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読み聞かせにオススメの本を2冊ご紹介

2020年10月31日

今日のネッツカフェドライヴィンは、
ちょうど今、読書週間ということで
「読書の秋」をテーマにお送りしました。

今日は、大人も子どもも楽しめる本を2冊ご紹介しました。
いずれも読み聞かせにもおすすめです。


『子どもの頭と心を育てる100のおはなし/齋藤孝 監修(宝島社)』

『声に出して読みたい日本語』でおなじみの齋藤孝さん監修の書籍で、
日本と世界の童話、昔話、落語、神話が100話収録されています。
どのお話も短くて1話あたり5分程度で読めます。

そしてこの本はページが開きやすい特別な製本のため、
読み聞かせがしやすくなっているのです。

また、漢字にはふりなががふってあるので、お子さんが一人読むこともできます。

斉藤さんによると、読み聞かせをすることで、
情緒力、共感力、感情表現力の3つの力が伸びるそうですよ。

この本には、たくさんのお話の他、じょうずな読み聞かせのコツや
子どもの成長に合わせた読み方やお話選びものっていますので、
お子さんの年齢に合わせた読み聞かせができます。
それこそ読み聞かせの教科書ような書籍です。
もう1冊はこちら。


『さてさて、きょうのおはなしは・・・・・・
日本と世界のむかしばなし/瀬田貞二(福音館)』

『指輪物語』や数々の絵本の翻訳、
昔話の再話や物語の創作などで知られる
瀬田貞二(せた・ていじ)さんの昔話を一冊にまとめたものです。
1979年に刊行された小冊子の復刻版です。

瀬田さんによると、昔話は、子どもの成長には大切で、
文学としてもすぐれているとのことです。

ちなみに、私は、この本をジャケ買いしました。
野見山響子(のみやま・きょうこ)さんの
淡く優しい色味の黄緑色に味わい深い版画が素敵なのです。
落ち着いた雰囲気の装丁ですので、大人の方も手に取りやすいと思います。

いずれの本も声に出して読むのにおすすめです。
ぜひこの秋は親子で本の読み聞かせを楽しんでみては?

ただ、中には「おはなし」もいいけれど、できれば長編の小説を読みたい!
という大人の方もいらっしゃると思います。
そんな方は、私のこちらのブログ「ゆきれぽ」には
過去にラジオでご紹介した様々な本の感想をアップしていますので、
本選びの参考になさってください。

yukikotajima 12:00 pm

『この本を盗む者は』

2020年10月28日

小説を読んでいると、本の世界に入り込んでしまうことがあります。
夢中になってページをめくっているうちに、
読書をしていることすら忘れてしまうようなことが。

今日ご紹介する小説は、そういった空想ではなく、
本当に本の世界に入ってしまった少女の物語です。

『この本を盗む者は/深緑野分(ふかみどり・のわき)【株式会社KADOKAWA】』


本の帯に大きく「森見登美彦氏 推薦」とあり、
本屋さんでこの本を見たとき、森見さんの新作かと思ってしまいました。

そして、森見さんの名前を最初に見たことも影響していると思うのですが、
この本を読みながら森見さんの小説『熱帯』を思い出しました。

★『熱帯』の私の感想は コチラ

『熱帯』は、とある幻の本を探し続ける男性の物語なのですが、
この本探しが、はちゃめちゃな冒険に繋がっていくのです。
いかにも森見さんらしい愉快な一冊でした。

今日ご紹介する深緑野分さんの新作
『この本を盗む者は』の主人公も本を探しています。

主人公は、高校生の深冬(みふゆ)です。
彼女のひいおじいさんは書物の蒐集家で、
巨大な書庫「御倉館(みくらかん)」には
約24万冊の本が所蔵されていました。

もともと書庫の本は誰でも借りることができたものの、
本の盗難が増えたことで書庫は閉鎖されてしまいます。

ひいおじいさんから引き継がれた深冬の祖母は、
愛する本を守ろうとするあまり
地元の神様に頼んで書物に奇妙な魔術をかけてしまいます。

書庫の本を持ち出した者を呪うブックカース(本の呪い)を。

誰かが本を盗んで、この本の呪いが発動すると、
街が物語の世界へと姿を変えて
泥棒は本の世界に閉じ込められてしまいます。
本を盗んだ泥棒を捕まえない限り、世界は元には戻りません。

