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36『小袖日記』

2011年7月13日

紀伊国屋書店の書店員の皆さんがセレクトした文庫
「紀選文庫(きせんぶんこ)」は、魅力的な作品がたくさん!

先日、紀伊國屋書店富山店の紀選文庫コーナーで、
まず、目に飛び込んできたのが、こちらでした。

『小袖日記(こそでにっき)/ 柴田よしき』
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本を手にとり、迷わず購入。

柴田さんと言いますと、
『ワーキングガール・ウォーズ』
をお書きになった方です。

■『ワーキングガール・ウォーズ』の感想はこちら↓
http://www.fmtoyama.co.jp/blog/tajima/?p=429

私は、この作品を読み、
客観的に「女性」というものを知ったように思います。
また、私自身、思い当たることの連続で、
この人は、なぜこんなに私の心を知っているのか?
と思ったほどです。

そんな柴田さんが、『源氏物語』をネタにした小説を書いた、
となれば、読みたいに決まっています。(笑)

源氏物語は、それこそ、女性ばかりが出てくる作品ですからね。
柴田さんが、源氏物語をどのように解釈し、どう小説にするのか?

想像しただけでワクワクしてきます!

それでは、簡単に内容を紹介しましょう。

主人公は、現代の29歳の女性。
上司との不倫に破れ、夜中にふらふら公園を歩いていた時、雷の直撃を受けてしまいます。
目が覚めると、目の前には、「おかめ」。「おかめの大群」。(笑)

私は、この「おかめの大群」という言葉を見た瞬間、
笑いが止まりませんでした。

おもしろすぎるー!何?何この表現!
と、この言葉がスイッチとなり、
私は食い入るように本の世界に入っていきました。

物語は、雷の直撃を受けた主人公が平安時代にタイムスリップしたところからスタート。
どうやら自分は「小袖(こそで)」という名の18歳の女性で、
顔は、もちろん「おかめ」。(笑)

『源氏物語』を書いた紫式部というペンネームを持つ女性の助手のようなことをしています。
具体的には、『源氏物語』のネタ探しです。

おなじみの登場人物が次々に登場し、
小袖がどう絡んでいくのかがとても楽しかったです。
また、その絡み方にミステリの要素が含まれているのが面白かった!

私は、源氏物語というと、漫画「あさきゆめみし」の印象が強いのですが、
その知識だけでも十分楽しめました。

また、『源氏物語』と言ったら、恋のお話です。
男女間の恋愛の違いなどが、
柴田さん独特の歯に衣着せぬ物言いで、
ヒヤヒヤしながらも共感でき、すっきりしました。

女性は、わかるわ〜!と、登場人物のどなかたに共感できると思いますが、
男性は…心穏やかに読んで下さい!(笑)

それにしても、柴田さんは、やっぱり素敵だ。

言いたくても言えない。
心が感じているのに、感じないフリをしている。

そんな一見器用そうに見えて、不器用な女性たちに読んでもらいたいな。

yukikotajima 10:35 am