ゆきれぽ

2025年5月21日

  • #本

『正しく疑う 新時代のメディアリテラシー』

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ヨリミチトソラでは、毎回リスナーの皆さんから、リクエストやメッセージを募っています。
メール、FAX、ハガキの他、最近はX(旧Twitter)で参加される方も多くいらっしゃいます。
今の時代、Xをはじめ、Instagramやfacebook、LINEなど、
何かしらのSNSをしている方がほとんどだと思います。
気軽に人と繋がれたり、欲しい情報を手に入れられたりと、
SNSにはたくさんのメリットがあります。

その一方で、良くない面もあります。
「いいね」の数が気になったり、既読無視にイライラしたり、
時には間違った情報やウソに触れてしまったりすることもあるでしょう。
その結果、犯罪の被害者や、逆に加害者になってしまうこともあるかもしれません。

SNSに限らず、今はたくさんの情報に簡単にアクセスできる時代です。
だからこそ「正しく疑う」ことが大事だそうです。

今日ご紹介する本はこちら。

『正しく疑う 新時代のメディアリテラシー』
池上彰 監修
株式会社 Gakken

Gakkenの児童書シリーズの最新刊です。
シリーズには、2020年に発売されベストセラーとなった『なぜ僕らは働くのか』もあります。
この本もとてもいい本です!
将来どんな仕事に就きたいのかわからないというお子さんにぜひ読んで頂きたい一冊です。

◎田島の『なぜ僕らは働くのか』の紹介は コチラ

さて、新刊の『正しく疑う』は、今の私たちに必要な「メディアリテラシー」がテーマです。

本の監修をしている池上彰さんによると、
メディアリテラシーは「メディアからの情報を自ら考え判断し活用する力」だそうです。

つまり、その情報が本当に正しいのか、自分の考えは間違っていないのか、
「正しく疑う」ということです。

この本は、人気の児童書シリーズですので、子ども向けに書かれています。
漢字にはふりがながふられていますし、マンガやイラストも多いので、
マンガを読む感覚でメディアとの付き合い方について学べます。
またマンガは中高生が主人公の物語なので自分の話として読めます。
例えば、悪ふざけ投稿をしてしまった高校生や、
SNSの投稿に気疲れする高校生などが出てきます。

本の帯には「被害者にも加害者にもならずこの時代を生き抜くための本」とあるのですが、
今の時代、被害者だけでなく、加害者になってしまう危険性もあるのですよね。

例えば、SNSで間違った情報を鵜呑みにして拡散してしまったことは、ありませんか。
良かれと思っての発言が、ただの誹謗中傷になっていませんか。

この本では、そういった具体的なエピソードを交えながら、
「正しく疑う」ことについてわかりやすく解説しています。

また、テレビや新聞、本、雑誌、そしてインターネットなど、
それぞれのメディアについても詳しく学べます。
私は、新聞や本が作られていく過程はとくに興味深く読みました。

新聞の話題の中で印象に残ったのは、
「新聞はノイズだらけだから面白い」という一文です。

ネットやSNSは、自分の興味のあることしか目にしないけど、
新聞は興味のない分野、つまりノイズがあるから、世界が広がりやすいそうです。

私も毎朝、新聞を読んでいますが、
たまたま目に飛び込んできた記事に興味を惹かれることはよくあります。

新聞に限らず、この「ノイズ」が今の時代には必要だと私も思います。
何でもかんでも「興味ない」で終わらせてしまうのは、つまらないなあと。
もし10代の頃の自分にアドバイスをするなら、
興味のあることだけでなく、ノイズにも触れて!と言いたいです。

また、この本は児童書ですが、大人の皆さんにもオススメです。
中には、自分はちゃんとわかってるから大丈夫!と思う大人の方もいるかもしれませんが、
池上彰さんによると「自分の考えが間違っていないか疑う」ことも大事だそうです。

例えば、大人の皆さんは考え方がステレオタイプになっていたりしませんか。
食事のしたくをするのは女性とか、関西の人はお笑いが得意などと、決めつけていませんか。
食事のしたくは誰がしてもいいし、お笑いが苦手な関西の人だっています。

大人の皆さんは、この本を読むことで、あらためて知識をアップデートできると思います。