2026年2月11日
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『最後の皇帝と謎解きを』
先週、本屋大賞のノミネート10作品が発表されました。
◎本屋大賞のサイトは コチラ
ノミネート作を見たところ、6作品を「ゆきれぽ」で紹介していました。どれも面白かったので納得のノミネートです。特に私のイチオシ、村山由佳さんの『PRIZE―プライズ―』があるのは嬉しいわ。でも青山美智子さんの『遊園地ぐるぐるめ」が入っていないのは残念ですが。
今年はどの作品が大賞に選ばれるのでしょうね。発表は4月9日の予定です。「ゆきれぽ」で紹介した本が選ばれたらいいな。
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さて、今日ご紹介する本は、大賞は大賞でも『このミステリーがすごい!』大賞の受賞作です。
『最後の皇帝と謎解きを』
犬丸幸平(いぬまる・こうへい)
宝島社
『このミステリーがすごい!』大賞とは、宝島社のブックガイド『このミステリーがすごい!』から生まれたミステリー&エンターテインメントの公募新人賞です。
これまでの大賞作品を見ると、海堂尊さんの『チーム・バチスタの栄光』や、新川帆立さんの『元彼の遺言状』など、映像化された人気作品が並んでいます。また、去年の大賞となった土屋うさぎさんの『謎の香りはパン屋から』もかなり話題となりました。(ゆきれぽでも紹介しました)
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今年の大賞作品、犬丸幸平さんの『最後の皇帝と謎解きを』もさっそく注目されているようですよ。
犬丸さんは、1994年に大阪で生まれ、大学時代に中東、南米、アフリカを中心に約40ヵ国を訪問したそうです。
そんな各国を旅した犬丸さんが書かれた小説の舞台は、1920年の中国・紫禁城です。
タイトルの「最後の皇帝」とは、清の最後の皇帝である「溥儀(ふぎ)」のことです。映画『ラストエンペラー』でお馴染みですね。
溥儀は幼くして即位するも、6歳の時に皇帝の座を追われます。そして元皇帝となった後も紫禁城に住み続けます。物語の中の溥儀は15歳です。城の外に出ることも許されず、友と呼べる人もいません。
そんな紫禁城に住む孤独な元皇帝に水墨画を教えるために、一条剛(ごう)という北京に住む日本人絵師が雇われます。と言いながらも剛が城に呼ばれた本当の理由は別にあるのですが。そしてなんと剛が城に行った直後に密室殺人事件が発生してしまいます。その後も次々に事件が起き、剛は元皇帝と共にさまざまな謎に挑んでいくことになります。
まさにタイトル通り、『最後の皇帝と謎解きを』していくという、友情と歴史をテーマにした連作短編ミステリーです。
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この時代の歴史や元皇帝・溥儀についてあまり知らなくても、わかりやすく時代背景が書かれていますので楽しめますが、私はせっかくなら映画で歴史をおさらいしてみようと思い、映画『ラストエンペラー』を配信で見てから本を読みました。
時代背景が分かった上で読んだので、より作品の世界にすうっと入り込めたように思います。もちろん、小説は映画とは設定もストーリーも異なりますし、あくまでもフィクションですが、元皇帝が孤独である点など本質的なところでは重なっているため、小説では元皇帝の気持ちの変化や成長がより強く印象に残りました。特に元皇帝の素直な気持ちが。
歴史を丁寧に描きながらも、ミステリとしての面白さや驚き、それに元皇帝の成長や剛との友情など、様々な魅力がギュッと詰まった一冊でした。元皇帝とは言え若い男子たちのお話なのでノリはやや軽めなのですが、読み応えもしっかりあって、面白かったです。いつかアニメ化されそうな予感。
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プロフィール
田島 悠紀子
Tajima Yukiko
7月13日生まれ。群馬県出身。
B型。 -
担当番組
・富山ダイハツ オッケイウィークエンド
(毎週土曜 11:00~11:55)・ヨリミチトソラ
(毎週水曜・木曜 16:20~19:00) -
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