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『仕事本 わたしたちの緊急事態日記』

2020年7月1日

今日から7月。2020年も後半です。

今年前半は、誰もがこれまで経験したことのない日々を過ごしましたよね。
「こんなこと初めて」という言葉を何度も耳にしましたし、
実際に口にした方も多かったと思います。

新型コロナウイルスの感染拡大によって生活が一変した今年4月。
あなたは、どのように過ごしていましたか?

ステイホームでほとんど家にいたでしょうか。
それとも休むことなく働き続けていたでしょうか。

今日ご紹介する本は、
紀伊國屋書店富山店の北村菖(あやめ)さんのオススメ本です。

『仕事本 わたしたちの緊急事態日記(左右社)』

北村さんのコメントです。

***

コロナウイルスの影響により、働き方が変わった方はたくさんいると思います。

この書籍は、そんな色々な職種の方々の
コロナが起きてからの日常を綴った日記アンソロジーです。

本書に出てくる方々は皆さん不安を感じながらも
前向きに考えたり、自分の仕事を見つめ直したりしています。

自分自身もコロナの影響もあり、仕事について考えることもあったため、
共感できるところがありました。

本書を読めば、ほかの人たちがどう過ごしたのか
知るきっかけになるのではないでしょうか。

***

私は北村さんに教えていただけなければ、この本のことを知りませんでした。
読み終わった今は、この本を読めて本当に良かったと思います。
北村さん、ありがとうございました。

この本は、コロナ禍で働く77人の日記アンソロジーです。

コロナ禍の状況を書き綴った本というと、
以前、イタリアの小説家パオロ・ジョルダーノのエッセイ
『コロナの時代の僕ら』をご紹介しました。

◎田島の感想は コチラ

こちらの『仕事本』は、一人の人が見たコロナ禍ではなく
職業も住む場所も異なる77人の4月の日記で構成されています。
中には、外国に住んでいる方もいます。

例えば、書店員、ごみ清掃員、タクシー運転手、
校長、葬儀社スタッフ、水族館職員、客室乗務員、介護士、
映画監督、保育士、美術館館長、専業主婦、
ミュージシャン、ホストクラブ経営者、小説家など
様々な職種の皆さんが登場します。

コロナ禍で働き方がどう変わったのかが日記形式で綴られているのですが、
毎日変わる情報に振り回されながら対応する旅行会社の方もいれば、
家で変化の無い毎日を送る方もいます。

ミュージシャンの尾崎世界観さんは、
「テレビも再放送ばかりだけど、
自分の今日も昨日の再放送だなんて悲しすぎる」
と表現されていました。
なんてうまい表現!そして同感。

みんな不安を感じながらも
それぞれが今できることをしていて、
読み終えたときは、みんなお疲れ様!
これからもお互い頑張っていきましょー。
と前向きな気持ちになれました。

今やSNSに誰もが自分の思いをつぶやけるので
様々な人の思いを知ることはできますが、
そういった短い文章ではなく
ある程度の長い文章だからこそわかることってあるよなと
この本を読んで感じました。

また、一般の方たちの文章だと侮るなかれ。
皆さん、文章がうまい!

77人の中には、書くことが本業の方や有名人もいますが、
一般の方たちの文章はそれぞれ味があって、いい感じなのです。

コロナ禍で関わる人が極端に減り、
いつも同じメンバーで会話をしているという方もいるのでは?
となると、考え方が狭くなりがちですし、
場合によっては「なんで自分ばかりがこんなに大変なのよ!」と
怒りが湧いてくることもあるかと思います。

そんな方は、ぜひこの本を読んでみてください。
様々な人の考えに触れることができますよー。
大勢の方に出会えなくても、本を読めば世界は広がります!

なかなか人の日記を読む機会もないと思いますし、
是非、様々な方の心の中をのぞいてみてください。


<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

紀伊國屋書店オリジナルエコバッグ プレゼントキャンペーン

今日、7月1日(水)からレジ袋が有料になります。
紀伊國屋書店富山店では、オリジナルエコバッグを110円(税込)で販売しています。

また、店頭で税込2,500円以上お買い上げの先着100名には
オリジナルエコバッグをプレゼント♪
※プレゼントは無くなり次第終了です。


夏の文庫フェア

今年も毎年恒例の夏に読みたい文庫を一堂に集めたフェアを開催!

集英社新潮社KADOKAWAの3出版社の
夏にピッタリな文庫を中央イベントスペースで展開中です。

集英社、新潮社の文庫をご購入の方には、可愛いオマケも♪

田島も文庫を買ったら、金魚すくいデザインのしおりをもらいました。

また、無料の冊子もありますので、お手にとってみてくださいね。


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号: 076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00

◎HPは コチラ

yukikotajima 9:52 am

『持続可能な魂の利用』

2020年6月24日

先週のラジオでは、イギリスの愛すべきおっさんたちについて書かれた
ブレイディみかこさんのエッセイ
『ワイルドサイドをほっつき歩け ハマータウンのおっさんたち』
をご紹介しました。

◎私の感想は コチラ

今日ご紹介する本にも「おじさん」たちが出てきます。
でも、その意味合いはまるで異なります。

『持続可能な魂の利用/松田青子(中央公論新社)』


本の帯には「この国から「おじさん」が消える」とあります。
いったいどういうこと?と思い、本のページをめくってみました。

主人公は、30代の敬子です。
彼女は、非正規で働いていたものの、嫌な「おじさん」のせいで仕事を辞めます。
年上の正社員の男性からしつこくつきまとわれ、
こわくなった彼女が人事部に相談したところ、
彼との恋愛にうまくいかなくなって感情的になっただけでしょ、
と彼女が悪者にされてしまったのでした。

なんて腹立たしい!

また、敬子の同僚の女性も自分の身を守るために
バッグの中にスタンガンを入れて持ち歩いていたら、
男性たちから「自意識過剰」と言われてしまいます。

ひどいー!

ちなみに、この本で言うところの「おじさん」は、
年齢は関係ありません。また、性別も。
若い男性や女性にも「おじさん」はいます。

「おじさん」は、女性を見下していて、
なぜか自分に自信を持っている人のことです。

他にも「おじさん」の定義は色々あるのですが、それは本を読んでいただくとして。
つまり、女性にとって不快この上ない人たちのことです。

この本には、そんな「おじさん」たちへの怒りが詰まっていました。

フィクションだけど、これってあのことだよね?
と想像せずにはいられない出来事や人物が次々に登場するので、
フィクションなのか、リアルの出来事なのかわからなくなるほどでした。

でも、いずれにせよ、不快だと感じる思いは本物で、
私も読みながら胸の奥が何度も苦しくなりました。

最初は女性を見下して、
都合が悪くなると無視。
そして逆ギレ。
最後は力でねじ伏せようとする「おじさん」たち、
あなたのまわりにもいませんか?

この本に出てくる女性たちはみんな
「おじさん」たちから嫌な目にあっているのですが、
つらい…とメソメソしているだけではありません。

敬子は、ある日、とある女性のアイドルグループの
中心にいる10代の女子に惹きつけられます。

理由は、パフォーマンスの間、笑顔を見せなかったから。

これまで何にもはまれなかった敬子は、
自分にも「推し」ができたことを喜びます。

確かに、誰かのファンになると毎日が輝き出しますよね!

このアイドルのおかげで元気になった敬子でしたが、
大好きな彼女たちを作り出したのも
「おじさん」なんだよなと気付いてしまいます。。。

そして、後半、物語は大きく動き出します。

わーお。そうきたかと想定外過ぎる展開にびっくり!
でも、面白かったです。読後感は爽快でした。

そうそう、本を読んだ後、表紙を外してみてくださいね。
なるほどね!と思わず微笑んでしまうはずです。

これまで生きづらさを感じていたものの、
何も変わらないとあきらめていた女性は、
この本を読むことで、きっと何かしらいい変化があるんじゃないかな。

また、男性の方もぜひ読んでみてください。
というか、男性にこそ読んで頂きたい!



<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

エコバッグフェア

自然環境に優しい店舗を目指して、
紀伊國屋書店は7月1日からレジ袋が有料となります。

現在、店内中央イベントスペースでは、エコバッグの販売を行っています。
この機会にこれからのショッピングにピッタリの一枚をお求めください。

フェアはエコバッグが無くなり次第終了です。


絵本和書洋書併売フェア


人気の海外絵本と日本の絵本の併売フェアを開催中です。

同じ絵本の英語版と日本語版を見比べてみませんか?
英語の勉強に役立てたり、プレゼントにも最適です。

フェアは、7月5日(日)まで店内中央イベントスペースで開催中です。
※洋書売り場ではありませんのでご注意ください。


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号: 076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00

◎HPは コチラ

yukikotajima 9:25 am

『ワイルドサイドをほっつき歩け』

2020年6月17日

去年話題となり、今もなお売れ続けている本があります。

ブレイディみかこさんの『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』です。

こちらは小説ではなくノンフィクションです。
イギリスに住む著者の中学生の息子について書かれています。

いじめ、喧嘩、差別のある中学に入学した息子君が
それぞれの問題に真剣に向き合って
何が正しいのか考えていくという内容で、この本が大ヒット!
私も去年読んだ中で一番良かった本に挙げました。

◎私の感想は コチラ

ブレイディさんは、この本が大ヒットしたことで
テレビや雑誌でもお見掛けするようになり、今やすっかり時の人です。

今日は、そんなブレイディさんの新作
『ワイルドサイドをほっつき歩け ハマータウンのおっさんたち(筑摩書房)』
をご紹介します。

この本をプッシュされているのは、紀伊國屋書店富山店奥野晃英さんです。
まずは、奥野さんの推薦コメントです。

***

軽い気持ちでイギリスのEU離脱に「賛成票」を投じたおじさま。
その結果、家庭内に嵐を巻き起こし、まさかの微笑ましい結末を迎えることに…。

そんな激動する世界の中で右往左往する
おじさまとおばさま方を軽妙に描いた話題作。

現在もベストセラーとなっている
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』
の著者ブレイディみかこさんの最新エッセイ集です。

***

そうなのです。
『ぼくイエ』は、イギリスの少年たちがメインでしたが、
今回は、イギリスの労働者階級のおじさま、おばさまたちのエッセイです。

いや、ブレイディさん風に言うならば、おじさまというより「おっさん」だな。
私も愛を込めて「おっさん」と言わせていただきます。

ブレイディさんは、『ぼくイエ』と同じ時期にこの本を書いていたそうで、
これら二冊の本は同じコインの両面であるとおっしゃっています。

『ぼくイエ』のキラキラした瞳で世界を公平に見ている少年たちと比べると、
おっさんたちのほうが、頑固で厄介でどうしようもなくて、子どもっぽく見えます。
でも、ブレイディさんは決しておっさんたちのことを悪く書いてはいません。
みんな不器用ながらもなんか憎めない人たちなのが伝わってきます。

例えば、スティーブという本好きのおっさん(ただし、こわもて)は、
通っていた図書館が緊縮財政で子ども遊戯室の一角に吸収されてしまっても
あきらめずに子どもたちが騒ぎまわる中、眉間に皺を寄せて読書をし続けます。
想像するだけで笑ってしまうシチュエーションですが、実はこれがいいお話で、
このエッセイは全体的に、何してるのよ〜!と笑いながらも
気づいたら涙も出ていたような感じなのです。

他にも、EU 離脱の是非を問う投票で離脱票を入れたことで
残留派の妻との関係が悪化してしまったおっさんもいます。

エッセイにはこうしたEU離脱をはじめとした様々な問題も描かれており、
おっさんたちの生活を通して今のイギリスを知ることもできます。

例えば、イギリスには誰でも無料で治療してもらえる医療制度があるものの
今や機能していないことで、病院を利用しづらくなっているのだとか。

そしてこれらの問題はすべて緊縮財政のせいだと
ブレイディさんは繰り返しおっしゃっています。

また、音楽が大好きなブレイディさんんらしく
この本にはたくさんの音楽が登場します。

本のはじめには、
「このエッセイには様々な曲が織り込まれていますので、
それを聴き、歌詞も調べていただけると楽しさが倍増するでしょう」
とあるほどです。

タイトルの『ワイルドサイドをほっつき歩け』も
ルー・リードの「ワイルド・サイドを歩け」からきているそうですよ。

様々な音楽に彩られたおっさんたちのエピソードは、
味のある映画のようでもありました。

おっさんたちは、何歳になっても恋をするし、新たな仕事も探すし、
でも体のことも気にしていて、そんなおっさんたちを見ていると
年を重ねるのも悪くないし、この先どんな風にも生きていけそうだなと思えて
本を読んだ後はとっても元気になっていました。

最近、「老害」という言葉でひとくくりにされがちなおっさんたちですが、
この本を読むと、おっさんたちに少しは優しくしてみようかな、と思えるかも⁉


<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

エコバッグフェア


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紀伊國屋書店は7月1日からレジ袋が有料となります。

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yukikotajima 10:12 am

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』

先日、約3か月ぶりに映画館で映画を鑑賞してきました。

ステイホーム中、家で何本もの映画を見てきましたが、
やはり映画館の大きなスクリーンで見るのはいいですね。
それも新作を!