その泥棒を捕まえることになるのが深冬です。

しかし、深冬は本が嫌いなのでした。

書庫の本に呪いをかけた祖母は深冬に対してとても厳しくて、
「この家の者なら本を読め!」
と他の遊びをすることを許してくれなかったため
本嫌いになってしまったのです。

これ、なんでもそうですよね。
人から強要されて嫌いになったもの、私にもあるなあ。。。
何かは内緒ですが。(笑)

さて、嫌いな本の世界に入った深冬は、
本泥棒を捕まえないと元の世界に戻ることができません。

そして、本が盗まれるたびに本の世界を冒険していくことになるのですが、
この本の世界というのがユニークなのです。
深冬が住んでいる町がそのまま本の舞台になっていて、
登場人物もお馴染みの人たちです。
でも、微妙にカスタマイズされていて、全員、役が決まっています。

これがとても面白くて、
いつかドラマ化されたらきっと楽しいに違いない!
と思ってしまいました。
アニメ化はあるかもしれないけれど、できれば実写版で見たいなあ。


この小説は、女子高校生が主人公で、
本の呪いとか本の世界に入って冒険ということは、
若い人向けのお話なんでしょ?と思った大人の方もいるかもしれませんが、
そんなことはありません!

大人の皆さんもきっと楽しめると思います。

それに、深緑さんの文章は描写が美しいのです。
情景が目に浮かぶのはもちろん、
洗練されていて声に出したくなるほどです。

例えば。

廊下はしんと静まり返り、
玄関の小窓から差し込む細い陽光に、
宙を漂う埃がきらきら輝いている。
コチコチと響く柱時計の振り子の音がかえって静寂を際立たせる。

どうでしょう?
情景が浮かびませんか。
そして、どこか美しさもありませんか。

こういった描写によって五感で本の世界を堪能できました。


そうそう!

ちょうど今は読書週間なのですよね。

毎年、文化の日を中心にした2週間である
10月27日〜11月9日が読書週間です。

◎読書週間については コチラ

読書週間には標語が発表されるのですが、
今年は「ラストページまで駆け抜けて」です。

まさに今日ご紹介した小説『この本を盗む者は』も
ラストページまで駆け抜けた、読書週間にピッタリの一冊です。

中高生のお子さんのいる方はご家族みんなで読んでみるのもいいかも。

あ、でも、これは決して強要ではありませんよー。(笑)
興味が湧いたら読んでみてください♪


最後に、この本の中で一番好きなセリフを紹介します。

「本はただ読んで、面白ければそれでいいんだ。
つまらなくてもそれはそれでよい経験さ。
自分が何を好み何を退屈だと感じるか知ることができるからね」

yukikotajima 9:33 am

『自転しながら公転する』

2020年10月21日

今日は、山本文緒さんの新作をご紹介します。

『自転しながら公転する/山本文緒(新潮社)』

大学生の頃、山本文緒さんの小説が大好きでした。

大学時代はとても楽しかったけれど
将来や恋愛についての悩みも常にあって、
そんな悩み多き年ごろの私の心に
山本文緒さんの小説はいつも寄り添ってくれました。

ストーリーが面白いのはもちろん、
登場人物たちに共感しやすかったのです。

今でも山本文緒さんの名前を見ると
若い頃のことを思い出してキュンとするもので、
先日、本屋さんで新作を目にした時、
まるで初恋の人の名前を見つけた気分になり、
思わず手を伸ばしてしまいました。

なんと今作は7年ぶりの新作だそうです。
調べたら7年前の作品『なぎさ』もラジオで紹介していました。
ちなみに、こちらは前作から15年ぶりの新作でした。わーお!

