ゆきれぽ

2026年7月29日

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『光雨往来』

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もうすぐ8月。お盆休みも近づいてきましたね。夏休みに旅行に行く方もいると思いますが、今日は旅気分が味わえる、台湾と日本が舞台の小説をご紹介します。

『光雨往来(こううおうらい)』
池澤春菜(いけざわ・はるな)
株式会社KADOKAWA

池澤さんは、台湾好きとして知られているそうで、これまで台湾には70回以上訪れ、台湾を紹介する書籍もたくさん刊行しているのだとか。また、作家の他、声優、書評家としても活躍されています。

『光雨往来』は、台湾にまつわる5つのお話が収録された短編集なのですが、全体を通して台湾への愛にあふれています。美味しそうな食べ物やお茶をはじめ、文化や人など、台湾の魅力が詰まっているので、まさに台湾を旅している気分で楽しめます。ですが、読んでいるうちに本当に行きたくなってくるもので、私は今、台湾に行きたくてたまりません。台湾に行ったらまずは本格的な中国茶を飲みたいなあ。それから本に出てきた豪華なフローズンヨーグルトも食べたいし、前に台湾で食べたマンゴーかき氷もまた食べたい…って、このままでは私が台湾でやりたいこと(いや、食べたいものか)だけで終わってしまいそうなので、私の願望は終わりにして、作品の紹介に戻りますね。

物語はまず、いろいろあって無職になり、急きょ台湾に旅に行くことにした女性のお話から始まります。行き当たりばったりの旅の中で彼女は初めて中国茶を飲むのですが、その時にこれまで感じたことのない感覚を味わいます。彼女はお茶を飲んでどう感じたのでしょう。ちなみにこの短編のタイトルは「光を飲む」です。

他には、雨の日だけ辿り着ける郵便局が出てくる物語もあります。小説が書けなくなった作家が執筆するために滞在している台湾で、ある雨の日、不思議な郵便局を見つけます。そして、その郵便局でとあるお手伝いをすることになるというお話です。私はこのお話が一番心に残りました。雨の日に雨音を聞きながらじっくり読みたい物語です。

また、台湾から日本にやってきた女性の物語も面白かったです。彼女の日本に対してのふとした疑問や指摘に、何度もハッとさせられました。たとえば、台湾のお茶が大好きな彼女は日本のお茶にも興味を示すのですが、日本のお茶に対して「なぜ?」と思うことがあります。それは一体何でしょう。

ちなみに、この短編集には、お茶を飲むシーンが何度も出てきます。美味しそうなお茶も、また、お茶を飲む時間もどちらもそれぞれ印象に残りました。お茶を飲むと喉が潤いますが、この小説を読むと心が潤うのを感じるはずです。また、語り口が軽やかでありながらも、様々な影にも光を当てているのもポイントです。本のタイトルには「光」と「雨」が入っていますが、雨といえば、富山はまだ梅雨が明けていません。ぜひ雨の日にでも読んでみてください。読んだ後は、雨上がりのような光も感じられますよ。

そして、やはり台湾に行きたくなります。私も久しぶりまた行きたいー!写真は以前訪れた時のものです。楽しかったし、美味しかったな。写真の私もめっちゃ笑顔だし。ちなみに、2019年の5月です。

 

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