ブログトップページはコチラ

市内電車 1日フリー切符の旅 岩瀬編

2021年3月17日

今週のgraceでは、15時から「市内電車 1日フリー切符の旅」と題して
アーバンスタジオと同じく1周年を迎える富山市内路面電車の旅をご紹介しています。
市内電車、南北接続1周年おめでとうございます!

月・火曜は垣田さんが富山駅の南側エリアを紹介しましたが、
私、田島は富山駅の北側エリアをご紹介します。

私は、富山駅から富山港線に乗り、途中下車して様々なところに立ち寄りながら、
終点の岩瀬浜駅で降り、岩瀬の街を楽しんできました。

初日の今日は様々な人と出会った岩瀬の旅を
明日は豊かな自然と出合った途中下車の旅をご紹介します。

***

今回私が利用したのは、富山地方鉄道の「ぐるっとグルメぐりクーポン」です。
これは、市内電車・富山港線の一日乗り放題券と
富山名物やます寿司と交換できるクーポンがセットになったお得な切符です。

富山駅から途中下車しながらたどり着いたのは、終点、岩瀬浜駅
ここでは岩瀬の方たちとお話をする旅となりました。

まずは、紅茶の店アナザホリデーへ。
このお店はインド式煮出しミルク紅茶のチャイが人気です。

おすすめの「クタベのチャイ」を注文。
疫病退散のため辛めのチャイなんだとか。
さすがクタベという名がついているだけあります。

たしかにぴりりとした辛さが口から喉にかけて広がりましたが、
スパイスが絶妙のバランスでとても美味しかったです。
飲む度に体が内側から元気になっていくような気がしました。
お砂糖をたっぷり入れて飲むのがオススメなんですって。

スタッフの徳光さんはフォトグラファーでもいらっしゃるので、
岩瀬のおすすめの撮影スポットを教えていただきました。

岩瀬はメインの通り以外はまるで迷路のようで迷子になりやすいものの、
辻々には小さな祠らしきものがあって雰囲気があるので、いい写真が撮れるのだとか。
道に迷っても楽しめるのが岩瀬の魅力なんですって。

早速その祠らしきものを探しに行ったのですが、、、わからず。
公園にいた小学生たちに聞いてみたら、なんと一緒に探してくれることに。

結局、見つからなかったのですが(笑)、
かわりに岩瀬のおすすめをたくさん教えてくれました。キラキラのまっすぐな瞳で。
岩瀬の未来は明るいなと思いました。

でも、どうしてもその祠らしきものが気になり、
岩瀬在住のモステン佐藤さんに聞いてみたところ、
岩瀬の様々な人に連絡を取ってくださったのです。
ああ、申し訳ないー。

でも、おかげでわかりました!ありがとございます〜。

海の安全を守るための祠の他、
江戸時代にお殿様が通った道に建てられたものもあるのだとか。
いずれも昔から岩瀬のまちにあるそうですよ。
でも、見つけるのはちょっと難しいそうで、
佐藤さんからは「今度ランニングの恰好で走りながら探してみたら?」と言われました。(笑)

岩瀬の皆さん、本当に優しいなあ。ありがとうございます。
小さな祠を見つけに近々、再び岩瀬に行こうと思います。必ずリベンジします!

さて、岩瀬では新しいスポットにも行ってみました。
こちらは、今年一般公開されたばかりの旧馬場家住宅です。

馬場家は、江戸後期から活躍した海の豪商で、
馬場はるさんは、旧制富山高等学校(現在の富山大学)設立のために
多額の寄附をしたことでも知られています。

スタッフの方からはるさんの話を聞いて、
まるで朝ドラのようではないか!と思いました。
いつか本当にやってほしいな。

その馬場家の米蔵が様々なクラフトビールが楽しめる
「コボ ブリュー パブ」になっていまして、私も行ってみました。

4種類のビールを少しずつ楽しめる「テイスティングセット」を注文。

ビールにぴったりなフードもそろっています。

コボは、チェコ出身のコチャスさんと、
スロバキア出身のボリスさんが立ち上げたお店です。

お二人とも気さくで日本語もペラペラなので、
言葉の壁を感じることなく会話を楽しめました。

店長のボリスさんと♪

ビールの種類は季節ごとに変わっていくので、
いつ訪れても新しいビールが楽しめるそうですよ。

実はこのコボでタナベマサキさんと合流しました。
ここのクラフトビールを飲みたかったのだとか。
そして、さすがナベッチ!
近くに座るお綺麗な女性2人組をナンパ…いえ、早速仲良くなっていました。(笑)

県外からワーケーションで富山を訪れている方たちだったのですが、
旅行が大好きだという女性は、
「世界中いろいろまわったけれど、富山に全部あるじゃんと思った」
とさらりとおっしゃっているのが、かっこよかった!
その方によると、富山は隠れ家的で個人旅行で訪れたくなるところなんですって。
良くも悪くも富山はまだあまり知られていないからこそ、
旅人の、自分だけが知っている特別感が味わえるのだとか。
いいお話でした。

さて、今回は、富山地方鉄道のグルメクーポン付きの市内電車1日フリー切符
を使ってのプチ旅でしたので、岩瀬でもクーポンを使ってみました。

岩瀬エリアでも様々な名物と交換できます。
私は、岩瀬の酒蔵「満寿泉」の日本酒100種類が有料で楽しめる沙石(させき)で、
日本酒の飲み比べをしてみました。

クーポンでは1杯200円の日本酒が試飲できます。
また差額を払えば、200円を超える日本酒も飲めます。

私はスタッフの方におすすめいただいた非売品のお酒や
シャンパン樽で熟成したレアな日本酒を試飲してみました。
いやあ、美味しかった。

日本酒のお話を聞きながらの試飲はとても楽しかったです。

岩瀬のプチ旅は、飲んで、歩いて、お喋りをして、いい旅となりました。
岩瀬で出会った皆さん、ありがとうございました。
皆さんのおかげで濃い旅となりました。
また近々、必ずや遊びに行きます〜。

***

皆さんもお得な「グルメぐりクーポン」を使って市内電車の旅をしてみませんか?

