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ミロ、荒井良二、福富太郎

2022年7月22日

先日、美術館を一日に三ヵ所まわり、アートを浴びるように見てきました。

まずは、富山県美術館で開催中の「ミロ展−日本を夢みて」を鑑賞。

一見、子どもが描いたようにも見えるミロの作品ですが、
解説ともに見ると、印象ががらりと変わるから不思議!
学びながら楽しく鑑賞できました。

例えば、ミロは「素材」にこだわっていたそうで、
こんな使い方もありなの?というような面白い作品もありました。
ぜひ素材にも注目して鑑賞してみてくださいね。

また、ミロの作品から「日本」らしさを見つけるのも楽しかったです。
例えば、浮世絵を背景に貼り付けた絵画(まるでゴッホの『タンギー爺さん』のよう)や
「書」のような作品などがありました。
というのも、ミロは日本が大好きだったそうなのです。
大阪万博で即興で壁画を描いた際には、日本のたわしを使ったほどです。わーお。

今回の「ミロ展」は、ミロと日本の関係に注目した初の展覧会です。
ぜひじっくり隅々までお楽しみください。

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一方、たわしではなく、ご自身の手を使って絵を描く方もいます。
国内外で活躍する絵本作家、荒井良二さんです。

現在、高志の国文学館では、開館10周年を記念した企画展
「荒井良二のPICTURE BOOK〈絵・本〉」を開催中です。

会場では森山直太朗さんの「花鳥風月」のMVが流れているのですが、
このMVが荒井さんのライブペインティングなのです。
ご自身の手で直接描いていく様にくぎ付けでした。

荒井さんの絵本は、ポップで明るくて、遊び心があって、
隅々までチェックしたくなる楽しさがあります。
また、文章は声に出したくなる楽しさで、
作品を鑑賞しながら「声を出して読みたい!」と思い、
帰りに荒井さんの絵本『たいようオルガン』を買ってしまいました。
この絵本、最高です!

絵本を普段読まない方でも楽しめる展覧会ですので、大人の方もぜひ。

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最後は、富山県水墨美術館へ。
「コレクター福富太郎の眼:昭和のキャバレー王が愛した絵画」を見てきました。

福富さんは、著名な作家の作品だけでなく、
たとえ無名であったとしてもご自身がいいと思ったら買っていたそうです。
(また、かなりの勉強家でもあったそうですよ)
そんな福富さんの「眼」に焦点をあてた展覧会です。

例えば、最近再評価が高まっている
渡辺省亭の作品にもいち早く目をつけていたのだとか。

会場には美人画を中心に洋画や戦争画まで約80点が展示されています。
中でも妖艶な美人画が多いのですが、
さまざまな思いを抱えた女性たちが並ぶさまは、まるで夜の雰囲気でした。

そんな中、吉田博の風景画『朝霧』を見た時には朝がきた!と思いました。
福富さんも「吉田博の作品は見ていて気分が爽快になる」
とおっしゃっているのですが、まさにその通りでした。
透明感があって、まるで、そこだけ空気が澄んでいるようでした。
思わず福富さんに「私もそう思ったよ」と心の中で話しかけてしまいましたもん。(笑)

というのは私の勝手な見方ですが、
いずれにしても福富さんの人柄が感じられる展覧会だなと思いました。

あなたは福富さんのコレクションからどんなことを感じるでしょうか。
ぜひ会場でお確かめください。

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ということで、一日に3つの展覧会を見て回りましたが、
疲れるどころか、とても楽しい時間でした。
また、いい運動にもなりました。美術鑑賞って結構歩くのですよね。
運動にもなって一石二鳥です。(笑)

皆さんもこの夏、県内の美術館巡ってみてはいかが。
くれぐれも履きなれた靴でお出かけくださいね。

yukikotajima 11:55 am