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なぜ僕らは働くのか

2020年4月1日

今日から新年度がスタートしました。

新人さんが入ってきた職場もあると思いますが、
フレッシュな新人さんを見ながら
自分が新人だった頃のことを思い出して
あらためて仕事を頑張ろう!と思った方もいるのでは?

今日のキノコレでご紹介する本は、
今の時期にぴったりの一冊です。

『なぜ僕らは働くのか
‐君が幸せになるために考えてほしい大切なこと‐
/監修:池上彰(Gakken)』


こちらは、紀伊國屋書店富山店の奥野晃英さんのオススメ本です。

奥野さんの推薦コメントです。

***

今年4月から『働き方改革』が本格的に実施され、
AIを始めとする科学技術も加速度的な発達を遂げる中、
私たちの「働き方」もターニングポイントに差し掛かっています。

そんな中で、いずれ社会に羽ばたく若者にも
そんな彼らを教え導く大人の方々にも
知って欲しい知識が詰まった一冊です。

***

監修を担当された池上彰さんは、将来の働き方について
中学生や高校生に考えてもらおうと思ってお作りになったのだとか。
でも、大人にも読んで頂きたいそうです。

この本を読むことで
「きっと初心に返って仕事への意欲が湧いてくることでしょう」
とおっしゃっています。

たしかに私も読んだ後に前向きな気持ちになれました。

この本は、半分はマンガです。
マンガは、自分に自信が持てず、将来何になりたいかもわからない
中学2年生のハヤト君が、ある本と出合って成長していく様が描かれます。

そして、彼が出合った本が漫画の間に挟まれており、
読者もハヤト君と一緒に「働く」ことや「生きる」ことについて学ぶことができます。

例えば、将来どんな仕事をしたいかわからない場合は、
まずは「好きなこと」を見つけ、
さらに「好きの周りにある仕事」を調べることを提案しています。

サッカーが好きだからと言って
全員がサッカー選手になれるわけではありません。
でも、サッカーに関わる仕事なら
スポーツトレーナー、スポーツ記者、シューズメーカーなど
様々な仕事があります。

一方、好きなことが特にない方も
「やりたい仕事の見つけ方」についても書かれていますので、
今、中高生で将来どんな仕事をしたいのかわからない…
という方は、まずはこの本を読んでみてはいかがでしょう。
また、今の仕事に不安を感じている大人の皆さんもぜひ。

きっと前向きな気持ちになるはずです。

この時期に読むのにぴったりですし、
そばに置いておいて、いつでも読み返したいとも思いました。
ちなみに、かなり充実の内容なのに、1,500円(プラス税)なんですよ!
これは、お得すぎます。

一家に一冊いかがでしょう?

***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

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「紙製3Dパズルユーギー」フェア
================

来週の月曜から、カラフルな厚紙を重ねて可愛い動物たちを作る
ユーギーシリーズの販売を行います。小さなお子さまでも作れます。

ペンギン、キリン、シマリス、カクレクマノミなど
カラフルでかわいい動物が作れます。
作った後、お部屋に飾るのもきっと楽しいと思います!

店内中央イベントスペースで
4月6日(月)から30日(木)までの開催です。


===================
「伝統工芸・手摺木版画 浮世絵」フェア
===================

江戸時代そのままの手法で現代の熟練彫師・摺師が仕上げた
手摺り浮世絵木版画の展示販売が18日(土)から始まります。

最高級の浮世絵木版画を手に入れることができるフェアです。

店内中央イベントスペースで
4月18日(土)から26日(日)までの開催です。


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:   076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:30 am

ゆるゆる漢方生活

2020年3月28日

今日のネッツカフェドライヴィン』のテーマは、「この春から」です。

私、田島がこの春から始めているのが「漢方生活」です。

と言っても漢方薬を飲むということではありません。

では、漢方生活とはいったいどういうものなのか。
その答えは、この本に書かれています。

『櫻井大典先生のゆるゆる漢方生活 - こころとからだに効く! -
/櫻井大典(ワニブックス)』


櫻井さんのことは、Twitterで知りました。
フォロワー数は14万人を超える大人気のゆるゆる漢方家です。
Twitterでは、元気に暮らすためのコツをつぶやいています。

例えば、花粉症の方に対してのツイートですと、
鼻水が水っぽい人は冷えないように温めて
逆に目がかゆい人は熱がこもっているから、辛いものや脂っこいものは避けて
とアドバイスされています。

そんな櫻井さんのエッセイです。

このエッセイには、心身ともに健康に暮らすためのヒントが詰まっています。
それも取り入れやすいものばかりなのです。

なんといってもタイトルが「ゆるゆる漢方生活」ですからね。(笑)

私が早速やろう!と思ったのは「香りで気をそらす」です。

いい香りをかぐと、意識的に気をそらすことができる。
つまり、嫌なことがあってもいい香りをかぐことで気がそれて気が巡り
リラックスすることができるのだとか。

おすすめの香りはかんきつ類だそうですが、
自分の好きな香りでいいそうですよ。

私はもともとかんきつ類の香りが好きなので
ハンドクリームの香りをかんきつ類にして
ちょっとでもイライラしたら香りをかいでいます。
これが効くのです。香りの効果ってすごいなあと実感!

また、どんな食事をとればいいのかや
日々の生活で変えたほうがいいこと、例えば「10分でも早く寝る」など
誰でも簡単に始められることが紹介されています。

そのほか、季節ごとや症状別の不調の整え方も収録されています。
今の時期なら「春はのびのび過ごすことが大切」なんだとか。

今年はなかなか「のびのび」過ごせないかもしれませんが、
自分の体や日々の生活に少しでも不安を感じている方は
『櫻井大典先生のゆるゆる漢方生活 - こころとからだに効く! -』
を読んでみてはいかがでしょう?

yukikotajima 9:32 am

『山内マリコの美術館は一人で行く派展』

2020年3月25日

今日ご紹介する本は、FMとやまでは『オッケイトーク』でおなじみの
富山出身の作家、山内マリコさんのアートエッセイです。

『山内マリコの美術館は一人で行く派展
ART COLUMN EXHIBITION 2013−2019』

山内さんご本人からコメントを頂きました!

***

グレース・リスナーのみなさん、こんにちは、山内マリコです。

この本は、アートを鑑賞するときに、感じたり考えたりしたことを、
遠慮なく好き勝手に書いた、大変バカ正直なエッセイとなっています。

普段美術館に行かない人や、アートをとっつきにくいと思っている人も、
きっと美術館に行ってみたくなるはず!

本のカバーは美術館のチラシっぽく、
カバーを取った状態は、美術館の図録っぽいデザインになっています。
画像やイラスト、わたしが作った素人アートなど、図版もたくさん!
本自体を展覧会に見立てた凝った作りなので、これはぜひ本屋さんで、
手にとって見てもらいたい……。けっこう自信作です!

***

こちらが本のカバー。

カバーを取った状態です。

山内さんと言えば、小説家でありながら
様々な雑誌でエッセイも書いていらっしゃいます。

このエッセイは、雑誌『TV Bros.』で連載されていたものまとめたもので、
もともと美術館めぐりが趣味だった山内さんが
自腹で美術館の企画展に行って感じたことを忖度なく書いています。

それも企画展を見た直後の、誰の意見も介さない、感じたてホヤホヤの思いを。

でも、決してテキトーなことを書いているわけではなく、
芸術家の人となりや時代背景もちゃんと説明してくれています。

だから、アートの知識はそれほど無いものの
美術館に行くのが好きな私にとっては、
大変わかりやすいアート入門書として楽しむことができました。

でも、その表現は話し言葉に近く
例えば、先週ご紹介した写真家の「ソール・ライター」のことは、
「コロッとした体型の、わりと親しみやすいタイプのおじいちゃん」と表現しています。(笑)

山内さんは、芸術家たちを尊敬しつつも一人の人間として見ているのですね。
そのため、芸術家もその作品もとても身近なものに思えてきます。

私は、紹介された中では
「長谷川町子美術館」に行ってみたいと思いました。

サザエさん関連の美術館かと思いきや、
実は、長谷川町子さんが個人的に蒐集した美術品を展示する美術館なんですって!
それも巨匠の名画がたくさんあるのだとか。
それを知り、逆に見に行ってみたくなりました。

そのほか富山の企画展も紹介されています。
(ラジオのことも少し紹介されています!)

良かった企画展や好みの作品は徹底的に褒めて
そうで無い時は「わからなかった」「物足りなかった」と言う。
その潔さも最高です。

また、彼女の亡き愛猫チチモをモチーフに制作した
彼女のオリジナルアートも掲載されており、そこにも彼女らしさを感じました。

今回のエッセイは、今までで一番のびのびと文章を書き、
彼女の好みや性格もよく出ているなあと思いました。

そう、このエッセイは、アートの入門書であると同時に
山内マリコという人間を知ることのできるエッセイでもあるのです。

ですからアートに興味がある方はもちろん、
アートはわからないけど山内マリコのファン!という方もぜひお読みください。

楽しみながら、でもアート知識も身につく読み応え満載の一冊です。

***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

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えほんやさんフェア
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馴染深いえほんのキャラクターたちが可愛いグッズになりました。

はらぺこあおむし、ノンタン、11ぴきのねこなど
数多くのキャラクターたちが勢ぞろいしています。

ぜひ愛らしいキャラクターたちの姿をご覧ください。

期間は3月末までです。


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ドン・ヒラノブックカバーフェア
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紀伊國屋書店富山店ではすっかりお馴染みの
ドン・ヒラノブックカバーのフェアを開催中です。

可愛いものから落ち着いたものまで様々なブックカバーがありますので、
きっとあなたのお気に入りのブックカバーが見つかるはず♪

なお、今回のフェアでは、商品売上金の一部が
東日本大震災によって被災した地域への学習支援金として寄付されます。

期間は4月30日までです。


<紀伊国屋書店富山店>

住所:  富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号: 076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00

HP: http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:31 am

ジュディ 虹の彼方に

2020年3月18日

昨日、映画『ジュディ 虹の彼方に』を見てきました。

『オズの魔法使』の主人公のドロシー役で知られる
ミュージカル女優ジュディ・ガーランドが、
47歳の若さで亡くなる半年前の1968年に行った
ロンドン公演の日々を描いた伝記映画です。

主人公のジュディを『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズでおなじみの
レネー・ゼルウィガーが演じ、アカデミー賞の主演女優賞を受賞しました。

ブリジット・ジョーンズでは、ぽっちゃり女子でしたが
今回は、がりがりに痩せていて、まったくの別人!
映画を見ているときは彼女が演じていることすら忘れているほどでした。

映画は、輝かしいスターではなく
仕事どころか住む家もない落ちぶれたジュディの姿が描かれています。

そんな彼女にロンドン公演の依頼が舞い込み、彼女は連日ステージに立つことに。
しかし、ライブ直前になって出ることが怖くなってしまうのです。
とはいえ、やはりスーパースター。
一度ステージに立つと、一瞬でスターの輝きを放ちます。

彼女は少女の頃から、ダイエットや睡眠不足解消のために薬を飲まされ続けます。
その薬が原因で不眠や神経症に悩まされています。
とにかくボロボロなのです。

『ジュディ』は、彼女が亡くなる直前におこなったロンドン公演の日々が描かれた映画です。

歌はレネーが実際に歌っているのですが、大変素晴らしい歌声です。
私はあるライブシーンで涙がじゅわっとあふれてきました。
それは映画にではなく、ジュディのライブに感動しての涙です。
いい映画でした。

