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話題の恋愛小説を2冊ご紹介。

2017年7月12日

突然ですが、あなたには忘れられない恋はありますか?

あんなに人を好きになることはもう無いと思うような。

さすがにずっと昔の恋なら毎日思い出すことは無いかもしれませんが、
ふとした瞬間に思い出すことならあるのでは?

たとえば、ラジオから流れてきた懐かしい音楽を聞いてとか
人の癖や言い回しから似た人いたなとか
最近では、Facebookの「知り合いかも?」に名前が登場して、
思わずドキッとしたことのある方もいらっしゃるかもしれません。

もし昔好きだった人が「知り合いかも?」に出てきたら
あなたは「友達リクエスト」を送信しますか?

***

今日は話題の恋愛小説を2冊ご紹介します。

まず1冊目は、

『ボクたちはみんな大人になれなかった/燃え殻(新潮社)』

著者の燃え殻さんは、都内で働く会社員の男性なのですが、
いま、この普通の男性が書いた小説がTwitterを中心に話題になっているのです。

抒情的なつぶやきがTwitter上で人気の燃え殻さんは
「140文字の文学者」とも呼ばれています。

私は本が好きなので本関連のアカウントをたくさんフォローしているのですが、
ある時から私のタイムラインに「燃え殻」という言葉が増えてきました。

あまりにも皆さんが絶賛されているので、私も気になり読んでみたというわけです。

この小説は、特に大人の男性が心をつかまれているようです。
というのも主人公は43歳独身の男性なのです。

彼は、ある日、昔フラれた大好きだった彼女に
間違えてフェイスブックの「友達申請」を送ってしまいます。
なんと満員電車の中で不意に押してしまったのです。わーお!

やばい。どうしようと思いながら、
彼女と付き合っていた1990年代のことを思い出します。。。

その1990年代の空気感に私は懐かしさでいっぱいになりました。

例えば、待ち合わせの仕方も今とは異なります。
今は誰とでも簡単に待ち合わせができますが、
当時は初めて会う場合、目印となるものをお互い伝え合い、
無事会えるかしら?と思いながら待ち合わせをしたものです。
今ではなかなか味わえないドキドキですよね。

また、この小説には過去だけでなく現在のことも描かれています。
そのバランスが絶妙です。
心地よく今と昔が入り混じっていて。
頭で理解するのではなく、心がすうっと受けいれて、感じるのです。
ああ、こういうことかって心が納得する感じです。

過去を振り返ってばかりは私はあまり好きではないのだけど、
たまにはどっぷり過去に浸ってみるのも悪くないのかも。
過去と向き合うことは、未来と向き合うことでもあるのかもしれないしね。

***

そしてもう1冊は、来週19日(水)17時に発表される
第157回直木賞の候補になっている作品です。

『月の満ち欠け/佐藤正午(岩波書店)』

偶然ですが、こちらの本も過去の恋を振り返るお話です。
しかもきっかけが駅や電車というのも似ています。

と言いつつも、こちらは、ちょっと変わった物語なのですが。

できれば、なるべく情報を入れずに
「これはどういうことだろう?」
と思いながら読んでいただきたいので、
本当は一切中身に触れたく無いのですが(笑)、
それでは紹介放棄になってしまいますので、本当に軽くだけ。

突然ですが、質問です。
大事な人が亡くなってしまった後に
よく似た人に会ったら、もしかして生まれ変わり?と思いますか?

この物語では、ある男性に向かって
7歳の女の子が「亡き娘の生まれ変わり」らしいことを話してきます。
でも彼はその現実を受け入れられずにいます。そんなことはありえないと。

でも、この物語には「瑠璃」という女性が何人も登場します。
いったい「瑠璃」とは何者なのでしょうか?
そしてストーリーは20代の瑠璃さんの恋愛を軸に広がっていきます。
この20代の瑠璃さんの恋愛ストーリーがとてもいい。
詳しく言えないのが残念過ぎます。

やはり小説は面白い!と思わずにはいられない作品でした。

これはどういうこと?とふわふわした気持ちで読み始め
純愛ストーリーに心をつかまれ
最初のふわふわ感をすっかり忘れたかと思いきや
ぼんやりとしていた作品の世界が徐々にくっきり見えてきて
えーっ!そうだったの?と驚くことが続き
最後まで読んでハイ終わり!ではなく
また最初から読みたくなるという
なんとも豊かな読書時間でした。

たいへん曖昧な感想ですみません。(笑)
読まれた方は、確かにそうそう!とわかってくださるはず。

来週、直木賞を受賞したら嬉しいなー。

***

今日は今話題の2冊の恋愛小説をご紹介しましたが、
どちらも大変面白かったです。

ぜひ2冊ともお読みください♪

どちらも男性が主人公のお話です。
恋愛小説は読む気が起きないという男性もいそうですが、
これら2冊は男性のほうがより心をつかまれるんじゃないかしら。
男性の方こそ是非!

yukikotajima 11:35 am