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『愛という名の支配』『エトセトラ』

2019年11月27日

今日のユキコレ(grace内コーナー13:45頃〜オンエアー)には、
ラジオでもおなじみの富山出身の作家、山内マリコさんが登場します。

ユキコレは、私、田島悠紀子オススメの本を紹介するコーナーですが、
今回は、田嶋陽子さん関連の本を2冊ご紹介します。

田嶋陽子さんいったら日本でいちばん有名なフェミニストです。

そんな田嶋さんのことを心から尊敬している山内さんは、
このほど田嶋さんの『愛という名の支配』という本の解説を担当されました。
本の帯にも山内さんのコメントが載っています。

さらに、田嶋さんへのリスペクトに満ちた雑誌の責任編集もなさっています。

雑誌『エトセトラ』の特集タイトルは、「We ❤Love 田嶋陽子!」

私もこの雑誌を読みましたが、田嶋さんへのラブレターといっても言いほどの一冊でした。
山内さんをはじめ、柚木麻子さんや男女問わず様々な皆さんが
田嶋さんへの愛を綴っていらっしゃいます。

田嶋さんというと、私も「田島」のため(漢字は違いますが)
「タジマ」という名前だけでよくいじられました。

私は、法政大学の出身なのですが、
当時、田嶋先生は法政大学の教授をされていたことから
入学してすぐのある授業で教授から「田嶋陽子の親戚か?」と言われ、
笑いが起きたのを覚えています。
あきらかにその笑いは、ちょっとバカにした笑いでした。

だから、田嶋さんのお姿をテレビで拝見し、
他の男性たちからいじられているのを見る度、
ああ、私もまたいじられる…と思うようになってしまいました。

でも、先日、山内マリコさんからすすめられた
『愛という名の支配』を読んで、田嶋さんの印象が変わりました。
田嶋さんは、とても素敵な方でした!

『愛という名の支配』は、1992年、今から27年前に書かれた本です。
でも、まったく古さを感じませんでした。

その時代の小説を読むと、男尊女卑が激しすぎて
読んでいるうちに嫌な気持ちになることがあるのですが、
田嶋さんは、そんな時代に、女性の生きづらさについてお書きになっていたのです。

すごい!すごすぎる!

例えば、

・女が強くなったのではなく、やっともとの状態に復元しだした
・まわりが味方してくれなくても自分を味方につけたらいい
・女の人は、もっと自分にやさしい服装をすべき

などがおっしゃっているのです。27年も前に!

私は、夢中で本のページをめくってしまいました。

確かに27年前に比べたら女性は生きやすい世の中になったと思います。
それでも、いまだ変わらないことも多々あります。

本の帯には「すべての女性に勇気を与える」と書かれています。
確かに読んだ後は「私も頑張ろう」と思えました。
今、この本に出合えて本当に良かった!

また、この本を読んだ後は、雑誌『エトセトラ』をお読みください。

それから、今日の「ユキコレ」もお聞きください♪
放送から1週間以内でしたらラジコのタイムフリーで聞くことができます。

今日の放送は事前に収録したものなのですが、
山内さんがかなり熱く田嶋陽子さんについてお話になっています。

***

さらに!山内さんと言えば、
新潟県長岡市の酒蔵、お福酒造とのコラボで小説を書かれています。

なんと日本酒を買うと、この小説がついてくるのだとか。

お酒にまつわる物語を男性、女性それぞれの目線で描いています。
2冊合わせて、1つの物語です。
私も読みましたが、男性の物語を先に読むと、より楽しめると思います。

日々生活をしている中で、ちょっとときめく瞬間ってありませんか?
そんな心の動きが描かれていて、キュンとなりました。
短いけれど、とても良いお話でした。

気になる方は、お酒とセットでお楽しみください。

yukikotajima 11:17 am

セレネ美術館

2019年11月23日

今日のネッツカフェドライヴィンのテーマは「健康管理」でした。

私は、体を冷やさないことを大事にしています。
今日は薄着だったな、という日に風邪をひくことが多いので、
バッグの中には貼るカイロが欠かせません。

また、ランニング、ヨガ、ピラティスをしたり、
心の健康のために定期的に美術館にも行っています。
人の手で描かれたり作られたりした作品を見ると心が満たされるのです。

