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ハケンアニメ!

2015年4月8日

昨夜、2015年の本屋大賞が発表されました。

「本屋大賞」は、過去一年の間に書店員が自分で読んで
「面白かった」、「お客様にも薦めたい」、「自分の店で売りたい」
と思った本を選び投票し、大賞が決定するものです。

つまり、全国の書店員が選んだ、一番売りたい本というわけです。

そして、実際に大賞となった作品は売れます。
映画化されることも多く、過去の大賞作を見ても、

『海賊とよばれた男/百田尚樹』

『舟を編む/三浦しをん』

『天地明察/冲方丁』

などは映画化されていますので、
今年の受賞作も話題になることは間違いないと思います。

2015年今年は・・・

上橋菜穂子さんの『鹿の王』

が受賞されました。

おめでとうございます〜。

私、昨日の日中にツイッターで
本屋大賞は『鹿の王』だと思う!とつぶやいたのですが、
予想が当たりました。(笑)

だから余計に嬉しい♪

ノミネートされた10作品の順位はこちらです。

1位 『鹿の王/上橋菜穂子(KADOKAWA 角川書店)』

2位 『サラバ!/西加奈子(小学館)』

3位 『ハケンアニメ!/辻村深月(マガジンハウス)』

4位 『本屋さんのダイアナ/柚木麻子(新潮社)』

5位 『土漠の花/月村了衛(幻冬舎)』

6位 『怒り/吉田修一(中央公論新社)』

7位 『満願/米澤穂信(新潮社)』

8位 『キャプテンサンダーボルト/阿部和重・伊坂幸太郎(文藝春秋)』

9位 『アイネクライネナハトムジーク/伊坂幸太郎(幻冬舎)』

10位 『億男/川村元気(マガジンハウス)』

本屋大賞 についての詳細は コチラ

ちなみに、私は、このうち6作品を読んでいます。

*マーク のついたものです。

本のタイトルをクリックして頂くと、
過去の私の感想を読むことができます。

1位の『鹿の王』はすでにご紹介していますので、
今回はまだご紹介していない作品にしますね。

というのも、本屋大賞にノミネートされた作品は、
どれも面白いのです!

・・・

今日ご紹介するのは、3位の辻村深月(つじむら・みづき)さんの

『ハケンアニメ!』です。

雑誌「an・an」に連載されていたので、
ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

正直、本屋大賞にノミネートされていなければ、
私はこの本を読むことはなかったと思います。

というのも、私は普段アニメをほぼ見ないので、
『アニメ』というタイトルとかわいいアニメの表紙を見るなり、
ついていけそうにないなあと思ったからです。

でも。

結論から言うと、とても面白かったです!!!

ちょっと前の私に言ってやりたいです。
読む前から勝手にイメージだけで判断するな、と。

もちろん、アニメ好きの方は、より楽しめると思いますが、
アニメを見ない方でもきっと楽しめるはずです。

特に共感できるのは仕事好きな方。

それも、仕事は好きだけど、
怒りや不満ももれなく感じている方こそ、
この本ははまると思います。(笑)

私も穏やかそうに見えて(いやいや、そんなことないって?笑)、
言いたいことをはっきり言ってしまう方なので、
仕事中、熱くなりすぎることもあります。
でも、言い過ぎた後は、ちょっとやりすぎたかなと一人こっそり反省もしますが…。

『ハケンアニメ!』には、そんな私のような(!)
不器用だけど仕事が好きな女性たちがたくさん出てきます。

彼女たちに出会って、私だけじゃなかったんだ!と安心。
そして、思う存分、私らしく仕事をしようと思えました。(笑)

・・・

簡単にストーリーをご紹介しましょう。
『ハケンアニメ!』は、アニメ業界を舞台にしたお仕事小説です。

全てカタカナで『ハケンアニメ!』です。

「ハケン」というのは、派遣ではなく覇権です。
覇者としての権力ということです。

そのクールで一番成功したアニメを覇権アニメと呼ぶそうです。

この物語は、3部構成となっていて、
アニメ業界で働く3人の女性の目線で物語が紡がれています。
そして、それぞれの物語が重なりながら、物語が進んでいきます。

1人の目線ではないので、様々な角度からひとつの仕事が見えてきます。
そして、色々な考え方と出合えます。

客観的に仕事の現場をのぞいている気分で、
共感したり、自分と重ねて反省したりしながら読み進めました。

特に私が気になったのは、
アニメ監督に女子アナがインタビューをするという場面です。

このインタビューがあまりにも酷いのなんのって。
人の話を聞かず、自分の考えを押し付けるインタビューアーは最低です。
私も仕事上インタビューをすることが多いので、気をつけねばと思いました。

熱血お仕事小説としての面白さはもちろん、
物語のテンポ、魅力的な登場人物なども含め、大変読みやすい作品でした。

また、アニメ業界のことをのぞけたこともよかったです。
これからは、アニメの見方が変わりそうです。

とってもいい本に出合えました。

新年度から気持ちを新たに頑張ろう!と意気込んだものの、
うまくいかないなあと空回り気味という方は、
悩んでいる時間をまるまるこの本を読む時間にあててみてください。

きっと読み終えたときに、心が晴れ晴れとして、
よしここからまた頑張ろう!と思えるんじゃないかな。

・・・

そうそう!

本の表紙をぺらっとめくると裏側に特別短編がありますので、こちらもお忘れなく。
また、Web上では別の番外編が読めますので、合わせてお読みください♪

yukikotajima 11:07 am