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シーズンⅡ「巴御前」第3話「巴の誓い」の巻(2020年6月9日・放送)

2020年6月9日

 

倶利伽羅峠の戦いで平家の大軍を撃ち破った木曾義仲と巴御前。

勢いそのまま、京の都へと入りましたが、そこで待ち受けていたのは・・・

 

このブログでも、絵とともにお話をご紹介します。

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倶利伽羅峠の戦いで平家の大軍を撃ち破った木曾義仲。

勢いそのまま、京の都へと入りました。

平家に苦しめられていた庶民は、喜びをもって義仲たちを迎えます。

 

(巴)「義仲様、ついに、京の都に! 見て下さい。みんなが私たちのことを歓迎してくれています!」

 

感無量の巴。

 

(義仲)「そうだ、巴! 俺は新しい世を築くぞ! 我々を歓迎してくれる民のためにも!」

 

 

 

後白河法皇から「朝日将軍」の称号を賜り、人生の絶頂にいた義仲。

しかし、都の状況はかんばしくありませんでした。

平家が食糧を持ち去ってしまい、食べるものが不足していたのです。

 

(巴)「義仲様、源氏の軍勢が民の食べ物を奪っているとのこと」

 

(義仲)「うーむ、木曽の兵士たちには厳しく申し付けているのだが…。それ以外の者どもが悪さを働いているようだ…」

 

 

 

義仲は、巴らとともに治安回復を図ります。

 

(擬音など)「おらーっ、ドスン、ガラガラ、きゃーっ、がしゃん」

 

乱暴狼藉を働く兵士。

そこへ駆けつけた巴。

 

(巴)「民に乱暴狼藉を働くとは! 許しません!」

 

(兵)「うわー。巴だ! 助けてくれー」

(兵)「もう悪いことはしません! 堪忍してくれー」

 

 

 

しかし、巴の奮闘も焼け石に水。

追い打ちをかけるように、後白河法皇が義仲の邪魔をするようになりました。

 

(後白河)「新しい政治だと? 武士にそのようなこと、できるわけがなかろう!」

 

(巴)「義仲様は、ただ純粋に、民の暮らしを守ろうとしているだけ。

朝廷や貴族だけが裕福なこの世の中を正そうとしているのに…」

 

義仲の純真さ、優しさを知っているだけに、巴の悲しさは募る一方です。

 

 

 

さらに、平家を追撃した義仲軍、苦戦を強いられ、有能な家臣を多く失ってしまいました。

義仲の味方についていた武将たちも、一人また一人と国へ帰っていきます。

さらには、後白河法皇が鎌倉の源頼朝と手を結び、義仲を排除する動き。

まさに四面楚歌。

 

(巴)「ああ、京の都に来たときには6万騎の軍勢だったのに。今はわずかな兵しか残っていない…」

「でも、でも、私は最後まで義仲様を守る!」

 

固く誓う巴でありました。

 

< おわり >

ラジオ紙芝居 スタッフ 3:30 PM

シーズンⅡ「巴御前」第2話「倶利伽羅峠の戦い」の巻(2020年5月12日・放送)

2020年5月12日

 

木曽義仲が活躍したことで有名な、倶利伽羅峠の戦い。

今回は、巴御前の視点から戦いの模様についてみてみます。

 

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① 元服した義仲と女武者巴

 

駒王丸は十三歳の春に元服。

木曾冠者次郎源義仲を名乗るようになりました。

そして、駒王丸が義仲となっても、変わらずそばにいたのが巴。

武芸を磨き、頼もしい女武者として成長していったのであります。

 

 

② 平家の横暴。嘆く巴

 

この頃、世の中では源氏と平家が対立。

都では平家一門が勢力をふるい、庶民に対して横暴を働いていました。

 

(巴)「ああ、なんてひどい。幼い子どもも飢えているなんて」

(義仲)「そうだ、巴。これ以上、平家の横暴を許してはならぬ」

 

そんな折、後白河法皇の皇子、以仁王が平家打倒に立ち上がり、

義仲のもとにも追討の命令書が届きます。

 

 

③ 女武者巴の活躍

 

