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今日紹介する本は…不便益と家庭内男女平等

2017年4月26日

私がラジオでご紹介する本は基本的には小説が多いのですが、
それ以外の本も実は色々と読んでいます。

そこで、今日は最近読んだ小説以外の本を2冊ご紹介します。

まずは、こちら。

『ごめんなさい、
もしあなたがちょっとでも行き詰まりを感じているなら、
不便をとり入れてみてはどうですか?
〜不便益という発想/川上浩司(かわかみ・ひろし)(インプレス)』

大変長いタイトルですよね。

本の表紙は、こちら。

タイトルのみです。

でも、そのわけのわからなさに、私はまんまとはまってしまい
本屋さんで手に取ってしまったのでした。

この本のテーマは「不便益」。
「ふべんえき」と読みます。

この本によると、
「不便であるからこそ得られる益」
のことを「不便益」と呼ぶそうです。

今の時代はスピードや効率が大切にされることが多いですが、
不便から生まれる益もある!ということで
この本には、様々な不便益の事例が紹介されています。

いくつか例をあげると

・アクセスしづらいところにある秘湯

・遠足のおやつの金額制限(おやつは300円まで)

どうですか?
言われると納得しませんか?

アクセスしづらいからこその「秘湯」なわけで、
これが誰でも簡単に行けたら秘湯にはならないですよね。

おやつも300円以内だったからこそ
あれこれ考えながらおやつを選ぶ楽しみがあったのだと思います。

実際、こどもに不便な体験させたところ、
工夫するようになったという事例もあるのだとか。

不便ゆえにどうしたら便利になるか考え、
それが「工夫」につながるのですね。

大変面白い本でした!

あなたも生活にあえて「不便」を取り入れてみては?

とりあえず、今年のGWのおでかけのおやつは、
300円以内にしてみてはいかがでしょう?(笑)

***

もう1冊は、FMとやまでは「オッケートーク」でおなじみの
富山出身の作家、山内マリコさんのエッセイです。

こちらの本もタイトルが最高です。

『皿洗いするの、どっち?目指せ、家庭内男女平等!(マガジンハウス)』

こちらは、雑誌「アンアン」に掲載されていたエッセイをまとめたもので、
ご主人との生活における不満(時々のろけ)が綴られています。

ラジオでは、かわいい声で優しい印象の山内さんですが、
ご主人の前では常に不機嫌で
ご主人から「夜叉」と呼ばれることもあるのだとか。わーお!

たしかにこのエッセイの山内さんは、ずっと怒っています。

でも、読んでいて不快にならないのは、
怒りつつもご主人への愛情は感じられるから。
それに時々のろけているしね♪(笑)

また、ご主人も言われっぱなしではありません。

このエッセイには、夫の言い分ものっていて
優しい語り口でソフトに反論というか言い訳をしています。

山内さんだけの話を聞いていると
ご主人、もっとがんばってー!と思うのだけど、
ご主人の言い分を聞くと
うーん。どっちもどっちなんじゃないの?と思えてくるもので(笑)、
人の話は、双方から聞かないとわからないもんだなと実感しました。

こちらも大変面白い一冊でした♪

そうそう!
山内さんからgraceリスナーの皆さんへコメントを頂きました。


graceリスナーのみなさん、こんにちは!山内マリコです。

新刊のエッセイ集は、同棲と結婚をテーマにしています。

料理がめんどくさいとか、
なんでわたしばっかり皿洗わなきゃなんないのとか、
多くの女性が思っているであろう家事にまつわるモヤモヤした気持ちを、
恥をしのんで正直に書きました!

この本がきっかけになって、
家事のことを、旦那さんと奥さんが腹を割って話し合う機会になれば幸いです。

未婚の人もきっと勉強になるはずなのでぜひ!

目指せ、家庭内男女平等☆

 

yukikotajima 11:40 am

いのちの車窓から

2017年4月19日

今日のキノコレ(grace内コーナー13時45分頃オンエアー)で
紀伊國屋書店富山店の奥野さんにご紹介いただく本はこちら。

星野源(ほしの・げん)さんのエッセイ集

『いのちの車窓から』

です。

●奥野さんの紹介文は コチラ

私もこのエッセー集を読みましたので軽く感想を。

今や俳優としても大人気の星野源さんですが、
私にとっては音楽家の印象が強いです。
ラジオでもデビュー時からよく曲がかかっていましたしね!

