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しゃばけ

2007年8月13日

畠中恵(はたけなか・めぐみ)さんの話題作『しゃばけ』を読みました。

「娑婆気(しゃばけ)」とは、辞書によると、
俗世間における、名誉・利得などのさまざまな欲望にとらわれる心、
とあります。

江戸の廻船問屋の跡取り息子の一太郎は、
イケメンのおぼっちゃん。
でも、体が弱く、外出もままなりません。
一太郎を、家族のように守っているのが、
妖(あやかし)。
妖怪たちです。

ある日、夜中にこっそり抜け出し、人殺しを目撃してしまいます。
それ以来、一太郎の周りでは、恐ろしい殺人事件が続きます。
そこで、一太郎は妖怪たちと事件解決に乗り出そうとします・・・。

妖怪が出てくる、ということで、
夏独特の怖い話なのかな、と思いきや、
出てくる妖怪たちは、みないい人ならぬ、いい妖怪たち。

人の形をしている妖怪もいれば、
妖怪らしい形をしているものもいます。

そんな妖怪たちが、とても魅力的で、個性的で、楽しい。
一太郎は、一人っ子なのですが、常に一太郎の周りは、にぎやかです。

でも、妖怪は人ではないから、会話をしてるとズレが生じてきます。
人だったら、そうは返さないだろう、、、
という、ややズレな感じも、ご愛敬。

ちょっと長めの本ですが、読みはじめたらとまらない。
一文が短い上に、江戸の方言もリズミカルなので、
テンポよくよめます。

さらに、実際に発する言葉と
頭の中で浮かんだ言葉がわけられているのもわかりやすい。
ちなみに、頭の中の言葉は、()でくくられています。

お盆は、どこにも行く予定はないけれど、
心だけは、どこか非日常の世界に行きたいわ〜
という方にはオススメの1冊です。
妖怪たちの世界に、足を踏み入れてみるのも楽しいですよ♪

yukikotajima 10:29 am