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となりの怪物くん

2018年4月25日

最近は、富山で映画の撮影が行われることが増えていますが、
あさって金曜日27日に公開される映画
『となりの怪物くん』も一部が富山で撮影されました。

今ブログをお読みの方の中にも
エキストラとして映画に出演した方がいらっしゃるかもしれませんね。

この映画は、累計発行部数610万部を突破した大人気漫画を実写映画化したもので、
監督は大ヒット映画『君の膵臓をたべたい』の月川翔さん、
主演を菅田将暉さんと土屋太鳳さんが務めました。

予測不能な超問題児で「怪物」と呼ばれる春を菅田将暉さんが
冷静で淡白なガリ勉の雫を土屋太鳳さんが演じています。

そんな性格の二人なので二人とも友達がいませんでしたが、
高校入学後、不登校の春の自宅に雫がプリントを届けに行ったことがきっかけで
春は雫を勝手に「友達」に認定し、雫にまとわりつきます。

はじめは無関心だった雫も、春の純粋さに触れるうちに少しずつ心を開いていき、
気付けば友達も増え…この先は是非映画をご覧ください♪

私は一足早くこの映画を見てきました。

菅田将暉さんは、作品によって全く異なるキャラクターになることで注目されていますが、
この映画では、まるで人懐っこい犬のように無邪気に甘えてくる様が大変かわいかったです。

男性に対してかわいいというのもどうかと思うけれど、かわいいのだから仕方ない!(笑)

先日テレビで放送されていた映画『帝一の國』も高校生役でしたが、
本当に同一人物?というくらいに全くの別人です。

『帝一の國』のような激しすぎる役もいいけれど、
少女漫画の王道のような役もいいものですね!

でもそろそろ高校生役も見納めかな。
そういう意味でも是非ご覧ください。(笑)

今年のゴールデンウィークは
大人の皆さんも映画を見て青春を味わってみては?

『となりの怪物くん』の公開は、明後日27日(金)です。

◎公式サイトは コチラ

yukikotajima 7:33 pm

おまじない

このブログをお読みのあなたは、
「おまじない」をしたことはありますか?

小さいお子さんのいるご家庭では
お子さんが転んだ時、
「痛いの、痛いの、飛んでいけ〜」
とお子さんに向かって声をかけること、ありませんか?

本当に痛みが飛んでいくわけではありませんが、
その言葉を聞いたお子さんは、泣きやんでしまうこともあります。

一方、私たち大人は、転んだとしても
誰かに「痛いの、痛いの、飛んで行け〜」などと言ってもらえません。

でも、時々心が痛みを感じたとき、
誰かに「痛いの〜」と言って欲しかったりするのかもしれません。

今日ご紹介するのは、先月発売された
直木賞作家、西加奈子さんの短編集『おまじない(筑摩書房)』です。

まさにこの「痛いの〜」のような言葉をかけてもらったことで
心の中の痛みが飛んでいった女性たちの物語です。

短編の主人公は、モデル、12歳の小学生、キャバ嬢、妊婦など全て女性です。
彼女たちは何かしら悩みを抱えています。

そんな彼女たちの心を軽くしてくれるのが、
「おじさんのひとこと」です。

それもヒーローのような男性ではなく、普通のおじさんです。

おじさんたちには「私が君の心を軽くしてやろう!」
というような押し付けがましさは全くありません。

女性たちの心を救うのは、たまたまおじさんが口にした言葉なのです。

どのお話の女性もそれぞれに悩みを抱えています。

***

例えば、『孫係』というお話。

12歳の小学生の「すみれ」の家に
1ヵ月だけ「おじいちゃま」が住むことになります。

おじいちゃまのことが大好きなママは
毎日気合いを入れておじいちゃまをもてなすのですが、
それに付き合わされるすみれは窮屈に感じています。
もちろん、すみれもおじいちゃまのことは大好きです。

ある日「ひとりになりたい」と声に出したところを
おじいちゃまに聞かれてしまいます。

おじいちゃまを傷つけたかもと思ったすみれでしたが、
実はおじいちゃまも同じことを思っていたのでした。

「いい子」でいることに疲れを感じ、
こんな私は悪い子に違いないと葛藤していたすみれは、
そのことに衝撃を受けます。

おじいちゃまと本音トークをするうちに、
すみれは生きづらさから解放されていくのですが、
と同時に私の心も軽くなっていきました。

「私、性格悪いな」と感じることは誰にでもあると思います。
意地悪な感情が芽生えて、
そんな風に思ってしまった自分のことが嫌になり、
私はなんて嫌な奴なんだ…と自己嫌悪に陥ったこと、ありませんか?

