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田島が選ぶ2023年の本は…

2023年12月27日

ヨリミチトソラの毎週水曜18時32分頃からは、
このブログとの連動コーナー「ゆきれぽ」をお届けしています。
本の紹介を中心に、時々アートも取り上げています。

今日は2023年最後の放送ですので、
毎年恒例の田島が選ぶ今年の本を発表します。

また、今年2月からは、
富山県内の明文堂書店全店
ヨリミチトソラ「ゆきれぽ」コーナーができるなど、
本屋さんとのコラボがスタートしました。

毎月第1週は、富山新庄経堂店 文芸書担当
野口さんのおすすめ本を紹介してきました。

そこで、今年は野口さんにも今年の本を選んで頂きました。
まずは、野口さんの選んだ本の発表です。
野口さんのコメントとあわせてご紹介します。

『汝、星のごとく』
凪良(なぎら)ゆう
講談社

『汝、星のごとく』は、昨年からのベスト本です!
そして、「ヨリミチトソラ」の番組内での
田島さんとの初めての紹介本でもあり、
とても思い入れの強い小説です。
その後、本屋大賞を受賞し、多くの方にお届けできました。
恋愛小説にとどまらない力強い作品を、是非お読みください!


『ゴリラ裁判の日』
須藤古都離(すどう・ことり)
講談社

いい意味で、期待を裏切られた作品でした。
ゴリラローズの人生が、何とも愛おしく、何ともドラマティック!
まるで、一本の映画を見ているかのようなロマン溢れる小説でした。
クライマックスのシーンは、感動の一言です!

***

野口さんには2冊選んで頂きました。
どちらも野口さんが興奮気味に私に大プッシュしていたのを
今でもはっきりと覚えています。(笑)

『汝、星のごとく』は、先週の放送で
続編の『星を編む』をご紹介しました。
続編もとても良いので、ぜひセットでお読みくださいね。

◎田島の本紹介は コチラ

***

それでは、田島が選ぶ今年の本です。今回は3冊発表します。
順位は決めません。どれもオススメということで♪

※本のタイトルをクリックすると、私のブログが読めます。


『ゴリラ裁判の日』
須藤古都離
講談社

野口さんとかぶりました〜!(笑)
こちらは、人間に匹敵する知能を持ち、
言葉を理解し、会話もできるローズという名のゴリラのお話です。

文字だけの小説では、ローズの語りはまるで人間の女性のようなのですが、
人間なら問題ないことでも、ゴリラだとそうはいきません。
ゴリラから見た人間の世界は理不尽なことばかりです。
もし自分がゴリラだったらと、
ぜひローズの視点になって読んでみてください。
今の時代にこそ読んで頂きたい一冊です。
後半の意外な展開にもビックリ!


『月の立つ林で』
青山美智子(あおやま・みちこ)
ポプラ社

自分の弱い部分や負の感情に対して、
優しく寄り添い、そして心を楽にしてくれるような一冊です。
人の優しさに触れたくなったら、ぜひこの本を読んでみて。
きっと心が軽くなると思います。
私は今回再読して、またもや泣きました。
ほんと、いい本なんです。

とあるポッドキャストを聞くリスナーたちの連作短編集なので、
ラジオが好きな皆さんにはきっと読みやすいはず。


『リラの花咲くけものみち』
藤岡陽⼦(ふじおか・ようこ)
光文社

北海道の大学で獣医師を目指す女性の物語です。
彼女は大学生活を通して、様々な人や生き物と真摯に向き合い、
その都度、たくさんのことを学びながら成長していきます。

大人はもちろん、高校生や大学生にも読んで頂きたい一冊です。
それこそ、親子でどうぞ。
新年最初の一冊にもいいと思います。

ただし、この本も泣けて泣けて仕方ありませんでしたので、
電車やカフェなどで読む際にはご注意ください。

***

野口さんセレクトの本も含め、どれも大変いい本です。
まだお読みで無い方はぜひ。

なお、ラジオでご紹介した本は、
県内の明文堂書店ヨリミチトソラ「ゆきれぽ」コーナーにあります。

また、富山新庄経堂店には、ヨリミチトソラの本棚もあり、
これまでラジオで紹介してきた本がずらりと並んでおりますので、
ぜひチェックしてみてくださいね。

2023年も「ゆきれぽ」にお付き合い頂き、ありがとうございました。
来年はどんな本との出会いがあるかしら。楽しみ!