座り心地のいいシートに体をうずめて
目に入るのは巨大なスクリーンのみで
近所を気にする必要のない大音量!
そして、薄着だとちょっと寒いくらいの館内。(笑)
映画館では夏も羽織るものが必要なんだったと寒さで思い出しました。
そんなことも含めて久しぶりの映画館を楽しんできました。

また、初体験もありました。
入口で体温チェックがありましたし、
密にならないよう座席は減らされていました。

でも私が利用した日は平日の夕方ということもあり、ほぼ貸し切りでしたが。

今回私が見たのは、『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』です。

若草物語は、ルイーザ・メイ・オルコットによる自叙伝的小説で
これまで何度も映画化、アニメ化されてきました。

私はまず、先日BSで放送されていた1949年版の『若草物語』を
おさらいがてら見てから、グレタ・ガーウィグ監督の新作を見てみました。

物語のベースは一緒でしたが、描き方は全然違いました。
新作の方は全体的に瑞々しく、透明感と躍動感がありました。
フレッシュでまぶしくて、まさに「若草」を彷彿とさせました。

そんなスクリーンからあふれ出る瑞々しさもあり
150年前を描いているのに、古さを感じさせませんでした。

それどころか内容も現代的で、今の女性たちの悩みがギュッと詰まっていました。

例えば、小説家になりたい次女のジョーは、結婚はしたくないと言います。
なんなら「自由な中年女になりたい」と。

思わずプッと吹き出してしまいました。
もしや私こそ「自由な中年女」なんじゃないかと思いまして。(笑)
まあ、私の場合、目指してなったわけではなく、
気付いたらこういう生き方になっていたという感じだから、
ちょっと違うかもしれないけど。
でも、「自由な中年女」って今もまだ珍しい存在なのですよね。
150年前から変わらないってどうなんだろう…。
私も差別的なことをよく言われるしなあ。

映画に話を戻します。
ジョー以外の姉妹にもそれぞれ悩みがあり、
生き方は違えど、みんな自分らしくいたいと思っています。

きっと女性の皆さんは、登場人物の誰かに共感するのではないかしら。
私は、やはりジョーかな。

この作品は、女性にとっての普遍的なテーマを
現代的な感覚を取り入れて描いているのがいいなあと思いました。
『若草物語』はこれまで何度も映像化、アニメ化されていますが、
やはり同じものを描いても、その時代の空気感は出ますよね。
新作は、今ならではのテンポやとらえ方が心地よかったです。

映画を見終えた後は、私ももっと自分らしく生きていきたいと思えましたし、
映画館を出る私の足取りもどこか軽やかでした。

◎『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』の公式サイトは コチラ

yukikotajima 10:00 am

またね家族

2020年6月10日

6月21日(日)は父の日ですね。

あなたのお父様はどんなお父さんですか?
また、どれくらいの頻度で連絡を取ったり、会ったりしていますか?

今日は、父の日を前に読んでいただきたい一冊をご紹介します。

『またね家族/松居大悟(講談社)』


松居さんは、劇団ゴジゲンを主宰し、
脚本家、映画監督、そして俳優でもいらっしゃいます。

以前、富山出身の作家、山内マリコさん原作の映画
『アズミハルコは行方不明』の監督をされたときには、
graceにもご出演頂きました。

◎graceにご出演頂いたときのブログは コチラ

気さくでとても話しやすい方でした!

そんな様々な分野でご活躍の松居さんによる初の小説が『またね家族』です。

作品を本屋さんで目にして、え?松居さんってあの松居さん?
と思わず手に取って本の帯を見れば、
池松壮亮さん、ジェーン・スーさん、朝井リョウさん、石崎ひゅーいさんのお名前が。
皆さんのコメントを見て、読んでみることにしました。

***

主人公は、小劇団を主宰する武志という24歳の男性です。

福岡から上京して7年目のある日、父から初めて連絡がきます。
その内容は、父は余命3か月で、もって半年らしいというものでした。

武志にとって父親は、中学1年ときに離婚してからは
正月とお盆に親戚で集まる以外で会うことは無いし、
会っても父は必要最低限しか喋らないので、苦手な存在でした。

また、武志は2歳年上の兄のことも苦手です。
10代の頃、不良だった兄のせいで引きこもりになったこともあるため、
武志はずっと兄におびえています。

しかし、武志は余命わずかな父に会いに故郷の福岡に頻繁に帰ることになり、
兄とも連絡を取るようになります。

この息子二人と父親という男性だけの関係がとてもリアルでした。
言葉が足りなかったり、すぐにはぐらかしたり、
逆に状況次第では妙に素直になったり、
そこには家族ならではのノリというものがあって、
その空気感が絶妙でした。

『またね家族』は、そんな家族のやり取りが描かれた小説なのですが、
同時に武志自身の物語でもあります。

武志はとにかく色々うまく行きません。

主宰している小劇団はトラブル続きなうえに
せっかく頂いた仕事も思い通りにいかず、
恋人との関係も変わっていき、
さらに父親は余命わずかという状況です。

武志には常に人の目を気にするところがあります。

自分を大きく見せてしまったり、
かと思えば、この発言で正解だったのか?と気にしたり、
空気を読みすぎて思っていないことを口にしてしまったりします。

そんな武志に私も少しばかりイライラしながら読んでいたところ、
彼は一番やってはいけない、大好きな彼女の前でやらかしてしまいます。

ある日のデート中、日帰りデートだと思っていた彼女に
サプライズで宿を取っていたことを伝えたところ、
喜ばれるどころか、ある理由から「泊まるのは無理!」と言われてしまいます。
そして嫌な雰囲気に…。

どんな理由かは本を読んで頂きたいのですが、
私もこの状況なら彼女と同じことを言ってしまうかもなー。

彼には良かれと思ってしたことが裏目に出てしまうことがあるのですね。

とは言え不器用な武志も様々な経験をしていく中で、少しずつ変わっていきます。

大好きな演劇のこと、彼女のこと、
そして、苦手な家族のこと。

武志はそれぞれの問題とどのように向き合っていくのでしょうか。
ぜひ本のページをめくって彼の頭の中を覗いてみてください。

***

いい本でした。
まあ最初は、いちいちめんどくさい男だなあとは思いましたが。(笑)
でも、武志になんかイライラしたのは、
もしかしたら私にも似たところがあるからなのかもな。

泣いたり笑ったり怒ったり熱くなったり
読者である私の感情も変化しっぱなしで
最終的には心が程よくマッサージされた気分でした。

この本は、ぜひ父の日の前にお読みください。

父のことはどちらかというと苦手という方も
本を読んだ後は、まあ久しぶりに連絡くらい取ってみようかな…
という気持ちになっているんじゃないかな。

それから、お父様のことだけでなく、仕事や恋人との関係など
色々うまくいかないという方もぜひ〜。

***

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電話番号: 076-491-7031
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◎HPは コチラ

yukikotajima 10:00 am

『The Young Women’s Handbook』

2020年6月4日

昨日のキノコレは、美容整形がテーマの湊かなえさんの小説
『カケラ』をご紹介しました。

◎『カケラ』の感想は コチラ

登場人物たちは皆、太ってるとか目が一重とか
それぞれ容姿に関する悩みを抱えています。
そのことで悲しい出来事を引き起こしてしまいます…。

私は『カケラ』を読んだ直後に、ある本を読んだのですが、
もしこの本を『カケラ』の登場人物たちが読んでいたら
結末はきっと変わっていただろうなと勝手に妄想してしまいました。

今、何かしら生きづらさを感じている女性の皆さんに
読んで頂きたい一冊があります。

それは、富山市出身の作家、山内マリコさんの最新エッセイ

『The Young Women’s Handbook〜女の子、どう生きる?(光文社)』


です。

このエッセイは、山内さんが2018年から2019年にかけて
雑誌『JJ』で連載していたものをまとめたものです。

『JJ』読者層の25歳の女性向けと言いつつも
年齢は問わず「女子が生きていくうえで大事だ」と思うことを書いたそうですので
30代以上の方も私はもう若くないし…と思わずに読んでみてください♪

私は山内さんと同世代のアラフォーですが、読んだ後は元気が出ましたよー。
程よく肩の力が抜けた上で前向きな気持ちになれました。

エッセイは全部で19あり、例えば「SNS」に関しては、
「スルーする力」を身につけるのが大事だと思う、と言います。
SNS疲れの症状が出たらシャットアウトして、本でも読むのがいちばんだと。

また、SNSの「いいね!」に関しても、他人からの評価じゃなくて
自分で自分を「いいね!」と思えたほうが良くない?と。

山内さんは「こうすべき」とは言いません。
こうしてみたら?と提案はするけれど、決して高圧的ではなく、
読者に優しく寄り添っていて、しなやかな印象です。

それから、この本は本の装丁も素敵です。
表紙はまるで手帳のようなお洒落なデザインなのですが、
これは山内さんが愛用しているフランスのノートブランド、
クレールフォンテーヌのマドラスノートと同じものなんですって。

また、ページをめくると罫線が引かれていますし、
本の大きさも手帳サイズで、まさにノートのようです。
山内さんは、この本を持ち歩いていつでも本を開いてほしいそうですよ。

気軽に読める一冊ですので、読書はちょっと苦手という方も
バッグに入れて気が向いた時に読んでみてはいかがでしょう?
読んだ後はきっと心が軽くなるはず。

そして、この本を読んだら私の番組『grace』宛に感想を頂きたいところですが、
ここはぜひ山内さんの番組『山内マリコのオッケイトーク』宛にお送りください。
もしかしたら山内さんが番組で感想を取り上げてくださるかも♪

◎『オッケイトーク』のサイトは コチラ

yukikotajima 11:41 am

『カケラ』

2020年6月3日

最近、よく聞く「コロナ太り」。

私もステイホームで運動不足のうえに
普段しないお菓子作りをしたり
テイクアウトを利用したり
そのテイクアウトが美味しいからお酒もすすみ…
まあ、要するに食べ過ぎまして
トレンドの最先端におります。(苦笑)

体重計の数字を見て
「え?もうこれはアウトじゃん!!!」
と慌ててダイエットを始めました。
毎日腹筋を鍛える筋トレをしているため、ずっと筋肉痛です。

アラフォーになってからほんとーに痩せなくなりました。

でも、それは私だけではないようでして、
中には美容クリニックに行きはじめる人もいるようです。

今日ご紹介する本は、「美容整形」がテーマの小説です。

『カケラ/湊かなえ(集英社)』


こちらの本は、紀伊国屋書店富山店 奥野晃英さんオススメの本です。

奥野さんのコメントです。

***

大量のドーナツに囲まれて亡くなっていた少女。
その真相に隠された「美容」と「容姿」を求める者が抱える闇。

インタビュー形式で進む本編が、
あなたをじっとりとした「いやミス」の世界へと誘います。

梅雨を前に、じっくりと本の世界に耽溺したい方にお勧めの1冊です。

***

湊さんといいますと、映画化もされたデビュー作の『告白』が有名ですが、
今回の『カケラ』も『告白』と同じ独白スタイルで物語が進んでいきます。

この独白、一人語りは、湊作品にはおなじみのスタイルです。

今回も章ごとに語り手が変わっていくのですが、
全て美容クリニック医師の久乃(ひさの)が聞き手のインタビュー形式です。

とはいえ、久乃自身の喋りは、プロローグ、エピローグのみで
本編は、喋り手たちの語りのみで構成されています。

まず第1章は、痩せたいとクリニックを訪れた幼なじみ志保の語りです。

彼女は昔は「トリガラ」と言われるほどに華奢だったのに
アラフォーになって、かなり太ってしまったのでした。(わーかーるー!)

志保は、自分が太った理由や過去の出来事などを
何度も脱線しながら久乃に語るのですが、
最後に小学校時代の同級生の八重子の話になります。

どうやら八重子の娘が高校卒業後に亡くなったようだと。
それも自殺で、大量のドーナツに囲まれていたらしいと。

ドーナツは少女の大好物で、
彼女は明るい性格でみんなから好かれていたそうです。

そんな彼女がなぜ亡くなったのか?

久乃は、少女やその母親の八重子の関係者たちから話を聞いていきます。
少女の同級生、中学・高校時代の先生、母親の同級生など。
女性もいれば男性もいます。

登場人物たちはみんな容姿に悩みを抱えています。
例えば、女性は太っていることや一重の目や鼻の低さを
男性は身長が低いことを悩んでいます。

一方、彼らの聞き手の久乃は誰もが美しいと感じる容姿です。
そして、医者であり、テレビにも出演し、執筆した本は話題となる有名人です。

ですから、みんな久乃に対していい印象を持っておらず、
どうせ私なんてデブでブスですよ!というひねくれた態度です。
子どもの頃、久乃によって傷つけられたと言う人も少なくありません。

もうね、出てくる人みんな感じ悪いです!
そんな言い方しなくてもいいのに…と何度思ったことか。

でも、感じが悪いながらもみんな自分が
少女やその母親について知っていることを久乃に語ります。

果たして少女が亡くなった理由とは?
また、本のタイトルの「カケラ」とは?

***

いやあ、本当によく喋る人たちでした。

次々に出るわ出るわ、愚痴に嫌味にひがみ。
まあ、女性同士の会話ではよくあることですが。(笑)
それにしてもすごかったです。

でも、意地悪な感情もわからなくもないのです。

この物語はフィクションだけど、
登場人物たちの感情はとてもリアルで、
彼らに触発されて、ブラック田島が何度も姿を現しました。(笑)

また、全員が容姿に悩んでいるのも印象的でした。
良くも悪くも人間の本性が詰まった一冊でした。

痩せたいとか、キレイに見せたいとか、
何かしら外見の悩みを抱えている方は
読んでみてはいかがでしょう。

読んだ後は、きっと「美しさ」へのとらえ方が変わっているはず。
私は変わりました。
どう変わったかはネタバレに繋がってしまうので言いませんが、
いいほうに変わったと思います。
で。
私のダイエットですが、
私は私なりの方法で続けていきます!
自分が納得のいくところまで頑張ってみようかなと思います。

***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

オレンジページ・キッチングッズ販売中!