先日は、黒部峡谷セレネ美術館に行ってきました。

トロッコ電車に乗って紅葉を満喫した後に
美術館の作品を見たことで、より楽しむことができました。

セレネ美術館には、平山郁夫さんをはじめとした7名の日本画家の皆さんが、
実際に黒部峡谷を取材して描いた作品が展示されています。

それぞれ、様々な角度から黒部峡谷を描いていて見ごたえがあります。

私が特に心奪われたのは、
宮廻正明(みやさこ・まさあき)さんの「三拍子」という作品。
釣りをしてる絵なのですが、なんと川の中の魚目線で描かれています。
絵の前に立つと、作品の中に吸い込まれそうな、
それこそ釣られそうな感覚になりました。

こちらの「黒部川」という作品は、記念撮影OKの作品でした。



どうですか?
まるで本物の川のように見えませんか?

近づいてみてみると…
まるで冷たい水しぶきが飛んできそうです。

どの作品も素晴らしくて、心が満たされました。

ぜひトロッコ電車とセットでお楽しみください♪

◎黒部峡谷 セレネ美術館のサイトは コチラ

yukikotajima 12:00 pm

『虹 靴紐をきつく結んで』

2019年11月21日

新聞を読んでいると、富山には様々な人がいることを実感します。

中でも、北日本新聞の「虹」というシリーズを読むと、
富山には素敵な方が多いなあと思います。

『虹』は、「朝、新聞を広げたときに温かな気持ちになれる紙面があったらいい」
という提案から始まったシリーズで、毎月一日に掲載されています。
しかも、贅沢に丸々1ページ使われており、
他の記事よりも文字が大きいので読みやすいのも特徴です。

2009年5月から続いている人気シリーズで、これまで5冊の本になっているのだとか。

このほど、2017年9月から今年4月までの全20話が、
シリーズの6巻目『虹 靴紐をきつく結んで』として
一冊の本として発売されました。

今回は、サクラマス研究をしている高校の先生、
ピアノの先生でもあり僧侶でもある女性、
ジビエ専門の食肉処理施設を運営する男性などが紹介されています。
また、元富山グラウジーズの選手で今は指導者の呉屋さんもいらっしゃいました。

私が印象に残ったのは、80代の画家、藤森兼明さん。

思い通りにいかないことも多く、
画家になることをあきらめ、就職した藤森さんでしたが、
なんとアラフォーになって画家に復帰します。

でも、回り道したからこそ今の自分の作品があると
藤森さんはおっしゃっています。

本を読みながら藤森さんの作品を見に行きたくなりました。

『虹』には様々な方が登場するため、
人選はどのようにしているのか、実際に取材をされた方にお聞きしたところ
県内の「一生懸命な人」を取り上げている、とのことでした。

どこか遠くの「特別な誰か」ではなく、
地元で一生懸命頑張っている人を丁寧に紹介しているのが、
この『虹』です。

身近な人のお話だから、より心に響くのでしょうね。

『虹 靴紐をきつく結んで』は、すでに発売されています。
北日本新聞社の他、紀伊国屋書店富山店でも買うことができるそうですので
是非お読みになってみては?

◎本の詳細は コチラ

yukikotajima 12:19 pm

どこにでもあるどこかになる前に。

2019年11月20日

今日のキノコレは、紀伊國屋書店富山店の奥野さんから
富山出身の藤井聡子さんのエッセイ
『どこにでもあるどこかになる前に。(里山社)』
をご紹介いただきます。

◎奥野さんの推薦文は コチラ

まず、『どこにでもある どこかになる前に。』
というタイトルにグッときました。

確かに、街がキレイに新しくなるに連れて、どこに行っても
「なんか知ってるような…」「どこかで見たことがある気がする」
という感想を持つことは増えてきます。

著者の藤井さんは、富山出身です。
東京で仕事をしていたものの再び富山に戻ってきて
現在は、富山ならではの個性の強い場所や人を探るライター活動をしています。
コンクリートの狭間から顔を出す「ど根性大根」のような富山を見つけたいと思って。

この本では、藤井さんが富山で感じたことや
藤井さんの心を揺さぶったディープな富山が紹介されています。

と同時に、藤井さん自身の物語でもあります。
藤井さんが富山でライターとして活躍するまでが正直な言葉で綴られています。

「富山」の見え方、とらえ方、愛し方は、人によって違っていいと思いますが、
藤井さんの視点もきっと勉強になると思います。
富山にこんなお店があったんだ!という発見もあれば、
藤井さんの言葉に気付かされることもあるかもしれません。

