
2022年5月11日
- #本
『生贄探し 暴走する脳』
GWが終わりましたね。皆さんはどんなGWをお過ごしでしたか。
私はGW中にたまった本の整理をしました。
中には買ったまま読んでいない本もありまして、
せっかくなので読んでみることにしました。
『生贄探し 暴走する脳/中野信子、ヤマザキマリ(講談社+α新書)』
脳科学者の中野さんと、漫画家・随筆家のヤマザキさんという
日頃から交流のあるご友人同士の対談がベースになっています。
約一年前に発売された本ですので、すでにお読みになった方もいるのでは。
私もだいぶ前に買ったのですが、かなりインパクトのあるタイトルゆえ
ラジオで紹介するタイミングをはかっていたところ、そのまま忘れました。(笑)
でも先日ふとこの本の帯を見た時に、紹介するなら今だ!と思ったのです。
というのも本の帯にこう書かれていたからです。
「あの人だけいい思いをするなんて許せない!」
今年は3年ぶりにGWらしいことをした方も多かったのでは。
その一方で、思い通りのGWにならなかった方もいることでしょう。
SNSにアップされる楽しそうな写真を見る度、
「うらやましいなあ」だけならまだしも、心に余裕がなくなると
「あの人だけいい思いをするなんて許せない!」
という負の感情が湧き上がってしまうことも、正直ありますよね。(苦笑)
まあ、そう思ったところで自分の心に留めている場合が多いと思いますが、
中には、気に入らない相手に対して攻撃してしまう人もいます。
コロナ禍では「自粛警察」が話題になりましたよね。
中野さんによると、自らを「正義」と思い込んでしまうと、
人間は、どんなに残虐なことでも心の痛みをあまり感じることなく
やれるようになってしまうそうです。
このとき脳は、自分のことを客観的に見る機能がオフになってしまうのだとか。
そして、脳の快感を覚える部位を刺激するドーパミンが出ているそうです。
つまり、自分は正しいと思って相手を攻撃している時は、
気持ちいいってことなんですよね。
中野さんは、コロナ禍はウイルス以上に
「正義中毒」のパンデミックが起きたとおっしゃいます。
また、私たち日本人は「世界でもいじわる行動が突出している」そうなのです。
それは有名なことわざからもわかります。
「出る杭は打たれる」
海外に似たようなことわざは無いそうです。
たしかにこのコロナ禍を振り返ると、
ウイルスも怖ったけれど「他人の目」も怖かったですよね。
そういう私こそ正義中毒になっていないか?
と自分自身を振り返ると、いや、思い当たることあるな…と反省。
私は正しい。
良かれと思って…。
という考えこそ、
正義中毒の始まりかもしれませんよー。
自分こそ正義と思っている人ほど、
正義の快さにあっという間に人格を乗っ取られてしまうそうです。
では、本当の正義とは?
自分と分かち合えない意見や思想とぶつかったら?
豊かで多様性のある生き方のためには何が必要なの?
これらの答えを知りたい方は、ぜひこの本を読んでみてください。
大変勉強になった一冊でした。
面白く読めただけでなく、反省もたくさんしました。
読んで良かった!というか、買ってすぐに読むべき本だったわ。
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プロフィール
田島 悠紀子
Tajima Yukiko
7月13日生まれ。群馬県出身。
B型。 -
担当番組
・富山ダイハツ オッケイウィークエンド
(毎週土曜 11:00~11:55)・ヨリミチトソラ
(毎週水曜・木曜 16:20~19:00) -
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