◎『なぎさ』の田島の紹介は コチラ

新作『自転しながら公転する』も大変面白かったです。

この本、500ページ近くもある長編なのですが、
読んでいる時は少女漫画をまとめ読みしているような気分でした。

主人公の恋模様が気になって、
この2人はいったいどうなるのよ?
と思ったらページをめくる手が止まらなくなりまして。

でも、この作品は漫画ではなく本じゃなきゃダメなのですけどね。
文字だけの本だからこそ味わえるドキドキ感があるのです。
え?これってどういうこと?そういうこと?
と頭に?をたくさん浮かべながら読んでいたので、
読み終えて全てが明らかになった時は
程よい疲労感を帯びた心地よさに包まれていました。
皆さんにもこの感覚を本のページをめくりながら体感して頂きたいわー。

「で、どんな話なのよ?」

という声がそろそろ聞こえてきそうですね。
思いが強すぎて前置きが長くなりました。

主人公は、32歳の女性の都(みやこ)です。
彼女は、東京のアパレルで働いていたものの、
母親の看病のために仕事を辞めて茨城の実家に戻り、
地元のアウトレットのショップで契約スタッフとして働き始めます。

そして、同じアウトレットの別のお店で働く
貫一(かんいち)と出会い、付き合うことになります。

本を読むことが好きな貫一は、都の名前を初めて聞いた時に
「貫一おみやって言ったら金色夜叉じゃん」と驚きます。
でも都は意味がわかっていなかったのですが。

『金色夜叉』は、尾崎紅葉の長編小説で
貫一とおみやをめぐる金銭と恋愛の問題が描かれています。
「来年の今月今夜のこの月を僕の涙で曇らせてみせる」のセリフは有名ですよね。

『自転しながら公転する』は、『金色夜叉』の2人と同じ名前の男女の物語です。

『自転〜』でも2人は恋人同士になるのですが、
ある日、貫一の働くお店が閉店し、彼は無職になってしまいます。

アラサーの都は、彼との結婚を意識するものの、
経済力の無い彼と結婚してもいいものか悩みます。
その前に、貫一から結婚の話は一切なく、
彼は一体何を考えているのだろう…ということでも悩みます。

そもそも都が実家に帰ってきた理由は、母親の看病のためでした。
都は母親を車で病院に連れて行ったり、家事をしたりしていたので、
新しい職場では、正社員ではなく契約スタッフとして働き始めたのでした。
しかし、この職場が問題だらけだったのです。

本の帯にはこうあります。

「結婚、仕事、親の介護
全部やらなきゃダメですか?」

まさに同じような状況に置かれている方もいるのでは?

都は、どこにでもいる普通のアラサー女性です。
そして、彼女の抱える問題もよくある出来事です。
だから、読者は自分のこととして読めるのだと思います。

私も都に自分を重ねて読みました。

都の置かれた状況とは異なるのだけれど、他人事じゃないのです。
都の悩みが自分のことのように思えて仕方ありませんでした。
たとえば、貫一との未来についても
私だったらどうするかしら。。。と真剣に考えましたもん。

また、この物語には都の母のパートもあります。
母は重い更年期障害に苦しんでいまして、母は母で悩んでいます。
そして、この母の心のうちが描かれることで、物語に広がりがうまれます。

さらに、父や友人たち、職場の仲間、そして貫一と、
それぞれの悩みも明らかになっていきます。

幸せいっぱいで羨ましくて仕方ないと思っていた相手も実は悩んでいたり、
許せないと思った人もこっそり泣いていたり。
みんな人知れず悩んでいます。

都をはじめ、登場人物たちはそれぞれの悩みに対して
どのように向き合い、選択していくのか。
ぜひ本を読みながら一緒に考えてみてください。

山本文緒さんの7年ぶりの新作も大変面白かったです!