以仁王に呼応し、ついに旗挙げした義仲。

集まった兵は一千騎。

むろん、巴も鎧を身につけ義仲のそばにおります。

合戦が始まり、いよいよ激突する義仲軍と平家軍。

 

(平家軍兵士)「うおっ、あれは女武者ではないか?」

(平家軍兵士)「なんと、豪傑な!」

 

「びゅん、ばさっ」

(巴)「えい! やーっ! まだまだ!」

(巴)「わが名は巴! 命の惜しくないものはかかってこられよ!」

 

常に最前線で薙刀をふるい、次々と敵を撃ち破っていく巴。

そして、巴の活躍もあって、義仲軍は快進撃を続けるのであります。

 

 

④ 倶利伽羅峠の戦い

 

撃破に次ぐ撃破。

京の都を目指し、北陸へ進出した義仲軍。

対する平家軍、十万の大軍を投入。

平家の大軍と義仲の軍勢は、越中と加賀の国境にある倶利伽羅峠で

衝突することとなりました。

 

(巴)「義仲様のため、必ずや手柄を立てて参ります」

(義仲)「巴、あまり無茶をするなよ」

 

義仲の心配をよそに、巴は一軍の将として、一千騎を率いて勇猛に戦います。

 

 

⑤ 勝利する義仲と巴

 

そして、倶利伽羅峠の戦いは、牛の角に松明をつけて

敵に突撃させる奇襲作戦『火牛の計』によって、義仲軍の圧勝で終わります。

 

(義仲)「はっ、はっはっは。はっ、はっはっは。やった、やったぞ! はっはっはっは」

(腹の奥底から響いてくるような不気味な笑い声)

 

谷底を埋め尽くす平家軍のなきがらを見下ろす義仲。

 

(巴)「義仲様…ああ、これが私の知っている義仲様?」

 

勝利に酔いしれる義仲の姿を見て、なぜか不安に駆られる巴。

 

(巴)「でも私が必ず、必ず、義仲様をお守りいたします」

 

改めて心に誓う巴でありました。

 

< おわり >

ラジオ紙芝居 スタッフ 3:30 PM

シーズンⅡ「巴御前」第1話「義仲・巴、出会い」の巻(2020年4月14日・放送)

2020年4月14日

2020年4月よりこの番組も「シーズンⅡ」に突入しました。

今月からは巴御前を軸に物語を展開します。

引き続き、お楽しみください。

 

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平安時代末期、源平合戦のさなかに、すい星のごとく現れ、京の都に進軍した天才武将、木曾義仲。

この義仲のそばにいて、ともに戦っていたのが「巴」という女武者。

巴御前の生涯とは、いかなるものだったのでしょうか?

 

 

 

平安時代末期、信濃国。

一人の男の子が川辺で水の流れを見つめておりました。

この男の子の名は駒王丸。

後の木曾義仲であります。

 

(四郎)「おーい、駒王丸ぅ」

(走ってきて転ぶ)ゴロゴロ、ドスン (四郎)「いてて…」

(駒王丸)「何を慌ててるんだ、四郎」

(四郎)「お、俺に弟か妹ができるんだ。駒王丸、一緒に屋敷に来てくれ!」

 

 

 

駒王丸が立ち上がったその時、川の流れが渦巻いているところに龍の姿が見えました。

 

(駒王丸)「わっ!龍が出た!」

 

駒王丸が指さした方を四郎が見ても、何もいません。

 

(四郎)「何言ってるんだ。屋敷に急ぐぞ!」

 

四郎の後を追う駒王丸。

しかし、もう一度、渦巻くほうを振り向くと…

 

(龍)「私はあなたのそばでずっとお守りいたします」

 

龍の声が聞こえた気がしたのであります。

 

 

 

屋敷に着くと、四郎の兄の次郎が待っておりました。

 

(次郎)「遅いぞ、二人とも。もうすぐ生まれるようだぞ」

(赤ちゃん)「おぎゃーおぎゃー」

(四郎)「あっ!生まれた。父上、男の子ですか?女の子ですか?」

(兼遠)「うむ。女の子だ。お前たちの妹だ」

 

次郎と四郎の父親で、駒王丸の養父である中原兼遠が答えます。

 