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紀伊國屋書店富山店でも販売されています。

人気のメジャーカップや計量スプーンなど
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キッチングッズは、実用書横の柱前で買うことができます。


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同じ絵本の英語版と日本語版を見比べてみませんか?
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フェアは、6月7日(日)〜7月5日(日)まで
中央催事コーナーで行われます。
※洋書売り場ではありませんのでご注意ください。


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号: 076-491-7031
営業時間: 10:00〜18:00

※当面の間、午前10時から午後6時までの短縮営業です。
ご利用の際はご注意ください。

◎HPは コチラ

yukikotajima 11:02 am

『透明な夜の香り』

2020年5月27日

もうすぐ梅雨がやってきます。
アスファルトの濡れた匂いを嗅いで
雨の季節だなあと感じる方もいるのでは?

あなたの鼻は敏感ですか?

私はわりと匂いは気になります。
だからといって無臭最高!というわけではありません。
自分の好きな香り、苦手な匂いがはっきりしているだけです。

とくにクサイのは絶対にダメです。
去年、台湾の屋台で嗅いだ「臭豆腐」の匂いはまったく受け付けませんでした。
思い出しただけでも、うっっ。
台湾は好きだけど、あの匂いだけはどうしても無理!

でも、今、臭豆腐の匂いを嗅いだら、間違いなく台湾の屋台を思い出します。
と同時に楽しかった台湾の記憶も。
そういえば、ちょうど一年前の今頃行ったのだっけ。
また行きたいなー。マンゴーかき氷を食べたい!

香りは、脳の海馬に直接届いて、永遠に記憶されるそうで、
久しぶりに嗅いだ懐かしい香りから、突然忘れていた記憶が蘇ることもあるそうです。

例えば、街を歩いているときに、以前好きだった人の香水の香りが突然して、
思わず振り返ってしまったことがある方もいるのでは?

***

今日ご紹介する本は、そんな「香り」にまつわる小説です。

『透明な夜の香り/千早茜(ちはや・あかね)【集英社】』


千早茜さんは、『あとかた』、『男ともだち』が直木賞候補になっています。
『男ともだち』は、以前ラジオでご紹介しています。

◎私の『男ともだち』の感想は コチラ

***

新作の『透明な夜の香り』は、
人並み外れた嗅覚を持つ調香師のもとで
家事手伝いのアルバイトをすることになった女性のお話です。

主人公は「一香(いちか)」という25歳の女性で、
調香師は「朔(さく)」という名の20代後半の男性です。

この朔は匂いから様々なことがわかります。

その人が食べたものや直前に行っていた場所はもちろん、
病気の有無や生活習慣、なんと感情までわかります。
また、花が咲く瞬間までわかるのだとか。すごい!
そういえば、花が咲く瞬間って見たことないかも。

そんな匂いに敏感な朔は、時々「匂いがうるさい」と言います。
確かに普通の人なら気にならない様々な匂いがして
その上、匂いの情報がもれなく頭に浮かんでしまったら疲れそうですね。

匂いでどんなこともわかってしまう朔の前では嘘はつけません。
なぜなら簡単にばれてしまうから。朔は嘘は臭うと言います。

そんな朔は、オーダーメイドの香りを作る仕事をしています。
それも特殊な香りの依頼が多く
「亡き夫の香り」や「入院中の息子が生きる力を呼びさます香り」
などの依頼が舞い込みます。

物語は、それぞれの依頼ごとの短編で構成された連作短編集です。
その上、朔や一香以外の登場人物もキャラが濃いので
来年あたりドラマ化されている気がします。

また、この小説には様々な香りが登場するので
常に何かしらの香りが頭に浮ぶのですが、
それだけでなく、様々な香りの知識を学ぶこともできます。

例えば、空腹時は鼻が敏感になるとか
モンシロチョウの羽はレモンの香りとか。

また、香りに加えて、一香が朔に作る手料理もたびたび登場します。
庭でとれたハーブを使って丁寧に作られた数々の料理は
どれも美味しそうでお腹が減りました。
なんだかずっといい匂いがしていた小説でした。

また、全体的に文章が美しく丁寧なのも印象に残りました。
例えば、一香は朔の声ことを「深い紺色の声」と表現します。
声を色で表現するなんて面白いですよね。
私の声は何色になるんだろう?

これからの雨の季節にお家でゆっくり読むのにおすすめの一冊です。
ぜひ雨音をBGMに読んでみてください。

そうそう、今嘘をついている人は、
ばれていないと思っているかもしれませんが、
実は嘘の匂いがプンプン漂っているかも!?

***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

晶文社(しょうぶんしゃ)創業60周年記念フェア


現在、「今も昔も気になる本にサイのマーク」でおなじみの
「晶文社」の創業60周年記念フェアを開催しています。

ロングセラーから最近話題の書籍まで幅広いラインナップで展開中です。

私、田島も先日フェアを見てきましたが、
それぞれの本の紹介文もあわせて展示されていまして、
これがとても良かったです!

例えば子供向けの『自分で考えよう』という本には、
「この世界は、わかりきってることなんか、ひとつもない。
いつだって、あたりまえを疑って、自分の頭で考えることが大切。
哲学の知恵とノウハウを教える最良のレッスンがはじまるよ」
とありました。

この紹介文を読むと、どの本も読んでみたくなりました。
ぜひ本選びの参考にしてみてください。


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号: 076-491-7031
営業時間: 10:00〜18:00

※当面の間、午前10時から午後6時までの短縮営業です。
ご利用の際はご注意ください。

◎HPは コチラ

yukikotajima 10:57 am

『コロナの時代の僕ら』

2020年5月20日

ステイホーム以降、家にいる時間が長くなり、
私も家じゅう掃除をしたり、苦手な料理どころかお菓子まで作ったりと
家にいるからこそできることをしてきました。

最近は、家で過ごすことにも慣れてきて、
これまでほとんど見なかったYouTubeを見るのが日常になってきました。

落語、ライブ、映画など、これまで何本見たかしら。

最近見て良かったのは映像作品の『肌の記録』
なんとこれ、明日21日(木)までの期間限定なので
まだ見ていない方はぜひご覧ください。

◎『肌の記録』の動画は コチラ

柄本時生さん、岡田将生さん、落合モトキさん、賀来賢人さんの4人が
完全リモートで撮影した映像作品で、舞台は100年後の世界です。

人は家にいるのが当たり前で、基本的に外出は禁止。
すべてがリモートで行われています。
登場人物の4人も幼馴染なのですが、一度も直接会ったことはありません。
でも、みんな仲良しで、それぞれが家の中での生活を受け入れています。
なんなら外に出るのは怖いと言います。

でも。。。

私は、こんな生活が当たり前になってはいけないと思いました。

100年後、地球に暮らす人たちが、家の中にこもりっぱなしではなく
普通に外出できるような生活を送るためには、どうしたらいいのか。

そのヒントが、この本にありました。

イタリアの小説家パオロ・ジョルダーノによるエッセイ
『コロナの時代の僕ら(早川書房)』です。

この本は、紀伊國屋書店富山店の奥野晃英さんのオススメ本です。

まずは、奥野さんのコメントです。

***

ヨーロッパで最悪のコロナウイルス感染に襲われたイタリア。
そんな非常事態下でイタリア人作家が綴った魂のエッセイです。

日本は緩やかではありますが、
コロナウイルスの猛威から脱しつつあるように見えます。

だからこそ、この本を最後まで読んで欲しい。
それぞれが感じた「忘れたくないこと」を考えて欲しい。
そう思い、今回紹介させて頂きました。

***

この本は、イタリアはもちろん
日本をはじめ26ヵ国で緊急刊行された、今話題の本です。

タイトルに「コロナ」とあるとおり、コロナについて書かれています。
つまり出来立てほやほやです。
イタリアで感染が広がり、死者が急激に増えていった2月から3月に
イタリア・ローマで書かれました。

著者は冷静にわかりやすく現状を伝えています。

例えば、感染の広がりをビリヤードの球に例えて、
感染した一つの球が他の球にぶつかることで広がっていくと表現しています。

ちなみに、イタリアは先日、5月18日に外出禁止措置が解除され、
これから復興に向かっていくわけですが、著者はあとがきで
「コロナウイルスが過ぎたあとも、僕が忘れたくないこと」について書いています。

例えば、乗るはずだった飛行機のチケットをキャンセルしなかった自己中心的な自分や
今回のパンデミックの原因は自分たちの軽率な行動にあることなど、
様々な「忘れたくないこと」を挙げています。

また、私たちは「はやく元の生活に戻ってほしい」と口にしますが、
著者は「何に元どおりになってほしくないのかを、よく考えておくべきだ」
と繰り返し書いています。

元どおりではなく、元どおりになってほしくないものを考えようと言っているのです。
元に戻ってはいけないこととは何なのでしょうか。

ちなみに、今のままでは必ず新しい感染症の流行が何度も訪れるだろう、
と著者は予測しています。
では、私たちはどうしたらいいのか。
この続きは、ぜひ本のページをめくってみてください。

***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

※紀伊國屋書店富山店は、営業が再開しましたが、
当面の間、午前10時から午後6時までの短縮営業です。
ご利用の際はご注意ください。

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住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
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◎HPは コチラ

yukikotajima 10:25 am

『今日も町の隅で』

2020年5月13日

今日ご紹介する本は、ある町に関わりのある人々について描かれた短編集です。

『今日も町の隅で/小野寺史宜(おのでら・ふみのり)【角川書店】』


小野寺さんにとって初の短編集だそうで、10の作品が収録されています。

それぞれのお話がつながっている連作ではありませんが、
全員が「みつば」という町に関わりがあります。
また、それぞれ何かしら悩みを抱えています。

物語は、まず11歳の小学生が主人公の物語から始まり、
その後、徐々に年齢が上がっていき、最後の主人公は42歳です。
なお、一人の人の成長物語ではなく、それぞれ異なる人たちです。

***

例えば、「カートおじさん」という物語の主人公は、
スーパーでレジの仕事をしている42歳の女性です。

タイトルの「カートおじさん」は、
スーパーの買い物客用のカートが乱れているのを見つけると
店員でもないのにカートを片付けるおじさんのことなのですが、
この方はカートを片付けるだけで、
普通に買い物もしてくれるし、面倒な人ではありません。

ただ、時にはやっかいな人もやってくるもので
ある日、小学生の男の子が商品のボールペンを
万引きしそうなところを目撃してしまいます。

どうすべきか悩んだ彼女は、男の子に
「レジを通してね。お願いね」とだけ言って、その場を去ります。

しかし、彼女はこの対応でよかったのか悩みます。
私は甘かったのではないか、間違ったのではないかと思っていたら
仕事に集中できず、普段はしないようなミスまでしてしまいます。

結局、小学生の男の子は万引きをしたのか。
また、カートおじさんとは何者なのか。

続きはぜひ本のページをめくってみてください。

***

他には、ある男子のせいで学校に行けなくなった女子が
その男子に誘われて一緒に地元の高校の野球の試合を見に行くお話や
高校でバンドを組んだものの、リードギターからサイドギター、
最終的にはベースになってしまった男子高校生、
作家になりたいけれどなれずに節約生活をしている30歳の男性、
妻から突然、元カレを一日だけ家に泊めてもいいか聞かれ、
心とは裏腹に「いいよ」と言ってしまった男性、
久しぶりに同窓会に出席した40歳の男性の物語などが収録されています。

登場人物は皆、普通の人たちです。
それぞれ、自分はどうしたらいいのか人知れず悩みを抱えています。
だからといって地味で暗い物語なのかといったらそんなことは無く、
どのお話も最後の一文がとてもいいのです。
登場人物たちがスッキリ明るい表情をしているのがわかります。

小野寺さんは、普通の人を描くのが素晴らしいのです。
どこにでもいそうな人たちの物語なのに全然退屈ではありません。

みんないい人なんだけど、ちょっと不器用で、
どちらかといえば、主人公ではなく脇役になりそうな人たちです。
でも実際は、脇役のほうが多いんですよね。

本を読み終えた後は、まさにタイトルの「今日も町の隅で」頑張る人たちの
幸せを願わずにはいられませんでした。

優しい気持ちになれた素敵な短編集でした。

キャラが濃かったり、激しい展開だったりする物語も面白いけれど、
こういう静かなタイプの物語も私は好きです。

最近、色々上手くいかなくてちょっとお疲れ気味という方にもオススメです。
ぜひ一作品ずつゆっくりお読みください。

また、この作品を読んでお気に召したら
以前、ラジオでご紹介した小野寺さんの『ライフ』も是非!
こちらもいい作品です。

◎私の『ライフ』の紹介は コチラ


<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

※現在、紀伊國屋書店富山店は、臨時休業中です。
営業再開が決まりましたら、ラジオでもご案内します。


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電話番号: 076-491-7031
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yukikotajima 11:39 am

『読みたいことを、書けばいい。』

2020年5月12日

私の仕事は「喋る」仕事ですが、
ブログをはじめ放送で喋る原稿など、書く作業も多いため
書店に行くと、趣味の小説のほか、喋りや書くことに関する本もチェックし、
気になる本を見つけると買っています。

今日は、ちょっと前に買った本が素晴らしかったので、ご紹介します。

『読みたいことを、書けばいい。
人生が変わるシンプルな文章術
/田中泰延(ひろのぶ)【ダイヤモンド社】


本屋さんでこの本を見かけてパラパラっとページをめくってみたら

「ことばを疑うことから始める」

という文章が、まず目に飛び込んできて
あ、これ、私が日頃大切にしていることだ!と思い、
他のページもパラパラと見てみたら共感だらけ。
これは読んでみたいと購入したのでした。

私は自分が書いたものだけでなく
人が書いた原稿を声に出して読むことも多いのですが、
自分の中でしっくりこない言葉に出くわすと必ず調べています。
まあ、そのせいで「田島はこまかい」と言われることもあるのですが。。。

この本は、本を読んでいるというより
著者の田中さんの話を聞いている感覚で楽しく読めました。

最近、SNSをしている方も多いですが、
毎日投稿をしている方は、ぜひこの本を読んでみてください。
きっと読んだ後は書き方が変わると思いますよー。

でも、この本は、文章のテクニック本ではありません。

タイトル通り「自分が読みたいことを、書けばいい」ということが、
具体的に綴られています。

文章を書く上で大切なことの他、ダメな文章例も載っています。
これがいい塩梅で毒づいていて笑ってしまいました。

また、全体を通して「そう、そう、そうなのよー」と共感の連続でもありました。

例えば、「わたしが愛した部分を、全力で伝える」という一文。

これは、どんなに興味が無い対象でも良いところはある!
それを全力で伝えよう、というものです。
まさに、良いところを見つけて伝えるのが私の仕事なので、
「わかるわー」と本に向かって口に出してしまいました。
他にも共感ポイント満載でした。

最近、こんな状況で3月以降、仕事はキャンセル続きで
ため息をついてしまうこともあったけれど、、、
今、このタイミングでこの本に出合えて良かったです。
この本を読んで、あらためて頑張ろうと思えました。
それこそ初心を思い出しました。

そういう意味では就職活動中の学生さんたちにもオススメです。
就活のマニュアル本も色々とありますが、
私はこの本を読んだほうがきっと役に立つと思うな。
田中さん流の「履歴書の書き方」も載っていますし。
私が就活中に読みたかったわー。

yukikotajima 7:28 pm

『小さいノート活用術』

2020年5月6日

ステイホームでどんな毎日を過ごしてますか?

