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『十角館の殺人』

2024年2月7日

小説の中には、どう考えても映像化は無理だなと思う作品があります。

例えば『十角館(じゅっかくかん)の殺人』

読んだことがある方は「いやいや絶対に不可能でしょ」と思ったのでは。
私も思いました。

でも、実写化され、3月22日からHuluで独占配信されるんですって。
どういうことよー!

さて、今日は2月最初の「ゆきれぽ」ということで、
明文堂書店 書籍担当 野口さんのオススメ本です。

『十角館の殺人 <新装改訂版>』
講談社文庫
綾辻行人(あやつじ・ゆきと)

野口さんも映像化に大興奮で、
このドラマを見るためにHuluに入る!とおっしゃっていました。

さて、『十角館の殺人』は、
日本を代表するミステリー作家、綾辻行人さんの
1987年のデビュー作であり、代表作です。
ここから『〇〇館の殺人』とタイトルのついた「館(やかた)シリーズ」が始まり、
これまでに9作品が刊行されています。

また、日本だけでなく世界でも読まれており、
全世界シリーズの累計は、670万部なんだとか。
大ベストセラーです!

去年秋には、アメリカのタイム誌が選ぶ
「史上最高のミステリー&スリラー本」
オールタイム・ベスト100に選出されました。

そして、今回の映像化と、
1987年の発売から37年経った今も注目され続けている、まさに名作です。

どんなお話かと言うと、
大学のミステリ研究会の7人が、ミス研の合宿で、
十角形の奇妙な館が建つ無人島を訪れるところから始まります。

この島では、この館を建てた建築家の「中村青司」が
半年前に謎の死を遂げており、幽霊の噂もあるため、
島に近づくものは誰もいませんでした。

同じころ本土では、元ミス研のメンバーだった
江南(かわみなみ)のもとに、
死んだはずの中村青司から一通の手紙が届きます。

いったいどいうことなのか、江南は調べることにします。

そんな中、島では学生の一人が殺されます。
自分たち以外誰もいない無人島での殺人に、
学生たちは誰も信じられなくなっていき…。

この続きは、ぜひ本を読んでお楽しみください。

ここで、明文堂書店 書店員の野口さんのコメントをご紹介しますね。

「ミステリーといえば、これ!です。
そして、再読しても面白い本もこれ!です。
孤島と、館の設定もワクワクしますが、
登場人物たちに翻弄されて、行きつ戻りつ。
紙の本の良さを実感できる本です。
もう映像実写化そのものが衝撃です!」

ちなみに、今回ご紹介した『十角館の殺人』は、
刊行から20年後の2007年に
「新装改訂版」としてリニューアルされたものです。
綾辻さんご自身で全面改訂をされたそうですよ。

ただ、当時の空気感はそのまま残したようです。
例えば、誰もがいつでもどこでも煙草を吸っていたり、
合宿で食事の準備をするのが女性だったりするのですが、
いかにも80年代っぽいなあと思ってしまいました。

そんな時代の空気感を感じつつも、
物語から放たれる勢いは鮮やかで、まったく色あせていません。
ですから今読んでも楽しめると思います。

そして、最後まで読めばきっと「映像化は不可能!」と思うはず。(笑)
いや、ほんとどうやって映像化するんだろう。

今日ご紹介した『十角館の殺人』は、
富山県内の明文堂書店全店「ヨリミチトソラ ゆきれぽコーナー」にあります。
ぜひお手に取ってみてくださいね。
また「館シリーズ」もあわせてどうぞ。

◎明文堂書店のサイトは コチラ

yukikotajima 11:49 am