エッセイ集を読みながら、
2011年に富山の野外フェス「Summer Voice Carnival」
に出演された時のことを思い出しました。

あの日、ライブをしながらも
マイペースにたくさんお話をされていたのが印象的でした。

そのお話というのが、まるで一緒にお茶でもしているかのようか自然な空気感で
私はこの日、星野源さんのファンになったのでした。

あの日の会場は決して大きくなかったけれど、
会場の大きさは関係なく
いつでもどこでもあのままなのだということが、
このエッセイ集を読んでわかりました。

ああ、久しぶりに星野源さんのライブに行きたいなあ。

yukikotajima 11:40 am

スウィングしなけりゃ意味がない

2017年4月12日

昨日、本屋大賞が発表されました。

大賞に選ばれたのは、
直木賞受賞作でもある恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』

納得の大賞です。おめでとうございます!

私の感想は コチラ

この本、まだお読みでない方は是非〜。

本屋大賞のサイトは コチラ

今日のユキコレ(grace内コーナー13:45頃オンエアー)で
ご紹介する本も音楽に関する本です。

『スウィングしなけりゃ意味がない/佐藤亜紀(角川書店)』

本のタイトルを見た瞬間、
「お、これはジャズに関する小説かしら?」
と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

正解です!

戦時下のドイツでジャズに夢中になった少年たちの物語です。

と言っても『蜜蜂と遠雷』のように演奏したり歌ったりするのではなく
(中には演奏をする少年もいますが)、
基本的にはジャズを「聞いて」楽しんでいました。

でも、当時のドイツはナチスの政権下にあり、ジャズは敵性音楽でした。
つまり、聞くことが禁止されていたのです。

にも関わらず、彼らはジャズを聞いていました。
例えば、ジャズが楽しめるカフェで。
それもバンドの生演奏を。

物語はひとりの少年の一人喋りで進んでいきます。

少年は15歳のエディ。
彼は裕福な家庭の息子です。
いい服を着て、いいものを食べて、いい音楽を聞いて…と
まるで戦時中であることを忘れてしまいそうになるほど、
優雅な日々を送っています。

とは言え、やはり戦時中です。楽しいだけの日々は続きません。
戦争が進むにつれ、彼の環境も大きく変わっていきます。

でも、彼自身は変わりませんが。

彼の感覚は、いたって真っ当です。
長い物には巻かれません。

たとえば、こんなふうに。

「禁止された音楽だとしても
ホールいっぱいのお客さんが望むものを国は邪魔できない」

エディの本音、最高です!

この本には、そんなエディの心の声がたくさん出てきます。
しかも今どきの若者言葉で。もちろん日本語ですよ。(笑)
そういえば、この本、どことなく翻訳小説っぽいかも。

戦時中は特に誰もが上に従わざるを得ませんでしたが、エディは違います。

いや、戦時中だけのことではないな。

大人というものは、いつの時代もおかしさを疑わず、
こういうものだ、とあきらめてしまいがちなのかも。

私もエディから見たらつまらない大人になっているのかもと、どきり。
反省しました。

それにしても、この作品、ずっと音が鳴っていて
なんとも賑やかな一冊でした。

エディが好きなジャズのナンバーが次々に出てくるのです。
しかもおなじみのナンバーばかり。

ジャズ好きの方は脳内で音を鳴らしながら読書を楽しめると思います♪

音楽小説を読むたびに言っていることだけど、
この本専用のCDがあればいいのになあ。

もちろん、ジャズがわからなくても楽しめますので安心してお読みください。

yukikotajima 11:40 am

いい空気を一瞬でつくる

2017年4月7日

私がアナウンサーとして仕事を始めたのが2001年の4月。
この春で17年目となりました。

わーお。
もうそんなに経つのか…。

もう17年目ですが、
でも、毎年この時期には新人の気持ちで
アナウンス関連の本を読むようにしています。

車の定期検査のような感じで。

今年読んだのはこちら。

『いい空気を一瞬でつくる
  誰とでも会話がはずむ42の法則
    /秀島史香(朝日新聞出版)』

秀島史香(ひでしま・ふみか)さんは、ラジオDJです。
ナレーターとしても活躍されています。

都会的でありながらもあたたかみのある声が素敵です。
写真にうつる笑顔もいつもおだやかです。

本のタイトルの「いい空気を一瞬でつくる」と言う言葉は、
まさに秀島さんにぴったりだなあと思いました。

まあ、実際お会いしたことは無いのですけどね。(笑)