(兼遠)「『ともえ』と名付けたぞ」

(駒王丸)「ともえ……かわいい名前ですね」

(兼遠)「うむ。駒王丸殿。ぜひとも、我が娘をかわいがっていただきたい」

 

 

 

(みんな)「あはは、あはは」(遊ぶ音)「ザブン、バシャバシャ」

 

数年の後、駒王丸は次郎、四郎、そして巴と川遊びをしておりました。

次郎と四郎が泳ぎの腕を競っています。

駒王丸と巴は少し離れたところで泳いでいました。

 

(駒王丸)「うっ、ごぼっ、ぶくぶく」

 

駒王丸も泳ぎは得意でしたが、うっかり、川の深いところでおぼれそうになったのです。と、その時。

 

 

 

(泳ぐ音)「スイー、スイー」

 

巴が、まるで龍のように、力強く、しなやかに泳いできて、駒王丸を助けたのであります。

 

(駒王丸)「ふー、あやうくおぼれるところであった。巴、ありがとう」

(巴)「私はずっと駒王丸様のそばにいて、いつでも駒王丸様をお守りいたします」

 

その声を聞いて、はっとする駒王丸。

もしかして、巴は龍神の使いなのでは?

巴が生まれたあの時、川辺で聞いた龍の声。

あれは、巴の声だったのでは?

駒王丸の心に、巴への淡い想いが宿った瞬間でございました。

 

 

ラジオ紙芝居『巴御前』「義仲・巴、出会い」の巻。

今日はここまで!

ラジオ紙芝居 スタッフ 3:30 PM

第12話「義仲最期」の巻(2020年3月10日・放送)

2020年3月10日

義経軍に追い詰められ、北陸へ逃れてきた木曽義仲が

粟津の地で潔く散ることを決意し、最期の戦いを挑むことにしました。

義仲の最期、そして義仲と常に行動を共にしていた巴御前は

どうなってしまうのか・・・

 

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今井兼平と再会し、ここ粟津の地で潔く散ることを決意した義仲。

鎌倉勢に最期の戦いを挑むことにしました。

 

(義仲)「我こそは朝日将軍 木曾義仲!」

(軍勢)「うおおおおっ!」

 

大音声とともに敵軍に突撃する義仲軍。

しかし、多勢に無勢。

一騎、また一騎と、義仲の兵は減ってゆき、

最後は兼平、巴を含む七騎だけになってしまいました。

 

 

(義仲)「巴、せめてそなただけでも落ちのびよ」

(巴)「いいえ、義仲様、巴は最後まで義仲様をお守りいたします」

(義仲)「ならぬ! 大将軍と言われた義仲じゃ。最後まで女を連れていたと言われるのは不甲斐ない」

 

諭された巴、泣く泣く義仲のもとを去っていくのであります。

 

 

残ったその他の武将たち、一人また一人と討ち取られ、最後は義仲と兼平の二騎だけに。

 

(義仲)「兼平、わしもいよいよ終わりか? 今日は鎧が重く感じる」

 

珍しく弱音を吐く義仲。

 

(兼平)「殿、かくなる上はご自害なさってください」

(義仲)「何を言うか、兼平。死ぬ時は一緒じゃ、最後までともに戦おうぞ」

(兼平)「なりませぬ。大将軍とまで言われた殿が一介の雑兵に討たれてはならぬのです」

(義仲)「か、兼平…」

 

兼平に諭された義仲、意を決して松林に駆けていきました。

 

 

(兼平)「うおおっ! かかってこい! ここから先は通さぬ! わしが相手じゃ!」

 

義仲が自害する時をかせぐため、一人で鎌倉勢を防ぐ兼平。

 

(馬)「どどど、どどど、どぼっ…ずぼぼぼ、ひひん」

 

しかし、なんと義仲の乗った馬が田んぼにはまり、身動きができなくなったのであります。

 

 

(義仲)「くそっ、動けぬ」

 

立ち往生した義仲、兼平の身を案じ、後ろを振り向いた。

と、その刹那。

 

(矢)「びゅうっ、グサッ」

 

相模国の住人 石田為久(ためひさ)の矢が義仲の眉間を貫いたのであります。

こうして義仲は討ち取られてしまいました。

 

木曾義仲。享年三十一。

 

 

ラジオ紙芝居「木曾義仲と巴御前の生涯」

乱世を駆け抜けた悲運の武将、波乱万丈の物語。

これにて一旦おしまい!

