ゆきれぽ

2026年6月24日

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『青のナースシューズ』

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今日ご紹介するのは、看護師を目指す大学生の物語です。

ちなみに、主人公は男子大学生です。私が「男子」と明かさなければ、女子大学生の物語だと思った方もいるのでは。

『青のナースシューズ』
藤岡陽子(ふじおか・ようこ)
株式会社KADOKAWA

藤岡さんと言うと、以前「ゆきれぽ」で『リラの花咲くけものみち』をご紹介しました。北海道の大学で獣医師を目指す女性の物語で、2023年に読んで面白かった本の一冊に選んだのですが、覚えてますか。この作品は、2024年に吉川英治文学新人賞を受賞し、その後NHKでドラマ化もされるなど大きな話題となりました。8月にはドラマのシーズン2が放送されるそうですよ。楽しみ!

◎私のブログは コチラ

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『青のナースシューズ』の主人公は、看護師を目指す男子大学生の「成道(なるみち)」です。

物語は、成道が看護大学に入学したところから始まります。男子が少ないことは覚悟していた成道でしたが、40人クラスに男子はたったの5人で、先生からは、男子はただでさえ目立つから、それを自覚して行動するように言われ、正直不安になるものの、それでも成道は必死に頑張ります。

実際、成道はよくやっています。看護の勉強だけでも大変なのに、家に帰ればシングルマザーで働き詰めの母に代わって家事をし、さらに車椅子の弟の面倒も見ているのです。そう、彼はヤングケアラーなのです。

なんで成道はこんなに頑張るの?そもそもどうして看護師になりたいと思ったの?と思った方もいるのでは。そんな方はぜひ本を開いてみてください。

ところで、男子学生たちは「どうして看護師になりたいと思ったの?」とよく訊かれるそうです。それも答えるのが面倒になるくらい何度も。でも実際、男性看護師の数はいまだ全体の一割に届かないそうなので、訊きたくなる人の気持ちもわからなくもないのですが。また、著者の藤岡さん自身、その答えを知りたくて、この小説を書きたいと思われたのだとか。

ちなみに、藤岡さんは現役の看護師さんで、この小説を書くにあたって当事者の皆さんに取材を重ねたそうです。だからこそのリアルな空気感がありました。また、物語には素敵な先輩看護師さんたちが登場するのですが、彼らの言動には看護師としての藤岡さん自身の気持ちも混ざっているのかもしれないなと思いました。だって先輩たちのまなざしが厳しいながらも温かいのですもの。また、その先輩看護師さんたちの言葉が心を打つのです。看護師に限らず仕事をする上で大切なことが、この作品には詰まっていました。本当にいい一冊でした。いい涙もたくさん流しました。また、私も頑張ろうと思いました。というのも、この物語で頑張っているのは成道だけではなく、他の登場人物たちもそれぞれ、もがきながらも頑張っているのです。そんな彼らに刺激を受けました。

ちょうど昨日から「男女共同参画週間」がはじまりました。男女共同参画社会は「男性も女性も、意欲に応じて、あらゆる分野で活躍できる社会」のことだそうです。今年のキャッチフレーズは「あなたらしさが、社会のチカラ」です。今日ご紹介した『青のナースシューズ』は、小説として面白いのはもちろん、そんな男女共同参画社会を考えるのにもぴったりな一冊です。ぜひこの機会にお読みいただけたらと思います。

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