ゆきれぽ

2026年8月12日

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『タイム・アフター・タイム』

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今日は平日ですが、お盆休み中の方もいることでしょう。中にはお休み中に同窓会に参加したり、学生時代の友人と久しぶりに会ったりする方もいるのでは。また、思いがけず懐かしい人に再会することもあるかもしれません。たとえば昔の恋人とか。

今日は、そんな大人の夏休みにおすすめの小説をご紹介します。

『タイム・アフター・タイム』
吉田修一
幻冬舎

大ヒットした映画『国宝』の原作者、吉田修一さんの新刊です。しかも、作家デビュー30周年記念作品だそうです。おめでとうございます!

この本は4月まで日経新聞に連載されていた作品を書籍化したもので、5月の終わりに発売されました。連載時からかなり話題となっていたことから、私が書店に行った時には売り切れていました。そのためラジオでの紹介も遅れてしまったのですが、夏休みのこのタイミングでちょうど良かったかもしれません。

物語は、ある夕立の日からはじまります。建設会社に勤めるオッソーこと尾崎颯(おざき・そう)は、新しい美術館を建てるプロジェクトの担当になり、現場を訪れたところ、そこで激しい雷雨にあいます。その土砂降りの中、初恋相手である高校の同級生、久遠愛(くおん・あい)と再会します。なんと広告代理店で働く彼女もプロジェクトの関係者なのでした。

二人はプロジェクトを成功させるために、それぞれ奮闘していくのですが、建築家のデザイン盗用疑惑などもあり、なかなか計画通りに進みません。さらに、彼らを悩ますものは仕事だけにとどまらず…。

その後、物語は二十数年前の高校時代の夏へとさかのぼります。現在は東京で働く二人ですが、当時は長崎の高校に通う同級生でした。

物語は、現在と過去が交互に紡がれていくのですが、読み進めるにつれ、今も過去もこの先どうなっていくのかしらと気になって、ページをめくる手が止まりませんでした。

大人になってから恋愛小説はあまり読まなくなったという方でも、この作品はきっと楽しめると思います。私もそんなひとりでしたが、自分でもびっくりするくらい夢中で読んでしまいました。

その理由は、物語が面白かったのはもちろん、私の心が純粋になっていた、というのもあるかもしれません。著者の吉田さんは、「純粋なものに向き合ってみたい」と思って、この小説をお書きになったそうですよ。そして、純粋なものを詰め込んだのだとか。その結果、私の心も純粋になっていました。そして、作品を読みながら私自身の懐かしい思い出も同時に蘇っていました。

最初に私は、夏休み中に初恋の人に再会することもあるかも、と言いましたが、この本を読めば、あなたの心の中で懐かしい人に出会えると思います。

とてもいい物語でした。また、物語の終わり方も最高でした。結末も、そこにいたる描写も。終盤、おっと、そこでそうきたか!という驚きもありながら最後まで楽しめました。500ページ以上あったのに、あっという間でした。新聞の連載を読んでいた方は、続きが気になって仕方なかったのではないかしら。

ネタバレにならないように紹介したら、ぼんやりとしたものになってしまったのですが、ちょっとでも気になった方は読んでみてください。それも夏のあいだにぜひ。

吉田さんの作品は、これまで何冊も映像化されてきましたが、この新刊もきっと何年か後に映画化されて大ヒットしていそうだな。というか、私が映画化したい気分。(笑)その時は、オッソーを吉沢亮さんに演じていただきたい。でもアラフォーになるまでもう少し待たないといけないか…なんて妄想するのも楽しい時間です。

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