ゆきれぽ

2026年9月16日

  • #本
  • NEW

『年とる力』

この記事をシェアする

X LINE facebook

いよいよ今週末からシルバーウィークですね。連休3日目の21日(月)は、国民の祝日である「敬老の日」です。かつては9月15日でしたが、2003年から9月の第3月曜日になりました。ちなみに、現在、9月15日は「老人の日」、毎年9月15日から21日は「老人週間」です。老人週間には、すべての高齢者が安心して暮らせるまちづくり、高齢者の人権の尊重など6つの目標を掲げ、全国各地でさまざまな取り組みが行われているそうです。

そんな老人週間真っ只中の今日は、「老い」がテーマの話題の一冊をご紹介します。

『年とる力』
阿川佐和子
文春新書

2012年に、『聞く力──心をひらく35のヒント』がベストセラーとなったエッセイスト、作家の阿川さんの新刊です。

阿川さんは現在72歳だそうですが、今の超高齢化社会ではまだ若造だそうです。(笑)とは言え、物忘れがひどかったり、すぐ疲れたりと、いろいろなところで年齢による変化を感じているのも事実だそうです。

この本には、自らが高齢者である阿川さん流の、これからの人生を楽しく笑って過ごすための51のヒントが収録されています。

基本的には、阿川さんのお喋りを楽しく聞いているような一冊でした。でも、ただ「あー面白かった!」で終わりではなく、学びや気付きもたくさんある一冊でした。

『年とる力』は、5章にわかれているのですが、そのうち第2章は「七十にして始める」と題して、70歳を過ぎてから始めた趣味について語っています。実は阿川さんは若い頃、無趣味だったそうです。ですが51歳でゴルフを始め、70歳を過ぎてからはピアノにもハマっているのだとか。さらに今では他にも色々楽しんでいるようです。阿川さんのハマりっぷりが面白く、この第2章はワクワク、ニヤニヤしながら読めました。

大人の方の中には、かつての阿川さんのように特に趣味は無いという方もいるかもしれませんが、それこそ70歳を過ぎてから何かにハマることもあるかもしれませんよ。私は70歳の頃、何にハマってるのかなあ。今は全く興味のないものに夢中になっていたらいいな。「え、あの田島が⁈」なんて言われていたい。

友だちについて語っている第4章「友だちはかくあるべし」も印象に残りました。阿川さんは同世代だけでなく歳下の友だちも多いそうです。それも職種も立場もバラバラなんだなんだとか。そんな友人たちに対して、阿川さんは〈違う世界で生きているからこそ、刺激になることは山ほどある〉と言います。

これ、よくわかります。私も歳を重ねるにつれ、付き合う人たちの幅が広がりました。特に歳上の友人が増えました。歳上で楽しそうな人たちを見ていると、歳を重ねるのも悪く無いなと思えてきます。この本の阿川さんもとても楽しそうで、こんな風になりたいと思えます。とは言え、阿川さんも辛いことや悲しいことももちろん経験されています。それを踏まえた上での明るさなので、より心に響くのです。言葉に説得力があります。

阿川さんは、高齢者になると初体験が増えるから、〈高齢者初心者マーク〉をつけたくなると言います。実際、この本には高齢者になってみてわかったこともたくさん書かれています。そういう意味では、この本は高齢者初心者のための教本と言ってもいいかもしれません。でも決して難しくはありませんよ。最初にも言いましたが、阿川さんの楽しいお喋りを聞いている感じで読めます。

ぜひあなたもシルバーウィーク中に阿川さんのひとりごとを聞く感覚で読んでみませんか。若い皆さんもぜひ。おじいちゃん、おばあちゃんの本音を知ることができますよ。

私はこの本を読んで親に対してもう少し優しくなろうと思えました。自分の親はずっと若いままのような気がしてしまうけど、そんなことないのですよね。いろいろ反省…。とりあえず、シルバーウィーク中にビデオ通話でもしてみようと思います。

‹ 前の記事
次の記事 ›