今度久しぶりに映画『オズの魔法使』も見てみようかな。

◎映画『ジュディ 虹の彼方に』の公式サイトは コチラ

yukikotajima 12:17 pm

ソール・ライター

先日、家にいながらアートを堪能しました。
私は美術館に行って作品を鑑賞することが好きですが、
家で図録を好きだなけ眺める時間もいいものですね。

今日ご紹介する本は、紀伊國屋書店富山店の芸術書担当、
冨樫尚美(とがし・なおみ)さんのオススメ本です。

『ソール・ライターのすべて』
『永遠のソール・ライター』

いずれも写真集です。

まずは、冨樫さんの推薦コメントです。

***

ニューヨークが生んだ伝説の写真家ソール・ライターは
2017年日本で初めて回顧展が開催され反響を呼びました。

そして、2020年『永遠のソール・ライター展』の開催と同時に
新たに写真集が出版されました。

映画のワンシーンのようなその表現は誰しもが魅了されるはずです。
彼が愛した空気と時間を写真集で共有してみてはいかがでしょうか

***

ソール・ライターは、
『ハーパーズ・バザー』『ヴォーグ』など
多くのファッション誌で活躍した写真家で、
カラー写真のパイオニアとも言われています。
1923年に生まれ、2013年に亡くなっています。

冨樫さんもおっしゃっている通り、
日本では、2017年に初めて回顧展が開催され話題となりました。

そして、「永遠のソール・ライター」展が今月上旬まで開催予定でしたが、
残念ながらコロナの影響で途中で中止となりました。

今日ご紹介するのは、回顧展の公式図録でもある写真集です。

ライターの写真は、きっと富山の皆さんの心に響くと思います。
というのも、雨や雪の写真が多いのです。
雨や雪というと、どんよりとしている印象をいだきがちですが、
ライターの写真は違います。

例えば、2017年の写真集『ソール・ライターのすべて』の表紙の写真は、
雪景色の中の傘の赤が目を引くお洒落な一枚です。
しかも上から見下ろすように撮っているのが印象的です。

一方、最新の写真集『永遠のソール・ライター』の表紙の雨の写真は、
一見、印象派の絵画のようにも見えますが、
よく見ると雨に濡れた窓越しの写真であることがわかります。

雨に濡れて視界がはっきりしていないのだけれど、
窓の外には人がいて奥には黄色いタクシーが見えます。
また、窓の雨粒がとてもリアルな質感で、触ったら濡れそうなほどです。

実際、ライターは

「雨粒に包まれる窓のほうが、よっぽど有名人の写真よりも面白い」

と言っています。

ライターの写真は、車や建物のガラス越しや高い位置から撮っているため、
一体これは何だ?と思うようなものもあり、
写真を眺める時間が必然的に長くなります。
でも、何を撮った写真なのか気付いた時の喜びがもれなく味わえます。

写真集には、写真のほかライターの言葉も添えられています。

例えば、ライターの写真は自宅周辺で撮ったものが多いのですが、

「神秘的なことは馴染み深い場所で起こる。
なにも、世界の裏側まで行く必要はないのだ」

「重要なのは、どこで見たとか、何を見たかということではなく、
どのように見たかということだ」

とおっしゃっています。

ライターがどのように自宅周辺を見たのか、
気になる方は写真集をご覧ください。

なお、最新作の『永遠のソウル・ライター』には、
様々なポートレートや世界初公開となる作品も収録されており、
こちらも楽しく見ることができます。

そして、東京では途中で中止となったライターの回顧展ですが、
今のところ4月から京都の美術館「えき」KYOTOで開催される予定です。

***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

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えほんやさんフェア
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馴染深いえほんのキャラクターたちが可愛いグッズになりました。

はらぺこあおむしノンタン11ぴきのねこなど
数多くのキャラクターたちが勢ぞろいしています。

ぜひ愛らしいキャラクターたちの姿をご覧ください。

期間は3月末までです。


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ドン・ヒラノブックカバーフェア
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紀伊國屋書店富山店でお馴染みの
ドン・ヒラノブックカバーのフェアを開催中です。

可愛いものから落ち着いたものまで様々なブックカバーがありますので、
きっとあなたのお気に入りのブックカバーが見つかるはず♪

なお、今回のフェアでは、商品売上金の一部が
東日本大震災によって被災した地域への学習支援金として寄付されます。

期間は4月30日までです。


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:   076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:41 am

甘夏とオリオン

2020年3月11日

新型コロナウイルスの影響で
家で過ごすことが増えた方も多いと思いますが、
家でできることのひとつに読書があります。

普段あまり本を読まない方や
読みたいけれど読む時間が無いという方は
ぽっかり空いてしまった時間を
読書にあててみてはいかがでしょう?

今日は、大人の皆さんはもちろん
この春、新社会人になる方や
心に秘めた悩みがあり生きづらさを感じている方、
また、落語が大好きな方におすすめの本をご紹介します。

『甘夏とオリオン/増山実【角川書店】』

増山さんと言いますと、以前、『波の上のキネマ』をご紹介しました。
この本が大変面白くて、私は2018年のベスト本に選んだほどです。

◎『波の上のキネマ』の田島の感想は コチラ

新作『甘夏とオリオン』も大変楽しみにしておりました。
タイトルを見て、今回は恋愛小説かしら?と想像したのですが、全然違いました。

タイトルの「甘夏」は主人公の名前です。
大阪の下町に住む駆け出しの若い女性の落語家です。

彼女は、父の影響で自分の感情を表に出せなくなっていたのですが、
ある日、ひょんなことから寄席で落語を見て
落語家たちが語る噺の中の「突き抜けたアホたち」に夢中になります。

「噺家になったら心置きなくアホを演じられる」と思った彼女は、
大学を中退し、親の反対を押し切り、落語の世界に飛び込みます。

しかし、たった一度落語を見ただけで落語家になりたい!と思ったため、
最初の稽古では、師匠の言葉が外国語に聞こえたほどでした。

でも、そのおかげで落語に詳しくない私のような読者でも
甘夏と共に落語の基礎を学ぶことができました。

また、師匠をはじめ彼女の周りには素敵なことをおっしゃる方が多く、
私自身の心にも響きまくりでした。

例えば…

芸人というのは、下手だと思った相手は、自分と同じくらいの実力、
同じくらいと感じた場合は、自分より数段、上を行っている。
上手いと思ったら、手の届かないところにいるということだ。

という言葉。
甘夏が師匠から「うぬぼれるな」と叱られたときに言われた言葉です。

物語は、そんな甘夏の成長物語なのですが…
それだけではありません。

なんと、ある日、師匠が失踪してしまうのです!
どれだけ待っても師匠は帰ってきません。

そこで、師匠待つことを決めた甘夏と二人の兄弟子は、寄席を行うことを思いつきます。
その名も「師匠、死んじゃったかもしれない寄席」(笑)。
場所は、銭湯で、それも深夜に。

そして、深夜の銭湯には、様々な方が寄席を見に集まり…
という物語です。

この続きはぜひ本を読んでください。

***

甘夏は駆け出しの女性の落語家です。
駆け出しゆえの失敗もありますが、
女性が落語をすることの難しさも描かれます。

例えば、男性が言えば笑えることでも女性では笑えないこともあるのです。
そのため男性の何倍も努力が必要になります。

また、彼女自身、できない理由を「女性だから」と決めつけてしまうことも。
本当はただ未熟なだけなのに。

これにはドキリとしました。
私もこれまで同じことをしていなかっただろうか、と。

私は落語家ではないけれど「喋る」仕事という点では重なるところもあり、
アナウンサーになりたての頃に言われた様々なことを思い出しました。
そういう意味でも新年度を前にこの本に出合えてよかったです。

この時期に読むのにぴったりの一冊です。
あなたもこの本を読んで初心を思い出してみませんか?

それから、この本を読んだ後は、落語を見たくなり、
最近、ユーチューブの落語をよく見ています。
本当は生で見たいのですが…。
新型コロナウイルスが落ち着いたら、実際に寄席を見に行きたいな。

***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

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八村塁選手文房具コーナー
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アメリカプロバスケットボールリーグNBA、ウィザーズで大活躍中の
富山出身の八村塁選手の文房具コーナーです。

コーナーには八村選手の等身大パネルもありますので、
写真撮影もお楽しみください。

私も先日、撮ってきました♪
私が小さく見える〜。

コーナーは、3月中旬までです。


==========
ミニチュア楽器フェア
==========

手のひらサイズのミニチュア楽器を大展開中!

ヴァイオリン、トランペット、ギター、ドラムといったお馴染みの楽器から
ちょっとマニアックなものまで様々なミニチュア楽器が勢ぞろいしています。
音楽好きな方へのプレゼントにも最適です。

3月15日(日)までの開催です。

※ほかにも様々なフェアを開催中です。詳しくは店頭で♪


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:   076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:56 am

ひみつのしつもん

2020年3月4日

今の時代、パスワードを入力することとが多いですが、
あなたはすべてのサイトのパスワードを覚えていますか?

時には忘れてしまうこともあると思います。
そんな時に役立つのが「秘密の質問」。

出生地は?母親の旧姓は?好きな食べ物は?ペットの名前は?
など様々な質問があります。

あなたは、どんな質問&答えを設定していますか?

今日ご紹介する本は、こちら。

『ひみつのしつもん/岸本佐知子【筑摩書房】』


著者の岸本さんは人気翻訳家で、
この本は、20年近く続いているPR誌「ちくま」の
名物連載「ネにもつタイプ」をまとめたエッセイ集です。

この連載から、これまで2冊の本が出ており、今回は7年ぶり3冊目だそうです。

装丁とイラストは、これまで同様、
作家の吉田篤弘さんと吉田浩美さんによるユニット、
クラフト・エヴィング商會が担当しています。

このイラストが、思わずプッと笑ってしまうようなユーモアあふれるもので、
のほほんとした、ゆる〜い雰囲気を醸し出しています。

そして、こちらの本は、紀伊國屋書店富山店の
藤井翔子(ふじい・しょうこ)さんオススメの本です。

藤井さんのオススメコメントです。

翻訳家である岸本佐知子さんの想像力と言うより妄想力が爆発したエッセイです。
帯文の奇想天外、抱腹絶倒の看板に偽りなし。
本当に面白くて、笑いながら夢中で読んでしまいました。
本書は3巻目にあたるのですが、この巻から読んで頂いて、差し支えありません。
読み終わればきっと既刊も読んでみたくなるはず。
不思議で愉快なキシモトワールドを是非味わってみてください。

私もこの本を読んでみましたが、岸本さんの、妄想力がとにかくすごいのです。

例えば、歌舞伎を見に行ったときに
外国人の若い男性二人が客席にいたのを見かけた岸本さんは、
彼らがちゃんと作品を理解しているのか気になり、
もし自分が翻訳して彼らに説明するなら…と
頭の中で勝手に妄想しているうちに、
歌舞伎に集中できなくなってしまったのだとか。

また、身体を動かしたり、外出したりするのが苦手で、
頭の中であれこれ妄想しては、勝手に落ち込んだり喜んだりしています。

かと思えば、たまに外に出ると、
会う人すべてが面白く、はしゃぎすぎて失敗してしまうそうです。

そんな岸本さんの妄想や失敗談多めのエッセイです。(笑)

ソファにだらりと座ってゆったり読むのにぴったりな一冊です。

新型コロナウィルスの影響で外出を控えている方も多いと思います。
そんな方は、岸本さんのようにあれこれ妄想を楽しんでみるのもいいかも。
また、そのまま文字に起こしてみたら、素敵な物語がうまれるかもしれませんよ〜。

その前に、まずはこちらのエッセイ『ひみつのしつもん』を読んでみてください。

ところで、タイトルにもなっている
岸本さんの「ひみつのしつもん」エピソードは、
「子どものころの親友の名前は?」という質問に対して
親友の名前を入力したものの、名前を入れるたびエラーが出て、
私の親友はいったい誰だったの?というものです。

果たして彼女は答えにたどりつけるのでしょうか?
その答えは、この本に必ず載っていますので安心してお読みください。(笑)


***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

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八村塁選手文房具コーナー
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アメリカプロバスケットボールリーグNBA、ウィザーズで大活躍中の
富山出身の八村塁選手の文房具コーナーです。

コーナーには八村選手の等身大パネルもありますので、
写真撮影もお楽しみください。

コーナーは、3月中旬までです。


==========
ミニチュア楽器フェア
==========

手のひらサイズのミニチュア楽器を大展開中!