富山が好きな方はもちろん、
富山は退屈…という方も是非読んでみてください。

***

私は、この本に書かれていた「人が場所を作る」という言葉が印象に残りました。

久しぶりに富山に帰ってきて最初は退屈だと思っていた藤井さんも
様々な人に会うことで富山の魅力に気付いていきます。

私自身も同じです。
富山弁で「旅の人」である県外出身の私は、
富山に来たばかりの頃は疎外感を感じていましたが、
様々な人と関わる中でアウェイ感は薄まり
居心地のいい場所になっていきました。

結局は「人」なんですよね。

例えば、どんなに料理が美味しいお店でも
スタッフやお客さんの態度から居心地の悪さを感じれば、
その後、行きたいとは思えませんもの。

でも、居心地のいい場所は、人によって違っていいと思います。
それぞれに居心地のいい場所があれば、それでいいんじゃないかなあと。

この本を読んだ後、ふとそんなことを思ってしまいました。

yukikotajima 11:41 am

たそがれダンサーズ

2019年11月13日

ラジオをお聞きのあなたは何か習い事はしていますか?

今日は、趣味に夢中になるおじさまたちの物語をご紹介します。

『たそがれダンサーズ/桂望実(中央公論新社)』


桂さんと言うと、映画化された『県庁の星』が有名かもしれません。

今回の登場人物は、おじさまたちです。
いや、中にはおじいさんもいます。

彼らの共通点は、社交ダンスを習っていること。

メンバーを簡単にご紹介しましょう。

まず、定年後に趣味として始めた田中さん。
退職後、運動不足を実感し、ウォーキングをしたり
卓球教室に通ったりしたものの楽しめず、
病院ですすめられたのが「社交ダンス」でした。

社交ダンスは、激しすぎず、でも簡単すぎるわけではないので飽きない。
そのうえ、男性が圧倒的に少ないから女性たちから引っ張りだこになるのだとか。

田中さんは、男性が少ないなら人助けにもなるし、
ついでに運動もできるなら、という理由で始めることにします。

また、商社マンの川端さんは、女性にモテたいという理由で。

工場経営者の大塚さんは、家族には秘密のままこっそり始めます。

もちろん、全員社交ダンスは初めての素人たちです。

実際、社交ダンスをする男性たちは少ないようで、
ダンスパーティーに参加すれば、実際女性たちから
「私と踊ってください」と次々に誘われます。
おじさんになってから、こんなに女性たちからモテるのは初めてで
戸惑うおじさんもいれば、喜ぶおじさんもいます。

また、女性の先生方はみんな優しくて、
失敗しても全く怒られません。

そんな日々が続き、おじさまたちは幸せいっぱい♪

かと思いきや、いや、これは何か違うと気付き始めます。

おじさまたちが若いころ、スポーツと言えば厳しい指導が当たり前でした。
猫なで声で優しく指導されるより、クールにダメ出しされるほうがいいかも、
と思い始めます。

また、最初は女性から必要とされることに喜びを感じていたものの、
段々それに疲れを感じ始めます。

女性の目など気にせず、男性だけで踊りたいと思った彼らが始めたのは、
社交ダンスの「フォーメーション」という種目でした。

社交ダンスというと、私は男女ペアになって踊るイメージで、
団体で行うダンスがあるなんて知りませんでした。

そして、おじさまたちは、男性だけのダンスを始めることにします…。

果たしておじさまたちのダンスは、どこに向かってくのでしょうか。

ぜひこの続きは、本のページをめくってみてください。

***

大変面白かったです!
若者たちが何かに向かって頑張る物語はよくあるし、
私も好きでよく読みますが、
この小説は頑張るおじさまたちの物語です。

最初は、このおじさん偉そうだなとか、
なんでこんなに自己評価が高いんだろう?とか
そんなに自分のプライドが大事なの?
と正直、出てくるおじさまたちに対して、いい印象はありませんでした。

でも、読み進めるうちに、おじさまたちに私が慣れてきたのもあると思いますが、
悪い印象ではなくなっていきました。

そして、後半は涙、涙でした。

若者の物語は、それまでどんなにつまずいていたとしても
未来に期待を感じさせるものが多いですが、
おじさまたちの場合、もう人生の半分以上が過ぎてしまっています。

登場人物のおじさまのひとり、62才の田中さんは、
「皆、したくない体験をしてきた。
望み通りの人生だと胸を張って言える人は一人もいない」
とおっしゃっています。

そうなんです。
長く生きていれば、みんな、それぞれ何かしら辛い経験があるのですよね。

今年も残り1ヶ月半です。
今年を振り返ると特に印象的なことはなかったなあ、
というおじさま、おばさまたちはいませんか?