この本を読みながら、わかる!わかる!と共感の連続でした。
と同時に忘れていたこともたくさん思い出し反省もしました。
いま思い出せて本当によかったです。

ラジオの仕事は、喋る仕事だけではありません。
どちらかというと、聞くことのほうが多いように感じます。

話を聞く上でまず大切になるのは、この本のタイトルにもある通り、
相手がリラックスして話せる空気をつくることです。

秀島さんは、いい空気をつくるために大切なのは
「笑顔」であるとおっしゃっています。

笑顔と言えば、先日、妹の子ども(もうすぐ2歳の甥っ子)とテレビ電話をしたとき
前はよく笑っていた甥っ子がこの間はあまり笑っていなかったのです。

妹も「最近この子、いつも不機嫌な顔してるんだよねー」
と心配していたのですが、そのとき気付きました。
ママである妹と甥っ子の表情がそっくりであることに。

どうやら妹は最近ストレスを感じていて全然笑えていなかったそうで、
私に指摘されてハッとしたそうです。

妹と話をしながら、この本にあった
「ネガティブな感情はポジティブな感情より強い伝染力を持っている」
という言葉を思い出しました。

私も気を付けなきゃな。

このブログを読んでいるあなたは今どんな表情をしてますか?
仏頂面になっていませんか?

そんな方はちょっと口角あげてみてください。
きっとその瞬間、少し気持ちが軽くなると思います♪

ちなみに、この本によると、
相手に好感が持てるかどうかは会って0.1秒で決まるのだとか。
また、好印象の人は会う前から笑顔で上機嫌なんだそうです。

たしかにそうかも!

とはいえ、自分は笑顔で柔らかな空気をつくろうと心がけても
相手の空気がピリピリしていることもあります。
そんな中で会話をしなければならない時、
どうしたらいいと思いますか?

答えはこの本に書かれています。(笑)
答えが気になる方は是非読んでみてね!

この本はどなたが読んでも勉強になると思いますが、
イチオシは新人さんたちです。

入社式以降、様々な人とコミュニケーションを取ってきたと思いますが、
どうですか?うまくしゃべれなかったと落ち込んでいる方もいるのでは?

この本を読めば、来週はすこ〜し肩の力を抜けるかも♪

yukikotajima 12:19 pm

か「」く「」し「」ご「」と「

2017年4月5日

こんにちは、田島悠紀子です。

2017年度も引き続き、

・水曜・木曜のgrace

・土曜日のネッツ・カフェ・ドライヴィン

を担当していきますので、よろしくお願いします!

そして、ブログも3つ続けていきます。

ゆきれぽ

graceブログ

続・ゆきれぽ

ラジオと合わせてブログもよろしく〜。

そうそう、日々のつぶやきは、ツイッターを見てね♪

@yukky713

2017年度も田島悠紀子をよろしくお願いします〜。

***

さて、今日のキノコレ(grace内コーナー13:45頃オンエアー)
で紀伊國屋書店富山店の奥野さんからご紹介いただく本は、

『 か「」く「」し「」ご「」と「 / 住野よる 』

です。

まずは、奥野さんの推薦文をお読みください。

→ コチラ

読み方は、ストレートに「かくしごと」です。
かぎかっこは読みません。

5人の高校生たちの物語で、5人それぞれの視点で描かれています。

5人とも人を見るとき、それぞれ他の人とは違った能力というか、感覚で見ています。

たとえば、
誰が誰を好きか気持ちが矢印になって見える女子もいれば、
人の気持ちが感嘆符で見える男子もいます。

この本、もしや不思議ワールド全開?と最初は思いましたが、途中で気付きました。

同じものを見ているようでも人によって見える世界は全然違う、ということなんだなと。

見え方も感じ方も全然違います。
私はこう思う。だから、他の人も同じように思っているはず、というのは間違いです。

たとえ仲が良くても100%同じ感覚であることはありません。
ある人には、笑い飛ばして数分後には忘れられるような言葉でも
人によっては、その言葉に苦しめられずっと悩んでしまうこともあります。

でも、問題を難しくしているのは、自分自身だったりするのですよね。
たいていのことは自分が思うほど、複雑ではないのかもしれません。

人の言動に振り回されがちな方は、この本を読むことで心が軽くなるかも。
ああ、私だけじゃないんだって思えるはずです。

高校生の物語だけど、大人の皆さんもぜひ!

ちなみに、私は高校生たちの気持ちがわかりつつも
あまりのもどかしさに何度もおせっかいをやきたくなりました。(笑)

そういう意味では、私はややおせっかいなパラに近いかなー。

あなたは5人のうち誰の気持ちが一番わかるかしら?

yukikotajima 12:07 pm