次作も楽しみだけど、次はいつになるかな。
の〜んびり待たせていただきます。(笑)

yukikotajima 9:37 am

『行った気になる世界遺産』

2020年10月14日

今年は海外旅行に行く予定だったのに、
泣く泣くキャンセルしたという方もいらっしゃると思います。

本来だったら今ごろ私は…
と行く予定だった旅の行程を見ながら
妄想旅をした方もいるかもしれません。

今日ご紹介するのは、まさに今読むのにぴったりな一冊です。

『行った気になる世界遺産/鈴木亮平(ワニブックス)』


俳優の鈴木亮平さんによる旅行記です。

鈴木さんと言いますと、
2018年のNHK大河ドラマ「西郷どん」でお馴染みの人気俳優です。

実は私もひそかにファンです♪
あの優しい笑顔が好きで癒されます。

俳優として活躍されている鈴木さんですが、
なんと東京外国語大学の英語専攻を卒業されています。
難関大学の、それも人気の英語専攻って、どれだけ頭がいいのか!

また、「世界遺産検定」一級を持っているそうです。

『行った気になる世界遺産』は、
そんな世界遺産に詳しい鈴木亮平さんのはじめての旅行記です。

例えば、
ギアナ高地(カナイマ国立公園)
古代都市チチェン・イッツァ
ネムルット・ダー
ヴェローナ市街
ボロブドゥール寺院遺跡群
イグアス国立公園
ワルシャワ歴史地区
キジ島の木造教会
ナン・マトール遺跡
オルチャ渓谷
サマルカンド文化交差路
アトス山
ドレスデン・エルベ渓谷
ペトラ
バガン
などが紹介されています。
他にもまだまだあります。

鈴木さん、こんなにも世界遺産に行っているなんてすごい!
と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、
これらの世界遺産に鈴木さんは行っていないそうです。
なんと、すべて鈴木さんの妄想旅なのです。

でもね、内容はとてもリアルなんです。
妄想と言っても、ただ頭の中に浮かんだ景色を描写しているだけでなく、
五感を使ってフル妄想しています。

例えば、空港に降り立った時の匂いや、
ジャングルをガタガタ進むバスの乗り心地、
まつ毛に霜がつくほどの寒さなど、
まるで実際に体験したかのように書いています。

そのため、読者である私も一瞬で旅をしている気分になりました。

また、その旅気分をさらに高めてくれるのが、
鈴木さんがお描きになった絵です。
本に出てくるすべての世界遺産の絵が描かれています。
なぜ絵なのかというと、実際に旅に行ったいないため写真が無いからです。(笑)
絵には、旅をしている鈴木さん自身も
後ろ姿だったり、手だけだったりと様々な形で登場しています。

そして、この絵がいいアクセントになっているのです。
色使いもタッチも力強さの中に優しさが感じられ、とても味があります。

ちなみに、絵は独学なんですって。すごい!

それから、このエッセイは鈴木さんの「妄想」旅行記ですが、
好き勝手書いたのではなく、かなりリサーチした上で書いたそうですよ。
だからよりリアルな描写になっているのでしょうね。

そのおかげで、もし自分が本当に行くとするなら…
と自分自身の妄想旅もしやすかったです。

例えば、私の場合は、
忘れ去られた砂漠都市、ヨルダンの「ペトラ」で、
岩の間の細い通路を進んだ先にある
岩を掘って作られた美しい建造物を生で見てみたいなあ。
死海での浮遊体験やエステももちろんセットで♪
なんて妄想して楽しみました。(笑)

他にも、世界最古の秘境「ギアナ高地」や
青の都「サマルカンド文化交差路」も実際に見てみたいわ…
と挙げていったらきりがありませんでした。

私は、本に出てきた世界遺産についてスマホで調べながら読んでいったので、
読むのに丸一日かかってしまいました。
でも、この、色々調べている時間も楽しかったです。
どれだけ世界中を旅したことか。
本当に豊かなひとときでした。