ラジオ紙芝居 スタッフ 3:30 PM

第11話「孤立する義仲」の巻(2020年2月11日・放送)

2020年2月11日

 

後白河法皇の策略に翻弄される義仲。

対抗すべく後白河法皇の軍勢を撃ち破りましたが・・・

 

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対立する義仲を排除するため、鎌倉の源頼朝と手を組んだ後白河法皇。

ついに、兵を集め、義仲を攻める準備を始めました。

葛藤の末、売られた喧嘩を買うことにした義仲。

あっという間に後白河法皇の軍勢を撃ち破り、法皇を幽閉してしまいます。

 

 

しかし、法皇の住まいを焼き討ちしたことで、味方だった武将たちの心は離れ、義仲はますます苦しい立場になるのでした。

追い打ちをかけるように、頼朝が弟の範頼(のりより)と義経を京の都へ派遣。

これに対抗する義仲、後白河法皇から征東大将軍の地位を手に入れます。

しかし、時すでに遅し。

範頼・義経の軍勢は京の入口である瀬田・宇治へと近づいておりました。

 

 

そして始まった、宇治川の戦い。

この時、義仲が派遣できた軍勢はわずか数百騎。

 

「ぴゅん、ひゅーん、ひゅーん、グサッ」(矢の音)

 

矢が降り注ぐ中、宇治川に乗り入れる義経軍。

 

「うおおおおっ」

「バシャバシャ、ひひーん」

「シャキーン、グサッ」

「ぐぐぐ…無念…」

 

義仲四天王の根井行親(ねのいゆきちか)や楯親忠(たてちかただ)らの奮闘もむなしく、義経軍に撃破されてしまいます。

 

 

一方、京を守っていた義仲。

 

(義仲)「これは、まずい。法皇を連れて、京を脱出するぞ! 巴!」

(巴)「で、ですが、もう、義経軍が法皇の住まいに迫ろうとしています!」

(義仲)「かくなる上は、我々だけで出発じゃ!」

 

逃れるように京を後にする義仲。

朝日将軍とまで讃えられた義仲でしたが、ここに至って、付き従う武将はわずかな数に減っていたのであります。

 

 

北陸へ逃れようとした義仲、なぜか、義仲四天王の今井兼平が守る瀬田方面へと進路を変えます。

義仲と兼平、「死ぬ時は一緒」と誓い合った仲。

そのことを思い出したのでした。

 

(兼平)「よ、義仲様…」

(義仲)「兼平…」

 

再会を果たした二人。

もしや、最期の戦いに挑む覚悟をしたのでありましょうか。

 

<おわり>

ラジオ紙芝居 スタッフ 3:30 PM

第10話「後白河法皇と源頼朝の陰謀」の巻(2020年1月14日・放送)

2020年1月14日

 

平家を京の都から追いやり

入京を果たした木曾義仲でしたが

さまざまなことに翻弄されて思うようにことが進みません・・・

 

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源氏一族の中で、いち早く平家を京の都から追いやり、入京を果たした木曾義仲。

倶利伽羅峠の戦いから二ヶ月たらずの快進撃でした。

しかし、義仲の前には大きな問題が立ちはだかっておりました。

都を去った平家一門が、食べ物を全て持って行ってしまったので、

義仲の軍勢およそ6万人分の食糧が、ほとんど都には残っていなかったのであります。

 

 

食べ物にありつけない武士たち。

庶民の家に押し入り、食糧を奪ったり、乱暴狼藉をはたらく者がでてきました。

 

(武士)「えーい。我々は平家を都から追いやった功労者だぞ。食べ物を出せ!」

(庶民)「ひえー。うちにはもう食べるものは残っていません」

(武士)「うるさい!文句を言うな。ずどん、どがん、がしゃん(家を壊す擬音)」

 