私はよくあります…。

でも、このおじいちゃまは、
そんな負の感情の処理の仕方を
さらりと教えてくれます。

おじいちゃまと小学6年生の会話ですが、大人の私にも響きました。

おじいちゃまの言葉を知りたい方は
ぜひ本のページをめくってみてくださいね。

***

『マタニティ』という話では、
付き合いはじめの彼との間にこどもができた女性の
不安定な心のうちが描かれています。

彼も喜んでくれるかしら?と思ったかと思えば、
計画的に妊娠したと思われたらどうしよう…と悩んだり、
彼の返事次第ではひとりで育ててみせる!
いや、ちゃんと育てられるの?大丈夫かな私?
などと自分の思いがめまぐるしく変わっていきます。

そんな彼女の心を落ち着かせたのも、
あるおじさんの一言でした。

***

どのお話にも女性たちの本音が詰まっていました。

短編なのでさらりと読めてしまうのだけど、
読んだあとは、どの作品も心の中にねっとりとくっついて離れませんでした。
でも、いやなべたつきではありません。
きっと心の中が潤った証拠なのかもしれません。

西加奈子さんの『おまじない』は、
大人の心によく効きました。

短篇集なので、GW中に毎日1話ずつ読んでいってもいいかも。

yukikotajima 11:10 am

奇跡の村・舟橋

2018年4月19日

突然ですが、舟橋村というと、どんなイメージがありますか?

舟橋村は全国の市町村で一番小さい村で、
その面積は東京ディズニーランド約7個分です。

ということは、人口減少も著しいのかしら…と思いそうですが、
平成のはじめに1,400人だった人口は、現在、3,000人まで増えたそうです。
つまり、20年ちょっとの間に倍増しているのです!

なぜ倍増したのか、その理由はこの本を読めばわかります。

『奇跡の村・舟橋 日本一小さな村の人口は、なぜ倍増したか?』

この本は、去年、富山新聞に掲載された連載記事を1冊にまとめたもので、
今年の1月に発売されました。

富山新聞の記者さんが、お一人で長期にわたって取材されたものなのですが、
記者さんの村を見つめる眼差しに優しさが感じられる
舟橋村愛に満ちた1冊でした。

多くの村の方たちが登場しているため、
まるで私も村を歩きながら、皆さんのお話を聞いている気分になりました。
掲載されている写真のたくさんの笑顔も印象に残りました。

この本によると、舟橋村には様々な魅力があるそうです。

まず、「場所」。
舟橋村は、富山市中心部まで車で20分、電車なら富山駅まで15分の近さです。

次に、「子育て天国」。
舟橋村の子育て支援センター「ぶらんこ」には、
村以外からも多くのママがお子さんと一緒にやってくるのだそうです。
その理由は、居心地の良さ。
駐車場がいっぱいになるほどなんだとか。

そして、「駅の図書館が人気」。
住民1人あたりの図書館の貸出冊数は年間32冊で、なんと日本一!

日本一といえば、15歳未満の人口割合21.8%も一位です。
つまり、子どもたちが多いということです。

『奇跡の村・舟橋 日本一小さな村の人口は、なぜ倍増したか?』には、
他にも舟橋村の魅力が紹介されています。

地域活性化や定住促進、人々が元気に暮らすためのヒントが満載の一冊です。
是非お読みください。

***

『奇跡の村・舟橋 日本一小さな村の人口は、なぜ倍増したか?』は、
県内各書店、舟橋村役場、舟橋村図書館で買うことができます。
ただし、書店での販売は残りわずかだそうです。

ちなみに、村役場、村図書館で購入すると、
村職員手作りの「オリジナルしおり」がついてきて、
本を「オリジナル封筒」に入れてくれます。

図書館は富山地鉄の越中舟橋駅に併設されていて、
駅には地元食材を使った人気レストラン「お※(おこめ)食堂」もありますので、
プチ観光も兼ねて、地鉄に乗って本を買いに舟橋村に行ってもいいかもしれませんね。

私もこの図書館と食堂にはまだ行ったことが無いので、近々行きたいなと思っています♪

また、舟橋村役場に電話で注文して本を送って頂くことも可能だそうです。
ただし、送料は別途かかります。

お問い合わせ:舟橋村役場総務課 076(464)1121

舟橋村役場のサイトは コチラ

yukikotajima 9:44 am

ほどほど快適生活百科

2018年4月18日

今日のキノコレ(grace内コーナー13:45分頃〜)は、
紀伊國屋書店富山店の奥野さんから
群ようこさんのエッセイ『ほどほど快適生活百科(集英社)』
をご紹介いただきます。

