2026年4月22日
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『明日、あたらしい歌をうたう』
これまでの人生で辛いと感じた時、あなたは何に救われてきましたか。
私の場合は小説が多いかな。他にも人から言われた言葉や映画など、その時々で色々なものに救われてきました。
普段からラジオをお聞きの方なら、これに救われたという方も多いのでは。「音楽」に。今日は、そんな音楽によって救われた人たちの物語をご紹介します。
『明日、あたらしい歌をうたう』
角田光代
水鈴社(すいりんしゃ)
水鈴社は2020年に創業した新しい出版社ですが、今年の本屋大賞のノミネート10作品のうち2作品が水鈴社という今注目の出版社です。
ちなみにその2作品は、瀬尾まいこさんの『ありか』と夏川草介さんの『エピクロスの処方箋』です。どちらも「ゆきれぽ」で紹介していますし、私のお気に入りの本でもあります。
今日ご紹介するのは、そんな話題の出版社、水鈴社の創立6周年記念作品です。6周年、おめでとうございます!
✳︎
物語は、母「くすか」と息子「あらた」の親子2人の視点で進んでいきます。
まずは息子の物語から始まります。母と2人暮らしのあらたは、キッチンカウンターに飾られている男性の写真を父と聞いて育ちます。中学生になったあらたは、その男性がカリスマミュージシャンであることを知り、父かもしれない人の曲を聞いてみることにします。その後、友人からバンドに誘われたあらたはギターを習い始めます。そして、今までに無い感覚を味わいます。
続く母くすかの物語は、子どもの頃までさかのぼって描かれます。家でも学校でもひとりぼっちの彼女は、もしかしたら自分はだれにも見えないのかもしれないと思っています。そんなある日、偶然耳にした曲に彼女は救われます。
物語は、息子と母親の話が交互に描かれていきます。200ページと短めですが、それぞれの視点でじっくり描かれるからこそ物語に深みが感じられ、しっかりと読み応えのある一冊となっています。また最後がいいのです。読み終わった後、本を閉じ、表紙を目にした時、カラフルな花のイラストがより鮮やかに輝いて見えました。
大人の皆さんはもちろん、あらたのような若い皆さんにもオススメです。もしかしたら、この本があなたの世界を変えてくれるかもしれませんよ。私も10代の頃にこの本に出合いたかったですもの。
一方、大人の皆さんは、これまでを振り返るいいきっかけになると思います。私は最近嫌だなと思うことが続いていたのですが、この本を読んで、これまでも様々なものに救われ、立ち直ってきたことを思い出すことができ、自暴自棄にならずに済みました。(笑)今この本を読めて本当に良かったです。
ところで、この物語には、とあるアーティストの歌詞がたくさん出てきます。具体的な名前は書かれていませんが、実在する曲の歌詞です。どうやら角田さんのお好きなアーティストの曲のようですよ。本に出てくる曲を聴きながら読むのもオススメです。
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プロフィール
田島 悠紀子
Tajima Yukiko
7月13日生まれ。群馬県出身。
B型。 -
担当番組
・富山ダイハツ オッケイウィークエンド
(毎週土曜 11:00~11:55)・ヨリミチトソラ
(毎週水曜・木曜 16:20~19:00) -
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