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あたしたちよくやってる

2019年4月10日

昨日、本屋大賞が発表され、
瀬尾まいこさんの『そして、バトンは渡された(文藝春秋)』が大賞に選ばれました。
おめでとうございます〜。
この作品はラジオでご紹介したので嬉しい!

◎私の感想は コチラ

血のつがなりの無い複数の親たちに育てられた少女の物語です。
優しさに満ちた愛あふれる作品です。
ぜひお読みください。

***

さて、今日のgrace内コーナー「ユキコレ」でご紹介するのは、
FMとやまでもおなじみの富山出身の作家、山内マリコさんの新作です。

『あたしたちよくやってる(幻冬舎)』

これまで私は山内さんの作品をほぼ読んでいますが、
毎回思うのは本のタイトルが絶妙だということ。
今回のタイトルも最高です。

仕事で疲れているときや
人から嫌なことを言われたとき
何もかもがうまくいかないとき
本屋さんでこの言葉を目にしたら、
その瞬間、涙がこぼれ落ちそうだもの。

「わたし」じゃなくて「あたし」なのもいい。

『あたしたちよくやってる』には、短編小説とエッセイ、合わせて33編が収録されています。

どんな内容なのか、著者の山内さんからコメントを頂きました。

***

graceリスナーのみなさん、こんにちは! 山内マリコです。

新作『あたしたちよくやってる』は、
デビュー以来さまざまな雑誌や新聞に書いてきた
短編小説やエッセイがたくさん詰まった一冊です。
そして、女性の方にぜひともぜひとも読んでもらいたい一冊です。

わたしが30代をとおして痛感した、女性の役割の重さ、複雑さ、
その瞬間瞬間の正直な気持ちや課題、悩み、葛藤が詰まっています。

この本が、〜しなければ、〜であらねば、
という無言のプレッシャーにさらされながら、
毎日生きている女性たちの、心をふわっと軽くする、さりげない祝福となりますように!

***

山内さん、コメントありがとうございました♪

私もこの本を読んで心が軽くなりました。
解放感がありました。

日々の嫌なことに対して、イラッとしたり落ち込んだりしながらも
大人だし、いちいち気になんかしていられれない、
と自分の感情に気づかないふりをしている方もいらっしゃると思います。

私自身も何を言われてでも大丈夫!と強くなった気でいたけれど、
この本を読んで、本当はあれもこれも本当は嫌だったんだなと
私の中の「嫌だ」という感情があらわになりました。
まさに解放です!

大人だからという理由で我慢していた様々なことに対して
「我慢しなくていいよ。あたしたちよくやってるよ!」
と言われているような気分になり、作品を読みながら涙。

私は誕生日を迎えるたびに
「今が残りの人生の中で一番若い」
と思うようにしています。

そうしないと残りの人生、ずっと「もう若くないから…」と言いながら、
色々なことを年齢のせいにしてあきらめてしまうような気がするので。

でも、別に「若い」ことを意識しなくてもいいなと。
今が残りの人生の中で一番若いのは確かだけど、
若さは関係なくて、ただ「今」を楽しめばいいんだなと
この本を読んで気付かされました。

33ある作品のうち、お気に入りの作品はたくさんあるけれど
特に好きなのは最後の作品。

ショートストーリー「超遅咲きDJの華麗なるセットリスト全史」

どんな話なのかは何も知らずに読んでいただきたいので言いませんが、
この作品でも私は泣きました。

ああ、ヒサコかっこいい!!!
私もヒサコみたいな人生を送りたい。

それから、この作品は様々な映画や音楽が登場しますので、
本を読んだ後に登場した作品を見たり聞いたりしたくなります。

あ、あと「しずかちゃんとジャイ子」が登場する作品もあります。
えーあのしずかちゃんが!と思うような物語ですが、私はスカーッとしました。(笑)

女性の皆さん、必読の一冊です。
ぜひお読みください。

yukikotajima 12:11 pm