なんと今回私が使った『ぐるっとグルメぐりクーポン付き1dayフリー切符』
を20名の方にプレゼントします。

路面電車沿線のお店で使えるクーポン付きすので、
番組で紹介したお店にもぜひ立ち寄ってみてくださいね。

プレゼントを希望される方は、FMとやまホームページの
インフォメーションにある応募フォームからご応募ください。
締切は21日(日)です。
当選発表は賞品の発送をもってかえさせていただきます。

◎応募は コチラ

さて、明日は、豊かな自然と出合った途中下車の旅をご紹介します。
明日もお楽しみに〜。

yukikotajima 9:53 am

『犬がいた季節』

卒業シーズンですね。今日は中学の卒業式なのですよね。
卒業生の皆さん、おめでとうございます。
今日ご紹介する本は、卒業シーズンの今、読んでいただきたい一冊です。

『犬がいた季節/伊吹有喜(いぶき・ゆき)【双葉社】』

と〜ってもいいお話でした!
私はこの本を読みながら目が腫れるほど泣きました。
去年春に小川糸さんの『ライオンのおやつ』以来の号泣です。

『犬がいた季節』は、三重県の進学校に通う高校3年生たちを描いた連作短編集です。
どのお話にも「コーシロー」と名付けられた白い犬が出てきます。
コーシローは生徒たちによって学校で飼われているのですが、
なんと著者の伊吹さんの母校に実際にいた犬がモデルになっているのだとか。

この物語は、犬のコーシローが高校で過ごした12年間が描かれています。

まずは、コーシローが学校に迷い込んできた1988年、昭和最後の卒業生の物語です。
この年、「コーシローの世話をする会」が発足し、
実家がパン屋の優花(ゆうか)も会のメンバーになります。

優花は、東京の有名私大に行きたいと思っているのですが、
兄からは「ガリ勉の女は可愛くない」と言われ、
祖父からは「女の子が東京の私立に行ってどうするんだ」とあきれられるなど、
進路について家族からはよく思われていません。
今から約30年前は、女性の進学に関してはたしかにそういう空気ありましたよね。
果たして優花はどんな決断を下すことになるのでしょうか。
また彼女には好きな人がいるのですが、
彼との淡い恋が甘酸っぱいし、せつないしで。
いいお話でした。

次は、1991年に鈴鹿サーキットにF1を見に行った男子二人のお話です。
アイルトン・セナが操るマシンが爆音とともに目の前に現れた時の
二人の喜びようといったらもう。二人の大興奮っぷり最高です!
自転車でサーキットに向かい、テント泊をして過ごした三日間が描かれます。

他には、神戸で被災した祖母と急きょ同居することになった女子や、
ある目的のために援助交際をする女子、
英語教師に思いを寄せる男子の物語などがあります。

全て高校3年生の物語ですが、時代が異なります。
その違いは、それぞれの時代に流行った音楽や出来事、話題の人物などからわかります。
でも私はどの時代の高校生にも懐かしさを感じました。

というのも、きっといつの時代の高校生も
同じようなことで悩んだり、喜んだりしているからだと思います。

特に高校3年生は、本当に悩むことが多いですよね。
進学か就職か。
大学に行くとしたら、地元か県外か。国立か私立か。
自分の学力に見合った大学はどこなのか。
親の思いと自分の思い、どちらを尊重するべきか。
選択肢だらけです。
また、卒業後に進む道が違うせいで、
両想いなのに恋が叶わないなんてこともあるわけです。うう、せつない。

物語の中の高校生たちも数ある選択肢の中から、
自分の選んだ道を進んでいくことになるのですが、
いつの時代も高校生たちのそばにいたのが犬のコーシローでした。
このコーシロー目線のお話も間にはさまれ、物語を優しく彩ります。

最後には令和元年も描かれ、登場人物たちのその後の人生が明らかになります。
物語の最後もとても良かったです。
そうきたかーーーとまた泣きそうになりました。いや、泣いていました。
そうそう、最後まで読んだらカバーを外すのをお忘れなく〜。
最後まで読んだ人にだけわかる素敵なプレゼントがありますよ。

『犬がいた季節』は、まっすぐな、とってもいい物語でした。
みんな優しくて。でも不器用なんです。だから後悔ばかりです。
家族の本心に後で気が付いたり、
好きな人の気持ちに全く気が付かなかったり、思いを伝えられなかったり。
でも、その後悔から学ぶこともあるのですよね。
この本には、生きていくうえで大切なことがたくさん詰まっていました。
人の優しさに涙し、うまくいかない恋に涙し、嬉しくて涙し、悲しくて涙し、
なんだかずっと泣いていました。
ストレートに心に響く本って、いいもんですね。

高校生たちの青春小説ですが、現役の学生さんだけでなく、
かつての高校生、つまり大人にも、いや、大人こそ読んでいただきたい!
私のように大泣きするのはきっと大人だと思うもの。
物語の最後に登場人物たちのその後が描かれていいるのがいいのです。

どのお話も高校を卒業していくシーンで終わりますので、
卒業シーズンの今読むのにぴったりです。
ほんと一人でも多くの方に読んでいただきたいな。

yukikotajima 9:10 am