義仲は、乱暴狼藉をはたらいた者を厳しく処罰しますが、混乱は収まりません。

はじめは義仲の入京を喜んでいた庶民も、がっかりして、

義仲に対して冷ややかな目線を送るようになります。

 

 

新しい国づくりを目指して京へやってきた義仲。

平家追討の功労者である以仁王(もちひとおう)の子、

北陸宮(ほくりくのみや)を新しい天皇に推挙いたしました。

しかし、後白河法皇に反対されてしまいます。

 

(後白河)「義仲め、一介の武士が皇位継承に口を出しおって!」

 

後白河法皇は義仲を、疎んじるようになったのであります。

 

 

なんとか名誉挽回したい義仲は、西国(さいごく)に落ち延びた平家の追討に向かいます。

しかし、海上での戦いに慣れていない義仲軍、水島の戦いにおいて、

平家の水軍に大敗してしまいました。

失意の義仲のもと、京の都から、さらに驚くべき報せが。

 

 

なんと、後白河法皇が頼朝と手を組み、義仲を排除しようとしていたのです。

義仲はすぐさま兵を率いて京に戻りました。

 

(義仲)「自分は国のために戦ってきました。そんな自分をさしおいて、頼朝に肩入れするおつもりか!」

 

驚いた後白河法皇は、ひとまず義仲をなだめます。

しかし、自分に無礼な態度をとった義仲に対する怒りは収まりません。

都の治安回復と後白河法皇の策略に翻弄される義仲。

いったい、どうなってしまうのでしょうか?

 

<おわり>

ラジオ紙芝居 スタッフ 3:30 PM

第9話「義仲、入京」の巻(2019年12月10日・放送)

2019年12月10日

 

いよいよ京の都を目の前にした義仲。

しかし進軍を止めてしまいました・・・

 

このブログでも、絵とともにお話をご紹介します。

 

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平家軍を追って、加賀国(かがのくに)から越前国(えちぜんのくに)、

そして近江国(おうみのくに)へと快進撃を続ける義仲軍。

ところが、京の都を目前にして、進軍を止めたのであります。

 

(義仲)「都に影響力を持つ比叡山延暦寺を味方につけなくては、京へ入れない」

 

思案する義仲。

 

 

そこで、覚明(かくめい)が延暦寺に向けて、

味方につくよう諜状(ちょうじょう)をしたため、送ることとしました。

これを受けて、延暦寺では、議論がわき起こります。

 

「今まで平家に味方していたのだから裏切ることはできない」

「いやいや、今は木曾義仲に勢いがある。源氏に味方すべきだ」

 

なかなか意見がまとまりません。

しかし、延暦寺は勢いのある木曾義仲に、新しい時代の息吹を感じ、

義仲に味方することを決めました。

延暦寺が味方についたことを知った義仲、ついに全軍で京の都に進軍したのであります。

 

 

対する平家、延暦寺が裏切ったことを知り、右往左往。

「倶利伽羅峠の戦い」で多くの将兵を失ったことから、

京の都を守ることができないことを悟りました。

清盛亡き後の平家の棟梁、平宗盛(たいらのむねもり)は、

安徳天皇を奉じて、西国に落ち延び、再起を図ることにいたしました。

 

 

都落ちする平家に代わり、都に入ったのは我らが義仲。

源氏一族の中で、いち早く平家を追いやり、入京を果たした木曾義仲であります。

 

「わーわー、戦もなく平家を追い出してくれたー」

「これで暮らしやすい世の中になるぞー」

 

庶民の歓喜の声の中、威風堂々、凛々しく馬に乗り行進する義仲。

そのそばには、家臣の今井兼平、樋口兼光、そして、巴御前の姿もありました。

 

 

そして、後白河法皇に御所で拝謁することとなった義仲。

平家一門を都から追い払った功績により、従五位下(じゅごいのげ)左馬守を任ぜられ、

朝日将軍の称号を賜ったのであります。

朝日将軍。

朝日のように、破竹の勢いで進軍してきた義仲に与えられた、まさに名誉ある称号。

この日が義仲にとって、人生で最良の日であったのかもしれません。

 