突然ですが、質問です。
3日前は何をしてましたか?

家にいたことは確かだけど、何してたっけ?と、すぐに思い出せなかったり、
思い出せても、いや特に何もしていなかったな、という方もいるのでは?

そんなあなたは、小さいノートを活用してみてはいかがでしょう?

あなたのお家に小さいノートはありませんか?

そのノートを使うことで、
ぼんやり過ごしてきた日々にメリハリがうまれて
毎日が充実するかもしれませんよー。

今日は、紀伊國屋書店富山店の奥野晃英さんのオススメ本です。

『時間をもっと大切にするための
小さいノート活用術/高橋拓也【玄光社】』

まずは、奥野さんの推薦コメントです。

***

本書は、「ノートは小さい方がいい」が持論の
文房具紹介サイト編集長、高橋拓也氏が送る
世界で1番気楽なノート術です。

好きなこと、やりたいことへの閃きを
ノートに思いのままに書くことで忘れずにいられます。

今は出来なくても、見返せば、実行に移せる日が来るかもしれません。
未来に繋がる自分だけのノートを作ってみませんか?

***

私も『小さいノート活用術』を読んでみました。

読む前は、すでに紙の手帳にあれこれ書いているし、
あえて小さいノートなんていらないんじゃない?と思っていたのですが、
そんな私でもこの本を読み終えるやいなやノートに文字を書きはじめました。(笑)

私のノートは、以前、紀伊國屋書店富山店で購入した八村塁選手のノートです。

買ったまま全く使っておらず、サイズもちょうど良かったので使うことにしました。

***

『小さいノート活用術』を書かれたのは、
文房具の魅力を紹介するウェブマガジン「毎日。文房具。」編集長の高橋拓也さんです。

高橋さんは、スマホよりはるかに軽い小さいノートを毎日持ち歩いて、
思いついたことを書き留めているのだとか。

ポイントは、「ノートが小さいこと」だけで、
使い方のルールは無いそうです。

でも、自由に書いていいと言われても何を書けばいいのかわからい、
という方もいると思います。

そんな方は「タスク&メモ」から始めるのがいいそうですよ。

まず、日にちを書いて、その日にしなければいけないことを書き、
できたら線を引いて消していく。

たしかにこれならできそうですよね。

他にも、この本には、
買うものリスト、やりたいことリスト、
ひとり会議、三行日記、怒りメモなど
様々なノートの使い方が紹介されています。

中には「こんな飲み会は嫌だ」という、
嫌な理由を書いただけの「嫌だリスト」まであります。

このノートは誰にも見せませんので、
自分の正直な思いを書くことができるのです。

私はというと、今のところ「嫌だリスト」「怒りメモ」は書いていませんが(笑)、
まず、コロナが終息したら行きたいところ、したいことを挙げてみました。

また、「ふと思いついたこと」も書き留めています。

「あれ、ほら、なんだっけ?」が最近、増えてきたような気がするので…
今後はノートに補ってもらおうかと思いまして。(笑)

いや、でも、スマホがあれば十分なんだけど…という方もいると思いますが、
高橋さんは、小さいノートとデジタルツールとの組み合わせの提案もしています。
例えば、電車に乗るとき、ルート検索はスマホでして、
移動時間に本を読みたいなとか、乗り換えの間にお弁当を買おう、
といったことはノートに書こう!
そうすることで、ただの移動時間が楽しくなるよ、と。

この本は、とにかく具体的なのでわかりやすいのです。
また、内容も面白い!
人のノートを見ることは滅多にないので、そういう意味でも楽しかったです。
まるで人の頭の中をのぞているようで。

あなたも小さいノートを持ち歩いてみてはいかがでしょう?
使い方は『小さいノート活用術』をお読みくださいね。

また、この本には、おすすめの小さいノートや
使うのが楽しくなる文房具も紹介されているので
読むだけでワクワクできますし、ノート選びの参考にもなると思います。


<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

※現在、紀伊國屋書店富山店は、臨時休業中です。
営業再開が決まりましたら、ラジオでもご案内します。


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電話番号: 076-491-7031
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HP:  http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 9:56 am

生プリン

2020年5月2日

今日のッツカフェドライヴィンのテーマは「おうちカフェ」でした。

◎ネッツカフェドライヴィンのサイトは コチラ

ラジオでご紹介した「生プリン」の作り方を
こちらのブログにも載せておきますね。

ちなみに、この「生プリン」の作り方は、
富山市総曲輪に去年の年末にオープンした
大衆酒場 六腑(ろっぷ)マスターの山口豪太さんに教えていただきました。

六腑は、おでんが美味しい、私のお気に入りのお店の一つです。
今はテイクアウトもしています♪

また、このお店の生プリンが美味しいんです!

そろそろまたあのプリンを食べたいなあと思ったものの
ステイホームの今は食べられないので、
マスターに家で作れないものか聞いたところ…
なんと作り方を教えてくださいました。
ありがとうございます〜。

<材料>

・生クリーム 70ml
・牛乳 30ml
・グラニュー糖 10g
・バニラエッセンス 少々(香り付けで5滴くらい)
・卵黄 1個

<作り方>

1 生クリームにグラニュー糖、バニラエッセンスを入れてホイップ。

2 牛乳を入れてホイップし直します。※牛乳を入れるのがポイント!

3 ホイップの上に生の卵黄(卵の黄身のみ)とカラメルソースをのせて完成!

食べる時は、全てをスプーンで混ぜます。

※なお、写真は、以前お店で食べたときのもので、私が作ったものではありません。

でも、私も家で作ってみましたよー。
ちゃんと美味しくできました。

皆さんもぜひ作ってみてください♪

yukikotajima 11:55 am

『ライオンのおやつ』

2020年4月29日

ステイホームの今、お家で読書をされている方もいらっしゃると思いますが、
今日ご紹介する本は、まさに家で読むのにぴったりな一冊です。

なぜなら涙が止まらないから。

私は家で一人なのをいいことに、子どものようにわんわん泣きました。
終始涙が止まらず、ごみ箱はティッシュの山になるし、目は腫れぼったいしで、
決して人には見せられない状態でした。

でも、読後感は決して重たくはありませんでした。
それどころか心の中にたまっていた膿が涙とともに流されたかのような
すっきり穏やかな気持ちでした。

今日ご紹介する本は、こちら。

『ライオンのおやつ/小川糸(ポプラ社)』


先週のユキコレは、今年の本屋大賞受賞作の
『流浪の月/凪良ゆう〈東京創元社〉』をご紹介しました。

◎私の感想は コチラ

◎本屋大賞の公式サイトは コチラ

今日ご紹介する『ライオンのおやつ』は、今年の本屋大賞2位の作品です。

『流浪の月』も良かったけれど、
どちらかというと『ライオンのおやつ』のほうが
これまでの本屋大賞っぽいなという印象です。

***

『ライオンのおやつ』というタイトルだけを見ると、
動物のライオンが食べるおやつの話?動物園の話?
と思ってしまいそうですが、
表紙のイラストはブルーの海でライオンはどこにもいません。
本の帯にさりげなく動物が描かれていますが、それ犬です。

いったいどんなお話なのか、簡単にご紹介しましょう。

主人公はアラサーの女性、雫です。
彼女はある病と闘っていたのですが、医師から余命を告げられ、
人生の最後の日々を過ごす場所として、瀬戸内の島にあるホスピスを選びます。
そのホスピスの名前が「ライオンの家」なのです。

なぜ「ライオンの家」なのかは、本に理由が書かれていますので、
ぜひ読んでいただきたいのですが、
このホスピスでは、毎週日曜日、入居者が生きている間にもう一度食べたい
思い出のおやつをリクエストできる「おやつの時間」があるのです。

だから「ライオンのおやつ」というタイトルなんですね。

入居者それぞれが、そのおやつをリクエストした理由を思い出ととも綴り、
それをスタッフが朗読してからおやつを食べるのですが、
このおやつの時間が涙無しには読めませんでした。

人生を振り返ってみると、みんな感謝もあれば後悔もあります。
それぞれの思いが心に響きました。

あなたはどうですか?
人生の最後に食べたい「おやつ」は何ですか?

今、お家で手作りのおやつを作って食べている方もいると思いますが、
それこそそのおやつがずっと先の未来に
人生の最後に食べたい思い出の味になっているかもしれませんね。

***

さて、小さな島のホスピスで雫はどのように生活を送っていたのかというと、
自由に外出することもできたので、
元気な時は自然豊かな島をホスピスに住む犬とともにお散歩することもありました。

このワンちゃんのおかげで雫の毎日は幸せな日々でした。
また、提供される食事がどれも美味しくて、それは「魂に直接響くような味」なのだとか。
特に朝のお粥が美味しくて、入居者の中には
このお粥が楽しみで長生きした方もいたそうです。

ホスピスを主宰する看護師の女性は、痛みには体と心の二つの痛みがあり
その両方を取り除かなければ幸せな最期は訪れないと言い、
心のケアも大事にしており、美味しくて体にいい食事を提供するのはもちろん、
入居者一人一人にあったセラピーも取り入れていました。

この代表の女性がとても素敵な人なのです。
包容力があって、優しくて、でも強さもある、心から尊敬できる人です。
こんな人に私もなりたい、と思いました。

***

また、この作品は雫のホスピスでの日々が描かれており、
「泣ける」感動作であることは間違いないのですが、
何がいいって、表現が素晴らしいのです。
独特な感性ゆえのハッとさせられる表現が多く、
そういう意味での心地よさに心が満たされました。

例えば、雫がホスピスに来たばかりのころ、
慣れない景色を見ながら「まだ心のピントが合わない」と表現したり、
島で深呼吸をしたときには
「肺の内側が、きれいな空気でゴシゴシと洗われるよう」と思ったりします。

他にも豊かな表現が多くて、声に出して読みたくなりました。

***

ちなみに、著者の小川糸さんは、
病気で亡くなったお母様が生前「死ぬのが怖い」と怯えていたことから、
読んだ人が、少しでも死ぬのが怖くなくなるような物語を書きたい、
と思って執筆されたのだとか。

物語が全体的に優しい雰囲気なのは、
小川さんがお母様のことを思ってお書きになったからなのかもな。

本当にいい一冊でした。

今、こんな状況で不満ばかりを口にしてしまいがちですが、
雫は余命を告げられてからこんなことを思っています。

幸せは自分が幸せであると気づくこともなく、
ちょっとした不平不満をもらしながらも、
平凡な毎日を送れることなのかもしれない。

この本を読んだ後はきっと世界の見え方が変わります。
私は毎日をもっと大切に過ごしていこうと思えました。


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yukikotajima 11:26 am

『流浪の月』

2020年4月22日

本を選ぶ基準は様々ありますが、
こちらを参考になさっている方も多いのでは?

本屋大賞

「本屋大賞」は、書店員の投票で決定するもので、
過去一年の間、書店員自身が自分で読んで
「面白かった」「お客様にも薦めたい」「自分の店で売りたい」
と思った本を選び投票しています。

つまり、本屋大賞の受賞作は、全国の書店員が今一番売りたい本ということです。

大賞受賞作は毎年話題になり、映像化もされています。
ちなみに、去年は瀬尾まいこさんの『そして、バトンは渡された』
2018年は辻村深月さんの『かがみの孤城』、
2017年は映画化もされた恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』でした。

そして、4月7日に発表された今年の大賞受賞作は、

『流浪の月/凪良ゆう〈東京創元社〉』

でした。

私も早速読んでみたのですが、すぐに作品の世界に没頭。夢中で読み進めました。
また、読み終えた後も登場人物たちのことを考えてしまいました。
もはや登場人物たちが他人では無い感じなのです。

これはこれまでの受賞作にも当てはまります。
いい作品は、ずっと心に居座り続けるのですよね。

***

物語は、自由でキラキラした幸せいっぱいの家族の姿から始まります。
小学生の少女は、家族3人で幸せな生活を送っていました。
ところが、父が病気で亡くなったことから物語は一転。
少女は親戚の家に引き取られるのですが、
そこでの生活は心身ともに辛いものでした。
そんなある日、公園で大学生の青年に声をかけられ、
少女はついていきます。

ここまで紹介すると、ほとんどの人は、
このあと少女がさらに不幸になることを予想すると思います。
でも。
実際は、少女は青年との暮らしに安らぎを感じていました。

しかし、そんな生活も長くは続きません。
あっという間に世間にばれ、
二人は事件の被害者、加害者として引き離されてしまいます。

それから15年経ち、二人は再会。
どんどん接近していきます。
そして、少女はこう思います。

「あなたとともにいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。
それでも、わたしはあなたのそばにいたい」と。

事件の被害者になった彼女は、世間から心配され、優しくされます。
その一方で、青年はずっと悪い人の印象のままです。

彼女がどんなに「彼は悪くない」と伝えても誰もわかってくれません。
彼女は、自分の言葉は人には伝わらず、
勝手に別の意味に解釈されてしまうと落胆します。

でも、私ですら本のページをめくりながら、
ずっと青年を疑いの目で見ていました。

少女の目から見るといい人そうに見えるけど、本当はどうなのよ?と。

果たして青年の本心とは?
また、再会した二人はその後どうなるのか?