田島悠紀子

yukikotajima 12:13 pm

『星を編む』

2023年12月20日

ヨリミチトソラの毎週水曜18時32分頃からは、
このブログとの連動コーナー「ゆきれぽ」をお届けしています。

本の紹介を中心に、時々アートも取り上げています。

また、今年2月からは明文堂書店とのコラボがスタートしました。
富山県内の明文堂書店全店ヨリミチトソラ「ゆきれぽ」コーナーができ、
毎月第1週は、明文堂書店 富山新庄経堂店 文芸書担当 野口さん
おすすめ本を紹介しています。

記念すべきコラボ1冊目は、今年の本屋大賞受賞作である
凪良ゆうさん『汝、星のごとく』(講談社)でした。

この本は去年発売されたのですが、
本屋大賞以外にも様々な賞を受賞するなど、かなり話題になりました。

◎『汝、星のごとく』の私の本紹介は コチラ

『汝、星のごとく』は、瀬戸内の島で出会った高校生男女の物語です。
共に満たされぬ思いを抱えながら生きてきた二人は強く惹かれ合います。
しかし、大人になるにつれて、すれ違うことも増えていき…。
この後どうなるかは、ぜひ本を読んで頂きたいのですが、
物語は、男女それぞれの視点で交互に描かれています。
ですから平等に彼らの本音に触れられます。

とにかく勢いのある作品で、私は駆け抜けるように読み、
読んだ後もしばらく心に居座り続けた作品でした。

そんな『汝、星のごとく』の続編が、先月発売されました。

『星を編む』(講談社)

本音を言うと、続編が出ると知った時、
すでに完結しているのにどういうこと?と思ったのですが、
続編を読んで納得しました。『星を編む』までで、一つの物語だと。
続編も素晴らしかったです!

***

続編の『星を編む』には、3つのお話が収録されています。

まずは、主人公の二人の高校生を支える教師の物語です。
この先生は、前作ではアシスト賞をあげたいくらいの活躍を見せています。
でも、彼がどんな人なのかは具体的には描かれていませんでした。

彼は一人で娘を育てているのですが、
なぜそうなったのか、はっきりとは明かされておらず、
私たち読者は、多分こうなんだろうなと予想するしかありませんでした。
しかし、今回、そんな彼の秘められた過去が明らかになります。
その事実を知ったとき、この続編を読んで良かったと思いました。

次は、二人の編集者たちの物語です。
前作で主人公の男性は、漫画の原作者・作家になるのですが、
2番目のお話は、彼を担当した二人の編集者の仕事ぶりが描かれます。
私はこのお仕事小説が一番好きです。
一冊の本を出すために力を注ぐ編集者たちの思いに胸が熱くなりました。
色々なものと闘っている彼らを見て、私も負けずに頑張ろうと思えました。

そして、最後は、前作の後日談です。
前作の終わりから先の出来事が綴られています。それも何年にもわたって。
登場人物たちがどんな人生を送っていったのかが丁寧に描かれています。

という3つのお話が収録されているのですが、
様々な愛の物語は、どれも大変面白かったです。

正直なことを言うと、続編の『星を編む』は、
前作のオマケという感じかな?と思いながら読み始めたのですが、
全然オマケなんかではありませんでした。

続編を読んで、印象ががらりと変わった登場人物もいましたし。

この作品には、噂の対象になりがちな人ばかり出てきます。
未婚で子どもを育てる男性や、不倫をする人など。

実際、彼らの噂話を聞いたら、
できることならあまり関わりを持たないほうが良さそうだなと思い、
よく知らないくせに、思い込みで悪口を言ってしまう人も少なくないかもしれません。
真実など知ろうともせずに。

私たちはなんて上っ面な世界で生きているんだろう、と思いました。

そんな噂の対象になりがちな彼らは、
何を選び、誰を選び、どこで、誰と、どのように生きていくのか。
この本では、それぞれの人生が丁寧に描かれていきます。
どの人の人生も興味深く、私自身かなり刺激を受けました。
そして、あらためて、すごい作品だなと思えました。
いやあ良かった!