ヴァイオリン、トランペット、ギター、ドラムといったお馴染みの楽器から
ちょっとマニアックなものまで様々なミニチュア楽器が勢ぞろいしています。
音楽好きな方へのプレゼントにも最適です。

3月15日(日)までの開催です。

※ほかにも様々なフェアを開催中です!詳しくは店頭で♪


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:   076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:57 am

御社のチャラ男

2020年2月26日

あなたの職場に「チャラ男」はいますか?

今日ご紹介する本は、『御社のチャラ男/絲山秋子(講談社)』です

この本に登場するチャラ男は、とある食品会社で働く44歳の三芳部長です。

物語は、三芳部長と同じ職場のメンバーや奥様など
彼をとりまく方たちが次々に登場し、
彼について語るスタイルで進んでいきます。

人によって三芳部長の印象は様々ですが、
共通しているのは「チャラ男」という認識です。

例えば、
・この人の話すことはコピペ。雑誌やネットの受け売りで自分が無い。
・自分の言葉と妄想に酔っている
など、社内での評価はあまりよくありません。

もし自分と同じ職場に三芳部長のようなチャラ男がいたら
私はできれば一緒に仕事をしたくないかなあ。

でも、いいところもあり、
年上女性からは「ダメダメな割に憎めない」とも言われています。
フレンドリーなのは彼のいい部分です。

この物語にはチャラ男自身の語りもあるのですが、
それを読む限りでは、確かに悪い人ではないような気が。

そして気付かされます。
人の噂って怖いなあと。
みんなが「あの人はね…」と噂すれば、
その人のことを良く知らなくても
噂だけで印象が決まってしまうのです!

そう、この本は噂話で成り立っているのです。

この本を読みながら、私はこの食品会社の社員の一人として
次々に様々な社員とチャラ男の噂をしている気分でした。

また、様々な人が登場しますので、
自分の感覚や状況に近い人もいれば、全くタイプの異なる人もいます。
そういった自分とは違う考えに触れることができるのも本ならではです。

人の本音はなかなかわかりにくいものですが、
小説の場合、堂々と頭の中を覗けるのが最高です!

タイトルに「チャラ男」とありますので、
物語もチャラいのでは?と思われそうですが、そんなことはありません。

最初は、社員の皆さんのチャラ男の愚痴物語かなと思ったものの、
徐々にチャラ男の存在感は薄くなっていき(というか慣れていき)、
登場人物それぞれの物語の印象が強くなっていきます。
そして、最後は予想もしていなかった結末が待っていました。
大変面白かったです!

それから、富山がお好きな絲山さんらしく富山の話題も出てきますので、
富山の皆さんはニヤニヤしながら楽しめると思います。

***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

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本物そっくり!ミニチュア楽器フェア
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ひとつひとつ丁寧に作られたミニチュア楽器のフェアです。
種類もサイズも豊富です。
インテリアやプレゼントにもおすすめ。

店内中央イベントコーナーで開催中!

◎フェアの詳細は コチラ


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専門料理書フェア
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プロの方向けの専門書から
一般の方にも役に立つレシピや料理エッセイ、辞典まで
様々な専門料理書が勢ぞろいしています。

和・洋・中の様々な専門料理書を豊富な種類で展開中!

場所は、実用書売場です。

<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:   076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00
店休日:  2月26日(水)

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:43 am

気まぐれな朗読会2020

2020年2月25日

2月22日(土)は「気まぐれな朗読会2020」でした。
お越しくださった皆さま、ありがとうございました。

気まぐれな朗読会は、
気ままプランの廣川奈美子さんと
graceの私、田島でお届けしている朗読会で、
今回で4回目の開催でした。

去年の朗読会の模様は コチラ

***

今回も三部構成でした。

一部は、高志の国文学館の新元号「令和」記念コーナー
で紹介されたガイドペーパーを美しい映像とともにご紹介しました。


二部は、「せつない星座物語」と題して
『せつない星座図鑑(三才ブックス)』をベースに
星座と神話の物語を朗読。

え?田島どしたの?なんて言わないで。笑

「愛と美の女神アフロディーテ」です。笑

アフロディーテ役の田島がそれぞれの星座物語を読み、
その横では、気まぐれな朗読会ではすっかりおなじみの
富山で俳優をなさっている室田勝さんが、
ゼウスをはじめ、さまざまな神様を演じました。

こちらは、ゼウスとアフロディーテ。
だから、田島どした・・・?と言わないで。笑

そして、廣川さんは占い師役として登場し、
今年の運勢を紹介しました。

ちなみに、占いは開運セラピストはるさんが
この朗読会のために占ってくださいましたので、本物です!


三部は、私と廣川さんがそれぞれ一人で作品を読みました。

まず、私が『狐物語/林芙美子』を朗読。

演出の広田郁世さんがとてもキュートな人形を作ってくださり、
まるで人形劇のようなスタイルとなりました。

こちらは、牛の赤兵衛と狐の六兵衛が会話をしているところです。

ああ、かわいい♪


廣川さんは『高野聖/泉鏡花』を朗読しました。

怖さと妖しさが入り混じった廣川さんの朗読に
会場の皆さんが真剣に耳を傾けているのがわかりました。

***

そして、今回も演出の広田さんをはじめ、
大勢のスタッフの皆さまにお世話になりました。

今回初めて朗読会にいらっしゃった方が
「映像や人形も出てくるなど、あんなに凝っているとは思わなかった。
また、来年も来ます」
とおっしゃっていて、とても嬉しかったです!

そうなのです。
この朗読会はスタッフの皆さんのおかげで
あれだけのことができているのですよー。

あらためて、お越しくださった皆さん、お世話になった皆さん、
本当にありがとうございました。

残念ながら来られなかったという方も
FMとやまでは来月、3部のみ特別番組として放送しますので、
ぜひお聞きください。

特別番組『気まぐれな朗読会2020』

オンエアー:3月22日(日)18時〜

yukikotajima 5:59 pm

「キノベス!」、「ノースライト」

2020年2月19日

今日の本紹介は、キノコレです。
紀伊國屋書店富山店の書店員オススメの本をご紹介します。

今日ご紹介するのは、「キノベス!」です。

「キノベス!」は過去1年間に出版された新刊を対象に、
紀伊國屋書店で働く全スタッフから公募した推薦コメントをもとに
選考委員の投票で決まった全力でおすすめするベスト30のことです。

面白いのは、スタッフの皆さんのコメントによって順位が決まっているということ。
人気作品ではなく、どれだけ熱い推薦コメントなのかどうかが大事なのです。

ですから「キノベス!」の冊子には、
スタッフの皆さんのコメントがもれなく載っています。
かなり熱いです!
この冊子を読んでいるだけでも楽しい気分になってきます。

それでは、今年の「キノベス!」の結果を発表しましょう。

第1位『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー/ブレイディ みかこ』

こちらは、私、田島も去年1位に選んだ作品です。

◎田島の感想は コチラ

書店員の皆さんのコメントは…

・「あいつの事嫌いだったけど、話してみたら意外と良いヤツだった」
という事が子供にも大人にも起こるのが人生ってやつなんだよ、
と教えてもらった気持ちです。

・凝り固まった思考を柔らかくほぐすように、私のスイッチを回してくれた一冊です。

私も大いに共感!


第2位『むかしむかしあるところに、死体がありました。
/青柳碧人(あおやぎ・あいと)』

こちらも去年、ラジオでご紹介しています。

◎田島の感想は コチラ

こちらは富山店の北村菖(あやめ)さんの推薦コメントが選ばれています。

タイトルと表紙からとても気になる一冊。
昔話の非現実さがありながら、
アリバイや殺害方法はしっかり辻褄が合い、読み応えのあるミステリー。
短編で読みやすいので、あまり本を読まない人にもおすすめ。


第3位『ノースライト/横山秀夫』


「半落ち」や「クライマーズ・ハイ」でおなじみの
横山秀夫さんの長編ミステリーです。
私は未読だったので、今回読んでみました。

面白かったです!
400ページ以上ある長編なのですが、
夢中で一気に読んでしまいました。

主人公は、一級建築士の男性です。
「あなた自身が住みたい家を建てて下さい」
という依頼で建てた家に誰も住んでいないどころか、
そもそも引っ越しをしていないことがわかります。
依頼者との連絡も取れないまま。
一体この家族はどこに消えてしまったのか。

唯一の手掛かりは、その新築の家に残された一脚の古い椅子。

ドイツの建築家、ブルーノ・タウトの椅子ではないか?
と思った彼は、依頼者の行方を探しながら、タウトの椅子についても調べ始めます。

主人公が謎を追う物語かと思いきや、それだけの物語ではありませんでした。
人が人を思うあたたかな人間ドラマでした。

紀伊國屋書店のスタッフの皆さんのコメントも熱いです。

・焦げるような熱さをともなう、生きた人間たちの物語

・こんな小説が読めるなら、何年何十年だって待ちます。


今日は、「キノベス!」の1位〜3位までをご紹介しましたが、
4位以下は、「キノベス!」の公式サイトでご確認ください。

◎『キノベス!』の公式サイトは コチラ

また、店頭には無料の特別小冊子がありますので、ぜひお手に取ってみてください。



***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

==================
本物そっくり!ミニチュア楽器フェア
==================

ひとつひとつ丁寧に作られたミニチュア楽器のフェアです。

種類もサイズも豊富です。
インテリアやプレゼントにもおすすめ♪

店内中央イベントコーナーで
今度の土曜日、22日からスタートします。

◎フェアの詳細は コチラ


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:   076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00
店休日:  2月26日(水)

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:13 am

タイガー理髪店心中

2020年2月12日

2月22日の気まぐれな朗読会まであと10日となりました。

気まぐれな朗読会は、
気ままプランパーソナリティの廣川奈美子さんと
graceの私、田島悠紀子でお届けする朗読会です。

◎気まぐれな朗読会の詳細は コチラ

3部構成で1部は、「令和」の出典『万葉集』を
2部は、ゲストをお迎えして楽しくお届けします。内容はヒミツ!
3部は、廣川さんと私がそれぞれ作品を朗読します。

私が3部で朗読するのは、林芙美子さんの『狐物語』です。

今日のユキコレでご紹介する本は、
林芙美子さんの本ではなく、
林芙美子文学賞を受賞した作品です。

紀伊國屋書店で本を探している時、
本の帯に書かれた「林芙美子文学賞受賞作」を見て、
「読みたい!」と思ってしまったのでした。

その本はこちら。

『タイガー理髪店心中/小暮夕紀子 (朝日新聞出版)』


林芙美子文学賞の選考委員の
井上荒野さん、角田光代さん、川上未映子さんに
絶賛されての受賞だったそうです。

こちらには2つの作品が収録されています。

まず、表題の「タイガー理髪店心中」

こちらは、寂れた町で「タイガー理髪店」を営む老夫婦の物語です。

理髪店にお客様がやってくることは稀で、
理髪師の夫はほぼ毎日、お店の前の椅子に座って町の様子を眺める日々です。

最近、妻が忘れっぽくなったと思っていたら
ある日、発作的に豹変してしまいます。
そんな様子に夫は戸惑います。

のんびりとした雰囲気から一転、後半は緊張感が漂います。
ぜひドキドキしながら本のページをめくってみてください。


もう一つの作品は、「残暑のゆくえ」です。

こちらは、小さな食堂を営む70代の女性のお話です。
彼女の趣味は、幼いころに亡くなった母のことを毎日思い出すこと。

なぜ母はあの日あんなことを言ったのか。
母はあの時、どんな気持ちだったのか。
毎日様々な想像をしては、喜んだり落ち込んだり。

そして、ある日、彼女は過去に母と住んでいた町に行ってみることにします。

こちらのお話もどこかのんびりとしつつも緊張感が漂っています。

いずれも短い作品ですが、あっという間に作品世界に引き込まれます。
そして、絵が見え、音がし、臭いも漂ってきます。

本を読んでいると「私、今、本の中にいる」と思うことがあるのですが、
この本もまさにそうでした。

いずれも短編ですが、読みごたえがありました。


そして2編とも年老いた人々のお話のため「戦争」が出てきました。

令和という新しい時代になり、
これから先、どんどん戦争を知る世代が少なくなっていきます。

戦争がずっと昔の過去の出来事のように思えるけれど、
でも、実はまだずっと苦しんでいる方もいるのですよね。

戦争が人々の心にどんな影響を与えたのか。
この本を読んで胸が締め付けられました。

また、戦争だけでなく、
人には何歳になっても忘れられないことがあるものだなと。

嬉しいことはもちろん、嫌なことや辛いことも。
人から受けた嫌な出来事も。
自分がしてしまったひどいことも。

色々な思いを抱えながら生きていくものなのですよね。

でも、年を重ねることで、
過去には気付けなかったことに
やっと気づいたり理解できたりすることもあります。

長い時間がかかってようやくわかったこと。
あなたにはありますか?

