ブログトップページはコチラ

『母べえ』

2008年1月24日

今日の『grace』の中で、
映画『母べえ』の、12月に富山で行われた、
山田洋次監督と主演女優の吉永小百合さんの記者会見の模様をお届けしました。

舞台は、昭和15(1940)年の東京。
つましくも平和に暮らしていた野上家ですが、
夫が治安維持法違反で検挙されてしまったことで波乱の日々が始まります。
吉永小百合さん演じる母べえは、
浅野忠信さん演じる、夫の元教え子の山崎・山ちゃんたちに助けられながら、
娘二人とともにたくましく生きていきます。
そして、日本はアメリカとの戦いに突入していきます。

この映画を見る人は、
みな吉永小百合さん演じる「母べえ」に自分の母親を重ね、
目頭が熱くなるのではないかなと思います。

お母さんが帰ってきたときに、
「おかあさ〜ん」と言いながら、お母さんに抱きついたり、
お母さんの手を触ったり、腕を組んだり、抱っこしてもらったりすると、
それだけで安心するんですよね。
母のぬくもりは、偉大です。

当時と今を比べれば「母親像」はだいぶ異なるのかもしれませんが、
それでも「母」としての本質の部分は変わらないと思うのです。
また、「母」としてだけでなく、「母」としての強さに加え、
「女」としての弱さも、小百合さん演じる「母べえ」から伝わってきます。
それは、言葉によるものではなく、ふとした表情だったり、動作からだったりするわけです。

戦争の描き方も同じです。
具体的な戦争シーンを描かずに戦争を伝えています。
目を覆いたくなるようなほとのどシーンはありません。
でも、心を、耳を、閉じたくなりました。

そして、この話は実話です。
映画にも登場する「てるべえ」こと野上家の次女、
野上照美(のがみてるみ)さんの原作が元になっています。
そのあたりも意識してご覧になると、
また感じ方も変わってくるかもしれません。

大げさな言い方をすれば、
「人間らしさ」を取り戻してくれる映画のような気がしました。

映画『母べえ』は、あさって26日(土)公開です!

yukikotajima 5:40 pm