気になる方は、ぜひ本のページをめくってみてください♪

頭からずっとコロナが消えない日々ですが、
この本を読んでいる時は忘れることができました。
何かに夢中になる時間って大事ですね。

また、この本を読んで、
私たちは人の話を自分が思っているより聞けていないのかもしれない、
とも思いました。
あなたも人の話を遮ったり、都合よく解釈したり、決めつけたりしていませんか?
特にお子さんの話を聞くとき、そういう傾向になりやすいかなと。
あなたはちゃんと人の話を聞けているでしょうか。

今日は、先日発表された本屋大賞受賞作
凪良ゆうさんの『流浪の月』をご紹介しました。

本屋大賞の公式サイトには、
大賞のほか、10位までの作品が掲載されています。
私は10作品中6作品を読んでいますが、
どれもそれぞれ面白かったですよー。
大賞受賞作と合わせてお読みください。

◎本屋大賞の公式サイトは コチラ

なお、来週のユキコレは、今年の本屋大賞2位の
小川糸さんの『ライオンのおやつ(ポプラ社)』
をご紹介します。
すでにお読みの方はぜひ感想をお寄せください。

***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

※現在、紀伊國屋書店富山店は、臨時休業中です。
営業再開が決まりましたら、ラジオでもご案内します。


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号: 076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:18 am

映画『コンテイジョン』

2020年4月21日

まるで今の状況を描いているようだと話題の
2011年の映画『コンテイジョン』を見ました。

あなたはご覧になりましたか?

今、世界中で新型コロナウイルスが拡大していますが、
この映画は、まさに謎のウイルスが全世界に広がっていく様が描かれているのです。

映画では、世界中に新型ウイルスが広まるにつれ、
人々はパニックに陥り、ついには社会が崩壊します。

現実の世界では、まだ映画ほど酷い状況にはなっていないけれど、
このままではいずれ同じことがが起こるかもしれない、
と映画を見た誰もが恐怖を感じるはずです。

例えば、映画では、手に入らない食べ物やワクチンは平気で人から奪いますし、
嘘の情報を流してだます人もいれば、それを信じる人も大勢います。

ん?もう同じようなことが現実の世界でも起こっていますね。
真偽不明な情報がSNSにあふれているし、
トイレットペーパーもいっとき買えなくなったし。

すでに現実世界も映画のキャッチコピーの

【恐怖】は、ウイルスより早く感染する

の通りになっています。

映画で描かれている世界があまりにも現実世界と重なっていて、
フィクションなのにまるでドキュメンタリーを見ているようでした。

この映画を見ることで、
今自分にできることは何か、一人一人が今一度考える、
いいきっかけになると思います。

一人でも多くの人に見ていただきたい作品です。

ちなみに、日本では公開当時はそれほどヒットしなかったようですが、
実はこの映画、マット・デイモン、ジュード・ロウ、ケイト・ウィンスレットなど
キャストがとにかく豪華なんです!
名前だけを見るとなんとも華やかで煌びやかな雰囲気ですが、
映画の内容は大変現実的です。

◎映画『コンテイジョン』の公式サイトは コチラ

この映画、みんなが見られるゴールデンタイムに
地上波で放送すればいいのになあ。

yukikotajima 6:15 pm

『心の傷を癒すということ』

2020年4月15日

昨日4月14日は、熊本地震から4年でした。
また今年は、阪神・淡路大震災の発生から25年の年でもあります。

その阪神・淡路大震災で自らも被災しながら
被災者の心のケアを行った精神科医がいたのを知っていますか?

今年1月には、柄本佑さんが、その精神科医を演じたドラマ
「心の傷を癒すということ」がNHKで放送されました。

このドラマをご覧になった方もいらっしゃるのでは?

今日ご紹介する本は、紀伊国屋書店富山店 人文科学書担当の
野中浩大(のなか・こうだい)さん
のオススメ本です。

新増補版『心の傷を癒すということ 〜大災害と心のケア〜
/安克昌(あん・かつまさ)〈作品社〉』


野中さんのオススメコメントです。

***

同名のテレビドラマの原作となった本書は、
夭折した著者の安克昌氏が阪神淡路大震災に際し、
PTSDに苦しむ人々の心のケアに当たった経験を元として、
心的外傷に満ちた現代社会にあって心の傷を癒すということは、
今を生きる私たち全体のあり方の問題であると説くベストセラーです。

人々の心によりそう大切さを見つめ直すために
ぜひ読んでいただきたく、おすすめします。

***

ドラマ「心の傷を癒すということ」は、この本が原案です。
私はドラマを見てから本を読んだので、より心に響くものがありました。

この本は、精神科医の安克昌(あん・かつまさ)先生が
被災者の心のケアを行う中で見たり感じたりしたことを記録したもので、
第18回サントリー学芸賞を受賞しました。

このほど発売されたのは、1996年に発売された本の新増補版です。
受賞作の他、災害精神医学に関するエッセイや
安先生と繋がりのあった方々の文章などが収録されています。
なんと500ページ近くもあり、かなり読みごたえがあります。

もしかしたら、今このブログをお読みの方の中には、
今は災害よりも新型コロナウイルスのことで頭がいっぱい…
という方も少なくないかもしれません。

でも、私は今こそ、この本を大勢の方に読んで頂きたいと思います。

今は、感染するかもしれないという不安の他にも
マスクや消毒液が手に入らない、
仕事が無くなった、
先が全く見えなくて不安
など、地球上の全員がそれぞれ不安を感じていますよね。

最近は、その不安が怒りに変化し、
ちょっとしたことでイライラしている人が増えたように思います。

昨日もあるお店で「マスクはいつになったら買えるの?(怒)」と
店員にしつこく聞いている方がいました。

また、医療関係者に対して酷いことを言う人もいると聞きます。

でも、忘れちゃいけないのは、
店員さんも医療関係者も皆、コロナにかかるかもしれないのです。
地球上の全員が同じ状況なのです。

以前ラジオで紹介した
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の本の中で、
著者の中学生の息子君が
「人間は人をいじめるのが好きなのではなくて、罰するのが好きなんだ」
と言っていましたが、コロナに関する嫌なニュースを見聞きするたびに
この言葉を思い出します。

安さんによると、阪神大震災の時にも同じようなことがあったそうです。

懸命に仕事をする消防隊員に対して被災者から
「消防はなにやってるんや」と罵声があびせられたそうなのです。

災害の規模が大きすぎて全てに対応できない中で
やれることを必死にやっているのに理解されない…
そのことに無力感を感じたり、傷ついたりしていたのだそうです。

また、医療関係者も同じように傷ついていました。

そんな中、安先生は、医療関係者のための心のケアも取り組み始めました。

みんなそれぞれの仕事に誇りを持って取り組んでいても私たちと同じ人間です。
酷いことを言われれば傷つくのです。

震災時だけではなく、今も同じです。
ただでさえ、コロナで不安な気持ちになっているのに、
最近は、別の意味での嫌悪感が加わっています。

今、心がお疲れ気味…という方もいるかもしれませんが、
安先生によると、こういう時は「人との結びつき」が大事なのだとか。
直接人に会うことはできなくても、今の時代、様々な方法で繋がれますよね。
あなたも心許せる人と、交流してみてはいかがでしょう?

この本では、人が心の傷を負うとどういった症状が出るのかや
どのように治っていくのかが、わかりやすい文章で書かれれています。

安先生の文章は、誰に対しても優しく寄り添っており、
私は読みながら何度も涙しました。
読むことで私自身の心も癒されていくのがわかりました。

ドラマをご覧の方はご存じのことと思いますが、
安先生は、2000年12月にがんのため、39歳の若さで亡くなりました。

でも、本を開けば、いつでも安先生に会えます。
こんな時だからこそ、被災地の心のケアのパイオニアである安先生の言葉に
耳を傾けて優しい気持ちで過ごしてみませんか?

***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

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「本屋大賞2020」特設コーナー
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今年の本屋大賞受賞作、凪良優さんの「流浪の月」をはじめ、
ノミネート作品や翻訳部門の受賞作品を集めた
「本屋大賞2020」特設コーナーを
中央Aカウンター前の文学コーナー特設台で展開中です。
期間は5月末までです。
読み応えのある作品が勢ぞろいしています。
この機会にぜひお読みください。

※来週の「ユキコレ」では、大賞受賞作をご紹介します!

============
クロワッサンムックフェア
============

生活誌として不動の安定感を誇る「クロワッサン」。
そのエッセンスをギュッとつめ込んだ
クロワッサンのムックシリーズを集めたフェアが
中央イベントスペースで4月下旬から行われます。

次の日からご家庭で使える情報いっぱいのフェアです。
どうぞお楽しみください。

※4月18日(土)から予定されていた
「伝統工芸・手摺木版画 浮世絵」フェアは、延期となりました。

<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:   076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00

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yukikotajima 11:43 am

『発注いただきました!』

2020年4月8日

先週のgraceでは、『なぜ僕らは働くのか』という
これから社会に出る10代の方向けの本をご紹介しました。

今日ご紹介する本も「お仕事」に関する本です。

『発注いただきました!/朝井リョウ〈集英社〉』


本の帯には「これが本当のお仕事小説だ!」とあり、
お、どんな職業の小説かしら?と思ったのですが、
朝井さんが企業からの依頼で書いたタイアップ作品をまとめたものでした。

なるほど。たしかにそれも「お仕事小説」だわ。

ちなみに、朝井リョウさんは、映画化もされた話題作
『桐島、部活やめるってよ』のデビューからちょうど10年ということで、
この本がある意味10年の集大成なんだそうです。

この本は、ただこれまでの短編を順番に載せているのではなく、
まず、発注内容(テーマや枚数など)を明らかにした上で、
実際に朝井さんが書いた作品を掲載。
最後に、発注にどう応えたのか、朝井さん自身の解説が紹介されています。
時々反省や落ち込みもありますが、ほとんどは自画自賛していて、
その本音が面白いのです。

また、企業の依頼内容を知った上で作品を読むことで
まるで読者である私自身が、企業の担当者であるような気持ちにもなり
「依頼に対して、こうきたか!」という驚きを感じることもできます。

各企業の依頼はどれも個性的です。

例えば、JTからの依頼は、
たばこが作中に登場する、「人生の相棒」をテーマにした小説です。

朝井さんが書いた小説のタイトルは「胸元の魔法」。

新婚旅行中に、ふと妻と結婚してよかったのか?と思った夫の物語です。
もしかしたら妻は自分よりも自分の友人のことが今でも好きなのでは?
と悩む夫が大学時代に彼女と出会った頃のことを思い出し…
というお話なのですが、短いながらも心に残る素敵なストーリーでした。

また、アーティストのaikoさんの楽曲を題材とした短編小説もあります。
なんとaikoさんご自身から
「ちょっとエロくて変態要素のある、湿度を感じる作品」
というリクエストがあったのだとか。
さて、朝井さんはこの発注にどう応えたのでしょうか?

他には、
・「ウイスキーっておもしろい」を伝えられる小説
・『こちら葛飾区亀有公園前派出所』と『チア男子!!』のコラボ小説
・『アイアムアヒーロー』の世界の中で書くオリジナル小説
などもあります。

とにかく様々なタイプの作品を書いていらっしゃるのですが、
これまでの朝井さんとは違った作風を楽しめるのも魅力です。
また、短編集ですので、空き時間に少しずつ読めます!

今日は、人気作家、朝井リョウさんのお仕事小説
『発注いただきました!』をご紹介しました。

***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

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「紙製3Dパズルユーギー」フェア
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カラフルな厚紙を重ねて可愛い動物たちを作る
ユーギーシリーズのフェアを開催中です。

ペンギン、キリン、シマリス、カクレクマノミなど
カラフルでかわいい動物が勢ぞろい♪
小さなお子さまでも作れます。

作った後は、お部屋に飾って楽しめます。

店内中央イベントスペースで4月30日(木)までの開催です。


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:   076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00

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yukikotajima 11:29 am

『なぜ僕らは働くのか』

2020年4月1日

今日から新年度がスタートしました。

新人さんが入ってきた職場もあると思いますが、
フレッシュな新人さんを見ながら
自分が新人だった頃のことを思い出して
あらためて仕事を頑張ろう!と思った方もいるのでは?

