ゆきれぽ

2025年9月24日

  • #本

『「まぁ、いっか。」と心がラクになる東洋哲学』

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ようやく暑さもおさまって過ごしやすくなりましたが、気分的には不快感が継続中という方もいるかもしれません。イライラしたり、落ち込んだり、不安になったりしていませんか。

そんな方はこの本を読んでみてはいかがでしょう。

『「まぁ、いっか。」と心がラクになる東洋哲学』
富増章成(とます・あきなり)
三笠書房《王様文庫》

最初は哲学の本なんて難しそうかなと思ったのですが、タイトルが「まぁ、いっか。」から始まっていたのと、帯に書かれた「生きづらさがスーッと消えていく心の漢方薬」という一文に惹かれ、読んでみることにしました。それこそ「まぁ、いっか」と思って。(笑)

著者の富増さんは、大手予備校の「倫理」「現代社会」「日本史」の講師で、哲学や歴史のわかりにくい部分を身近な視点で解きほぐすことに定評があるそうです。実際この本もとてもわかりやすかったです。

さて、この本は、中国、インド、日本の東洋哲学が順に紹介されています。

まずは中国の孔子の『論語』から始まります。でも、いきなり論語から?ついていけるかしら?と早速不安を感じてしまったのですが、そんな私の心を読んだかのように、孔子からするどい一言を言われてしまいました。

「つべこべ言わずにとにかくやれや」

思わず本に向かって「はいっ!」と返事をしてしまいました。だって、怖い顔をした孔子(イラスト)が私に向かって指をさしながらそう言うのですもの。(笑)ちなみに、このちょっととぼけたタッチのイラストが本をより面白くしています。

富増さんによると、東洋の哲学は実践的で効果が出やすいのだとか。また、自分の気に入った思想から、ヒントを得ればいいそうです。

私は、老子の言葉が心に響きました。

「軽く受け流す」

反発するのではなく、受け流す。これ、私もだけど、今の時代に必要なことではないかなと思いました。

また、人生訓の宝庫と言われる淮南子(えなんじ)も響いたというか、ぐさりと刺さりました。

「勉強する暇がないという人は、暇ができたって勉強しないものだ」

反省…。何事もやるなら「今」なんですよね。

ちなみに、インドの龍樹(りゅうじゅ)によると、「すべての悩みは、存在しない」そうです。「悩みは勘違い」なんですって。わーお!それってどういうこと?と思われた方は、本を読んでご確認ください。

さて、この本では中国、インドだけでなく、日本独自の思想や哲学についても書かれています。その中の一つに「言霊思想」があります。よい言葉は吉事を招くそうですよ。そんなの知ってるよ!と思ったかもしれませんが、実際あなたは「よい言葉」を使えていますか?

✳︎

今何かしらの悩みを抱えている方は、この本を読んでみてはいかがでしょう。きっと欲しかった言葉と出合えると思います。またこの本は繰り返し読むのがいいようです。「心の漢方薬」なので、じわじわ効いてくるのだとか。試しに一冊いかが?