この本を読んだ後は、きっと何か新しいことをはじめたくなると思います!

中には「社交ダンス」を始める人もいるかも!?

また、この本は中高年だけのものではありません。
若者の皆さんにもおすすめです。

プライドが高くて偉そうなおじさまたちから教わることもあると思いますよー。
ぜひおじさまたちの心の中をのぞいてみてください。

yukikotajima 11:32 am

ひとよ

2019年11月7日

明日11月8日(金)に話題の映画『ひとよ』が公開されます。

去年、『孤狼の血』が話題になった白石和彌監督の最新作です。

今回のテーマは「家族」です。

「家族の映画」と聞くと、どんなイメージを抱くでしょうか?

「アットホームで笑顔あふれるほのぼのとした雰囲気」
をイメージされる方もいらっしゃるかもしれませんが、
『ひとよ』は、いきなり殺人事件から始まります。

15年前のある夜、母親が父親を殺害します。
子供たちに暴力をふるう父親から子どもたちを守るために。

母は「15年経ったら必ず戻ってくるから」
と子どもたちに約束し、警察へ出頭します。

そして、15年後。
すっかり大人になった子どもたちの前に母が帰ってきます。

子どもたちは、久しぶりに母に会って何を感じると思いますか?

子どもたちの母に対する思いはそれぞれ違っていました。

長女は母との再会を喜びますが、
次男は母を受け入れることができません。
そして、長男はどうしていいかわからず。。。

というのも、犯罪を犯した母のせいで、
子どもたちのその後の人生は、
嫌がらせを受けたり、夢をあきらめたりと
決して幸せな日々ではなかったのです。

果たしてこの家族はこの先どこに向かっていくのでしょうか。

次男を佐藤健さん、長男を鈴木亮平さん、長女を松岡茉優さん、
そして、母を田中裕子さんが演じています。

田中裕子さん演じるお母さんが圧倒的な存在感でした。

また、子どもたちの葛藤もひしひしと感じられました。
言葉というよりも表情から伝わる思いが凄かった!
滲み出てくる複雑な思いを目にしながら、
もし私だったらどうするんだろう…と思わずにはいられず、
スクリーンを見つめながら胸が苦しくてたまりませんでした。
でも、もう見るのは嫌とは思いませんでしたよ。
それどころか最初から最後まで一度も、
いや、一瞬たりとも退屈を感じることなく
スクリーンに釘付けにでした。

いやあ、すごい映画だった。

佐藤健さんの印象も大きく変わりました。
これまでは優しい雰囲気の華奢な好青年という印象だったのに、
繊細さの中にたくましさも感じられ、すっかり大人の男性になったのね、
と思ったのですが、私の感想、まるで親戚のおばちゃんみたいだな。笑

それから、この作品、重いだけではありません。
時折、笑いなどもはさまれていて、
なんとなく舞台っぽいなあと思ったのですが、
実際、もともとは舞台で上演されていた作品だそうです。
そう言われると他にも舞台っぽさが感じられるかも。