今日のキノコレでご紹介する本は、
今の時期にぴったりの一冊です。

『なぜ僕らは働くのか
‐君が幸せになるために考えてほしい大切なこと‐
/監修:池上彰(Gakken)』


こちらは、紀伊國屋書店富山店の奥野晃英さんのオススメ本です。

奥野さんの推薦コメントです。

***

今年4月から『働き方改革』が本格的に実施され、
AIを始めとする科学技術も加速度的な発達を遂げる中、
私たちの「働き方」もターニングポイントに差し掛かっています。

そんな中で、いずれ社会に羽ばたく若者にも
そんな彼らを教え導く大人の方々にも
知って欲しい知識が詰まった一冊です。

***

監修を担当された池上彰さんは、将来の働き方について
中学生や高校生に考えてもらおうと思ってお作りになったのだとか。
でも、大人にも読んで頂きたいそうです。

この本を読むことで
「きっと初心に返って仕事への意欲が湧いてくることでしょう」
とおっしゃっています。

たしかに私も読んだ後に前向きな気持ちになれました。

この本は、半分はマンガです。
マンガは、自分に自信が持てず、将来何になりたいかもわからない
中学2年生のハヤト君が、ある本と出合って成長していく様が描かれます。

そして、彼が出合った本が漫画の間に挟まれており、
読者もハヤト君と一緒に「働く」ことや「生きる」ことについて学ぶことができます。

例えば、将来どんな仕事をしたいかわからない場合は、
まずは「好きなこと」を見つけ、
さらに「好きの周りにある仕事」を調べることを提案しています。

サッカーが好きだからと言って
全員がサッカー選手になれるわけではありません。
でも、サッカーに関わる仕事なら
スポーツトレーナー、スポーツ記者、シューズメーカーなど
様々な仕事があります。

一方、好きなことが特にない方も
「やりたい仕事の見つけ方」についても書かれていますので、
今、中高生で将来どんな仕事をしたいのかわからない…
という方は、まずはこの本を読んでみてはいかがでしょう。
また、今の仕事に不安を感じている大人の皆さんもぜひ。

きっと前向きな気持ちになるはずです。

この時期に読むのにぴったりですし、
そばに置いておいて、いつでも読み返したいとも思いました。
ちなみに、かなり充実の内容なのに、1,500円(プラス税)なんですよ!
これは、お得すぎます。

一家に一冊いかがでしょう?

***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

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「紙製3Dパズルユーギー」フェア
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来週の月曜から、カラフルな厚紙を重ねて可愛い動物たちを作る
ユーギーシリーズの販売を行います。小さなお子さまでも作れます。

ペンギン、キリン、シマリス、カクレクマノミなど
カラフルでかわいい動物が作れます。
作った後、お部屋に飾るのもきっと楽しいと思います!

店内中央イベントスペースで
4月6日(月)から30日(木)までの開催です。


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:   076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:30 am

『ゆるゆる漢方生活』

2020年3月28日

今日のネッツカフェドライヴィン』のテーマは、「この春から」です。

私、田島がこの春から始めているのが「漢方生活」です。

と言っても漢方薬を飲むということではありません。

では、漢方生活とはいったいどういうものなのか。
その答えは、この本に書かれています。

『櫻井大典先生のゆるゆる漢方生活 - こころとからだに効く! -
/櫻井大典(ワニブックス)』


櫻井さんのことは、Twitterで知りました。
フォロワー数は14万人を超える大人気のゆるゆる漢方家です。
Twitterでは、元気に暮らすためのコツをつぶやいています。

例えば、花粉症の方に対してのツイートですと、
鼻水が水っぽい人は冷えないように温めて
逆に目がかゆい人は熱がこもっているから、辛いものや脂っこいものは避けて
とアドバイスされています。

そんな櫻井さんのエッセイです。

このエッセイには、心身ともに健康に暮らすためのヒントが詰まっています。
それも取り入れやすいものばかりなのです。

なんといってもタイトルが「ゆるゆる漢方生活」ですからね。(笑)

私が早速やろう!と思ったのは「香りで気をそらす」です。

いい香りをかぐと、意識的に気をそらすことができる。
つまり、嫌なことがあってもいい香りをかぐことで気がそれて気が巡り
リラックスすることができるのだとか。

おすすめの香りはかんきつ類だそうですが、
自分の好きな香りでいいそうですよ。

私はもともとかんきつ類の香りが好きなので
ハンドクリームの香りをかんきつ類にして
ちょっとでもイライラしたら香りをかいでいます。
これが効くのです。香りの効果ってすごいなあと実感!

また、どんな食事をとればいいのかや
日々の生活で変えたほうがいいこと、例えば「10分でも早く寝る」など
誰でも簡単に始められることが紹介されています。

そのほか、季節ごとや症状別の不調の整え方も収録されています。
今の時期なら「春はのびのび過ごすことが大切」なんだとか。

今年はなかなか「のびのび」過ごせないかもしれませんが、
自分の体や日々の生活に少しでも不安を感じている方は
『櫻井大典先生のゆるゆる漢方生活 - こころとからだに効く! -』
を読んでみてはいかがでしょう?

yukikotajima 9:32 am

『山内マリコの美術館は一人で行く派展』

2020年3月25日

今日ご紹介する本は、FMとやまでは『オッケイトーク』でおなじみの
富山出身の作家、山内マリコさんのアートエッセイです。

『山内マリコの美術館は一人で行く派展
ART COLUMN EXHIBITION 2013−2019』

山内さんご本人からコメントを頂きました!

***

グレース・リスナーのみなさん、こんにちは、山内マリコです。

この本は、アートを鑑賞するときに、感じたり考えたりしたことを、
遠慮なく好き勝手に書いた、大変バカ正直なエッセイとなっています。

普段美術館に行かない人や、アートをとっつきにくいと思っている人も、
きっと美術館に行ってみたくなるはず!

本のカバーは美術館のチラシっぽく、
カバーを取った状態は、美術館の図録っぽいデザインになっています。
画像やイラスト、わたしが作った素人アートなど、図版もたくさん!
本自体を展覧会に見立てた凝った作りなので、これはぜひ本屋さんで、
手にとって見てもらいたい……。けっこう自信作です!

***

こちらが本のカバー。

カバーを取った状態です。

山内さんと言えば、小説家でありながら
様々な雑誌でエッセイも書いていらっしゃいます。

このエッセイは、雑誌『TV Bros.』で連載されていたものまとめたもので、
もともと美術館めぐりが趣味だった山内さんが
自腹で美術館の企画展に行って感じたことを忖度なく書いています。

それも企画展を見た直後の、誰の意見も介さない、感じたてホヤホヤの思いを。

でも、決してテキトーなことを書いているわけではなく、
芸術家の人となりや時代背景もちゃんと説明してくれています。

だから、アートの知識はそれほど無いものの
美術館に行くのが好きな私にとっては、
大変わかりやすいアート入門書として楽しむことができました。

でも、その表現は話し言葉に近く
例えば、先週ご紹介した写真家の「ソール・ライター」のことは、
「コロッとした体型の、わりと親しみやすいタイプのおじいちゃん」と表現しています。(笑)

山内さんは、芸術家たちを尊敬しつつも一人の人間として見ているのですね。
そのため、芸術家もその作品もとても身近なものに思えてきます。

私は、紹介された中では
「長谷川町子美術館」に行ってみたいと思いました。

サザエさん関連の美術館かと思いきや、
実は、長谷川町子さんが個人的に蒐集した美術品を展示する美術館なんですって!
それも巨匠の名画がたくさんあるのだとか。
それを知り、逆に見に行ってみたくなりました。

そのほか富山の企画展も紹介されています。
(ラジオのことも少し紹介されています!)

良かった企画展や好みの作品は徹底的に褒めて
そうで無い時は「わからなかった」「物足りなかった」と言う。
その潔さも最高です。

また、彼女の亡き愛猫チチモをモチーフに制作した
彼女のオリジナルアートも掲載されており、そこにも彼女らしさを感じました。

今回のエッセイは、今までで一番のびのびと文章を書き、
彼女の好みや性格もよく出ているなあと思いました。

そう、このエッセイは、アートの入門書であると同時に
山内マリコという人間を知ることのできるエッセイでもあるのです。

ですからアートに興味がある方はもちろん、
アートはわからないけど山内マリコのファン!という方もぜひお読みください。

楽しみながら、でもアート知識も身につく読み応え満載の一冊です。

***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

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えほんやさんフェア
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馴染深いえほんのキャラクターたちが可愛いグッズになりました。

はらぺこあおむし、ノンタン、11ぴきのねこなど
数多くのキャラクターたちが勢ぞろいしています。

ぜひ愛らしいキャラクターたちの姿をご覧ください。

期間は3月末までです。


===============
ドン・ヒラノブックカバーフェア
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紀伊國屋書店富山店ではすっかりお馴染みの
ドン・ヒラノブックカバーのフェアを開催中です。

可愛いものから落ち着いたものまで様々なブックカバーがありますので、
きっとあなたのお気に入りのブックカバーが見つかるはず♪

なお、今回のフェアでは、商品売上金の一部が
東日本大震災によって被災した地域への学習支援金として寄付されます。

期間は4月30日までです。


<紀伊国屋書店富山店>

住所:  富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号: 076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00

HP: http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:31 am

ジュディ 虹の彼方に

2020年3月18日

昨日、映画『ジュディ 虹の彼方に』を見てきました。

『オズの魔法使』の主人公のドロシー役で知られる
ミュージカル女優ジュディ・ガーランドが、
47歳の若さで亡くなる半年前の1968年に行った
ロンドン公演の日々を描いた伝記映画です。

主人公のジュディを『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズでおなじみの
レネー・ゼルウィガーが演じ、アカデミー賞の主演女優賞を受賞しました。

ブリジット・ジョーンズでは、ぽっちゃり女子でしたが
今回は、がりがりに痩せていて、まったくの別人!
映画を見ているときは彼女が演じていることすら忘れているほどでした。

映画は、輝かしいスターではなく
仕事どころか住む家もない落ちぶれたジュディの姿が描かれています。

そんな彼女にロンドン公演の依頼が舞い込み、彼女は連日ステージに立つことに。
しかし、ライブ直前になって出ることが怖くなってしまうのです。
とはいえ、やはりスーパースター。
一度ステージに立つと、一瞬でスターの輝きを放ちます。

彼女は少女の頃から、ダイエットや睡眠不足解消のために薬を飲まされ続けます。
その薬が原因で不眠や神経症に悩まされています。
とにかくボロボロなのです。

『ジュディ』は、彼女が亡くなる直前におこなったロンドン公演の日々が描かれた映画です。

歌はレネーが実際に歌っているのですが、大変素晴らしい歌声です。
私はあるライブシーンで涙がじゅわっとあふれてきました。
それは映画にではなく、ジュディのライブに感動しての涙です。
いい映画でした。

今度久しぶりに映画『オズの魔法使』も見てみようかな。

◎映画『ジュディ 虹の彼方に』の公式サイトは コチラ

yukikotajima 12:17 pm

ソール・ライター

先日、家にいながらアートを堪能しました。
私は美術館に行って作品を鑑賞することが好きですが、
家で図録を好きだなけ眺める時間もいいものですね。

今日ご紹介する本は、紀伊國屋書店富山店の芸術書担当、
冨樫尚美(とがし・なおみ)さんのオススメ本です。

『ソール・ライターのすべて』
『永遠のソール・ライター』

いずれも写真集です。

まずは、冨樫さんの推薦コメントです。

***

ニューヨークが生んだ伝説の写真家ソール・ライターは
2017年日本で初めて回顧展が開催され反響を呼びました。

そして、2020年『永遠のソール・ライター展』の開催と同時に
新たに写真集が出版されました。

映画のワンシーンのようなその表現は誰しもが魅了されるはずです。
彼が愛した空気と時間を写真集で共有してみてはいかがでしょうか

***

ソール・ライターは、
『ハーパーズ・バザー』『ヴォーグ』など
多くのファッション誌で活躍した写真家で、
カラー写真のパイオニアとも言われています。
1923年に生まれ、2013年に亡くなっています。

冨樫さんもおっしゃっている通り、
日本では、2017年に初めて回顧展が開催され話題となりました。

そして、「永遠のソール・ライター」展が今月上旬まで開催予定でしたが、
残念ながらコロナの影響で途中で中止となりました。

今日ご紹介するのは、回顧展の公式図録でもある写真集です。

ライターの写真は、きっと富山の皆さんの心に響くと思います。
というのも、雨や雪の写真が多いのです。
雨や雪というと、どんよりとしている印象をいだきがちですが、
ライターの写真は違います。

例えば、2017年の写真集『ソール・ライターのすべて』の表紙の写真は、
雪景色の中の傘の赤が目を引くお洒落な一枚です。
しかも上から見下ろすように撮っているのが印象的です。

一方、最新の写真集『永遠のソール・ライター』の表紙の雨の写真は、
一見、印象派の絵画のようにも見えますが、
よく見ると雨に濡れた窓越しの写真であることがわかります。

雨に濡れて視界がはっきりしていないのだけれど、
窓の外には人がいて奥には黄色いタクシーが見えます。
また、窓の雨粒がとてもリアルな質感で、触ったら濡れそうなほどです。

実際、ライターは

「雨粒に包まれる窓のほうが、よっぽど有名人の写真よりも面白い」

と言っています。

ライターの写真は、車や建物のガラス越しや高い位置から撮っているため、
一体これは何だ?と思うようなものもあり、
写真を眺める時間が必然的に長くなります。
でも、何を撮った写真なのか気付いた時の喜びがもれなく味わえます。

写真集には、写真のほかライターの言葉も添えられています。

例えば、ライターの写真は自宅周辺で撮ったものが多いのですが、

「神秘的なことは馴染み深い場所で起こる。
なにも、世界の裏側まで行く必要はないのだ」

「重要なのは、どこで見たとか、何を見たかということではなく、
どのように見たかということだ」

とおっしゃっています。

ライターがどのように自宅周辺を見たのか、
気になる方は写真集をご覧ください。

なお、最新作の『永遠のソウル・ライター』には、
様々なポートレートや世界初公開となる作品も収録されており、
こちらも楽しく見ることができます。

そして、東京では途中で中止となったライターの回顧展ですが、
今のところ4月から京都の美術館「えき」KYOTOで開催される予定です。

***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

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えほんやさんフェア
=========

馴染深いえほんのキャラクターたちが可愛いグッズになりました。

はらぺこあおむしノンタン11ぴきのねこなど
数多くのキャラクターたちが勢ぞろいしています。

ぜひ愛らしいキャラクターたちの姿をご覧ください。

期間は3月末までです。


===============
ドン・ヒラノブックカバーフェア
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紀伊國屋書店富山店でお馴染みの
ドン・ヒラノブックカバーのフェアを開催中です。

可愛いものから落ち着いたものまで様々なブックカバーがありますので、
きっとあなたのお気に入りのブックカバーが見つかるはず♪

なお、今回のフェアでは、商品売上金の一部が
東日本大震災によって被災した地域への学習支援金として寄付されます。

期間は4月30日までです。


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:   076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:41 am

甘夏とオリオン

2020年3月11日

新型コロナウイルスの影響で
家で過ごすことが増えた方も多いと思いますが、
家でできることのひとつに読書があります。

普段あまり本を読まない方や
読みたいけれど読む時間が無いという方は
ぽっかり空いてしまった時間を
読書にあててみてはいかがでしょう?

