ゆきれぽ

2026年1月21日

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『世界はきみが思うより』

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2026年になってもうすぐ1ヶ月ですが、いいスタートを切れているでしょうか。中にはなかなか思うようにいっていないという方もいるかもしれません。たとえば、人から嫌なことを言われたり、逆に人を不快にさせてしまったりして、ああ、人付き合いって難しいなと思っている方はいませんか。

悩みを抱えている時って、自分の頭の中で勝手に不安を大きくしてしまいがちですが、そんな時は一度考えるのをやめるために他のことで頭をいっぱいにする、というのもありなのでは。オススメは小説を読むこと。小説に夢中になっている間は嫌なことを忘れられます。また、客観的になっている分、冷静に自分のことを見つめられるという良さもあり、その結果、自分と関係の無いフィクションが今の自分と重なって、「そうか、そういうことか」と解決のヒントが見つかる、なんてこともあります。

今日ご紹介する本は、人知れず悩みを抱えている人には、優しく寄り添ってくれる存在になってくれるかもしれません。

『世界はきみが思うより』
寺地はるな
PHP研究所

デビュー10周年を迎えた寺地さんの30作目の小説だそうです。10周年おめでとうございます!

この物語は、6つのお話が収録された連作短編集で、2人の視点で進んでいきます。

1人は、ある出来事がきっかけで他人が作った料理を受け付けなくなってしまった高校生の冬真(とうま)です。彼はひょんなことから、友人曰く「美形」の時枝くんと仲良くなり、彼と過ごす時間が増えていきます。

もう1人は、国際交流プラザで働く紗里(さり)です。「きれいなものが好き」な彼女はある日、職場のイベントで時枝くんと出会い、美しさのあまりカメラを向けてしまいます。それが原因で時枝くんを傷付けた彼女は罰としてあることを始めます。そして、ある男性と出会います。

物語は冬真と紗里のお話が交互に描かれ、2つのお話が重なりながら一つの物語として進んでいきます。登場人物たちは、皆それぞれに悩みを抱えていて、世の中を信じられずにいるのですが、そんな彼らが大切な人と出会って、これまでとは違う自分へと変わっていきます。

『世界はきみが思うより』は、派手な物語では無いけれど、登場人物ひとりひとりの気持ちが丁寧に描かれた優しさにあふれた物語でした。と同時に強さもありました。そのため読んだ後はきっと前を向いて一歩踏み出したくなると思います。

悩める大人の方はもちろん、中高生や、その親御さんにもオススメです。ぜひ親子で読んでみてください。

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