映画『ひとよ』は、明日8日(金)に公開されます。
ぜひご覧ください。

◎公式サイトは コチラ

yukikotajima 11:41 am

人間

2019年11月6日

私が小説を読むのが好きな理由の一つに、
「人の心の中がのぞけること」があります。

小説はお喋りです。
自分の心の内をペラペラ喋ってくれます。
絶対に人に言えないような恥ずかしいことや醜いことも
小説は包み隠さず喋り続けます。

今日のキノコレ(grace内コーナー13時45分頃〜オンエアー)
で紀伊國屋書店富山店の奥野さんからご紹介いただく本も
かなりお喋りな本でした。

『人間/又吉直樹(毎日新聞出版)』

◎奥野さんの紹介本は コチラ

芸人でもある又吉さんの新作です。
又吉さんといえば、作家としても活躍しており、
芥川賞を受賞したデビュー作『火花』は注目を浴びました。

今回は、初の長編小説です。

この作品には、芸人であり、作家としても活躍する、
まるで又吉さんのような男性が登場します。

彼が世間に対して思っていることは、
登場人物の彼が思っていることであると同時に
又吉さん自身の思いでもあるのかも、と思わずにはいられませんでした。

きっと『火花』を出した後は、
賞賛ももちろんあったと思うけれど、
嫉妬もかなりあったんだろうな。

「いちいちうるさーい!」という本音を小説という形にして表したのかしら?
と熱い文章を読みながら想像してしまいました。

まあ、これはあくまでも私の想像であって、
又吉さん自身は、そんなことは全く思っていないかもしれませんが。

『人間』というタイトル通り、人間の様々な部分が詰まっていました。

そして、この本を読みながら恥ずかしい気持ちになってきました。
小説は、人の心をのぞけるから面白いと思っていた私ですが、
この本に関しては、逆に私自身の心の中をのぞかれている気分にもなりました。

この本の前では心がどこまでも正直になっていって、
客観的に読んでいたはずの本が、自分のもののような気がしてくるのでした。

ひねくれているようで、どこまでもピュアで、一言で言うならめんどくさい!(笑)
でも、それこそ人間なのかも。

例えば、「見たものと見えたものは違う」というお話。
私、これには大いに共感。
同じものを見ていても人によって、見えているものは違うのですよね。
だからこそ、違いがあって面白いのだけれど、
「なぜ、そんな見方をするの?」と言われることもあります。

この本には「いちいちめんどくさいこと言うなよー」
と言われてしまいそうな細かい違和感がつまっていました。

そして、私はその違和感こそが楽しくて仕方ありませんでした。

そういっためんどくささを楽しめる人なら、きっとこの本を楽しめると思います。

うん。面白かった!

yukikotajima 11:40 am

誰の味方でもありません

2019年11月2日

今日の『ネッツカフェドライヴィン』のテーマは、「読書の秋」でした。
ちょうど今が読書週間ということもあり、このテーマにしてみました。

私がラジオでご紹介した本は、

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』

『誰の味方でもありません』

の3冊です。

上の2冊は、本のタイトルをクリックしていただければ、私の感想が読めます。

『誰の味方でもありません』は、社会学者、古市憲寿さんが書かれたものです。

実は、先日、富山大学で学生対象の古市さんのトークショーがあり、
私はお相手をしました。

トークショーをするにあたり、
最近、古市さんの本を色々読んでいました。

芥川賞にノミネートされた
『平成くん、さようなら』『百の夜は跳ねて』の小説のほか、
『誰の味方でもありません』
『絶望の国の幸福な若者たち』
『だから日本はズレている』
などを読んでみました。

今日のラジオでご紹介したのは、これらの中から
今年発売された新潮新書の『誰の味方でもありません』です。

古市さんは、歯に衣着せぬ発言で注目されていますが、
テキトーなことを言っているわけではありません。
まあ、いい方がストレートすぎることはありますが。笑

この本を読むと、古市さんが今どういうことを考えているのかがよくわかります。

本の帯には「正義の暴走に投じる一石」とあります。
古市さんは、この本の中で

最近の日本は何だか怒りっぽい。
正論は切れ味があまりにも鋭すぎる。
正しさを追求するのではなく、
一歩引いて社会を見るくらいがちょうどいい。

とおっしゃっています。

実際、古市さんは一歩引いています。
例えば、様々な仕事をされている古市さんは、
「観光客」として日々を過ごしているのだとか。

この感覚、私もわかる!

富山弁で県外出身者のことを「旅の人」と言いますよね。
私は群馬出身の旅の人です。
富山に来たばかりの頃は「差別だー!」と思いましたが、
今では自ら気に入って「旅の人」を使っています。
もう長いこと富山で生活をしているけれど、
私は「ずっと富山で旅をしている」気分でいます。
だってそのほうがなんか楽しいんですもの!笑

また、古市さんは、嫌な人と付き合うコツを
「嫌な人をサンプルだと思えばいい」とおっしゃっています。
こちらも一歩引いた見方をされていますよね。

私は、この本を楽しく読めました。
そして、読んだ後は心が軽くなり、
人に対しても優しくなれたような気がします。笑
一歩引いてみる、っていいですね!

気になる方はぜひ読んでみてください♪

yukikotajima 12:00 pm