ゆきれぽ

2025年6月11日

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『それいけ！平安部』

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平安時代というと、どんな印象をお持ちですか？

私は去年の大河ドラマ「光る君へ」や「源氏物語」が頭に浮かぶので、
貴族たちの雅な世界の印象です。
あなたはいかがでしょう？

今日ご紹介する本は、そんな平安時代にまつわる物語です。
ですが、舞台は令和の今です。

『それいけ！平安部』
宮島未奈
小学館

去年、『成瀬は天下を取りにいく』で本屋大賞を受賞した宮島未奈さんの最新刊です。
ちなみに、成瀬シリーズではありません。

タイトルにある「平安部」は高校の部活のことで、活動内容は「平安の心を学ぶ」です。
これだけではどんな部活かまったくわかりませんが、それでも入部した人はいます。
高校生になったばかりの栞（しおり）です。

栞は入学式の当日に、同じクラスの安以加（あいか）から突然声をかけられます。
「平安時代に興味ない?」と。
なかなか初対面の人から、されることのない質問ですよね。（笑）
安以加は平安時代が大好きで、「平安部を作りたい」と思っていて、栞に声をかけたのでした。

ただ、栞は中学の頃、先生から「平安顔」と言われたせいで、
平安時代にいいイメージを持っていませんでした。
でも安以加に熱心に誘われ、結局入部することにします。

喜ぶ安以加でしたが、新しい部を創設するには五人の部員が必要なことがわかり、
二人は部員集めに奔走します。

そして無事、平安部が誕生し、どんな活動をしていくのかと思いきや、
なんと部員の中に平安時代に詳しい人が誰もいなかったのです。
集められたメンバーは仕方ないにしても、
平安時代が好きだと言っていた安以加も実は詳しくないのでした。

そこで、とりあえず平安っぽいことを色々と試していくことにします。
最初にやったのは、平安時代の菩薩の写真がプリントされたトランプです。（笑）なんてシュール！
でも、彼らはこの菩薩トランプを楽しみます。

平安部のメンバーは、とりあえず何でもやってみて、しかも毎回楽しんでいます。
また誰か一人が引っ張っていくのではなく、
それぞれが意見を出し合いながら、みんなで平安部を作っていきます。

とりあえず集められたメンバーで部活をはじめるとなると、
うまくいきそうにないのでは？と思ってしまいそうですが、平安部はいつも楽しそうです。
とは言え、メンバーたちはあくまでも普通の高校生たちです。
悩みだってあるし、落ち込んだり、自信を無くしたりもします。

そんな普通の高校生たちの物語だから面白いのです。

物語にも入り込みやすく、私も気付けば平安部の部員の気分でした。
部員としてこれまでを振り返ると、平安部での活動はとても楽しかったです！
最初は何をする部活なのかもわからなかったのに、どんどんやりたいことが見つかっていき、
目標ができると、みんなで頑張るのです。
これぞ青春！
大人の私も本の中で青春を味わえました。

彼らが夢中になった「〇〇〇」は実際にやってみたくなりました。
「アリ」「ヤア」「オウ」と言いながらやってみたい。
さて、「〇〇〇」とは何でしょう？

ぜひ皆さんも「平安部」に入部してませんか。
現役の中高生はもちろん、大人の皆さんもぜひ。
爽やかな青春を味わえますよ！

最後に私の要望を。
物語は完結していますが、彼らのその後も知りたいなと思いました。
いつか続編出ないかなー。
宮島さん、いかがでしょう？

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