ゆきれぽ

2024年12月25日

  • #本

田島が選ぶ2024年の本は…

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先週、FMとやまのHPがリニューアルしたのに伴い、
私のブログも新しくなり、以前より読みやすくなりました。
デザインのイメージは文庫です。

最近は、すっかり本紹介ブログになっていますので、
このようなデザインにしてみました。

そして、ヨリミチトソラの毎週水曜18時32分頃からは、
このブログとの連動で、毎週本の紹介をしています。

2024年最後の「ゆきれぽ」は、毎年恒例の田島が選ぶ今年の本を発表します~!
(この一年ラジオで紹介した本の中から選ぶため、発売日が今年とは限りません)

また、毎月第1週は、明文堂書店 高岡射水店の書籍担当 野口さんのおすすめ本
を紹介していますので、野口さんにも今年の一冊を選んで頂きました。

まずは、野口さんの今年の一冊から。

『人魚が逃げた』
青山 美智子
PHP研究所

※本のタイトルをクリックしていただくと、私の本紹介ブログが読めます。

先日紹介したばかりの話題の新刊です。
東京の銀座で、逃げた人魚を探しているという自称王子と、
王子にたまたま出会った5人の物語が収録された連作短編集です。
それぞれに悩みを抱えている彼らは、
王子と出会って大切なことに気付かされるのですが…。
最後まで読んだら、きっと最初から読み直したくなると思います。

野口さんのコメントです。

この本が大好き過ぎて、何回も読みました!
初めから読んだり、終わりから読んだり、
掛け違えたボタンがぴたりとはまる瞬間は、とても清々しいです。
いろいろな読み方でお楽しみください!

田島も青山さんの作品は好きです。
これまで本屋大賞に4年連続でノミネートされていますが、まだ大賞はありません。
来年はこの作品でついに受賞となるでしょうか!?

***

ここからは、田島が選ぶ今年の本です。
今年は三冊あります。またもや一冊にしぼれなかったー。
順位は決めていませんので、ラジオでの紹介順にご紹介します。

『夜明けのはざま』
町田そのこ
株式会社ポプラ社

家族葬専門の葬儀社が舞台の連作短編集です。

登場人物たちは、身近な人の死を通して
「自分らしく生きること」と向き合っていきます。
だからと言って、自分の気持ちだけを考えればいいわけではありません。
登場人物の一人がこんなことを言います。
「自分の中の『それくらい』を相手に押し付けちゃだめ」
自分にとっては些細なことでも、
相手にとってはそうじゃないかもしれないのですよね。
ハッとさせられることの多い一冊でした。
また、人の優しさにもよく触れました。
その度、涙。この本は良く泣きました。

***

こちらも優しい人たちがたくさん出てきました。

『水車小屋のネネ』
津村記久子
毎日新聞出版

谷崎潤一郎賞を受賞したほか、今年の本屋大賞で2位になった作品です。

二人の姉妹を中心に、姉妹が出会った人々の40年が描かれた長編小説です。
物語は1981年から2021年まで10年刻みで進んでいきます。

姉妹は色々な人に支えられながら成長していくのですが、
大人になった姉妹もまた誰かを支え、
その支えられた人ももまた誰かを支えてと、
それぞれが助け合っていくのがいいの。

タイトルの水車小屋のネネは、おしゃべりをする鳥のヨウムのことです。
ネネはラジオが好きで、ラジオから好きな曲がかかると真似をして一緒に歌います。
ラジオも物語のいいアクセントになっているのも嬉しい♪

***

『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』
著者:ファン・ボルム
訳者:牧野 美加
集英社

今年の本屋大賞の「翻訳小説部門」で1位になった韓国の本です。

ソウル市内にある小さな本屋さん、ヒュナム洞書店が舞台の物語です。
書店に集い関わる人たちのささやかな日常が描かれています。

本屋さんが舞台なので、いい本、いい言葉に出会えます。
それから、いい人たちにも。

そこれそ、ちょっと疲れた時にヨリミチしたくなるような一冊です。
40話収録されていますので、1話ずつ読んでみるのもいいかも。

最後の「作家のことば」の中で、著者のファン・ボルムさんが
「私たちからエネルギーを奪っていく一日ではなく、満たしてくれる一日」
を描きたかったとおっしゃっている通り、この本を読んだ後は心が満たされます。

***

ここまで田島の今年の本三冊を紹介しましたが、
どの本も連作短編集ですので少しずつ読めます。
そして、それぞれの短いお話も満足度が高めです。
ですから、あえて一気読みせずにじっくり読んでいくのもいいと思います。
また、繰り返し読んでも楽しめますので、
ぜひ一度読んだ方もふたたび読んでみてください。

最後に今年ラジオで一番反応があった本も紹介します。

『アルプス席の母』
早見和真
小学館

高校球児の母の物語です。
球児目線ではなく、親の視点で描いているからこそ、
大人の皆さんによく読まれたのだと思います。
実際とてもいいお話でした!

読書はちょっちと苦手…という方でも
『アルプス席の母』は読みやすいと思いますよー。

***

今年は、野口さんの選んだ本とあわせて五冊ご紹介しました。
良かったら本選びの参考にしてみてください。

ラジオでご紹介した本は、
県内の明文堂書店のヨリミチトソラ「ゆきれぽ」コーナーにありますので、
ぜひチェックしてみてくださいね。

今年も「ゆきれぽ」にお付き合い頂き、ありがとうございました。
来年も毎週本の紹介をしていきますので、引き続きよろしくお願いします。

田島悠紀子