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売薬資料館

2023年3月6日

3月4日(土)は、「お話の時間」ありがとうございました。

初めての朗読会で、緊張していましたが、

とっても楽しかったです!

改めて、朗読は難しいなぁと思いましたし、

もっと勉強してみたいです!

また、「お話の時間」に参加できるよう、頑張ります!

 

さて、先週のSTEP!では、民俗民芸村内にある「売薬資料館」をご紹介しました。

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まず、富山の売薬は、江戸時代初期、富山藩2代目藩主の前田正甫公の時代に始まったと言われています。

 

一番有名な薬といえば、「反魂丹」ですよね。

反対の反に、魂、丹波の丹とかいて反魂丹。

 

富山の反魂丹は、岡山の医師「万代常閑(まんだいじょうかん)」から伝わったと言われています。

 

そして、富山の売薬が有名になった出来事として伝わるのが

「正甫公が参勤交代で江戸城に登場したときに、

腹痛を起こした他の藩の大名に反魂丹を渡したところ、すぐに治り、

全国に広まったという」説です。

伝説として伝わっていますが、事実かどうかわからないそうです。

売薬の歴史は、いまだ解明されていないことが多くあります。

 

売薬が始まり、1700年代後半は、富山で作っていた薬はおよそ30から50、

江戸時代中期になると、一気に増え200ほどの薬を作っていました。

 

そして、その作った薬を全国に売りに行くのが、売薬さんです。

富山駅南口、cic前にも売薬さんの銅像がありますよね。

 

富山からでて、自分の持ち場の地域で行商をします。

 

販売の地域は、北は北海道から南は九州まで。

一年に1回から2回、

富山からでて、行商が終わるとまた富山に戻っているというスタイルです。

 

売薬さんは、個人で行うのではなく、

組織化されていました。

 

売薬さんをまとめる人がいて、

厳しい決まりもありました。

 

例えば、「相手先の人に変に思われないように、服装や言動に注意する」、

「他の業者と協力しない」などなど。

色々な決まりがありました。

 

売薬業は、先用後利が一般的でした。

先に薬を預け、使った分だけお金を払ってもらうという仕組みです。

そのため、どの家に何の薬を、どのくらい置いたのか、

懸場帳(かけばちょう)に記したとされています。

 

また、江戸時代なかごろからは、土産品も持っていきました。

「また、来年もよろしくお願いいたします!」という意味を込めて、

カレンダーや箸、センス、手ぬぐいなどを渡していました。

江戸時代後期は、売薬版画、

明治時代後期になると子供が遊ぶ紙風船などにおまけも変わりました。

日本のおまけ商法の元祖と言われています!

 

現在、企画展として「歌舞伎と子ども」が行われています。

当時の土産品の版画がみられますので、こちらもお楽しみください!

 

売薬さんは、自分が担当するエリアに到着すると、柳行李を担いで行商しました。

柳行李は、ヤナギを編んだ箱型の入れ物のことで、

この箱を5段ほど積んで歩いていました。

 

私は、富山から担当エリアに行くときも、

柳行李を背負って歩いていたと思っていたんですよ。

 

大量の荷物を運ぶことできるのかなぁと不思議だったんですが、

担当エリアで必要なものは、事前に荷造りをして、

船などを使って送っていたそうです!

 

富山から担当エリアの行き来は、旅人の装いでした。

江戸時代の旅人は何をもっていたか、見てみてくださいね。

 

そして、売薬さんは、自分たちで作った薬を売るのが一般的だったので、

行商に行っていないときは、薬づくりに取り組んでいました。

 

売薬資料館では、薬づくりに必要な道具も展示していますよ!

丸い形の薬、丸薬の作り方順に道具が並べられています。

一般的な丸薬の作り方は、

まず初めに材料を刻みます!

刻んだ材料をすりばちをつかってすりつぶします。

 

すりつぶした材料は、ふるいにかけ、

こねばちで練りこみます!

この時、つなぎとして小麦や米をいれます!

 

そのあと、下桝という道具で薬の形を整えます。

形を整えたら乾燥させ、色を付けます!

なんで色を付けるんだろうなぁと思っていたんですが、

一番の理由としては、薬を見分けやすくするためだそうです。

 

例えば、包装用紙を作る、薬を入れるガラス瓶の制作、印刷業、運送業などなど

少しずつ形を変えながらも、今の富山を支えている産業ですよね。

 

他にも、昔の薬のパッケージや土産品の展示、富山を代表する売薬商家の密田家の土蔵もみることができます。

土蔵は、江戸時代中期に建てられ、火事や水害、地震、そして空襲にもたえて残った貴重な建物です。

土蔵内部や、密田家にまつわる資料の展示もありますので、

ゆっくりとご覧になってみてくださいね。

 

富山の売薬さんについて、改めて学ぶことができました。

当時の使われていた道具や、薬の包装をみて、

当時の様子を知れて、楽しかったです。

ぜひ、売薬資料館で、富山の今につながる売薬産業について勉強してみてはいかがでしょうか。

 

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民俗民芸村 売薬資料館

開館時間 午前9時から午後5時

観覧料  売薬資料館のみ 大人100円 高校生以下無料

民俗民芸村の全施設対象 大人530円

民俗民芸村のHPはコチラ

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mizunashi 3:52 PM