色々なことを考えさせられた2作品でした。
読んで良かった!

***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

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別冊太陽フェア
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美しいビジュアルを豊富な資料とともに、
一冊ごとに一つのテーマを深く掘り下げて紹介している
「別冊太陽」のフェアです。

店内中央イベントコーナーで開催中!

◎詳細は コチラ


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専門料理書フェア
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プロの方向けの専門書から
一般の方にも役に立つレシピや
料理エッセイ、辞典まで
様々な専門料理書が勢ぞろいしています。

和・洋・中の様々な専門料理書を豊富な種類で展開中!

場所は、実用書売場です。


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:   076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00
店休日:  2月26日(水)

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 12:21 pm

島を救ったキッチン

2020年2月5日

この冬はなかなか雪が降らず、今日からやっと冬らしいお天気になりそうですが、
それでも冬がこれだけ暖かいということは
この夏はかなり暑くなるのではないか、と心配になります。

また、台風による被害も出ませんように!と願わずにはいられません。

日本では毎年、各地で台風の被害が出ていますが、
日本だけではなく、今、世界各地で様々な自然災害が起きています。

その中の一つ、カリブ海の島・アメリカ領のプエルトリコは、
2017年9月に史上最大級のハリケーン「マリア」で壊滅的な被害を受けました。

今日ご紹介する本は、いち早く被災地に駆けつけた人気シェフ、
ホセ・アンドレスの災害支援日記です。

『島を救ったキッチン
シェフの災害支援日記 in ハリケーン被災地・プエルトリコ
/ホセ・アンドレス、リチャード・ウルフ
訳:御舩(みふね)由美子【双葉社】』


こちらは、紀伊国屋書店富山店奥野晃英さんのオススメ本です。

まずは、奥野さんの推薦文をご紹介しましょう。

***

2017年、超巨大ハリケーンで壊滅的被害を受けたアメリカ領・プエルトリコ。

−たくさんの人を食べさせること

その言葉を胸に、島民たちが餓えと渇きに苦しむ中で
自ら料理を作りながら、被災地で人命に直結する
「食糧支援網」構築に乗り出した著者が記した災害支援体験記です。

日本でも、神戸、東北の大震災、
昨年の大規模な台風を始めとして
各地でたくさんの自然災害が発生しています。

国は違えども心の何処かで共感し、
もしもの時に「何かできるんじゃないか?」
という勇気を与えてくれる1冊です。

***

シェフのホセ・アンドレスは、アメリカでは超有名人です。
何軒もの高級レストランを経営し、メディアにも登場。
去年はノーベル平和賞にもノミネートされました。

そんな人気シェフのアンドレスは、
2017年、ハリケーン被災地のプエルトリコで様々な問題を解決しながら、
冷たい非常食ではなく「温かい、人の作った食事」をふるまい続け、
最終的には約300万食を支援したのだとか。

災害時に優先すべきは、水と食料。
しかも食事は栄養のある温かいものを提供することをモットーに。

また、地元の経済を活性化するために
食材などは地元の業者から仕入れるようにしていたのだそうです。

彼のもとへはシェフたち協力者が集まってきました。
彼らは「シェフス・フォー・プエルトリコ
(プエルトリコのために立ちあがったシェフたち)」
というグループ名をつけ、SNSでその活動を投稿しました。

実際、支援活動の中で一番大変だったのは、料理を被災者に届けること。
料理を運ぶ人や車が必要なのはもちろん、
現地のラジオ番組での発信も役に立ったようです。

そもそもアンドレスが食糧支援を行うようになったのは、
ハリケーン・マリアが襲来する7年前のこと。
同じカリブ海の別の島、ハイチを襲った大地震がきっかけだったそうです。

最初は、現地の人が普段食べる味付けと違うものを出してしまう
などの失敗もあったのだとか。
例えば、日本に当てはめるなら、食べたことのない海外の味付けのスープよりも
きっとお味噌汁が喜ばれますよね。

アンドレスは、ハイチで学んだことをプエルトリコで生かします。

でも、すべてがスムーズにいったわけではなく、問題は山積みでした。

例えば、誰よりも早く行動に移していたアンドレスに対し、
行政や現地で支援活動を行っていた大きな団体は会議に時間を費やしてばかりで、
協力を要請してもなかなか受け入れてもらえなかったのだとか。

このことをアンドレスは「人災」だと言っています。

被災地には大勢のボランティアがいる一方で、
コネや前例にしばられるお偉いさんたちもいました。

この災害支援日記は約400ページあります。
アンドレスがいかにしてプエルトリコを支援していったのかが事細かに綴られています。
同時に災害時のことも学べます。特に「支援」について。

この本を読んで本当に良かった!
皆さんも是非読んでみてください。



<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

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別冊太陽フェア
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美しいビジュアルを豊富な資料とともに、
一冊ごとに一つのテーマを深く掘り下げて紹介している
「別冊太陽」のフェアです。

店内中央イベントコーナーで開催中!

◎詳細は コチラ


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キノベス2020!
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「キノベス」は、紀伊國屋書店のスタッフが全力でおすすめするベスト30です。

無料の特別小冊子もありますので、ぜひご覧ください。

店内中央イベントコーナーで開催中!

◎詳細は コチラ


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:   076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00
店休日:  2月26日(水)

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 12:17 pm

パラサイト 半地下の家族

2020年2月1日

今日、2月1日のネッツカフェドライヴィンのテーマは「ニオイ」です。

2月1日がニオイの語呂合わせから「ニオイの日」ということで、このテーマです。

ニオイと言えば、最近「ニオイ」を感じる映画を見ました。

現在大ヒット上映中の韓国映画『パラサイト 半地下の家族』です。

カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールに輝き、
アカデミー賞の作品賞にノミネートされている話題作です。

監督はポン・ジュノさん。
『殺人の追憶』や『母なる証明』などでおなじみの監督です。
私もポン・ジュノ監督作品は何本か見ていますが、
どの作品からも圧倒的な熱量を感じます。
また、どう展開していくのかわからないドキドキ感もあるのですが、
今作も予想をはるかに超える衝撃的な作品となっていました。

物語は、半地下の住宅で暮らす全員が失業中という貧しい一家の息子が、
友達から家庭教師の仕事を紹介されるところから始まります。

息子は大学生だと嘘をつき、高台に住む裕福な社長一家で働き始めます。
その後、妹も同じく家庭教師として社長一家で働くようになり、
さらに、父や母もこの社長一家に近づいていきます。

嘘がばれそうでばれない面白さにアハハと笑い、
この先、どう展開していくのかしら?と思っていたら、
まったく想像もしていないストーリーが待っていました。

この続きは…映画館でお楽しみください。

そうそう、この映画からは「ニオイ」が感じられました。
実際はスクリーンの中の出来事だからニオイがするはずはないのだけれど、
でも、漂ってくるのです。
そして、そのニオイから色々なことを感じ、考えさせられるはずです。

ああ、映画を見た人と喋りたい!(笑)

コメディ要素もありながら衝撃の展開もあり、
笑ったり、驚いたり、ドキドキしたり、考えさせられたりと
退屈な瞬間は一切ありませんでした。

いやあ、すごい映画だったわ。

まだご覧になっていない方はぜひ〜。

映画『パラサイト 半地下の家族』の公式サイトは コチラ

yukikotajima 9:19 am

グッドバイ

2020年1月29日

大浦慶(おおうら・けい)さんという女性を知っていますか?

幕末がお好きな方なら、ご存じかもしれません。

大浦慶さんは、幕末の長崎で外国を相手に
茶葉交易に乗り出した伝説の女商人です。

今日は、そんな大浦慶さんの人生を描いた小説をご紹介します。

『グッドバイ/朝井まかて(朝日新聞出版)』

本を書かれたのは、2014年に『恋歌(れんか)』で
直木賞を受賞した朝井まかてさんです。

この『恋歌』も素晴らしい作品でしたが、
新作の『グッドバイ』も大変良かったです。

主人公は、長崎で菜種油を商う大浦屋の女あるじ、
大浦希以(のちに慶)26歳です。

時代は幕末。
当時、長崎に安価な油が出回るようになり、
慶は現状を変えるために、あるアイデアを出します。

それは、外国との交易を考えてみてはどうかというものでした。

ところが、同業の年上の男性たちからは馬鹿にされてしまいます。
長く続いてきたものを大きく変えようとすれば反発は避けられません。
まあこれは幕末だけでなく今も変わりませんね。

外国との交易をあきらめられなかった慶は、ひょんなことから
若いオランダ人の船員に日本の茶葉の見本を渡すことになります。

油ではなく茶葉なのは、外国人との会話の中で茶葉が売り物になると思ったから。

数年間は何の音沙汰もありませんでしたが、
ある日、見知らぬイギリス人が慶のもとへやってきて、
かなりの量の茶葉を注文したことから、慶は茶葉交易に本格的に乗り出します。

とはいっても、茶葉に関しては素人ですので、徹底的に茶葉について学びます。
また、変なものを売りたくないという思いから手抜きは一切しません。

その仕事ぶりは外国の商人たちから
「最も信頼される日本商人」と言われるほどです。

彼女のもとには様々な人がやってきます。
外国人もいれば、日本人も。
中には坂本龍馬ら亀山社中のメンバーたちもいます。

慶自身は国を変えようという気持ちはないけれど、
熱い若者たちの心に寄り添いたいと思い、彼らに資金援助をします。

稼いだお金を若者たちに使うって、お慶さんかっこよすぎます。

しかし、いいときは長く続きません。
また、慶自身も年を重ねていき、自分の変化に気付きます。
若い時分は後先考えずに動いたのに、今は先を読んでしまう、と。

若いころは無知ゆえの勢いがあるけれど、
年を重ねると知識や経験が増える一方、
同時に考えすぎてしまうものなのですよね。
それ、よーーくわかる!

そして、彼女は大きな失敗をしてしまいます。

その後、彼女はどう生きていったのか。
ぜひ続きは本のページをめくってみてください。***

彼女の人生は「仕事」そのものでした。

状況も関わる人も次々に変わっていきますが、
どんなときでも真面目に人と向き合い仕事に取り組んでいきます。
若いから、女だから、誰もやったことがないから、
と言われても彼女は気にしません

お慶さんかっこよすぎます!(2回目。笑)

私もお慶さんのような女性になりたいと思いました。
とてもいい本でした!

女性の物語なので、女性の方に読んで頂きたいのはもちろん、
おじさま世代の男性たちにもぜひお読みいただきたいです!



<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

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芥川賞、直木賞受賞作品
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芥川賞受賞作
『背高泡立草(せいたかあわだちそう)
/古川真人(ふるかわまこと)【集英社】』

直木賞受賞作
『熱源(ねつげん)
/川越宗一(かわごえ・そういち)【文藝春秋】』

※芥川賞、直木賞ともに入荷しました。

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洋書バーゲンセールを開催中!
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絵本やフィクションを中心としたジャンルの洋書バーゲンです。

このバーゲンでは、普段、店頭で販売されている書籍ではなく
バーゲン用の書籍が特別に販売されており、現在大好評!