 奥野さんの推薦文は コチラ

私も読みましたので、軽く感想を。

この本は、衣、食、住、健康・美容、お金、仕事、
趣味・娯楽、人間関係、エイジングについての
群さんのマイルールが紹介されています。

その生活の軸にあるのは、飼い猫。
このエッセイには、猫ちゃんへの愛がにじみ出ています。

この本を読みながら、
「一人暮らしあるある」に「そうそう!」と共感したり、
「ほお、なるほど!」と早速生活に取り入れてみたいと思ったり、
まるで群さんとお茶でも飲みながらお喋りしている気分でした。
時々、ニャーと猫ちゃんがやってきて。
なんとものどかで穏やかなお喋りでした。
(あくまでも「気分」ですが。笑)

いくつか印象に残った言葉をピックアップしてみますね。

「アイデアは蓄積×偶然の産物」

物を創る人は、これまでにたくさんのものを自分の中に入れてきている。
例えば、読んできた本など。
それらと何らかの偶然の出会いがあって、
アイデアに結びつくのだそうです。

これ、よくわかります。
一見無駄かな?と思えることも、あるとき、突然役立つことがありますもの。

また、こんなこともおっしゃっています。

「計画通り、希望通りではないからこそ人生は面白い」

人生は希望通りにならないときのほうが
自分に合った意外な面白い事柄が出てくる気がする、と。

この言葉は一番印象に残りました。
私にも思い通りにならないことは、もちろんあります。(笑)
でも、もしかしたら、この先予想もしていなかった面白いことに
出くわすかもしれないと思ったら、
我慢して受け入れてみるのもありかなと思えました。

ほどよく、
無理せず、
ゆるゆると。

本の帯に書かれている言葉です。
今後、イライラしたり、余裕が無くなったりした時、思い出してみます。

共感して学んで。
いい読書時間でした。

yukikotajima 11:56 am

雨と詩人と落花と

2018年4月11日

昨日、本屋大賞が発表されました。

今年の大賞は、辻村深月さんの『かがみの孤城(ポプラ社)』でした。

2月にラジオでご紹介した作品です。

私の感想は コチラ

新年度になって10日が経ちましたが、
まだ新しいクラスに馴染めずにいる
学生さんもいらっしゃるかもしれません。

この本の主人公の「こころ」ちゃんも
入ったばかりの中学校で嫌なことがあり、
学校に通えなくなってしまいます。

もし今、新しい場所で孤独感や居心地の悪さを感じている方がいれば、
この本の世界をのぞいてみてはいかがでしょう?

本を読み終えた後は、孤独感は消えて前向きな気持ちになっているはずです!

本屋大賞受賞作は映像化されることが多いのですが、
著者の辻村さんは「もし映像化されるならアニメ化されたらいいな」
とおっしゃっていました。

これは間違いなくアニメ化されそうだな。

『かがみの孤城』は、去年5月の発売以来
すでに話題になっていた作品ですが、
本屋大賞を受賞したことで、ますますヒットしそうですね。

本屋大賞の今年の結果は コチラ

ちなみに、受賞作の中では、こちらも以前ラジオでご紹介した
本屋大賞6位の塩田武士さんの『騙し絵の牙』も面白かったですよー。

私の感想は  コチラ

俳優の大泉洋さんを「あてがき」したもので、
言葉選びもテンポも心地よくて、個人的に好きなタイプの作品です。
よかったらこちらも読んでみてください♪

***

さて、今日ご紹介する本は、本屋大賞ではなく、
以前、映画化もされた「蜩ノ記(ひぐらしのき)」
で直木賞を受賞された葉室麟さんの新作です。

え?新作ってどういうこと?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
実は葉室さんは去年の12月にお亡くなりになりました。

今日ご紹介するのは、先月、徳間書店から発売された
葉室麟さんの『雨と詩人と落花と』です。

ちなみに、『玄鳥(げんちょう)去りて』に続く2冊目の遺作で、
逝去後、5冊を刊行予定だそうです。

『雨と詩人と落花と』は、大塩平八郎の乱が起きた頃の江戸末期の物語です。

主人公は、九州の豊後肥田(ぶんごひた)にある
私塾「咸宜園(かんぎえん)」の塾主であり、孤高の漢詩人、
広瀬旭荘(ひろせ・きょくそう)です。

咸宜園を開いたのは、25歳年上の兄の淡窓(たんそう)。
穏やかで人間として大変立派な兄に対し、
弟は感情の起伏が激しく憤りを抑えられない性格で、
一人目の妻に出て行かれてしまったほどです。

その後、二人目の妻になったのが「松子」です。
この松子がとても優しい女性なのです。

すぐに苛立ち、ときどき暴力をふるう夫に対し、
本当は心優しい人であることを理解し、支え続けます。
というのも詩人である彼の詩がとても優しいことを知っているから。

暴力をふるわれそうになると、彼女は逃げます。
自分が傷つくのを恐れるというよりも
冷静になった夫が怪我をした妻を見て苦しむ様子を見るのが嫌だから、
という理由で。

なんて優しいのよ、松子さん!

