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北村薫 40・41

2009年8月3日

今日の「キノコレ」は、
先日、今年の直木賞を受賞した
北村 薫(きたむらかおる)さんを大特集します!

今回受賞した『鷺と雪(さぎとゆき)』は、「ベッキーさんシリーズ」の3作目です。

ベッキーさんシリーズは、
上流家庭の花村家の女性運転手・別宮(べつく)みつ子、通称ベッキーさんと、
令嬢の英子の2人が、様々な謎に挑む、という、昭和初期のお話です。

私が読んだのは、そんな「ベッキーさんシリーズ」の1作目『街の灯』です。
英子とベッキーの2人の出会いから、
身のまわりで起こる様々な謎に挑み始める様子が書かれています。

そして、もう1冊、
こちらは「円紫さんシリーズ」1作目であり、
デビュー作でもある『空飛ぶ馬』です。

落語が大好きな大学生の私(女子)と、落語家の円紫さんが、
ともに謎を解決する、というお話です。

いずれの作品も、品があって優しい雰囲気です。
やけっぱちとか、いい加減とか、ルーズとか、
そういった言葉はまったく似合わない感じです。

清く正しい感じがしました。
それは、どちらも10代の清純な女子の目線で語られていることと、
美しい言葉づかいにあるかもしれません。
ベッキーさんシリーズは、特に上流家庭のお嬢様、ということもありますが、
言葉がとても上品なのです。
また、恋愛話がはさまれていないのも、清い理由の1つかもしれません。

時には、お嬢様ゆえの大胆な行動もありますが、
それでも、常に品が伴っているのは、すごいことです。

がさつでいきあたりばったりな私とは、まるで正反対の女性たちです。

また、落語や文学を引用しているあたり、
知識がある方にとっては、「ほお」とうなづきながら、高尚な楽しみ方ができそうです。
でも、私のようにほとんどなんのことかわからなくても、
わかりやすく元ネタ(引用元)についての説明が書かれているので、大丈夫!
わからないどころか、北村さんの本を読んだ後は、
1度に何冊も本を読んだような気がしてきます。

絵が見えやすいのと、
10代の女性が主人公ということから、
私は、本を読んでいる、というよりも、マンガを読んでいるような感覚でした。

本のタイトル、著者の年齢や外見を見ると、
なんだかとっても難しそうな作品に思えてくるのですが、
そんなことはありません。

シリーズものですので、
学生さんたちが、夏休みに、少しずつ読んでみるのにもいいかもしれません。

北村薫作品については、
今日のgrace内の「キノコレ」で、
紀伊國屋書店富山店の朝加さんに熱く語っていただきます。
朝加さんは、北村作品の大ファンなんだとか。

放送は、今日の13:45〜。聞いてね!
また、残念ながら聞けない方は、
放送終了後、ポッドキャストでお聞きいただけますので、是非、聞いてね〜。

yukikotajima 10:00 am