2011年3月28日
- #本
18『神様からひと言』
年度末ですね。
4月から生活が大きく変わる方もいらっしゃれば、
何の変化も無いという方もいらっしゃることでしょう。
変化の無い方の中には、
「今の会社、辞めたいなあ。いいところがあれば他に行きたい…」
なんて、こっそり思っている方もいらっしゃるかもしれません。(笑)
例えば、こんな心の声が聞こえてきそうです。
今日もうちの社長、威張り散らしてるよ。朝から機嫌悪っ。
そんな社長にゴマをすりすり媚びを売ってる上司に、
失敗ばかりでプライド高い先輩。おっ今日も早速出た—。言い訳!
そして、いつまでたっても仕事を覚えない後輩。
「ちょっとこれ違うんだけど」
って、は?それ、私のせい?ありえーーーん。
あー!ストレスたーまーるー!
などと思っている、サラリーマン、OLの皆さん、いらっしゃいませんか?
ちなみに、これ、あくまでもイメージですから。私の声では無いですよ。
こんな風に思っている方たちが多いんじゃないかな、と思って。(笑)
さて。
そんな理不尽な生活がほとほと嫌なになった方にこそ、
読んでいただきたい本があります。
それは、荻原 浩(おぎわら・ひろし)さんの『神様からひと言 (光文社文庫)』 です。
![]()
主人公は、大手広告代理店から中堅の食品メーカーに転職した、27歳の佐倉凉平。
凉平は、入社早々トラブルを起こし、
リストラ要員収容所と恐れられる「お客様相談室」へ異動となります。
ここでの仕事は、お客様からのクレーム処理。
鳴りやまない苦情電話をとり、お客様の家まで謝罪に行く日々。
さらに、プライベートでも彼女に逃げられる始末。
と紹介すると、現実の世界でも辛いのに、本の世界まで重いのはちょっと・・・
と思われてしまいそうですが、
この本は、読んでいて、嫌な気持ちはしないのです。
それどころか、私は、楽しくて仕方なかった!
なんといっても、登場人物皆のキャラがたっていて愉快なのです。
それに反して、主人公の凉平がたちすぎていない、
そのバランスもいいので、文章に緩急があって読みやすい。
特に、一見、仕事ができそうにないのに、
苦情処理に関しては天才的な先輩、篠崎の存在感は大きいと思います。
篠崎の苦情処理トークのテンポのよさ、言葉選びの気持ちよさは、
楽しいだけじゃなく、勉強にもなります。
声に出して読みたいくらい。
怒っている相手に対し、どう向き合えばいいのか。
この本には実例がのっていますので、
よく、苦情電話を受け取るという方は、勉強がてら読んでみてください。
そんな篠崎を見ながら、
涼平も徐々に仕事に慣れていきます。
そして…。
いやー、すかっとした!
豪快で楽しい本でした。
読み終えて、本を閉じた瞬間、
よし、私も頑張ろう!という気分になりました。
文庫ですので、1冊686円(+税)。お求めやすい!
栄養ドリンク飲むより、即効性&持続力があるかも〜。
新年度を新たな気持ちで迎えるためにも、
3月中に読むことをおすすめします。
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プロフィール
田島 悠紀子
Tajima Yukiko
7月13日生まれ。群馬県出身。
B型。 -
担当番組
・富山ダイハツ オッケイウィークエンド
(毎週土曜 11:00~11:55)・ヨリミチトソラ
(毎週水曜・木曜 16:20~19:00) -
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