洋書ファンの皆さん、お得なこの機会をお見逃しなく〜。

◆期間:1月16日(木)〜2月16日(日)

◆場所:店内中央催事コーナー(※洋書売り場ではありません)


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:   076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00
店休日:  2月26日(水)

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:40 am

これでもいいのだ

2020年1月22日

今ブログをお読みのあなたは、年を重ねるにつれ何か変化はありましたか?

若いころより生きやすくなったという方もいれば、
逆に、年を重ねていくのが嫌だ…という方もいらっしゃるのでは?

そんな妙齢の皆さんにおすすめのエッセイがあります。

***

今日ご紹介する本は、
紀伊國屋書店富山店 文学担当の北村菖(あやめ)さんのオススメ本です。

『これでもいいのだ/ジェーン・スー【中央公論新社】』

北村さんのオススメコメントです。

ジェーン・スーさんが日常の中で思った様々なことが書かれたエッセイ66篇です。

ジェーン・スーさんとは年齢も環境も違うけれど、
共感できるお話がいくつもありました。

たいしたことではないけれど、悩んでいること、コンプレックスを
ジェーン・スーさんも同じように感じていて、
でもそれを「それでもいいのだ」と言い切ってくれるこの本に少し心が救われました。

66篇もあるので、誰が読んでも共感できるお話があるのではないでしょうか。

***

著者のジェーン・スーさんは、1973年、東京生まれの日本人で、
作詞家、コラムニスト、ラジオパーソナリティとしてご活躍です。

これまでに
『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』
『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』
『今夜もカネで解決だ』
『私がオバさんになったよ』
といったエッセイを出しています。

タイトルを見るだけでもスーさんらしさが伝わってきます。
そして、どのタイトルも秀逸です!

この流れからの新作のタイトルは『これでもいいのだ』。

本の帯には
「思ってた未来とは違うけど、これはこれで、いい感じ。」
とあります。

真面目に頑張っているのに色々うまくいかなくて、
私の人生って何だろう…と思ったとき、ふと書店でこの本を目にしたら
思わず泣いてしまいそうなコメントです。

うまくいないことだらけなのに年齢だけは重ねてしまっていて焦る!
私は一体どうしたらいいんだろう…と思うこと、ありませんか?

そんな時こそ、スーさんの言葉に耳を傾けてみては?

『これでもいいのだ』は、共感したり、笑ったり、突っ込んだり。
まるで友達のブログを読んでいるような親しみやすさです。

私が共感したのは、仲のいい友人との食事は、お互い話に夢中になりながらも
「これ美味しい!」といったような思ったことはすぐに口に出す、というもの。
でも、その後すぐに会話に戻れるのが快感だとスーさんはおっしゃっています。

私もこれにはおおいに共感!
会話のリズムの心地よさは、相手を選びますからね。
気持ちよく喋れる相手との食事は本当に楽しいものです。

その一方で、スーさんは、アドレナリンを放出せずに済む
ゆったりした付き合いも大事にされています。

これもわかる!
勢いよく喋るのではなく、のんびり過ごせる友人との時間も大切です。
全然タイプが違うからこその良さがあるのですよね。

そういった友達の話もあれば、妙齢の女性ならではの話や
以前、レコード会社で働いていたスーさんらしい音楽の話題などもあります。

音楽の話で印象に残ったのは、トップアイドルの曲は、
時代のトップクリエイターが飛び切りの一曲を提供するため、
名曲がそろっている、というもの。
そして、そのケミストリーを制作サイドは楽しんでいるのだとか。

音楽の話題は他にもまだまだありますので、
このエッセイは音楽が好きな方も楽しめると思います。

最後にスーさんは、年を重ねてきたからこその良さをおっしゃっています。

さて、それは何でしょう?
気になる方はぜひ『これでもいいのだ』を読んでみてください。



<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

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芥川賞、直木賞発表
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芥川賞受賞作
『背高泡立草(せいたかあわだちそう)
/古川真人(ふるかわまこと)【集英社】』

直木賞受賞作
『熱源(ねつげん)
/川越宗一(かわごえ・そういち)【文藝春秋】』

※芥川賞直木賞ともに1月末に入荷予定

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洋書バーゲンセールを開催中!
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絵本やフィクションを中心としたジャンルの洋書バーゲンが開催されています。

このバーゲンでは、普段、店頭で販売されている書籍ではなく
バーゲン用の書籍が特別に販売されます。

洋書ファンの皆さん!
お得なこの機会をお見逃しなく〜。

◆期間:1月16日(木)〜2月16日(日)

◆場所:店内中央催事コーナー(※洋書売り場ではありません)


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:    076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00
店休日:  22日(水)

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:33 am

勿忘草の咲く町で 〜安曇野診療記〜

2020年1月15日

今日のユキコレ(grace内コーナー13:45頃〜)でご紹介する本は、
映画化もされた『神様のカルテ』シリーズでおなじみの
夏川草介さんの新作です。

『勿忘草の咲く町で 〜安曇野診療記〜(角川書店)』

今回も『神様のカルテ』シリーズと同じく医療小説なのですが、
夏川さんによると、

『神様のカルテ』では書けないことを、書きました。

とのこと。

『勿忘草の咲く町で』のテーマは「高齢者医療」。
それも都会ではなく地方の物語です。

舞台は長野県松本市郊外の病院。
主人公は、看護師になって3年目の女性、美琴(みこと)です。

この病院の特徴は何と言っても高齢の患者が多いということ。
特に内科病棟は、まるで高齢者の介護施設のようです。

その内科へ研修医の桂先生がやってきます。
実家がお花屋さんのため、お花には詳しいけれども、
見た目はちょっと冴えない男性です。
でも、医者としての仕事は真面目にしています。

この病院は地方の小さな病院ですが、
急性期病院でもあり、次々に患者さんが病院に搬送されてきます。

医者不足なのにも関わらず地域からの要求は昔よりも厳しくなっており、
たとえ研修医であったとしても休みなく働き詰めです。

また、患者のほとんどがご高齢です。
寿命と治療をどう考えるか、先生によって考え方も様々です。

研修医の桂先生は、先輩から

何が正しいかは誰にもわからない。
大切なことは、できるだけ色々な考え方に触れて、
自分の哲学を鍛えるということだ。

と言われます。

桂先生は悩みながら自分なりの答えを見つけていきます。

そういった地方の病院における高齢者医療の現実を描いたのが、この作品です。

私自身、自分が高齢者になった時、どんな治療を受けたいのか、
また、人生をどのように終わらせたいのか、
本を読みながら真面目に考えてしまいました。

この本を読むと、きっと誰もが自分や家族の最期について考えると思います。
そういう意味でも読んで良かったです。

また、この本は、医療小説であるだけでなく、
看護師の美琴と研修医の桂先生の恋愛物語でもあるのです。

この恋愛部分がいい感じです!初々しくて。

ベースは高齢者医療ですが、
そこに恋愛のお話が時折はさまれ、物語を彩っています。

また、桂先生がお花が好きということと
彼らが住む安曇野が自然豊かな場所ということもあり、
本を読みながら目の前に美しい景色と華やかな色彩が広がり、
豊かな気持ちになれました。
特に自然の描写が美しく、声に出して読みたくなるほどです。

物語としての面白さはもちろん、
自分や家族が人生の最期をどう迎えるべきか考えるきっかけにもなり、
また初々しい2人の恋愛小説としても楽しめる1冊です。
ぜひお読みください♪


<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

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洋書バーゲンセール開催!
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絵本やフィクションを中心としたジャンルの洋書バーゲンが開催されます。

このバーゲンでは、普段、店頭で販売されている書籍ではなく
バーゲン用の書籍が特別に販売されます。

洋書ファンの皆さん!
お得なこの機会をお見逃しなく〜。

◆期間:1月16日(木)〜2月16日(日)

◆場所:店内中央催事コーナー(※洋書売り場ではありません)


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号: 076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00
店休日:  今日1月15日(水)、22日(水)

HP http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:48 am

店長がバカすぎて

2020年1月8日

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

私の年末年始については、
私の個人ブログ「続・ゆきれぽ」
にアップしましたので、よかったらご覧ください。

◎続・ゆきれぽは コチラ

さて、今日は私が担当する新年最初のgraceがあります。
そして今日から本紹介コーナー「キノコレ・ユキコレ」がリニューアル。
ユキコレは、これまで同様、私、田島がオススメする本をご紹介していきますが、
紀伊國屋書店富山店オススメの本を紹介するキノコレも
私、田島がご紹介していきます。

***

今年最初に紹介する本は、
紀伊國屋書店富山店 店長 白山善史さんのオススメ本です。

『店長がバカすぎて/早見和真(はやみ・かずまさ)【角川春樹事務所】』

店長から直接、この本を渡されたとき、
思わず「え?これでいいんですか?」と聞き返してしまいました。

だってタイトルが「店長がバカすぎて」なんですよ!

でも、店長は穏やかな笑顔で
「これがいいんです」とおっしゃっていました。

そんな店長のオススメコメントをご紹介しましょう。

***

書店で働く主人公と店長をはじめとした、本に携わる人々の物語。

私が店長となった当初、出張先で見かけたユニークなタイトルの書籍。
思わず手にとった一冊です。

書店を舞台とした物語は多くありますが、
今回この本を読んで良かったと思いました。

職業柄、物語中の多くの言葉が心に突き刺さります。
共感と感動を得られるとともに働くことの意欲を再認識致しました。

本に携わる職業の方だけでなく、より多くの方にも読んでもらいたい、
力が湧いてくるような面白くて楽しい感動の一冊です。

***

私からも簡単に内容をご紹介します。

舞台は東京・吉祥寺にある武蔵野書店。
主人公は、本が大好きな28歳の契約社員、谷原京子。文芸書の担当です。

そんな谷原さんが「バカすぎる!」と思っているのが、店長です。

谷原さんは、仕事が好きで、仕事もできます。
でも、バカな店長に日々振り回されて、いつもイライラしています。(笑)
バッグの中にはいつでも仕事を辞められるよう「退職届」を忍ばせているほどです。

このブログをお読みの方の中にも
年末年始にリフレッシュして、よし今年も頑張ろう!と思ったものの、
出社するやいなや職場の困った人のせいで
早速イライラさせられている…なんて方もいらっしゃるかもしれません。

そんな方がこの本を読んだら、きっと大いに共感するはずです。

物語は、朝礼での店長の話にイライラしているところから始まります。
実際、本当にイライラします。(笑)

そして、この書店では次々に様々なトラブルが生じます。
そのどれもが、まるで他人事と思えず、
私は、まるで自分の物語のような気持ちで本のページをめくり続けました。

また、小説が好きな谷原さんの本への熱い思いも随所に散りばめられていて、
私も同じく本が好きで、ラジオで本を紹介している身として、勉強になりました。

そういう意味でも、新年最初にこの本を読めて良かったです。

例えば…

・物語の持つ力の一つは「自分じゃない誰かの人生」を追体験できること。
自分のことしか考えていない時代に、自分以外の人間を想像できるのが物語!

・自分の好きな本を人に強要してはいけない。

・本の感想は千差万別

などです。

そうなのです。
好みは人それぞれだし、本を読んで感じることも人によって異なります。
でも、それでいいと思うのです。
私自身も今年も自由に本を楽しんでいきたいと思います。
皆さんも、様々な情報に振り回されず、自分の心が感じるままに本を楽しんでください♪

白山さん、素敵な本を教えていただき、ありがとうございました!

