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ケルプ博士は誰?!版画家・釣谷幸輝さんインタビュー!

2010年10月29日

第5週はスペシャル企画、アートの話題。ゲストは今年の夏に英国木口木版画
協会展でみごと海外部門最高賞を受賞された富山市八尾の版画家・釣谷幸輝さん。
いよいよ11月8日からイギリス各地で受賞作を含めた協会展の巡回展が開催さ
れるということです!
木口木版は細く緻密な画面を硬い木口板に彫り込んでいくイギリスの伝統版画
の手法でこちらの協会展は73年の歴史を誇ります。銅版画家の釣谷さんは約3
年前にイギリスで学び、今回海外からの沢山の応募作品からみごと最高賞を射
止めたのは釣谷さんのオリジナル「ケルプ博士の奇妙な発明」シリーズの中の
一つ、「魚マスク」。ビクトリア朝時代の紳士が魚の頭型マスクをしている
ユニークな作品(話をするとき口をパクパク開け閉めできるとか!!!)は厳
しい審査員達のハートもわしづかみにしたに違いありません♪先日まで庄川水
資料館で受賞作を含めたケルプ博士のシリーズ作が展示されていましたが19
世紀ロンドンを中心に活躍したと言うケルプ博士の魚介類を用いたユニークな
発明品の数々(ちなみにKelpは海草という意味)は釣谷さんの遊び心がそのま
ま表れています(「ケルプ博士って実在したの?」って尋ねられることも多い
そうですが釣谷さんの完全なるオリジナルの世界)。版画作品を凝った木箱
(こちらもご本人の手作り)に入れてお話を読みながら楽しむ演出も釣谷さん
のこだわりならでは。実際イギリスのビクトリア朝時代には驚くほどユニーク
なアートが盛んに行われながら正統派美術史から消え去っているのも釣谷さん
にとって興味深いところなのだそうです。現在、県立近代美術館で開催されて
いる富山の現代作家達を紹介する展覧会「メッセージ・アート新世代から」
(11月23日まで)でも釣谷さんの作品を見ることが出来ます。こちらでは
銅版画「赤ずきんちゃん」シリーズを絵本のように一冊にまとめたものや版画
を動かして見せる手回し映像器(なんとこちらの機械も釣谷さん製作、もしか
して釣谷さん自身がケルプ博士?!!!)も展示されているので必見です!
イギリスと言えばビートルズの赤盤、青盤がリマスターリリースされたばかり、
釣谷さんによると「ケルプ!」と叫んでいるように聞こえてならないと言うこ
とでお届けしたのは赤盤から「Help!」☆
いつも猫にしてやられるケルプ博士に敬意を表して!!!
                        (Takagishi記)

FMとやま 5:31 PM