ゆきれぽ

2026年10月28日

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『きみがきみであるために~不自由の壁をぶち壊せ~』

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昨日から読書週間です。読書週間がはじまったのは、終戦まもない1947年のことです。「読書の力によって、平和な文化国家を作ろう」という決意のもと、出版社・取次会社・書店と公共図書館、それから新聞・放送のマスコミ機関も加わって、第1回読書週間が開催されたそうです。

読書週間には毎年標語が発表されます。今年の標語は「静かだけど、冒険中。」です。この気持ち、とてもよくわかります。静かに本を読んでいるように見えても、心は大興奮!なんてことはよくありますから。私もそんな読書の面白さをひとりでも多くの方に味わっていただきたいと思って、これまで本の紹介をしてきました。そして今後もさまざまな本を紹介していきますので、引き続きお付き合いいただけると嬉しいです。

さて、読書週間真っ只中の今日は、大人はもちろん、子どもたちに読んでいただきたい一冊をご紹介します。

『きみがきみであるために~不自由の壁をぶち壊せ~』
養老孟司(ようろう・たけし)
ナビゲーター:﨑野隆一郎(さきの・りゅういちろう)
光文社

養老孟司さんは1937年生まれの解剖学者です。2003年にベストセラーになった『バカの壁』でおなじみですね。また、趣味は昆虫採集という大の虫好きです。一方、ナビゲーターの﨑野さんは、先生の「虫仲間」で、栃木県の「モビリティリゾートもてぎ」にある自然体験施設で森のプロデューサーをしています。この施設では、子どもたちが森の中で30泊31日を過ごす「夏のガキ大将の森キャンプ」がおこなわれています。1ヶ月間、ゲーム機もスマホも触らず、人工的な光を浴びずに、自然の中で「自然」のまま過ごすのだとか。なお、キャンプは今年で24年目だそうです。

長年キャンプで子どもたちを見てきた﨑野さんには、最近の子どもたちが、窮屈そうで、それぞれに何らかの壁を感じているように思えたそうです。そこで、その壁を養老先生に取り払ってもらいたいと思ってできたのが、この本だそうです。ちなみに、養老先生はこのキャンプに10年欠かさず参加し、子どもたちと交流してきたそうです。

この本は、キャンプに参加する子どもたちと同じ、小学4年生から中学3年生までの子どもたちが、養老先生に悩みをぶつけ、それに先生が答えるという一問一答形式の問答集になっています。学校、勉強、人間関係、家族などの悩みに対して、先生がそれぞれの「不自由の壁」の壊し方を教えています。

どんな悩みがあるのかというと、「どうしたら学校が楽しいと思えるようになるの?」「好きなことを学ぶだけじゃダメなの?」「AIの時代になぜ暗記が必要なの?」「友達の気持ちがわからない」「母が朝からうるさい」「世の中の常識通りに生きたくない」といった悩みです。

これらの悩みに対して、養老先生はズバッと明快に答えます。例えば、うまくいかないことに対しては、そもそも「世の中は、思ったとおりにならないことばかり」だと言い切った上で、でも「思いどおりにいかないから、人生は面白い」と言います。養老先生の言葉を読んでいると、先生がこれまで人生を楽しんでこられたことが、伝わってきます。先生はまもなく89歳ですが、私もこんな風に歳を重ねていきたいと思いました。また、先生は「自分のものさしで考える」ことを繰り返し伝えます。

養老先生の言葉には優しさもありますが、厳しさもあります。でも、どんな言葉もまっすぐ心に届きます。その理由は先生が素直な気持ちを伝えているからだと思います。お子さんたちは、この本を読むことで、知りたかった答えに出合えるだけでなく、先生のように素直な気持ちになれるのではないかなと思います。また、大人の皆さんもぜひお読みください。養老先生や﨑野さんの言葉はもちろん、子どもたちの言葉に耳に傾けてみてください。

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