今日は、大人の皆さんはもちろん
この春、新社会人になる方や
心に秘めた悩みがあり生きづらさを感じている方、
また、落語が大好きな方におすすめの本をご紹介します。

『甘夏とオリオン/増山実【角川書店】』

増山さんと言いますと、以前、『波の上のキネマ』をご紹介しました。
この本が大変面白くて、私は2018年のベスト本に選んだほどです。

◎『波の上のキネマ』の田島の感想は コチラ

新作『甘夏とオリオン』も大変楽しみにしておりました。
タイトルを見て、今回は恋愛小説かしら?と想像したのですが、全然違いました。

タイトルの「甘夏」は主人公の名前です。
大阪の下町に住む駆け出しの若い女性の落語家です。

彼女は、父の影響で自分の感情を表に出せなくなっていたのですが、
ある日、ひょんなことから寄席で落語を見て
落語家たちが語る噺の中の「突き抜けたアホたち」に夢中になります。

「噺家になったら心置きなくアホを演じられる」と思った彼女は、
大学を中退し、親の反対を押し切り、落語の世界に飛び込みます。

しかし、たった一度落語を見ただけで落語家になりたい!と思ったため、
最初の稽古では、師匠の言葉が外国語に聞こえたほどでした。

でも、そのおかげで落語に詳しくない私のような読者でも
甘夏と共に落語の基礎を学ぶことができました。

また、師匠をはじめ彼女の周りには素敵なことをおっしゃる方が多く、
私自身の心にも響きまくりでした。

例えば…

芸人というのは、下手だと思った相手は、自分と同じくらいの実力、
同じくらいと感じた場合は、自分より数段、上を行っている。
上手いと思ったら、手の届かないところにいるということだ。

という言葉。
甘夏が師匠から「うぬぼれるな」と叱られたときに言われた言葉です。

物語は、そんな甘夏の成長物語なのですが…
それだけではありません。

なんと、ある日、師匠が失踪してしまうのです!
どれだけ待っても師匠は帰ってきません。

そこで、師匠待つことを決めた甘夏と二人の兄弟子は、寄席を行うことを思いつきます。
その名も「師匠、死んじゃったかもしれない寄席」(笑)。
場所は、銭湯で、それも深夜に。

そして、深夜の銭湯には、様々な方が寄席を見に集まり…
という物語です。

この続きはぜひ本を読んでください。

***

甘夏は駆け出しの女性の落語家です。
駆け出しゆえの失敗もありますが、
女性が落語をすることの難しさも描かれます。

例えば、男性が言えば笑えることでも女性では笑えないこともあるのです。
そのため男性の何倍も努力が必要になります。

また、彼女自身、できない理由を「女性だから」と決めつけてしまうことも。
本当はただ未熟なだけなのに。

これにはドキリとしました。
私もこれまで同じことをしていなかっただろうか、と。

私は落語家ではないけれど「喋る」仕事という点では重なるところもあり、
アナウンサーになりたての頃に言われた様々なことを思い出しました。
そういう意味でも新年度を前にこの本に出合えてよかったです。

この時期に読むのにぴったりの一冊です。
あなたもこの本を読んで初心を思い出してみませんか?

それから、この本を読んだ後は、落語を見たくなり、
最近、ユーチューブの落語をよく見ています。
本当は生で見たいのですが…。
新型コロナウイルスが落ち着いたら、実際に寄席を見に行きたいな。

***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

============
八村塁選手文房具コーナー
============

アメリカプロバスケットボールリーグNBA、ウィザーズで大活躍中の
富山出身の八村塁選手の文房具コーナーです。

コーナーには八村選手の等身大パネルもありますので、
写真撮影もお楽しみください。

私も先日、撮ってきました♪
私が小さく見える〜。

コーナーは、3月中旬までです。


==========
ミニチュア楽器フェア
==========

手のひらサイズのミニチュア楽器を大展開中!

ヴァイオリン、トランペット、ギター、ドラムといったお馴染みの楽器から
ちょっとマニアックなものまで様々なミニチュア楽器が勢ぞろいしています。
音楽好きな方へのプレゼントにも最適です。

3月15日(日)までの開催です。

※ほかにも様々なフェアを開催中です。詳しくは店頭で♪


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:   076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:56 am

ひみつのしつもん

2020年3月4日

今の時代、パスワードを入力することとが多いですが、
あなたはすべてのサイトのパスワードを覚えていますか?

時には忘れてしまうこともあると思います。
そんな時に役立つのが「秘密の質問」。

出生地は?母親の旧姓は?好きな食べ物は?ペットの名前は?
など様々な質問があります。

あなたは、どんな質問&答えを設定していますか?

今日ご紹介する本は、こちら。

『ひみつのしつもん/岸本佐知子【筑摩書房】』


著者の岸本さんは人気翻訳家で、
この本は、20年近く続いているPR誌「ちくま」の
名物連載「ネにもつタイプ」をまとめたエッセイ集です。

この連載から、これまで2冊の本が出ており、今回は7年ぶり3冊目だそうです。

装丁とイラストは、これまで同様、
作家の吉田篤弘さんと吉田浩美さんによるユニット、
クラフト・エヴィング商會が担当しています。

このイラストが、思わずプッと笑ってしまうようなユーモアあふれるもので、
のほほんとした、ゆる〜い雰囲気を醸し出しています。

そして、こちらの本は、紀伊國屋書店富山店の
藤井翔子(ふじい・しょうこ)さんオススメの本です。

藤井さんのオススメコメントです。

翻訳家である岸本佐知子さんの想像力と言うより妄想力が爆発したエッセイです。
帯文の奇想天外、抱腹絶倒の看板に偽りなし。
本当に面白くて、笑いながら夢中で読んでしまいました。
本書は3巻目にあたるのですが、この巻から読んで頂いて、差し支えありません。
読み終わればきっと既刊も読んでみたくなるはず。
不思議で愉快なキシモトワールドを是非味わってみてください。

私もこの本を読んでみましたが、岸本さんの、妄想力がとにかくすごいのです。

例えば、歌舞伎を見に行ったときに
外国人の若い男性二人が客席にいたのを見かけた岸本さんは、
彼らがちゃんと作品を理解しているのか気になり、
もし自分が翻訳して彼らに説明するなら…と
頭の中で勝手に妄想しているうちに、
歌舞伎に集中できなくなってしまったのだとか。

また、身体を動かしたり、外出したりするのが苦手で、
頭の中であれこれ妄想しては、勝手に落ち込んだり喜んだりしています。

かと思えば、たまに外に出ると、
会う人すべてが面白く、はしゃぎすぎて失敗してしまうそうです。

そんな岸本さんの妄想や失敗談多めのエッセイです。(笑)

ソファにだらりと座ってゆったり読むのにぴったりな一冊です。

新型コロナウィルスの影響で外出を控えている方も多いと思います。
そんな方は、岸本さんのようにあれこれ妄想を楽しんでみるのもいいかも。
また、そのまま文字に起こしてみたら、素敵な物語がうまれるかもしれませんよ〜。

その前に、まずはこちらのエッセイ『ひみつのしつもん』を読んでみてください。

ところで、タイトルにもなっている
岸本さんの「ひみつのしつもん」エピソードは、
「子どものころの親友の名前は?」という質問に対して
親友の名前を入力したものの、名前を入れるたびエラーが出て、
私の親友はいったい誰だったの?というものです。

果たして彼女は答えにたどりつけるのでしょうか?
その答えは、この本に必ず載っていますので安心してお読みください。(笑)


***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

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八村塁選手文房具コーナー
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アメリカプロバスケットボールリーグNBA、ウィザーズで大活躍中の
富山出身の八村塁選手の文房具コーナーです。

コーナーには八村選手の等身大パネルもありますので、
写真撮影もお楽しみください。

コーナーは、3月中旬までです。


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ミニチュア楽器フェア
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手のひらサイズのミニチュア楽器を大展開中!

ヴァイオリン、トランペット、ギター、ドラムといったお馴染みの楽器から
ちょっとマニアックなものまで様々なミニチュア楽器が勢ぞろいしています。
音楽好きな方へのプレゼントにも最適です。

3月15日(日)までの開催です。

※ほかにも様々なフェアを開催中です!詳しくは店頭で♪


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:   076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:57 am

御社のチャラ男

2020年2月26日

あなたの職場に「チャラ男」はいますか?

今日ご紹介する本は、『御社のチャラ男/絲山秋子(講談社)』です

この本に登場するチャラ男は、とある食品会社で働く44歳の三芳部長です。

物語は、三芳部長と同じ職場のメンバーや奥様など
彼をとりまく方たちが次々に登場し、
彼について語るスタイルで進んでいきます。

人によって三芳部長の印象は様々ですが、
共通しているのは「チャラ男」という認識です。

例えば、
・この人の話すことはコピペ。雑誌やネットの受け売りで自分が無い。
・自分の言葉と妄想に酔っている
など、社内での評価はあまりよくありません。

もし自分と同じ職場に三芳部長のようなチャラ男がいたら
私はできれば一緒に仕事をしたくないかなあ。

でも、いいところもあり、
年上女性からは「ダメダメな割に憎めない」とも言われています。
フレンドリーなのは彼のいい部分です。

この物語にはチャラ男自身の語りもあるのですが、
それを読む限りでは、確かに悪い人ではないような気が。

そして気付かされます。
人の噂って怖いなあと。
みんなが「あの人はね…」と噂すれば、
その人のことを良く知らなくても
噂だけで印象が決まってしまうのです!

そう、この本は噂話で成り立っているのです。

この本を読みながら、私はこの食品会社の社員の一人として
次々に様々な社員とチャラ男の噂をしている気分でした。

また、様々な人が登場しますので、
自分の感覚や状況に近い人もいれば、全くタイプの異なる人もいます。
そういった自分とは違う考えに触れることができるのも本ならではです。

人の本音はなかなかわかりにくいものですが、
小説の場合、堂々と頭の中を覗けるのが最高です!

タイトルに「チャラ男」とありますので、
物語もチャラいのでは?と思われそうですが、そんなことはありません。

最初は、社員の皆さんのチャラ男の愚痴物語かなと思ったものの、
徐々にチャラ男の存在感は薄くなっていき(というか慣れていき)、
登場人物それぞれの物語の印象が強くなっていきます。
そして、最後は予想もしていなかった結末が待っていました。
大変面白かったです!

それから、富山がお好きな絲山さんらしく富山の話題も出てきますので、
富山の皆さんはニヤニヤしながら楽しめると思います。

***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

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本物そっくり!ミニチュア楽器フェア
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ひとつひとつ丁寧に作られたミニチュア楽器のフェアです。
種類もサイズも豊富です。
インテリアやプレゼントにもおすすめ。

店内中央イベントコーナーで開催中!

◎フェアの詳細は コチラ


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専門料理書フェア
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プロの方向けの専門書から
一般の方にも役に立つレシピや料理エッセイ、辞典まで
様々な専門料理書が勢ぞろいしています。

和・洋・中の様々な専門料理書を豊富な種類で展開中!

場所は、実用書売場です。

<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:   076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00
店休日:  2月26日(水)

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:43 am

気まぐれな朗読会2020

2020年2月25日

2月22日(土)は「気まぐれな朗読会2020」でした。
お越しくださった皆さま、ありがとうございました。

気まぐれな朗読会は、
気ままプランの廣川奈美子さんと
graceの私、田島でお届けしている朗読会で、
今回で4回目の開催でした。

去年の朗読会の模様は コチラ

***

今回も三部構成でした。

一部は、高志の国文学館の新元号「令和」記念コーナー
で紹介されたガイドペーパーを美しい映像とともにご紹介しました。


二部は、「せつない星座物語」と題して
『せつない星座図鑑(三才ブックス)』をベースに
星座と神話の物語を朗読。

え?田島どしたの?なんて言わないで。笑

「愛と美の女神アフロディーテ」です。笑

アフロディーテ役の田島がそれぞれの星座物語を読み、
その横では、気まぐれな朗読会ではすっかりおなじみの
富山で俳優をなさっている室田勝さんが、
ゼウスをはじめ、さまざまな神様を演じました。

こちらは、ゼウスとアフロディーテ。
だから、田島どした・・・?と言わないで。笑

そして、廣川さんは占い師役として登場し、
今年の運勢を紹介しました。

ちなみに、占いは開運セラピストはるさんが
この朗読会のために占ってくださいましたので、本物です!