ちなみに、店長にイライラして、仕事のトラブルも次々に起きて…
だなんて、そんなの読みたくない!と思われてしまいそうですが、
『店長がバカすぎて』は、「コメディ」です。

そのうちNHKあたりでドラマ化されそうな予感。(笑)


<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

==============
洋書バーゲンセール開催!
==============

絵本やフィクションを中心としたジャンルの洋書バーゲンが開催されます。

このバーゲンでは、普段、店頭で販売されている書籍ではなく、
バーゲン用の書籍が特別に販売されます。

洋書ファンの皆さん!
お得なこの機会をお見逃しなく〜。

◆期間:1月16日(木)〜2月16日(日)

◆場所:店内中央催事コーナー(※洋書売り場ではありません)


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号: 076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00
店休日:  1月15日(水)、22日(水)

HP http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:51 am

田島の今年のベスト3!

2019年12月25日

今日は、今年最後のユキコレがあります。

ユキコレは、私、田島がオススメの本を紹介するコーナーです。

今日は、2019年最後の放送ということで、
この1年のベスト3を発表します。

その前に。

冬休み中に軽く読める本をご紹介します。

先日、紀伊国屋書店富山店の奥野さんから
「たまにはこんな本はいがか?」
とすすめられたのがこの本でした。

せっかくなので読んでみました。

『もっとオシャレな人って思われたい!/峰なゆか(扶桑社)』

峰さんというと、壇蜜さんの主演でテレビドラマ化された
『アラサーちゃん』でおなじみの方です。

『もっとオシャレな人って思われたい!』は、
タイトル通り、オシャレな人と思われるにはどうしたらいいのか?
について綴られた峰さんのエッセイです。

この本を読みながら、まるで峰さんと女子会をしている気分でした。

わーかーるー!と共感したり、
いやいや、それは考えすぎだって!と突っ込んだり、
いずれにしても楽しく読むことができました。

例えば…

・目を守るためにサングラスをかけたいのだけど、似合わない

・女性と言えば「ピンク」でしょ?といった「ダサピンク」が多すぎる

など。

ちなみに、この本は、お洒落な着こなしを紹介する本ではありません。
どちらかというと、峰さんの失敗談が多めです。
私自身もおしゃれをはじめ、ダイエットや買い物など
今年もなんだかんだで色々失敗を重ねました。

峰さんのエッセイをアハハと笑って読みながら、
同時に私自身の今年の様々な失敗を反省。

新しい年を迎える前にこの本と出合えて良かったです。

***

さて、続いては、毎年恒例!
今年、私の印象に残った本ベスト3を発表します!

※本のタイトルをクリックすると、私の感想ブログが開きます。

★第1位 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー/ブレイディみかこ(新潮社)』

こちらは小説ではなくノンフィクションです。
イギリスに住む著者の中学生の息子について書かれています。

いじめ、喧嘩、差別のある中学に入学した息子君は、
それぞれの問題について真剣に向き合い、
お母さんと一緒に何が正しいのか悩み、考えていきます。

すんばらしい本でした!
全ての人に読んで頂きたい!

年の初めの一冊にもおすすめです。


★第2位 『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び/大島真寿美(文藝春秋)』

読み方は、「うず いもせやま おんなていきん たまむすび」です。
今年の夏に直木賞を受賞した作品です。

タイトルは漢字が並んでいて難しそうですが、内容は難しくありません。

江戸中期の人形浄瑠璃作者、近松半二(ちかまつ・はんじ)
の生涯が描かれています。

この本の何がいいって、言葉のリズムが心地いいのです。
文章がいきいきとしていて、声を出して読んでいるわけではないのに、
息継ぎまでがぴったり合う感じです。

いいライブや面白いスポーツを生で観戦しているかのような
興奮を感じながらの読書は本当に楽しかった!


★第3位 『彼女たちの場合は/江國香織(集英社)』

ニューヨークに住む14歳と17歳の日本人女子2人の旅物語です。

それも、親には「旅に出ます」という書置きを残して
突然旅に出てしまうのです。行先も行き当たりばったりです。

年末年始、休みはたっぷりあるけれど、
どこにも出かける予定はないなあ…
という方は、旅気分を味わえるこの本を読んでみては?

でも、この本を読み終えた後は、
ふらっとどこかに出かけたくなるかも。


***

今年も一年、私の本紹介にお付き合い頂き、ありがとうございました。

来年からは、毎週水曜にgraceの中でお送りしている
本紹介コーナーがリニューアルします。

これまで同様、第1・3週は、紀伊國屋書店富山店オススメの本を紹介するキノコレ、
第2・4・5週は、私、田島悠紀子オススメの本を紹介するユキコレをお送りしますが、
今後は、毎週、田島の一人喋りで様々な本をご紹介していきます。

1月以降もどうぞよろしくお願いします。

yukikotajima 11:14 am

365日の親孝行

2019年12月18日

今日は12月18日です。
お正月も近づいてきましたが、
お正月には久しぶりに実家に帰るという方もいらっしゃると思います。

中には親御さんからいつからいつまで実家にいられるのか、
電話やメールが来るが来る頃かもしれません。

私もまさに昨日、母と電話でそんな話をしました。

親御さんと離れて暮らしている皆さんは、
あと何回、親御さんに会えるのか考えたことはありますか?

今日のキノコレで紀伊国屋書店富山店の奥野さんからご紹介いただく本はこちら。

『365日の親孝行/志賀内泰弘(しがない・やすひろ)<リベラル社>』

◎奥野さんの紹介文は コチラ

私もこの本を読みましたので、軽く感想を。

この本には、様々な形の親孝行が365紹介されています。
それも月ごとのものが。
例えば、12月の親孝行の例をあげてみます。

・紅白歌合戦を「この人誰?」「この歌手好き」と言いながら一緒に観る
・一緒に年末年始を過ごす

などです。
え?そんな簡単なことでいいの?と思うような内容もありますが、
でも、冷静に考えてみると、そんな簡単なことさえできていなかったりするのですよね。

この本を読むと、贈り物をすることだけが親孝行で無いことに気付かされます。
特別なことではない「親孝行」こそが大事なんだなと。

でも、具体的に思い浮かばない…という方もご安心ください。
この本には365の親孝行の例がのっていますので、
きっとあなたにもできる親孝行が見つかると思います。

また、親孝行にまつわるショートストーリーものっており、読み物としても楽しめます。

短いお話なのですが、泣けるもの多く、気付いたら涙。そして、また涙。。。でした。

高齢の親御さんのいらっしゃる皆さん、
ぜひおよみください。

***

さて、毎週水曜にgraceの中でお送りしている本紹介コーナーが
2020年1月からリニューアル!

これまで同様、第1・3週は、紀伊國屋書店富山店オススメの本を紹介するキノコレ、
第2・4・5週は、私、田島悠紀子オススメの本を紹介するユキコレをお送りしますが、
今後は、毎週、田島の一人喋りで様々な本をご紹介していきます。

1月以降のキノコレ・ユキコレもどうぞよろしくお願いします。

yukikotajima 10:36 am

歩道橋シネマ

2019年12月11日

今日ご紹介する本は、恩田陸さんの新作です。

『歩道橋シネマ/恩田陸(新潮社)』


恩田陸さんと言いますと、
『蜜蜂と遠雷』が直木賞と本屋大賞を受賞し話題となり、
この秋には映画化されました。

ラジオでも小説をご紹介しました。

◎私の感想は コチラ

新作の『歩道橋シネマ』は、恩田さんにとって約7年ぶりの短編集です。

今回はミステリーやホラーが多めなのですが、
恩田さん自身、10代前半はそういったジャンルの短編集をよく読んでいたそうです。

全部で18作品が収録され、
最後に恩田さん自身の「あとがき」もあるので、
それぞれの作品が生まれた背景などもわかります。

短編集は紹介が難しいのですが、
この作品もどのお話も世界観が独特すぎて
紹介が大変難しい…。(笑)

その中から私の好きなタイプの作品を2つ、
かる〜くご紹介します。

***

『楽譜を売る男』

4日間おこなわれた弦楽器のイベント会場で
楽譜を売っている白人男性の物語です。

彼を目にした主人公は、彼が何を考え、どんな人なのかを想像します。

彼は、置き物のように静かに座っていたそうです。
スマホも触らず、接客をするわけでもなく、ただじっと座っているだけ。

いったい彼は何者なのか。
楽譜は売れているのか。

主人公の妄想はどんどん膨らんでいきます。

果たして彼は…。

という物語です。

私もよく人を観察したり、勝手に想像したりするので、
この主人公の感覚はよくわかるなーと。

彼が何者なのか気になる方は、ぜひ本を読んでくださいね。

***

『歩道橋シネマ』

表題作です。
ある歩道橋では、様々な建物の偶然な組み合わせにより、
巨大な長方形の囲み枠に見えるのだそうです。

その大きな額縁が見える歩道橋に様々な人がやってきては、
じっと見つめているだのとか。

いったい何を見ているのか。

どうやらこの歩道橋にはあるうわさがあるようで…。

ああ、もうこれ以上は言えない!

短編はお話が短い分、すぐにネタバレになってしまうのです。

何かとあわただしい年末です。
でも、本を読みたいという方に短編集はオススメです。
毎晩寝る前に一話読むだけでも満たされると思います。
でも、ホラーもあるので、なかなか寝付けないという日もあるかも!?(笑)

yukikotajima 11:13 am

地図帳の深読み

2019年12月4日

今日のキノコレで紀伊国屋書店富山店の奥野さんから
ご紹介いただく本は、『地図帳の深読み』です。

奥野さんの紹介文は コチラ

この本は、100年以上にわたって地図帳を出版し続けてきた帝国書院と
地図研究家の今尾恵介さんがタッグを組み、
「地図帳」ならではの楽しみ方を紹介している一冊です。

スマホ地図ならよく見ている、という方もいらっしゃると思います。
私もそんな一人ですが、この本では、スマホの地図アプリではできない
「深読み」について詳しく紹介しています。

本の中で私が気になったのは、北海道の大きさ。
例えば、本州と比較するとどれくらいの広さなのかわかりますか?

この本によると、「北海道一周旅行」を本州でやろうと思ったら、
東京見物の翌日に仙台から三陸海岸を回り、最上川下りを楽しんだ後は
日光東照宮へ…といった移動だらけの旅になってしまうのだとか。

また、他の国と比べると島国である「日本」は小さい印象がありますが、
実は、197ヵ国のうち61位なので、かなり広いほうなんですって。
とくにヨーロッパに行けば日本はだいぶ大きい国になるそうです。

この本を読んだ後は、地図アプリではなく、地図帳を開きたくなります。

私の中で「地図帳」というと、授業中、気づくと先生の話から離れて
地図を見ながら妄想トリップをしていた記憶があります。
今思えば、そういう時間って結構幸せだったなあと。

あの頃より、だいぶ知識が増えた今、
あらためて地図帳を眺めると、より楽しめるかもしれません。

あなたも次の休日、地図帳をぼうっと眺めてみては?
その際、『地図帳の深読み』もセットでお楽しみください。

yukikotajima 11:15 am

『愛という名の支配』『エトセトラ』

2019年11月27日

今日のユキコレ(grace内コーナー13:45頃〜オンエアー)には、
ラジオでもおなじみの富山出身の作家、山内マリコさんが登場します。

ユキコレは、私、田島悠紀子オススメの本を紹介するコーナーですが、
今回は、田嶋陽子さん関連の本を2冊ご紹介します。

田嶋陽子さんいったら日本でいちばん有名なフェミニストです。

そんな田嶋さんのことを心から尊敬している山内さんは、
このほど田嶋さんの『愛という名の支配』という本の解説を担当されました。
本の帯にも山内さんのコメントが載っています。

さらに、田嶋さんへのリスペクトに満ちた雑誌の責任編集もなさっています。

雑誌『エトセトラ』の特集タイトルは、「We ❤Love 田嶋陽子!」

私もこの雑誌を読みましたが、田嶋さんへのラブレターといっても言いほどの一冊でした。
山内さんをはじめ、柚木麻子さんや男女問わず様々な皆さんが
田嶋さんへの愛を綴っていらっしゃいます。

田嶋さんというと、私も「田島」のため(漢字は違いますが)
「タジマ」という名前だけでよくいじられました。

私は、法政大学の出身なのですが、
当時、田嶋先生は法政大学の教授をされていたことから
入学してすぐのある授業で教授から「田嶋陽子の親戚か?」と言われ、
笑いが起きたのを覚えています。
あきらかにその笑いは、ちょっとバカにした笑いでした。

だから、田嶋さんのお姿をテレビで拝見し、
他の男性たちからいじられているのを見る度、
ああ、私もまたいじられる…と思うようになってしまいました。

でも、先日、山内マリコさんからすすめられた
『愛という名の支配』を読んで、田嶋さんの印象が変わりました。
田嶋さんは、とても素敵な方でした!

