★☆★★☆★　4月13日の　『キノコレ』　　★☆★★☆★　　　

「キノコレ」は、毎月・第1&第3水曜の13：45〜『grace』の中でお送りしていますが、
4月は、第1＆第2水曜にお送りします。

今週は、紀伊國屋書店富山店　係長　朝加昌良さんのオススメ本です！


■本屋大賞決定■


昨日、本屋大賞の発表があり、今回の大賞は

東川篤也さんの『謎解きはディナーのあとで』（小学館）に決定いたしました。


◎本屋大賞公式サイト　http://www.hontai.or.jp/


以前にもご紹介したこの本、ざっと紹介いたしますとこのような本です。

・主人公はお嬢様刑事とその執事。
　難事件の真相に悩むお嬢様を、毒舌の執事が推理して解決に導く、というもの。

・ユーモア作家として知られる著者らしく、このお嬢様刑事と執事、また上司の刑事とのやりとりがとても楽しく、
　読みやすい短編集に仕上がっております。

　といった作品なのですが、やはり短編なのでもっと謎を掘り下げた作品も読んでみたい、
　と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

　そこで今回ご紹介するのがこの本です。

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★　『交換殺人には向かない夜』光文社文庫
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・いくつかのユーモア・ミステリのシリーズを持っている東川さん、
　その中でデビュー作を含む「烏賊川市シリーズ」と呼ばれるものの、こちらは4作目にあたります。
　シリーズものなのに4作目を紹介？と思われるかもしれませんが、大丈夫。
　キャラクターもすんなりつかめますし、他の作品を読んでいなくとも楽しむことができます。
　そして、私がこの作品を選んだのはシリーズ内でこれが一番完成度が高い、と思ったからです。

・まず「交換殺人」とはなにか。
　A、Bそれぞれが殺したい相手がいるときに、
　お互いのその殺したい相手を殺人することによって人のつながりを消し、
　捜査にあがらないようにするという、小説ならではの形態といえます。

　これがテーマだ、とタイトルから宣言していますね。

・物語の視点はいくつかあります。
　まず、私立探偵鵜飼の視点。こちらは「夫の浮気調査」の依頼をきっかけにして進行してゆきます。
　潜行調査ということで、使用人として山奥にある依頼人の館に滞在します。

・次に、その助手である戸村の視点。
　こちらはガールフレンドに誘われて、彼女の友人の山荘へと向かいます。

・この2つの視点が主となって進んでゆきますが、もう1つの視点がたまに現れます。
　それは刑事たちの視点。
　彼らは殺人事件の捜査をしていますが、その事件の容疑者にはアリバイがあり、捜査は難航している…。

・それぞれの物語が進み、また新たな事件も起こり、果してこれら3つの物語はどういう決着を迎えるのか？

・さて、この本はミステリなので、やはりトリックが仕込まれています…
　しかし、それは1つではありません！
　
　ユーモアに紛れ込ませられたそれらの巧さ、そして複合の仕方に感心しました。

この本が気に入った方は他の「烏賊川市」シリーズを読んでいただければと思います。
他にも色々な作品がある著者、当店では著作をリストにしたフリーペーパーも作って配布しておりますのでご参考にどうぞ。


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★紀伊国屋書店富山店からのお知らせ★
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◆紀伊国屋書店富山店　　　場所は、富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F 　　
　 電話番号　 076-491-7031   営業時間 10：00〜20：00 　

・定休日 ：4月5月は無し。

◎4月13日の放送は、ポッドキャストでもお聞きいただけます！