まあ、実際は、家から一歩も出ずに本を読み、
スマホで検索していただけなのですけどね。(笑)

でも、心は満たされていました。

あなたも次の週末は、妄想旅に出かけてみませんか?

yukikotajima 9:29 am

『この気持ちもいつか忘れる』

2020年10月7日

こんにちは。

10月からもgraceの毎週水曜13時45分頃からは
本紹介のコーナーをお届けしていきますが、
今後は毎週、私、田島悠紀子おすすめの本を紹介する
「ユキコレ」をお届けしていきます。

これまでのユキコレは小説が中心でしたが、
今後は、幅広く様々な「本」をご紹介していきますので、
引き続きよろしくお願いします。

***

さて、今日の本は今話題の一冊です。

『この気持ちもいつか忘れる/住野よる(新潮社)』


累計300万部を突破し、映画化もされた
『君の膵臓をたべたい』でおなじみの住野よるさんの新作です。
紀伊國屋書店富山店でも人気だそうですよ。

今回は、普通の小説とはちょっと異なります。
ロックバンド・THE BACK HORNとのコラボ作品で、
小説に5曲入りのCDがついています。

今の若手アーティストではなく、
20年以上活動しているロックバンドとコラボした理由は、
著者の住野さんが学生時代からTHE BACK HORNの大ファンだからで、
住野さんからコラボの依頼をしたそうですよ。

実は私もTHE BACK HORNが好きで、
これまで何度もライブに行っているので、
個人的にとても嬉しかったです!

そういえば、THE BACK HORNが好きと言ったら、
「ホーンじゃなくてナンバーじゃないの?」
と言われたこともあったな。(笑)
(もちろん、ナンバーもいいですが)

さて、今回のコラボは、小説が完成してから曲をお願いしたのではなく、
構想段階から打ち合わせを重ねて、創作の過程も共有し、
お互い影響を与え合いながら作っていったのだそうです。

そして、「どうしてもTHE BACK HORNの楽曲を聴きながら作品世界に浸ってほしい」
という住野さんの熱い思いから、CD付きの小説になったそうです。
ちなみに、5曲入りのCD付きで1,700円+税と大変お得です。

コラボの経緯については、住野さんとTHE BACK HORNの座談会(の文章)が
公式サイトにたっぷり載っていますので、小説と合わせてお楽しみください。
住野さんのTHE BACK HORN愛があふれている…というか漏れすぎです。(笑)

◎公式サイトは コチラ

で。

肝心の小説はどんなお話なのかと言いますと、
超こじらせ男子の物語です。(笑)

男子高校生のカヤは、自分も周りもつまらない人間ばかりだと思い、
人と群れることはせず、ほぼ一人で退屈な日々を過ごしています。

夜になると、もう使われていない古いバス停まで歩き、
待合室でほんのひととき過ごします。
自分の部屋にいても心配されるだけだし、
家族団らんなんて面倒だから、という理由で。

そんなある日の深夜、バス停で謎の少女チカに出会います。
少女と言っても、チカは爪と目だけしか見えません。
でも、声は聞こえるし会話もできる。
また、実際には見えないけれど体に触れることもできます。

どうやらチカは、カヤとは異なる世界に住んでいる少女のようなのでした。

それまで退屈な日々を送っていたカヤでしたが、
深夜のバス停で不思議な少女と交流していくうちに、気持ちにも変化が生じます。

誰かがただいてくれるだけで幸せだと感じたり、
自分の素直な気持ちを言葉にできたり。

二人のやり取りが初々しくて何度もキュン♪としました。

ちなみに、男子高校生と不思議な少女の物語ということは、
10代向けの本なのかな、と思われそうですが、そんなことはありません。

なんなら大人のほうがより心に響くかも。

というのも、後半は少女と出会って15年後のカヤの物語なのです。
この30代のカヤが、相変わらずこじらせています。(笑)

本当は言いたいことがたくさんあるのだけれど、
感想を言うとネタバレになってしまうのです。ああ、もどかしい。
でも、自分のことをややこじらせ気味だなと思う方は、
この本を読むことで少し楽になるかも。

さて、カヤとチカはその後どうなったのでしょう?