『愛という名の支配』は、1992年、今から27年前に書かれた本です。
でも、まったく古さを感じませんでした。

その時代の小説を読むと、男尊女卑が激しすぎて
読んでいるうちに嫌な気持ちになることがあるのですが、
田嶋さんは、そんな時代に、女性の生きづらさについてお書きになっていたのです。

すごい!すごすぎる!

例えば、

・女が強くなったのではなく、やっともとの状態に復元しだした
・まわりが味方してくれなくても自分を味方につけたらいい
・女の人は、もっと自分にやさしい服装をすべき

などがおっしゃっているのです。27年も前に!

私は、夢中で本のページをめくってしまいました。

確かに27年前に比べたら女性は生きやすい世の中になったと思います。
それでも、いまだ変わらないことも多々あります。

本の帯には「すべての女性に勇気を与える」と書かれています。
確かに読んだ後は「私も頑張ろう」と思えました。
今、この本に出合えて本当に良かった!

また、この本を読んだ後は、雑誌『エトセトラ』をお読みください。

それから、今日の「ユキコレ」もお聞きください♪
放送から1週間以内でしたらラジコのタイムフリーで聞くことができます。

今日の放送は事前に収録したものなのですが、
山内さんがかなり熱く田嶋陽子さんについてお話になっています。

***

さらに!山内さんと言えば、
新潟県長岡市の酒蔵、お福酒造とのコラボで小説を書かれています。

なんと日本酒を買うと、この小説がついてくるのだとか。

お酒にまつわる物語を男性、女性それぞれの目線で描いています。
2冊合わせて、1つの物語です。
私も読みましたが、男性の物語を先に読むと、より楽しめると思います。

日々生活をしている中で、ちょっとときめく瞬間ってありませんか?
そんな心の動きが描かれていて、キュンとなりました。
短いけれど、とても良いお話でした。

気になる方は、お酒とセットでお楽しみください。

yukikotajima 11:17 am

セレネ美術館

2019年11月23日

今日のネッツカフェドライヴィンのテーマは「健康管理」でした。

私は、体を冷やさないことを大事にしています。
今日は薄着だったな、という日に風邪をひくことが多いので、
バッグの中には貼るカイロが欠かせません。

また、ランニング、ヨガ、ピラティスをしたり、
心の健康のために定期的に美術館にも行っています。
人の手で描かれたり作られたりした作品を見ると心が満たされるのです。

先日は、黒部峡谷セレネ美術館に行ってきました。

トロッコ電車に乗って紅葉を満喫した後に
美術館の作品を見たことで、より楽しむことができました。

セレネ美術館には、平山郁夫さんをはじめとした7名の日本画家の皆さんが、
実際に黒部峡谷を取材して描いた作品が展示されています。

それぞれ、様々な角度から黒部峡谷を描いていて見ごたえがあります。

私が特に心奪われたのは、
宮廻正明(みやさこ・まさあき)さんの「三拍子」という作品。
釣りをしてる絵なのですが、なんと川の中の魚目線で描かれています。
絵の前に立つと、作品の中に吸い込まれそうな、
それこそ釣られそうな感覚になりました。

こちらの「黒部川」という作品は、記念撮影OKの作品でした。



どうですか?
まるで本物の川のように見えませんか?

近づいてみてみると…
まるで冷たい水しぶきが飛んできそうです。

どの作品も素晴らしくて、心が満たされました。

ぜひトロッコ電車とセットでお楽しみください♪

◎黒部峡谷 セレネ美術館のサイトは コチラ

yukikotajima 12:00 pm

『虹 靴紐をきつく結んで』

2019年11月21日

新聞を読んでいると、富山には様々な人がいることを実感します。

中でも、北日本新聞の「虹」というシリーズを読むと、
富山には素敵な方が多いなあと思います。

『虹』は、「朝、新聞を広げたときに温かな気持ちになれる紙面があったらいい」
という提案から始まったシリーズで、毎月一日に掲載されています。
しかも、贅沢に丸々1ページ使われており、
他の記事よりも文字が大きいので読みやすいのも特徴です。

2009年5月から続いている人気シリーズで、これまで5冊の本になっているのだとか。

このほど、2017年9月から今年4月までの全20話が、
シリーズの6巻目『虹 靴紐をきつく結んで』として
一冊の本として発売されました。

今回は、サクラマス研究をしている高校の先生、
ピアノの先生でもあり僧侶でもある女性、
ジビエ専門の食肉処理施設を運営する男性などが紹介されています。
また、元富山グラウジーズの選手で今は指導者の呉屋さんもいらっしゃいました。

私が印象に残ったのは、80代の画家、藤森兼明さん。

思い通りにいかないことも多く、
画家になることをあきらめ、就職した藤森さんでしたが、
なんとアラフォーになって画家に復帰します。

でも、回り道したからこそ今の自分の作品があると
藤森さんはおっしゃっています。

本を読みながら藤森さんの作品を見に行きたくなりました。

『虹』には様々な方が登場するため、
人選はどのようにしているのか、実際に取材をされた方にお聞きしたところ
県内の「一生懸命な人」を取り上げている、とのことでした。

どこか遠くの「特別な誰か」ではなく、
地元で一生懸命頑張っている人を丁寧に紹介しているのが、
この『虹』です。

身近な人のお話だから、より心に響くのでしょうね。

『虹 靴紐をきつく結んで』は、すでに発売されています。
北日本新聞社の他、紀伊国屋書店富山店でも買うことができるそうですので
是非お読みになってみては?

◎本の詳細は コチラ

yukikotajima 12:19 pm

どこにでもあるどこかになる前に。

2019年11月20日

今日のキノコレは、紀伊國屋書店富山店の奥野さんから
富山出身の藤井聡子さんのエッセイ
『どこにでもあるどこかになる前に。(里山社)』
をご紹介いただきます。

◎奥野さんの推薦文は コチラ

まず、『どこにでもある どこかになる前に。』
というタイトルにグッときました。

確かに、街がキレイに新しくなるに連れて、どこに行っても
「なんか知ってるような…」「どこかで見たことがある気がする」
という感想を持つことは増えてきます。

著者の藤井さんは、富山出身です。
東京で仕事をしていたものの再び富山に戻ってきて
現在は、富山ならではの個性の強い場所や人を探るライター活動をしています。
コンクリートの狭間から顔を出す「ど根性大根」のような富山を見つけたいと思って。

この本では、藤井さんが富山で感じたことや
藤井さんの心を揺さぶったディープな富山が紹介されています。

と同時に、藤井さん自身の物語でもあります。
藤井さんが富山でライターとして活躍するまでが正直な言葉で綴られています。

「富山」の見え方、とらえ方、愛し方は、人によって違っていいと思いますが、
藤井さんの視点もきっと勉強になると思います。
富山にこんなお店があったんだ!という発見もあれば、
藤井さんの言葉に気付かされることもあるかもしれません。

富山が好きな方はもちろん、
富山は退屈…という方も是非読んでみてください。

***

私は、この本に書かれていた「人が場所を作る」という言葉が印象に残りました。

久しぶりに富山に帰ってきて最初は退屈だと思っていた藤井さんも
様々な人に会うことで富山の魅力に気付いていきます。

私自身も同じです。
富山弁で「旅の人」である県外出身の私は、
富山に来たばかりの頃は疎外感を感じていましたが、
様々な人と関わる中でアウェイ感は薄まり
居心地のいい場所になっていきました。

結局は「人」なんですよね。

例えば、どんなに料理が美味しいお店でも
スタッフやお客さんの態度から居心地の悪さを感じれば、
その後、行きたいとは思えませんもの。

でも、居心地のいい場所は、人によって違っていいと思います。
それぞれに居心地のいい場所があれば、それでいいんじゃないかなあと。

この本を読んだ後、ふとそんなことを思ってしまいました。

yukikotajima 11:41 am

たそがれダンサーズ

2019年11月13日

ラジオをお聞きのあなたは何か習い事はしていますか?

今日は、趣味に夢中になるおじさまたちの物語をご紹介します。

『たそがれダンサーズ/桂望実(中央公論新社)』


桂さんと言うと、映画化された『県庁の星』が有名かもしれません。

今回の登場人物は、おじさまたちです。
いや、中にはおじいさんもいます。

彼らの共通点は、社交ダンスを習っていること。

メンバーを簡単にご紹介しましょう。

まず、定年後に趣味として始めた田中さん。
退職後、運動不足を実感し、ウォーキングをしたり
卓球教室に通ったりしたものの楽しめず、
病院ですすめられたのが「社交ダンス」でした。

社交ダンスは、激しすぎず、でも簡単すぎるわけではないので飽きない。
そのうえ、男性が圧倒的に少ないから女性たちから引っ張りだこになるのだとか。

田中さんは、男性が少ないなら人助けにもなるし、
ついでに運動もできるなら、という理由で始めることにします。

また、商社マンの川端さんは、女性にモテたいという理由で。

工場経営者の大塚さんは、家族には秘密のままこっそり始めます。

もちろん、全員社交ダンスは初めての素人たちです。

実際、社交ダンスをする男性たちは少ないようで、
ダンスパーティーに参加すれば、実際女性たちから
「私と踊ってください」と次々に誘われます。
おじさんになってから、こんなに女性たちからモテるのは初めてで
戸惑うおじさんもいれば、喜ぶおじさんもいます。

また、女性の先生方はみんな優しくて、
失敗しても全く怒られません。

そんな日々が続き、おじさまたちは幸せいっぱい♪

かと思いきや、いや、これは何か違うと気付き始めます。

おじさまたちが若いころ、スポーツと言えば厳しい指導が当たり前でした。
猫なで声で優しく指導されるより、クールにダメ出しされるほうがいいかも、
と思い始めます。

また、最初は女性から必要とされることに喜びを感じていたものの、
段々それに疲れを感じ始めます。

女性の目など気にせず、男性だけで踊りたいと思った彼らが始めたのは、
社交ダンスの「フォーメーション」という種目でした。

社交ダンスというと、私は男女ペアになって踊るイメージで、
団体で行うダンスがあるなんて知りませんでした。

そして、おじさまたちは、男性だけのダンスを始めることにします…。

果たしておじさまたちのダンスは、どこに向かってくのでしょうか。

ぜひこの続きは、本のページをめくってみてください。

***

大変面白かったです!
若者たちが何かに向かって頑張る物語はよくあるし、
私も好きでよく読みますが、
この小説は頑張るおじさまたちの物語です。

最初は、このおじさん偉そうだなとか、
なんでこんなに自己評価が高いんだろう?とか
そんなに自分のプライドが大事なの?
と正直、出てくるおじさまたちに対して、いい印象はありませんでした。

でも、読み進めるうちに、おじさまたちに私が慣れてきたのもあると思いますが、
悪い印象ではなくなっていきました。

そして、後半は涙、涙でした。

若者の物語は、それまでどんなにつまずいていたとしても
未来に期待を感じさせるものが多いですが、
おじさまたちの場合、もう人生の半分以上が過ぎてしまっています。

登場人物のおじさまのひとり、62才の田中さんは、
「皆、したくない体験をしてきた。
望み通りの人生だと胸を張って言える人は一人もいない」
とおっしゃっています。

そうなんです。
長く生きていれば、みんな、それぞれ何かしら辛い経験があるのですよね。

今年も残り1ヶ月半です。
今年を振り返ると特に印象的なことはなかったなあ、
というおじさま、おばさまたちはいませんか?

