ゆきれぽ

2025年8月13日

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『地方女子たちの選択』

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私は群馬出身で、富山に来てもう20年以上が経ちます。
群馬の高校を卒業後は東京の大学に進学し、就職で富山に来ました。

就職氷河期の中、狭き門であるアナウンサーを目指していたため、就職活動は本当に大変でした。
日本各地の放送局を受け続け、これで最後にしようと決めて臨んだのが、FMとやまでした。
当時、女性のアナウンサーは契約社員としての採用で、契約期間が決まっていました。
契約が終わった後はどう生きていこうかと悩んでいた時、
担当していた番組の継続が決まったことで、
その後はフリーアナウンサーとして番組に出るようになりました。
そして気が付けば20年以上、富山を拠点に仕事をしています。

県外出身で、結婚はせず、その上フリーランスで働く私のような女性は、
東京では当たり前でも富山では珍しいようで、よく「なんで?」と言われます。(笑)

様々な選択肢がある中、私は富山でフリーランスとして働くという選択をしたわけですが、
今はこの選択で良かったと思っています。
もちろん、これまで何度も自分の人生の選択について悩みましたし、
きっとこれからも悩むのだと思います。
でも、悩むことは前向きなことなのかもしれないと、この本を読んで思いました。

今日は、富山にゆかりのある女性たちの「選択」について書かれた本をご紹介します。

『地方女子たちの選択』
著者: 上野千鶴子、山内マリコ
協力: 藤井聡子
出版社: 桂書房

社会学者の上野千鶴子さんと作家の山内マリコさんの初の共著です。
聞き手の藤井聡子さんも含め、全員富山のご出身です。
出版社も富山という、富山生まれの本です。

この本には、上野さん、山内さんそれぞれの文章の他、対談も載っていますが、
メインは、富山にゆかりのある14人の女性たちのインタビューで、
彼女たちがこれまでどのような選択をしてきたのかが綴られています。

ここで、著者の一人、山内マリコさんからいただいたコメントをご紹介します。

✳︎

みなさんこんにちは、山内マリコです。
この度、わたしがフェミニズムに目覚めるきっかけとなった上野千鶴子さんと、共著を刊行しました。
ですがこの本の真の主役は、われわれではなく、14人の富山の女性たちです。
日頃、語る機会のない女性たちが明かしてくれた人生は、
富山が抱える〝生きづらさ〟の根っこをつまびらかにします。
女性たちが自分を押し込めて、たくさんの役割を背負っていること。
人生のあらゆる局面で、「女だから」と苦い思いをしてきたこと。
この現実を直視せずに、今の社会は見えてきません。
今この時代に必要な試みだと、感じていただけたら嬉しいです。

✳︎

山内さん、コメントをありがとうございました!

今日の「ゆきれぽ」では、山内マリコさんにお電話を繋いで
本について詳しくお話いただきますので、どうぞお楽しみに。

また、今日のヨリミチトソラは富山駅北のアーバンスタジオから公開生放送ですが、
会場では 明文堂書店の出張販売がおこなわれます。
山内マリコさんの本はもちろん、これまで「ゆきれぽ」で紹介してきた本も販売されますので、
この機会にぜひお求めください。

◎公開放送の詳細は コチラ

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