PROGRAM

 
2010/11/01 (月)
  • 11月1日のキノコレ

  • 紀伊國屋書店 富山店 朝加さん

11月1日のキノコレ[grace]
 11月1日の 『キノコレ』     

「キノコレ」は、毎月・第1&第3月曜の13:45〜『grace』の中でお送りしています。

今週は、紀伊國屋書店富山店 係長 朝加昌良さんのオススメ本です!

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 マリアビートル』 伊坂幸太郎 角川書店
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・殺し屋たちの話。とはいっても殺伐とはせず、どこかユーモラスであるのが伊坂さんの特徴。
 やりとりも軽妙・珍妙です。

・殺し屋たち、と聞いて『グラスホッパー』を思い浮かべた方は、正しい発想です。
 似たようなテイストで書かれているし、『グラスホッパー』に出てきたあの人もちょっぴり登場。
 また裏世界の力関係も『グラスホッパー』の事件後、となっているので、
 読んでいる方が今作を楽しめるでしょう(もちろん読んで無くても分かるようにはなっています)。

・そして舞台は今回なんと、新幹線。東京から盛岡へ向かう新幹線の中で、様々な思惑を持つ殺し屋たちが入り混じります。

 ある人物と荷物を送り届けるために乗り込んだ者、また逆にある荷物を奪って逃げるために乗り込んだ者。
 はたまた、ある人物に罰を与えようとしたところ返り討ちになり、同行させられているもの…。
 それぞれの事情が絡まりあい、妙な反応を起こして物語は進み、また電車も進んでいきます。
 物事がクロスする話を書かせるとやはり伊坂さんはうまい。

・新幹線という閉鎖された空間で、彼らは時に協力し、時に戦います。ストーリー展開は全く先が読めませんでした。
 終点に待ち受けるものが何か、最後の最後まで気が抜けません。

・伊坂さんは『グラスホッパー』がとてもお気に入りだったらしく、だからこの作品も生まれたのでしょう。
 担当との打ち合わせでは執筆の進行状況を「今○○駅の辺りです」なんて言ったりしていたのだとか。


◆今年のミステリランキングは??

・混戦が予想されます。この伊坂さんの作品は上の方に絡んでくるかもしれません。
 あとは貴志祐介『悪の教典』(文藝春秋、上下巻)あたりも上位候補。
 学校を舞台に繰り広げられる殺人。サイコ・ホラーのテイストです。
 分厚い物語ですがページをめくるのが止まらないような引力がある。
 犯人の思考が徐々に垣間見えるのがその原因か、じわじわ、ぞくり、ときます。

 他にも色々と有力候補はありますが、全て挙げるときりが無いので若手をピックアップ。

  若手では梓崎優(しざきゆう)『叫びと祈り』(東京創元社)の評判が高い。
 
  デビュー作にして完成度の高い連作短編。
  青年が世界をめぐった先で遭遇する事件や謎、ロードノベルのような趣きもよい。
  特に冒頭の「砂漠を走る船の道」が秀逸。何も無い砂漠とで起きた連続殺人事件。
  犯行の動機付けが砂漠のキャラバンならではで、またミステリとしての技巧も光る作品。

 そして連作短編といえば何より七河迦南『アルバトロスは羽ばたかない』(東京創元社)。
  個人的には今年度一番の出来と思っていますし、ぜひランクインしてほしい作品です。


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紀伊国屋書店富山店からのお知らせ
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◆紀伊国屋書店富山店   場所は、富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F   
電話番号  076-491-7031   営業時間 10:00〜20:00  

・11月定休日は、ありません。

◎11月1日の放送は、ポッドキャストでもお聞きいただけます!


grace


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