<おわり>

ラジオ紙芝居 スタッフ 3:30 PM

第8話「無残なり、篠原の戦い」の巻(2019年11月12日・放送)

2019年11月12日

 

倶利伽羅峠の戦いののち、敗走する平家軍を追い、加賀国を西へ西へと向かう義仲軍

突然、見事な直垂を着用した平家方の武将が目の前に・・・

 

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倶利伽羅峠の戦いののち、敗走する平家軍を追い、

加賀国(かがのくに)を西へ西へと向かう義仲軍。

対する平家軍。

加賀国の篠原(しのはら)で軍勢を立て直し、義仲を迎え撃ちますが、

勢いにのった義仲の軍勢に対抗できず、あっけなく打ち崩されてしまいました。

 

 

再び平家軍が京に向かって敗走する中、

見事な直垂(ひたたれ)を着用した平家方の武将が、ただ一騎、

義仲の軍勢に立ち向かってきました。

義仲の家臣、手塚太郎光盛がこの武将を相手にし、首を討ち取ったのでございます。

 

 

光盛は義仲のもとに首を差し出し、こう報告しました。

 

(光盛)「ただ一騎、名も名乗らず、戦いを挑んできました。立派な直垂を着用していたので、首をお持ちしました」

 

これを見た義仲。

何かを感じ、家臣の樋口兼光を招き寄せたのであります。

 

(義仲)「兼光、これはもしや、斎藤別当実盛殿ではないか」

 

 

斎藤別当実盛は、義仲が駒王丸と呼ばれていた二歳の頃、

父 源義賢が源義朝に討ち取られた際、殺されるはずであった駒王丸を匿い、

木曽に逃してくれた命の恩人でありました。

 

 

(兼光)「いかにも。この首は実盛殿」

 

兼光は断言しましたが、老齢となっている実盛の髪は白髪になっているはず。

ところが、この首の髪は真っ黒でありました。

そこで…

 

(髪を流す音)「じゃぶじゃぶじゃぶ、じゃぶじゃぶ、ザーッ」

 

黒髪を池の水で洗ってみると、なんと白髪が現れてまいりました。。

 

 

(兼光)「そういえば実盛殿は、以前、こう申しておられました」

 

(実盛)「自分が年老いた武者だと分かったら、敵は侮って、相手にしてくれないだろう。だから、髪を黒く染め、若武者を装って戦う」と。

 

(兼光)「こたびは、殿と戦うにあたり、自分が実盛だと分かれば、命の恩人ということで手加減をするかもしれない、と思ったのでしょう」

 

(義仲)「そうか。これが最後の戦いと……死を覚悟しておったのか。なんと潔い……それにしても無残じゃ……」

 

命の恩人を討ち取ってしまったことを嘆く義仲。

しかし、平家との戦いはまだまだ続くのであります。

 

<おわり>

ラジオ紙芝居 スタッフ 3:30 PM

第7話「勝利を呼ぶ鳩」の巻(2019年10月8日・放送)

2019年10月8日

 

今回は、現在の富山県小矢部市にある

埴生護国八幡宮にて倶利伽羅峠の戦い前に

先勝祈願をした際のお話です。

 

 

このブログでも、絵とともにお話をご紹介します。

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般若野の戦いで勝利した今井兼平。

その報せを聞いた義仲本隊は一気に越中へ進出。

義仲は倶利伽羅峠のふもと近くに源氏の白旗を立て、大軍を装います。

対する、平家軍の総大将 平維盛。

 

「明日はいよいよ決戦! 今夜はゆっくり休んで疲れを取るのじゃ!」

 

 

一方の義仲。

あたりを見渡すと、小高い丘に社殿が見えました。

地元の武将、池田次郎忠康に尋ねると「埴生八幡宮」とのこと。

八幡宮は源氏の守護神。

義仲はそこで戦勝祈願することにします。

 

 

参謀役の覚明を呼び寄せた義仲、戦勝祈願文をしたためさせました。

 

(覚明)「きみょうちょうらい……むにゃむにゃ……

平家と戦うのは、天皇や朝廷を助けるため。そしてなにより庶民のため。

決して己の立身出世を願って戦っているのではありません。

ぜひとも、この戦(いくさ)、勝たせてください」

 

 

季節は梅雨。この時も小雨が降っておりました。

しかし、覚明が、祈願文とかぶら矢を奉納した瞬間、

突然、空が晴れ渡り、雲のすき間から鳩が!