三部は、私と廣川さんがそれぞれ一人で作品を読みました。

まず、私が『狐物語/林芙美子』を朗読。

演出の広田郁世さんがとてもキュートな人形を作ってくださり、
まるで人形劇のようなスタイルとなりました。

こちらは、牛の赤兵衛と狐の六兵衛が会話をしているところです。

ああ、かわいい♪


廣川さんは『高野聖/泉鏡花』を朗読しました。

怖さと妖しさが入り混じった廣川さんの朗読に
会場の皆さんが真剣に耳を傾けているのがわかりました。

***

そして、今回も演出の広田さんをはじめ、
大勢のスタッフの皆さまにお世話になりました。

今回初めて朗読会にいらっしゃった方が
「映像や人形も出てくるなど、あんなに凝っているとは思わなかった。
また、来年も来ます」
とおっしゃっていて、とても嬉しかったです!

そうなのです。
この朗読会はスタッフの皆さんのおかげで
あれだけのことができているのですよー。

あらためて、お越しくださった皆さん、お世話になった皆さん、
本当にありがとうございました。

残念ながら来られなかったという方も
FMとやまでは来月、3部のみ特別番組として放送しますので、
ぜひお聞きください。

特別番組『気まぐれな朗読会2020』

オンエアー:3月22日(日)18時〜

yukikotajima 5:59 pm

「キノベス!」、「ノースライト」

2020年2月19日

今日の本紹介は、キノコレです。
紀伊國屋書店富山店の書店員オススメの本をご紹介します。

今日ご紹介するのは、「キノベス!」です。

「キノベス!」は過去1年間に出版された新刊を対象に、
紀伊國屋書店で働く全スタッフから公募した推薦コメントをもとに
選考委員の投票で決まった全力でおすすめするベスト30のことです。

面白いのは、スタッフの皆さんのコメントによって順位が決まっているということ。
人気作品ではなく、どれだけ熱い推薦コメントなのかどうかが大事なのです。

ですから「キノベス!」の冊子には、
スタッフの皆さんのコメントがもれなく載っています。
かなり熱いです!
この冊子を読んでいるだけでも楽しい気分になってきます。

それでは、今年の「キノベス!」の結果を発表しましょう。

第1位『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー/ブレイディ みかこ』

こちらは、私、田島も去年1位に選んだ作品です。

◎田島の感想は コチラ

書店員の皆さんのコメントは…

・「あいつの事嫌いだったけど、話してみたら意外と良いヤツだった」
という事が子供にも大人にも起こるのが人生ってやつなんだよ、
と教えてもらった気持ちです。

・凝り固まった思考を柔らかくほぐすように、私のスイッチを回してくれた一冊です。

私も大いに共感!


第2位『むかしむかしあるところに、死体がありました。
/青柳碧人(あおやぎ・あいと)』

こちらも去年、ラジオでご紹介しています。

◎田島の感想は コチラ

こちらは富山店の北村菖(あやめ)さんの推薦コメントが選ばれています。

タイトルと表紙からとても気になる一冊。
昔話の非現実さがありながら、
アリバイや殺害方法はしっかり辻褄が合い、読み応えのあるミステリー。
短編で読みやすいので、あまり本を読まない人にもおすすめ。


第3位『ノースライト/横山秀夫』


「半落ち」や「クライマーズ・ハイ」でおなじみの
横山秀夫さんの長編ミステリーです。
私は未読だったので、今回読んでみました。

面白かったです!
400ページ以上ある長編なのですが、
夢中で一気に読んでしまいました。

主人公は、一級建築士の男性です。
「あなた自身が住みたい家を建てて下さい」
という依頼で建てた家に誰も住んでいないどころか、
そもそも引っ越しをしていないことがわかります。
依頼者との連絡も取れないまま。
一体この家族はどこに消えてしまったのか。

唯一の手掛かりは、その新築の家に残された一脚の古い椅子。

ドイツの建築家、ブルーノ・タウトの椅子ではないか?
と思った彼は、依頼者の行方を探しながら、タウトの椅子についても調べ始めます。

主人公が謎を追う物語かと思いきや、それだけの物語ではありませんでした。
人が人を思うあたたかな人間ドラマでした。

紀伊國屋書店のスタッフの皆さんのコメントも熱いです。

・焦げるような熱さをともなう、生きた人間たちの物語

・こんな小説が読めるなら、何年何十年だって待ちます。


今日は、「キノベス!」の1位〜3位までをご紹介しましたが、
4位以下は、「キノベス!」の公式サイトでご確認ください。

◎『キノベス!』の公式サイトは コチラ

また、店頭には無料の特別小冊子がありますので、ぜひお手に取ってみてください。



***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

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本物そっくり!ミニチュア楽器フェア
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ひとつひとつ丁寧に作られたミニチュア楽器のフェアです。

種類もサイズも豊富です。
インテリアやプレゼントにもおすすめ♪

店内中央イベントコーナーで
今度の土曜日、22日からスタートします。

◎フェアの詳細は コチラ


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:   076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00
店休日:  2月26日(水)

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 11:13 am

タイガー理髪店心中

2020年2月12日

2月22日の気まぐれな朗読会まであと10日となりました。

気まぐれな朗読会は、
気ままプランパーソナリティの廣川奈美子さんと
graceの私、田島悠紀子でお届けする朗読会です。

◎気まぐれな朗読会の詳細は コチラ

3部構成で1部は、「令和」の出典『万葉集』を
2部は、ゲストをお迎えして楽しくお届けします。内容はヒミツ!
3部は、廣川さんと私がそれぞれ作品を朗読します。

私が3部で朗読するのは、林芙美子さんの『狐物語』です。

今日のユキコレでご紹介する本は、
林芙美子さんの本ではなく、
林芙美子文学賞を受賞した作品です。

紀伊國屋書店で本を探している時、
本の帯に書かれた「林芙美子文学賞受賞作」を見て、
「読みたい!」と思ってしまったのでした。

その本はこちら。

『タイガー理髪店心中/小暮夕紀子 (朝日新聞出版)』


林芙美子文学賞の選考委員の
井上荒野さん、角田光代さん、川上未映子さんに
絶賛されての受賞だったそうです。

こちらには2つの作品が収録されています。

まず、表題の「タイガー理髪店心中」

こちらは、寂れた町で「タイガー理髪店」を営む老夫婦の物語です。

理髪店にお客様がやってくることは稀で、
理髪師の夫はほぼ毎日、お店の前の椅子に座って町の様子を眺める日々です。

最近、妻が忘れっぽくなったと思っていたら
ある日、発作的に豹変してしまいます。
そんな様子に夫は戸惑います。

のんびりとした雰囲気から一転、後半は緊張感が漂います。
ぜひドキドキしながら本のページをめくってみてください。


もう一つの作品は、「残暑のゆくえ」です。

こちらは、小さな食堂を営む70代の女性のお話です。
彼女の趣味は、幼いころに亡くなった母のことを毎日思い出すこと。

なぜ母はあの日あんなことを言ったのか。
母はあの時、どんな気持ちだったのか。
毎日様々な想像をしては、喜んだり落ち込んだり。

そして、ある日、彼女は過去に母と住んでいた町に行ってみることにします。

こちらのお話もどこかのんびりとしつつも緊張感が漂っています。

いずれも短い作品ですが、あっという間に作品世界に引き込まれます。
そして、絵が見え、音がし、臭いも漂ってきます。

本を読んでいると「私、今、本の中にいる」と思うことがあるのですが、
この本もまさにそうでした。

いずれも短編ですが、読みごたえがありました。


そして2編とも年老いた人々のお話のため「戦争」が出てきました。

令和という新しい時代になり、
これから先、どんどん戦争を知る世代が少なくなっていきます。

戦争がずっと昔の過去の出来事のように思えるけれど、
でも、実はまだずっと苦しんでいる方もいるのですよね。

戦争が人々の心にどんな影響を与えたのか。
この本を読んで胸が締め付けられました。

また、戦争だけでなく、
人には何歳になっても忘れられないことがあるものだなと。

嬉しいことはもちろん、嫌なことや辛いことも。
人から受けた嫌な出来事も。
自分がしてしまったひどいことも。

色々な思いを抱えながら生きていくものなのですよね。

でも、年を重ねることで、
過去には気付けなかったことに
やっと気づいたり理解できたりすることもあります。

長い時間がかかってようやくわかったこと。
あなたにはありますか?

色々なことを考えさせられた2作品でした。
読んで良かった!

***

<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

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別冊太陽フェア
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美しいビジュアルを豊富な資料とともに、
一冊ごとに一つのテーマを深く掘り下げて紹介している
「別冊太陽」のフェアです。

店内中央イベントコーナーで開催中!

◎詳細は コチラ


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専門料理書フェア
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プロの方向けの専門書から
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場所は、実用書売場です。


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電話番号:   076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00
店休日:  2月26日(水)

HP:   http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/

yukikotajima 12:21 pm

島を救ったキッチン

2020年2月5日

この冬はなかなか雪が降らず、今日からやっと冬らしいお天気になりそうですが、
それでも冬がこれだけ暖かいということは
この夏はかなり暑くなるのではないか、と心配になります。

また、台風による被害も出ませんように!と願わずにはいられません。

日本では毎年、各地で台風の被害が出ていますが、
日本だけではなく、今、世界各地で様々な自然災害が起きています。

その中の一つ、カリブ海の島・アメリカ領のプエルトリコは、
2017年9月に史上最大級のハリケーン「マリア」で壊滅的な被害を受けました。

今日ご紹介する本は、いち早く被災地に駆けつけた人気シェフ、
ホセ・アンドレスの災害支援日記です。

『島を救ったキッチン
シェフの災害支援日記 in ハリケーン被災地・プエルトリコ
/ホセ・アンドレス、リチャード・ウルフ
訳:御舩(みふね)由美子【双葉社】』


こちらは、紀伊国屋書店富山店奥野晃英さんのオススメ本です。

まずは、奥野さんの推薦文をご紹介しましょう。

***

2017年、超巨大ハリケーンで壊滅的被害を受けたアメリカ領・プエルトリコ。

−たくさんの人を食べさせること

その言葉を胸に、島民たちが餓えと渇きに苦しむ中で
自ら料理を作りながら、被災地で人命に直結する
「食糧支援網」構築に乗り出した著者が記した災害支援体験記です。

日本でも、神戸、東北の大震災、
昨年の大規模な台風を始めとして
各地でたくさんの自然災害が発生しています。

国は違えども心の何処かで共感し、
もしもの時に「何かできるんじゃないか?」
という勇気を与えてくれる1冊です。

***

シェフのホセ・アンドレスは、アメリカでは超有名人です。
何軒もの高級レストランを経営し、メディアにも登場。
去年はノーベル平和賞にもノミネートされました。

そんな人気シェフのアンドレスは、
2017年、ハリケーン被災地のプエルトリコで様々な問題を解決しながら、
冷たい非常食ではなく「温かい、人の作った食事」をふるまい続け、
最終的には約300万食を支援したのだとか。

災害時に優先すべきは、水と食料。
しかも食事は栄養のある温かいものを提供することをモットーに。

また、地元の経済を活性化するために
食材などは地元の業者から仕入れるようにしていたのだそうです。

彼のもとへはシェフたち協力者が集まってきました。
彼らは「シェフス・フォー・プエルトリコ
(プエルトリコのために立ちあがったシェフたち)」
というグループ名をつけ、SNSでその活動を投稿しました。

実際、支援活動の中で一番大変だったのは、料理を被災者に届けること。
料理を運ぶ人や車が必要なのはもちろん、
現地のラジオ番組での発信も役に立ったようです。

そもそもアンドレスが食糧支援を行うようになったのは、
ハリケーン・マリアが襲来する7年前のこと。
同じカリブ海の別の島、ハイチを襲った大地震がきっかけだったそうです。

最初は、現地の人が普段食べる味付けと違うものを出してしまう
などの失敗もあったのだとか。
例えば、日本に当てはめるなら、食べたことのない海外の味付けのスープよりも
きっとお味噌汁が喜ばれますよね。

アンドレスは、ハイチで学んだことをプエルトリコで生かします。

でも、すべてがスムーズにいったわけではなく、問題は山積みでした。

例えば、誰よりも早く行動に移していたアンドレスに対し、
行政や現地で支援活動を行っていた大きな団体は会議に時間を費やしてばかりで、
協力を要請してもなかなか受け入れてもらえなかったのだとか。

このことをアンドレスは「人災」だと言っています。

被災地には大勢のボランティアがいる一方で、
コネや前例にしばられるお偉いさんたちもいました。

この災害支援日記は約400ページあります。
アンドレスがいかにしてプエルトリコを支援していったのかが事細かに綴られています。
同時に災害時のことも学べます。特に「支援」について。

この本を読んで本当に良かった!
皆さんも是非読んでみてください。



<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>

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別冊太陽フェア
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美しいビジュアルを豊富な資料とともに、
一冊ごとに一つのテーマを深く掘り下げて紹介している
「別冊太陽」のフェアです。

店内中央イベントコーナーで開催中!

◎詳細は コチラ


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キノベス2020!
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「キノベス」は、紀伊國屋書店のスタッフが全力でおすすめするベスト30です。

無料の特別小冊子もありますので、ぜひご覧ください。

店内中央イベントコーナーで開催中!

◎詳細は コチラ


<紀伊国屋書店富山店>

住所:   富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号:   076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00
店休日:  2月26日(水)

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yukikotajima 12:17 pm