。

薫子は掃除や片づけを、せつなは料理を担当し、
様々な家の暮らしを整えながら、薫子自身も元気を取り戻していきます。
ですが、物語はそれで終わりではありません。

実は薫子以外の登場人物たちにも、それぞれ抱えているものがあり、
後半、物語は大きく動いていきます。
私は物語がどう着地するのか気になって、
終わりが近づくにつれ、読むスピードがどんどん上がっていきました。

薫子とせつなは常にけんか腰で、
最初はなんだかピリッとした小説だなと思ったのですが、
途中からはそんなやり取りさえも楽しんでいました。
とても面白かったです。
最初にも言いましたが、元気が出ました!

ではここで、この本を大プッシュしている
明文堂書店 高岡射水店 書籍担当 野口さんのコメントをご紹介しましょう。

おいしいものを一緒に食べること。
ただそれだけで、そこには、笑顔があり、安心があり、幸せがある。
ひとりじゃないと思えることは、心強く生きる力に。
頑張っている人たちに届けたい一冊です。

全国の書店員が選んだ大賞作。
未読の皆さま、是非お読みください!

この本には食事をするシーンが何度も出てくるのですが、それがとてもいいのです。

辛いことを我慢している人や、素直になれずにいる人が、
ご飯を食べて思わず顔がほころぶ瞬間に心がじんわり温かくなりました。

そして、その料理を私も食べたくなるのですが、
なんと本の中にレシピ冊子が入っていますので、自分でも作れます。
(レシピは『カフネ』の公式サイトにも載っています)
私も今度、本に出てきた豆乳の素麺を作ってみようと思います!

全国の書店員の皆さんがこの本を大賞に選んだ理由が分かったように思いました。
GW明けは、なんかやる気が起きないという方もいるかもしれませんが、
ゆっくりでいいので、この本を読んでみてください。
あなたの心を軽くしてくれる言葉がこの本の中にあるかも、しれませんよ。

『カフネ』は、富山県内の明文堂書店全店の
「ヨリミチトソラ ゆきれぽコーナー」にもありますので、
ぜひチェックしてみてね♪

◎明文堂書店のサイトは コチラ

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