ゆきれぽ

2026年5月6日

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『私たちはたしかに光ってたんだ』

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今日でゴールデンウィークも終わりですね。いい連休になりましたか。

私は用事があって群馬の実家に帰省したのですが、実家には私が中学時代に描いて校長賞を受賞した絵が飾られています。バスケットゴールと校舎の絵です。

Screenshot

この絵を見るたび、バスケに夢中だった中学時代を思い出します。と同時にその後、高校ではバスケ部を途中でやめてしまったことも思い出され、毎回懐かしさと苦さで何ともいえない気持ちになるのですが、先日久しぶりにこの絵を見た時は、清々しさを感じました。下手なりに全力でバスケと向き合っていたことを思い出したからです。私がそう思えたのは、この本のおかげです。

『私たちはたしかに光ってたんだ』
金子玲介(かねこ・れいすけ)
文藝春秋

今日は5月最初の「ゆきれぽ」ですので、明文堂書店とのコラボ回高岡射水店の書籍担当 野口さんのオススメ本です。

著者の金子さんは、『死んだ山田と教室』で第65回メフィスト賞を受賞し、2024年にデビューしました。デビュー作は「ゆきれぽ」でもご紹介しています。

◎田島の本紹介は コチラ

『死んだ山田と教室』は、事故で亡くなったあと、教室のスピーカーに憑依してしまったらしい男子高校生「山田」とクラスの男子たちによるバカバカしい会話で構成された楽しくも切ない青春小説でしたが、新刊の『私たちはたしかに光ってたんだ』は、バンドを結成した女子高校生たちの物語です。

女子たちの会話もなかなかにくだらなくて、特にバンド名を決めるやり取りには、思わず飲んでいたコーヒーを吹き出しそうになったほど笑ったのですが、今回は笑った以上に泣きました。もしかしたら今年一番泣いたかも。

主人公は、女子校に通う高校生の瑞葉(みずは)です。彼女は同級生と4人組バンド「さなぎいぬ」を結成します。4人の夢は、いつか紅白に出ることですか、才能あふれるリーダーの朝顔(あさがお)以外は普通の高校生たちです。

でも初めてバンドをする彼らは、とにかく楽しくて仕方ありません。どれくらい楽しんでいるかは本を読んでいただければわかります。歌詞と心の声が交互に描かれる、金子さんならではのリズミカルな文章で、読みながらニヤニヤが止まりませんでした。言葉で奏でる音楽と感情のセッションは高揚感にあふれていて、このパートを読んだだけで、この本好き!と思ったほどです。

さて、最初はただただ楽しく音楽をしていた彼女たちでしたが、リーダーの朝顔(あさがお)がオリジナル曲を作ってから、バンドの雰囲気が変わります。本気で紅白を目指すようになるのです。初心者の瑞葉は必死にベースを練習し、みるみる上達していきます。しかし彼女は気付いてしまうのです。才能の無い私がいたらバンドの夢が叶わないと…。

さて、物語は高校時代とバンド結成から10年後の今が交互に描かれていきます。大人になった瑞葉は社会人として忙しく過ごしています。そんなある日、バンドが紅白に初出場することを知ります。

ではここで、この本を大プッシュしている明文堂書店 高岡射水店 書籍担当 野口さんのコメントをご紹介しましょう。

一瞬で懐かしい青春時代に戻ってしまいました。
未来への希望と、現実の葛藤、友情と思い出。
とにかく眩しくて、物語全体が光っていました。
バンドさなぎいぬは、永遠の推しです!

✳︎

ほんと最高の青春小説でした。努力をすれば必ず夢が叶うかと言ったら、そんなことはありません。この物語ではそんな現実も描かれます。でも決して後ろ向きな内容ではありません。それこそ光を感じる一冊でした。大人の皆さんはもちろん、瑞葉たちと同年代の中高生たちにもオススメです。

スピンオフもありますので、あわせてどうぞ。

そう言えば、瑞葉の祖父母は富山にいるそうですよ。瑞葉も今年のゴールデンウィークに富山に来ていたりして。なんて想像するのも楽しい時間でした。

『私たちはたしかに光ってたんだ』は、富山県内の明文堂書店全店「ヨリミチトソラ ゆきれぽコーナー」にありますので、ぜひチェックしてくださいね。

また、作品の特設コーナーもあります。

◎明文堂書店のサイトは コチラ

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