ブログトップページはコチラ

21 本『インビクタス』

2010年4月12日

2月に公開された映画『インビクタス 負けざる者たち』の原作本、
『インビクタス 負けざる者たち/ジョン・カーリン著、八坂(やさか)ありさ訳』
を読みました。
inbikutasu.jpg

◎映画の感想は、2010年2月10日のブログを読んでね!

公開直後買ったまま、ずっと読めずにいたのですが、
やっと昨日、読みました!

映画を見て、ストーリーは知っているにも関わらず、涙。

映画も原作本もノンフィクションです。
そして、原作本は、「小説」では、ありません。
著者のジョン・カーリンが、関係者にインタビューして書き上げたものです。

内容をご紹介しましょう。

黒人初の大統領になった「ネルソン・マンデラ」の27年間の獄中生活から、
解放後、1995年に南アで行われたラグビーW杯が行われるまでが描かれています。

なぜ、ラグビーW杯なのか?
マンデラは、白人と黒人がひとつになるきっかけを「ラグビーの試合」と考えたのですね。

ちなみに、南アの「ラグビー」は、
白人のスポーツで、黒人にとっては、アパルトヘイトの象徴でしかなかったのです。

果たして、試合に黒人たちがかけつけ、黒人と白人はひとつになれたのか、
については、本を読んでみてください。
実際に、本には、その過程が、鮮やかに書かれています。

ところで、この本を読んでいると、
マンデラのことをよく思っていない人たちが、
次々に、マンデラに惹かれ、協力していく様子が何度も登場します。

終身刑の判決を受けたマンデラが、
獄中、看守や司法大臣までも味方につけ、
解放され、一国の大統領にまでなれたのには、理由があります。

それは、マンデラが、相手を許し、尊敬する気持ちを忘れなかったから。

政治犯として、27年間、獄中生活をする中で、
彼自身、とても大切なことに気付きます。
それは「人と話をするとき、頭に訴えるのではなく、心に訴えること」。

自分のことを嫌う人の心を開かせるため、
その人の好きなものを調べ、勉強し、会話の中に取り入れたこともありました。

大切なのは、まずは相手を知ることだと思ったマンデラは、
南アの白人「アフリカーナー」の母国語「アフリカーンス語」や歴史を勉強。
投獄中は、独学のアフリカーンス語が通じるかどうか、アフリカーナーの看守に試したり、
アフリカーナーを至近距離で観察できるいい機会と捉えたりしていたのです。
実際、看守とも仲良くなります。

国民の心を動かすためには、
まずは、近くにいる1人、1人の心を動かすことが出来なければダメだと、思ったのですね。

地球上の歴史を見てみても、
力ずくで手に入れた勝利は、やはり、また力ずくで奪い返されます。

人の心を動かすものは「憎しみ」では無い、ということに、
マンデラは気付いたのです。

「ゆるす」ことは、本当に難しいことです。

でも、今、この地球上に必要なことは、マンデラの教えなのではないかな、と思うのです。

新年度になったばかりです。
この春から、気持ちを新たに頑張っていきたいと思った方もいらっしゃると思います。
マンデラの考え方は、そんな前向きに頑張るあなたの心をより奮い立たせるものだと思うのです。
というか、マンデラの考え方を知らずに生きることはもったいないと思う!

是非、読んでみてください!

できれば、上に立つ人たちには、全員に読んでらいたい。

yukikotajima 10:34 am