ということで、『汝、星のごとく』を読んだ方は、
『星を編む』もぜひ読んでくださいね。

そして、まだの方は、2冊続けて読んでみてください。
これからこの世界をゼロから知ることができる方が羨ましい!

最近は、感覚のアップデートが大事とよく言われますが、
どうしていいかわからない方は、これら2冊を読んでみてください。
読み終えた時には、世界の見え方が変わっているのを感じられるはずです。

さて、来週のヨリミチトソラ内のゆきれぽでは、
この一年読んだ中で特に良かった本を発表します。
私だけでなく、明文堂書店の野口さんにも発表していただきます。
どうぞお楽しみに!

yukikotajima 12:09 pm

『なれのはて』

2023年12月13日

私は、本は一気に読んでしまいたい派なのですが、
まとまった時間が取れない時は、何度かに分けて読むようにしています。
しかし、没頭し過ぎて時間を忘れてしまうなんてこともよくありまして、
先日も、途中までと決めていたのに結局最後まで読んでしまい、
読み終えた時には夜中でした。
しかも興奮しているから、その後全く寝付けないという。(笑)

私がノンストップで読んだ本はこちら。

『なれのはて』
加藤シゲアキ
講談社

著者の加藤さんは、アイドルグループ「NEWS」のメンバーでありながら、
作家としても活躍しています。
2012年に『ピンクとグレー』で作家デビュー。この作品は映画化もされました。
2021年には『オルタネート』で吉川英治文学賞と高校生直木賞を受賞されました。

『ピンクとグレー』も『オルタネート』も読んでいる私からすれば、
今や作家さんとしての印象のほうが強いくらいです。

そんな加藤さんの新作がこの秋発売されました。
本のタイトルは『なれのはて』です。
この本が今、大変話題になっているそうです。

たしかにすごい本でした!

主人公は、テレビ局で働く守谷(もりや)という男性です。
彼は、ある事件をきっかけに報道局からイベント事業部に異動することになります。
その異動先で、吾妻(あづま)という女性スタッフから企画の相談をされます。

それは、祖母の遺品である不思議な一枚の絵を使って
「たった一枚の展覧会」をしたいというものでした。

ところが困ったことに、この絵の裏に
「ISAMU INOMATA」という署名がある以外、
画家について何も知らないと言います。
それに、調べても情報が一切出てこないと。

絵に興味をもった守谷は、彼女とともに謎の画家の正体を探ることにします。
そして、秋田の古い新聞記事に同じ名前を見つけます。
さっそく二人は秋田へと向かい、調査を始めるのですが、
たった一枚の絵は、私たち読者を一体どこに連れていくのか。
この先は、ぜひ本のページをめくりながらお確かめください。

私は守谷たちと共に、絵の謎を探っている感覚で読んでいったのですが、
これが、大変に壮大な物語でした。
時代も大正時代までさかのぼります。
戦争も出てきます。
今回、加藤さんは「戦争」を描きたかったそうです。

また、「報道」もテーマの一つになっています。
守谷は画家の正体を探りながら、
同時に自分自身とも向き合っていくことになるのですが、
そもそもなぜ彼は報道局からイベント事業部に異動することになったのか。
そんな守谷の内面に触れるパートも興味深く、
同じメディアで働く身として、考えさせられました。

作品は熱く壮大な物語なのですが、細やかで冷静な筆致なので、
私は、がむしゃらに読むというより、丁寧に文章を追っていきました。
また、大袈裟すぎると、どこか作りこまれた感じがしてしまうものですが、
そういった力みが無い分、より現実味を帯びているように感じられました。
映像が見え、匂いがし、音が聞こえるという、リアルな感触のある作品でした。

『なれのはて』は、物語としての面白さはもちろん、
戦争、家族、報道など様々な社会的なテーマも盛り込まれた、
読み応えのある一冊でした。

あとね、ラストの一行がいいのですよ。泣きました。
まあ、そのおかげで私はその後、
興奮して寝られなくなってしまったわけですが。(笑)