 

(鳩の飛ぶ音)「ひゅーっ、バサバサバサッ、すいーー (鳩の鳴き声)」

 

舞い降りてきた鳩が、源氏の白旗の上を飛び回ったのであります。

 

(義仲)「鳩は源氏にとって吉兆。この戦(いくさ)、勝ちに間違いない!」

 

(兵士)「おーぅ!」

 

 

そして、その夜、義仲軍は、倶利伽羅峠で眠りこけている平家軍を取り囲み、

一斉に攻め込んだのであります。

暗闇の中、眠っているところを襲われた平家軍は大混乱。

次々と谷底へと消えて行きました。

 

 

そんな中、なんとか脱出できた平維盛は加賀国へと逃げて行きます。

追撃の手をゆるめない義仲。

しかし、梅雨時のため、加賀国の川は増水しております。

そこで、義仲軍の兵は手を取り合って、川を渡ったとのこと。

その川は、現在、手取川と呼ばれているそうな。

 

 

<おわり>

ラジオ紙芝居 スタッフ 3:30 PM

第6話「義仲、越中へ」の巻(2019年9月10日・放送)

2019年9月10日

 

今回のお話は、平家を打ち倒し、新しい国をつくろう!と

木曾義仲に味方する武将が多く集まり、拡大していく義仲の勢力が

越中・現在の富山県へと進軍していくお話です・・・

 

このブログでも、絵とともにお話をご紹介します。

 

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挙兵した義仲の快進撃。

これに勇気づけられたのが、平家に苦しめられてきた北陸の武士団。

 

(武士団)「義仲に味方して、平家を打ち倒し、新しい国をつくろう!」

 

このような思いで、義仲に味方する武将が多く集まってきました。

拡大していく義仲の勢力。

しかし、これに恐れを抱いたのが源頼朝。

なんと、突如として、信濃国、現在の長野県に侵攻してきたのであります。

 

 

(義仲)「よ、頼朝め! 今は源氏同士、力をあわせて平家を撃ち破らなくてはならないのに」

 

頼朝と戦うことも考えた義仲でしたが、信濃国が戦乱に巻き込まれ、その隙に平家がますます力をつけることを避けるため、和平を結ぶ決断をします。

そのために、まだ十二歳の息子、義高を人質として頼朝のもとに送ることとなりました。

 

(義仲)「義高、わしは平家をいち早く打ち倒し、お前を迎えにいくからな! それまでの辛抱じゃ!」

 

(義高)「はい、父上。必ずや平家を打ち倒してください。それまで、しばしのお別れでございます」

 

 

さて、この頃、越中国、現在の富山県の朝日町には、打倒平家を訴えた以仁王の皇子 北陸宮がおりました。

義仲は、北陸宮を保護し、平家追討の大義名分を得たのであります。

これにより、さらに膨れ上がる義仲軍。

対する平家、北陸道へ大軍を派遣しました。

 

 

越中で激突することとなった両軍。

義仲は、まず、今井兼平を送り込むことにいたしました。

兼平は親不知の難所を通り、一気に越中国を駆け抜け、白鳥山、現在の富山市呉羽山を占拠。

西から侵攻してきた平家軍の先鋒は、白鳥山に源氏の白旗が立っているのを見て、いったん退却することを決意します。

 

 

その様子を見た兼平。

 

(兼平)「今が好機じゃ! 一気に押し込め!」

(人馬)「うおー、行くぞー、ひひーん、どどどどどー」

 

現在の高岡市常国、般若野の地で激しい戦いが繰り広げられました。

勇猛に戦う兼平軍、押しに押して平家の陣営を倶利伽羅峠まで押し返すことに成功。

今井兼平、大勝利であります。

そして、ここに大将義仲も合流。

あの有名な倶利伽羅峠の戦いの下地は整ったのでございます。

 

<おわり>

ラジオ紙芝居 スタッフ 3:30 PM