気になる方は、ぜひ小説をお読みください。
それも、THE BACK HORNの曲を聴きながら♪

私は、本を読み終えた後に、あらためて曲を聴いてみたのですが、
まるで映画のエンドロールのような気分で作品の余韻に浸れました。

ぜひ秋の夜長は、音楽を聴きながらの読書をお楽しみください。

yukikotajima 9:30 am

芸術の秋を満喫♪

2020年10月3日

今日のネッツカフェドライヴィンのテーマは「芸術の秋」でした。

◎ネッツカフェドライヴィンのサイトは コチラ

番組では、私が最近訪れた様々なアートスポットをご紹介しました。
こちらのブログにも感想を載せておきますね!

まず、富山市の秋水美術館で開催中の「棟方志功展」を見てきました。

今回は、富山と縁の深い作品や代表作が展示されています。
以前、福光美術館で棟方志功の作品を見たときにも感じたのですが、
とにかく作品から発せられるエネルギーがすごい!
鮮やかな色使いも素敵ですし、
「ウォーリーをさがせ!」のように
細かいところまでじっくり鑑賞したくなる楽しさもありました。

◎秋水美術館のHPは コチラ


高志の国文学館で開催中の
「米国アカデミー賞監督 滝田洋二郎展」にも行ってきました。

滝田洋二郎さんと言いますと、
映画「おくりびと」で米国アカデミー賞を受賞した富山出身の映画監督です。
この企画展では、滝田監督の映画作りの現場が紹介されており、
例えば、『天地明察』では小説がどのように台本になるのかが具体的にわかって楽しかったです。

◎高志の国文学館のHPは コチラ

そして、もう一か所、富山県美術館にも行ってきました。
現在、『TADのベスト版 コレクション+(プラス)—あなたならどう見る?—』を開催中です。

この企画展、大変面白かったです。
富山県美術館を代表する収蔵作品を過去最大規模で紹介する展覧会で、
なんと美術館が所蔵するパブロ・ピカソのすべての作品を同時展示しています。

また、異なる分野で活躍する方々とコラボした展示コーナーもありまして、
これが、大変ワクワクする展示でした。
アーティストの開発好明(かいはつ・よしあき)さん、
アートテラーのとに〜さん、
美術批評家の林道郎(はやし・みちお)さん、
富山出身の作家の山内マリコさんの4名の皆さんが、
美術館が所蔵する作品をそれぞれのテーマで選び、展示しています。

例えば、靴を脱いで寝転がって作品を見たり、
階段をのぼって高いところにある作品を見上げたり、
作品そのものがソーシャルディスタンス、距離をとって展示されている他、
2枚の絵を並べて、どちらが本物の作品か当てる
「鑑賞者格付けチェック」などもありまして、
こんな楽しみ方もあるのか!とずっとワクワクしっぱなしでした。

個人的には、山内マリコさんの展示に心惹かれました。
女性ならではの視点と富山出身だからこその展示で、じっくり楽しめました。
また、まるで作品へのラブレターのような作品解説も良かったです。

全ての作品を見るのに私は一時間半くらいかかりましたが、
もっとゆっくり見てもよかったなと思ったほどですので、
ぜひ時間に余裕のある時にじっくりご堪能下さい。

この企画展は、美術館に行ってみたいけど、
アートはそんなに詳しくないという方にもオススメです。

それから、私は企画展を見た後に、
ミュージアムショップで図録を買ったのですが、
こちらも480円と低価格で充実の内容でしたので、
鑑賞のお供にぜひ。

◎富山県美術館のHPは コチラ

yukikotajima 12:00 pm