この本を読んだ後は、きっと何か新しいことをはじめたくなると思います!

中には「社交ダンス」を始める人もいるかも!?

また、この本は中高年だけのものではありません。
若者の皆さんにもおすすめです。

プライドが高くて偉そうなおじさまたちから教わることもあると思いますよー。
ぜひおじさまたちの心の中をのぞいてみてください。

yukikotajima 11:32 am

ひとよ

2019年11月7日

明日11月8日(金)に話題の映画『ひとよ』が公開されます。

去年、『孤狼の血』が話題になった白石和彌監督の最新作です。

今回のテーマは「家族」です。

「家族の映画」と聞くと、どんなイメージを抱くでしょうか?

「アットホームで笑顔あふれるほのぼのとした雰囲気」
をイメージされる方もいらっしゃるかもしれませんが、
『ひとよ』は、いきなり殺人事件から始まります。

15年前のある夜、母親が父親を殺害します。
子供たちに暴力をふるう父親から子どもたちを守るために。

母は「15年経ったら必ず戻ってくるから」
と子どもたちに約束し、警察へ出頭します。

そして、15年後。
すっかり大人になった子どもたちの前に母が帰ってきます。

子どもたちは、久しぶりに母に会って何を感じると思いますか?

子どもたちの母に対する思いはそれぞれ違っていました。

長女は母との再会を喜びますが、
次男は母を受け入れることができません。
そして、長男はどうしていいかわからず。。。

というのも、犯罪を犯した母のせいで、
子どもたちのその後の人生は、
嫌がらせを受けたり、夢をあきらめたりと
決して幸せな日々ではなかったのです。

果たしてこの家族はこの先どこに向かっていくのでしょうか。

次男を佐藤健さん、長男を鈴木亮平さん、長女を松岡茉優さん、
そして、母を田中裕子さんが演じています。

田中裕子さん演じるお母さんが圧倒的な存在感でした。

また、子どもたちの葛藤もひしひしと感じられました。
言葉というよりも表情から伝わる思いが凄かった!
滲み出てくる複雑な思いを目にしながら、
もし私だったらどうするんだろう…と思わずにはいられず、
スクリーンを見つめながら胸が苦しくてたまりませんでした。
でも、もう見るのは嫌とは思いませんでしたよ。
それどころか最初から最後まで一度も、
いや、一瞬たりとも退屈を感じることなく
スクリーンに釘付けにでした。

いやあ、すごい映画だった。

佐藤健さんの印象も大きく変わりました。
これまでは優しい雰囲気の華奢な好青年という印象だったのに、
繊細さの中にたくましさも感じられ、すっかり大人の男性になったのね、
と思ったのですが、私の感想、まるで親戚のおばちゃんみたいだな。笑

それから、この作品、重いだけではありません。
時折、笑いなどもはさまれていて、
なんとなく舞台っぽいなあと思ったのですが、
実際、もともとは舞台で上演されていた作品だそうです。
そう言われると他にも舞台っぽさが感じられるかも。

映画『ひとよ』は、明日8日(金)に公開されます。
ぜひご覧ください。

◎公式サイトは コチラ

yukikotajima 11:41 am

人間

2019年11月6日

私が小説を読むのが好きな理由の一つに、
「人の心の中がのぞけること」があります。

小説はお喋りです。
自分の心の内をペラペラ喋ってくれます。
絶対に人に言えないような恥ずかしいことや醜いことも
小説は包み隠さず喋り続けます。

今日のキノコレ(grace内コーナー13時45分頃〜オンエアー)
で紀伊國屋書店富山店の奥野さんからご紹介いただく本も
かなりお喋りな本でした。

『人間/又吉直樹(毎日新聞出版)』

◎奥野さんの紹介本は コチラ

芸人でもある又吉さんの新作です。
又吉さんといえば、作家としても活躍しており、
芥川賞を受賞したデビュー作『火花』は注目を浴びました。

今回は、初の長編小説です。

この作品には、芸人であり、作家としても活躍する、
まるで又吉さんのような男性が登場します。

彼が世間に対して思っていることは、
登場人物の彼が思っていることであると同時に
又吉さん自身の思いでもあるのかも、と思わずにはいられませんでした。

きっと『火花』を出した後は、
賞賛ももちろんあったと思うけれど、
嫉妬もかなりあったんだろうな。

「いちいちうるさーい!」という本音を小説という形にして表したのかしら?
と熱い文章を読みながら想像してしまいました。

まあ、これはあくまでも私の想像であって、
又吉さん自身は、そんなことは全く思っていないかもしれませんが。

『人間』というタイトル通り、人間の様々な部分が詰まっていました。

そして、この本を読みながら恥ずかしい気持ちになってきました。
小説は、人の心をのぞけるから面白いと思っていた私ですが、
この本に関しては、逆に私自身の心の中をのぞかれている気分にもなりました。

この本の前では心がどこまでも正直になっていって、
客観的に読んでいたはずの本が、自分のもののような気がしてくるのでした。

ひねくれているようで、どこまでもピュアで、一言で言うならめんどくさい!(笑)
でも、それこそ人間なのかも。

例えば、「見たものと見えたものは違う」というお話。
私、これには大いに共感。
同じものを見ていても人によって、見えているものは違うのですよね。
だからこそ、違いがあって面白いのだけれど、
「なぜ、そんな見方をするの?」と言われることもあります。

この本には「いちいちめんどくさいこと言うなよー」
と言われてしまいそうな細かい違和感がつまっていました。

そして、私はその違和感こそが楽しくて仕方ありませんでした。

そういっためんどくささを楽しめる人なら、きっとこの本を楽しめると思います。

うん。面白かった!

yukikotajima 11:40 am

誰の味方でもありません

2019年11月2日

今日の『ネッツカフェドライヴィン』のテーマは、「読書の秋」でした。
ちょうど今が読書週間ということもあり、このテーマにしてみました。

私がラジオでご紹介した本は、

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』

『誰の味方でもありません』

の3冊です。

上の2冊は、本のタイトルをクリックしていただければ、私の感想が読めます。

『誰の味方でもありません』は、社会学者、古市憲寿さんが書かれたものです。

実は、先日、富山大学で学生対象の古市さんのトークショーがあり、
私はお相手をしました。

トークショーをするにあたり、
最近、古市さんの本を色々読んでいました。

芥川賞にノミネートされた
『平成くん、さようなら』『百の夜は跳ねて』の小説のほか、
『誰の味方でもありません』
『絶望の国の幸福な若者たち』
『だから日本はズレている』
などを読んでみました。

今日のラジオでご紹介したのは、これらの中から
今年発売された新潮新書の『誰の味方でもありません』です。

古市さんは、歯に衣着せぬ発言で注目されていますが、
テキトーなことを言っているわけではありません。
まあ、いい方がストレートすぎることはありますが。笑

この本を読むと、古市さんが今どういうことを考えているのかがよくわかります。

本の帯には「正義の暴走に投じる一石」とあります。
古市さんは、この本の中で

最近の日本は何だか怒りっぽい。
正論は切れ味があまりにも鋭すぎる。
正しさを追求するのではなく、
一歩引いて社会を見るくらいがちょうどいい。

とおっしゃっています。

実際、古市さんは一歩引いています。
例えば、様々な仕事をされている古市さんは、
「観光客」として日々を過ごしているのだとか。

この感覚、私もわかる!

富山弁で県外出身者のことを「旅の人」と言いますよね。
私は群馬出身の旅の人です。
富山に来たばかりの頃は「差別だー!」と思いましたが、
今では自ら気に入って「旅の人」を使っています。
もう長いこと富山で生活をしているけれど、
私は「ずっと富山で旅をしている」気分でいます。
だってそのほうがなんか楽しいんですもの!笑

また、古市さんは、嫌な人と付き合うコツを
「嫌な人をサンプルだと思えばいい」とおっしゃっています。
こちらも一歩引いた見方をされていますよね。

私は、この本を楽しく読めました。
そして、読んだ後は心が軽くなり、
人に対しても優しくなれたような気がします。笑
一歩引いてみる、っていいですね!

気になる方はぜひ読んでみてください♪

yukikotajima 12:00 pm

生命式

2019年10月30日

こんにちは。
今年も富山マラソンに出場し、
なんとか完走しました!
応援ありがとうございました。

富山マラソンに関しては、
私のもう一つのブログ 続・ゆきれぽ
に書いていますので、よかったらお読みください。

***

さて、今日ご紹介する本は、
『コンビニ人間』で芥川賞を受賞した
村田沙耶香さんの新作です。

『生命式(河出書房新社)』


先日発売されたばかりです。

この本を読むには色々な注意があります。

まず、食事後に読むのはやめたほうがいいです。
もしかしたら気持ち悪くなってしまうかもしれません。

また、あまりにも常識を超えたお話なので、
その世界に耐えられない人もいるかもしれません。

でも。
常識や想像を超えた世界を覗いてみたいという方にはオススメです。
どうぞ読んでください。

村田さんの新作『生命式』は、12の作品が収録された短編集です。
芥川賞受賞作『コンビニ人間』でも独特の世界観を描いていましたが、
今回はさらに独特です。
本の帯には「脳そのものを揺さぶる」とか
「文学史上、最も危険な短編集!」などと書かれています。

正直私は、本を手に取ったとき「そんな、大げさな!」と思ったのですが、
まったく大げさではありませんでした。

心揺さぶる作品は数多くあれど、
脳そのものをゆさぶる作品はそこまで多くありません。

どんな作品が収録されているのか、少しご紹介しましょう。

まず表題作の「生命式」とは、
亡くなった人間を食べる新たなお葬式のことです。

今から30年後。
人が亡くなると「生命式」を行うのがスタンダードになっています。

もう、この描写を読んだだけで「うっ」となりました。

でも、この時代では当たり前のことになっていて、
人間の食べ方についてその調理法が細かく紹介されています。

そして、このお話のあとも常識をはるかに超えた世界の物語が続いていきます。

例えば、亡くなった人の骨や歯、髪の毛を
装飾品や家具、セーターに再利用する物語もあります。
「冬は人毛100%が最高だよね」なんて会話が普通に繰り広げられています。
でも、どうしてもそれを受け入れられない人もいます。
「気持ち悪い」と。
ところが、亡くなった人間を素材として活用することが当たり前の時代では、
「気持ち悪い」と言うことが変だと思われてしまいます。

ここまでの私の紹介で、それこそ「気持ち悪い」と思う方もいるかもしれません。

でも、『生命式』は、気持ち悪い世界をただ描いているだけではありません。

常識とは?普通とは?世間とは?
について嫌でも考えさせられます。

今後、もしかしたら今までタブーとされていたものが
当たり前になる時代がやってくるかもしれません。
そんな時、あなたはすぐに受け入れることができそうですか。
それとも嫌悪感を感じるでしょうか。

すでに今の時代にもなんかおかしいなと感じることはありませんか?

なんでも受け入れるのではなく、
おかしいことに対しては?「なぜ?」と疑うことが大事なのかも。

『生命式』は確かに、脳が揺さぶられました。

そうそう!もう少し読みやすい作品もあります。

例えば、自分には「性格がない」と思っている女性の物語。
この女性は、周りの人が自分のことをどう思っているかで、
自分のキャラが決まり、あだ名も変わります。

地元ではしっかり者の印象のため「委員長」
大学時代は愛されキャラの「姫」、
他にも天然キャラ、ミステリアス、男勝りなど
コミュニティーによってキャラも喋り方も服装も変わります。

でも、彼女が結婚をすることになり、
どのキャラで結婚式をすればいいのか悩みます。
果たして、彼女が選んだキャラは?

彼女ほどでなくても、きっと誰もが場所によってキャラや印象は異なると思います。

という感じで、『生命式』は、ただ読むだけではなく、
自分だったらどう思う?どうする?
と常に自分に問いかけながら読んでいった本でした。

気になる方は、ぜひお読みください。
でも、最初にお伝えした注意事項は守ってね。(笑)

yukikotajima 11:44 am