ゆきれぽ

2026年7月22日

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『雨が降ったら』

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SNSによっては、私の過去の投稿を表示して、10年前の今日はこんな投稿をしていましたよ、と教えてくれるものもあります。それを見るたび懐かしさを感じると共に、この頃と比べると、いろいろ変わったなとも思います。見た目も、考え方も、好きなことも、悩んでいることも。特に40代になってからの変化が大きいと感じるのですが、40代以上の皆さんはどうですか。

実際、40代と言えば、ミッドライフクライシス(中年危機)なんて言葉もあるくらい、悩みや葛藤の多い世代です。更年期が始まったり、仕事上の立場が変わったり、子どもが成長したり。自分の人生が今までとは異なるステージになるのが40代です。そりゃあ環境が変われば、考え方も悩みも今までとは変わりますよね。

今日は、そんな悩める40代の女性たちの物語をご紹介します。

『雨が降ったら』
寺地(てらち)はるな
ポプラ社

雨と言えば、富山はまだ梅雨明けしていませんが、そろそろでしょうかね。雨の日には傘をさしますが、この作品は、とある町の洋傘店を軸に描かれる連作短編集です。物語の主人公は、5人の女性です。それも全員40代です。

同じ「40代女性」とは言え、境遇はさまざまです。例えば、夫の浮気で離婚し、古いアパートで独り暮らしをしている女性もいれば、家事と育児に追われる女性や、母親を亡くしたばかりの女性、それから独身の女性もいます。

そんな5人の女性たちが、商店街の小さな洋傘店を軸に、ゆるやかに繋がっていきます。

ちなみに、洋傘店では60代の女性店主と40代の息子が働いているのですが、この2人が女性たちの悩みを解決していくような話ではありません。描かれるのは、等身大の彼女たちの日常です。その中に洋傘店がある感じです。

また、「40代女性」と言っても、境遇も違うし、考え方も人によって異なります。ですから、私と似た考えの女性もいれば、タイプの違う人もいます。でも、それぞれの女性たちの気持ちがわかりました。うんうん、その気持ちもわかるかも、と思いながら、気付けば同世代の友人たちの話を聞いている気分でした。そして、話を聞いた後は、なんだか私の心までスッキリ明るい気持ちになっていました。

ちなみに、この本は40代以上の女性だけでなく、さまざまな年代の方から好評なんですって。それも男女問わず。

その理由はいろいろあると思いますが、普通の人たちの等身大の姿を描いていることも理由のひとつかもしれません。失敗したり、落ち込んだり、時にはワガママになったり。そんな普通の人たちのちょっとした幸せや不満も丁寧に描かれています。

その一方で、彼女たちの言葉の中に、はっとさせられるようなひとことが混ざっていたりして、サラリと読めつつも、なかなかに深い一冊でもあります。

また、それぞれの登場人物たちがゆるやかに繋がっていくのですが、その交わり方や、人との距離感がリアルなのも魅力のひとつです。

ちょっとお疲れ気味の大人の皆さん、ぜひ気軽にこの本を読んでみてください。私は本を読んだ後、すこーし生きやすい世界に変わった気がしましたよ!

世界が変わると言えば、この本は見た目を変えられます。実は表紙のカバーに仕掛けがあります。普段外さないという方も、この本のカバーはぜひ外してみてくださいね。

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