ところが…
松子はある日、病魔に倒れてしまうのです。
症状が悪化していく中、旭荘は薬代を稼ぐことくらいしかできません。
それ以外に何か自分にできることはないのか、彼は苦しみます。

そんなある日、旭荘が尊敬している年上の女性が家を訪れ、
妻にあることをするよう、彼にアドバイスします。

どんなアドバイスをされたのかについては、
ぜひ本を読んでご確認ください。

一見、怒りっぽい性格に見えてしまう旭荘ですが、
妻が病気になってからの彼は、怒るどころか泣いてばかりの日々です。
妻にあきれられてしまうほどに。

ちなみに、私も本を読みながら旭荘と同じように涙をポロポロこぼしていました。

松子が病気になったことで、旭荘は大切なことに気付かされます。
彼は何に気付いたのでしょうか。
是非、本のページをめくってみてください。

直木賞を受賞した『蜩ノ記』も優しさに満ちた作品でしたが、
『雨と詩人と落花と』も葉室さんらしい優しさと愛が詰まっていました。

そうそう!
この作品の本の題字は、書家の葉室涼子さん。
葉室さんの娘さんです。
初めてで最後の親子共演だそうです。

ぜひ表紙にも注目してお読みください。

yukikotajima 11:56 am

樽とタタン

2018年4月4日

こんにちは。
2001年に富山に来て、
18年目の富山生活がはじまりました。

私の群馬での実家暮らしが高校3年生まででしたので、
ついに群馬歴と富山歴が同じなります。

もうすっかり第2の故郷になっています。

今日は、私が担当する新年度最初のgraceです。
今年度もよろしくお願いします。

新年度なので、あらためてFMとやまの田島ページをご紹介しますね。

田島のページは コチラ

さて、昨日まで3日間、群馬の実家に帰っていました。
地元の桜並木の下を歩いたり、
買い物に行ったり、
日光東照宮に行ったりして
リフレッシュしてきました。

日光旅については、
私の個人ブログ 続・ゆきれぽ にアップしましたので、
良かったらお読みください。

その群馬滞在中に桜並木を歩きながら
ついでに小中学生によく歩いていた道をのんびり歩いてみました。

小学校も公園も子どもの頃より小さく感じました。
町のサイズもなんだかコンパクトになったなあ、と感じたのですが、
それだけ、私が大人になったということですよね。

でも、唯一広くなっていた場所がありました。

よく通っていた図書館は、すっかり姿を変え、
私が通い詰めていた当時の10倍くらいの広さになっていました。

でもたくさんある本の中に、当時私が読んだ本があるはず、と思ったら、
一気に懐かしさが読みがってきて、
狭くてかび臭くて、今にもお化けが出そうな当時の図書館が無性に恋しくなりました。

***

さて。
今日のキノコレ(grace内コーナー13:45分頃オンエアー)で
紀伊國屋書店富山店の奥野さんにご紹介いただく本も
本を読んだ後、昔、よく訪れていた場所に久しぶりに行ってみたくなりました。

『樽とタタン/中島京子(新潮社)』

◎奥野さんの紹介文は コチラ

今はもう無い喫茶店が舞台のお話で、
大人になった女性が、子どものころよく行っていた喫茶店での思い出を綴った物語です。

子ども時代の懐かしさが蘇ってくる1冊で、
私も昔、母の妹によく連れて行ってもらった喫茶店に行ってみたくなりました。

家族で外食をするときとは違って、
働く女性だった母の妹が連れて行ってくれる喫茶店は大人の空間で、大好きでした。
私がいつも食べていたお子様ランチもとても豪華でしたし。

この物語の舞台である喫茶店はもう今は無いようですが、
私がよく行っていた喫茶店はまだあるので、今度行ってみようかな。

そうそう。
主人公の女の子、タタンちゃんのおばあちゃんが喋っている田舎の方言が群馬っぽいのです。

はっきりと群馬とは書かれていないけれど、
きっと群馬あたりの北関東に違いないと思ったら、
この物語がより身近に感じられました。

この本は、喫茶店が舞台の連作短編集なのですが、
たまたま訪れた喫茶店で、他のお客様のお話を
たまたま聞いてしまったような感覚を味わえます。
しかも、短編集なので、毎回、私も喫茶店を訪れている気分で、
気付いた時には馴染みの喫茶店になっていました。

この本、昔からある地元の喫茶店で本のページをめくったら楽しいかも。
音や香りや話し声を感じながらこの本を読んだら、より作品の世界に入れそうです!

yukikotajima 11:21 am