きっと一気読みしたくなりますので、
皆さんはちゃんと時間のある時に読むようにして下さいね!

yukikotajima 11:49 am

『エヴァーグリーン・ゲーム』

2023年12月6日

冬はクリスマスにお正月と、人が多く集まる季節です。
お家で食事やお酒を味わいながらお喋りをして、
しばらくするとオセロなどのボードゲームを始める方もいるかもしれません。

ボードゲームというと最近は将棋が人気ですが、
あなたは「チェス」をやったことはありますか。

今日ご紹介する本は、チェスに魅了された4人の若者たちの物語です。

『エヴァーグリーン・ゲーム』
石井仁蔵(いしい・じんぞう)
ポプラ社

第12回ポプラ社小説新人賞受賞作です。
そして、今日は12月の第1水曜日ですので、
明文堂書店 富山新庄経堂店 文芸書担当 野口さんのオススメ本です。

野口さんから「新人さんなんだけど、めちゃくちゃ面白いの!!!」
と今回もかなりの熱量ですすめられました。

しかし、私、チェスをしたことも無ければ、ルールもわからなかったので、
小説を読む前に、YouTubeでチェスのルールを予習してみました。
頭の中でイメージしやすくなりました。

ですが、チェスのルールを知らなくても全く問題ありません。

それにチェスの基礎は小説からも学べます。
また、読んだ後は、きっとチェスのことをもっと知りたくなると思います。
私は実際にチェスをしてみたくてたまりません。
そして、ある程度チェスができるようになったら、
もう一度この小説を読んでみたいとも思っています。

***

『エヴァーグリーン・ゲーム』は、
チェスに魅了された4人の若者たちによる連作短編集です。

まず、難病で入院生活を送っている小学生男子から始まり、
進学校のチェス部に所属している男子高校生、全盲の少女、
そして、少年院を出たのちアメリカへ渡った天涯孤独の男性へと続いていきます。

彼らは皆それぞれチェスに出会い、その面白さにはまっていきます。
そして、チェスプレイヤー日本一を決める
チェスワングランプリに挑むことになります。

大変面白かったです!

チェスに出会い、打ち込んでいく彼らが
どんどん輝いていく様のなんとまぶしいことか。

主人公が1人なら、その人を応援したくなるものですが、
この物語はメインとなる人物が4人いて、
それぞれに魅力的なので、全員を応援したくなります。
だからこそ、最後に誰が勝つのか、気になって仕方ありませんでした。
誰が勝っても嬉しいし、負けても悔しいという複雑な気持ちで、
読みながらずっとドキドキしっぱなしでした。

また、それぞれの物語がゆるやかに繋がっていくのも魅力的でした。
主な4人以外の登場人物たちの存在も大きく、物語をさらに面白くしています。
そういう意味では、主な4人だけでなく、登場人物全員の物語として楽しめました。

最後に、明文堂書店 富山新庄経堂店 野口さんのコメントをご紹介します。

「純粋に、ただひたむきに、好きなことに向き合う気持ちが、
真っ直ぐに伝わるとてもいい小説でした。
チェスは、まさにスポーツ!
対局シーンは、息を呑むほどに緊迫感に満ちています。
しかも、登場人物一人一人がとても魅力的、かつカッコイイです。
大型新人の予感しかありません!」

そうなんですよ。
最初に私はチェスをボードゲームと紹介しましたが、
チェスはスポーツなんですよ。
その理由は、ぜひ本を読んでお確かめください。

今日ご紹介した『エヴァーグリーン・ゲーム』は、
富山県内の明文堂書店全店「ヨリミチトソラ ゆきれぽコーナー」にあります。

◎明文堂書店のサイトは コチラ

また、野口さんが、明文堂書店富山新庄経堂店の中に、
「ヨリミチトソラ」の本棚を作ってくださいました。
お馴染みのコーナーとは別に、です。うれし〜〜〜。
この本棚では、この一年ラジオで紹介してきた本を見つけることができますよー。

yukikotajima 11:25 am