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第12話「義仲最期」の巻(2020年3月10日・放送)

2020年3月10日

義経軍に追い詰められ、北陸へ逃れてきた木曽義仲が

粟津の地で潔く散ることを決意し、最期の戦いを挑むことにしました。

義仲の最期、そして義仲と常に行動を共にしていた巴御前は

どうなってしまうのか・・・

 

このブログでも、絵とともにお話をご紹介します。

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今井兼平と再会し、ここ粟津の地で潔く散ることを決意した義仲。

鎌倉勢に最期の戦いを挑むことにしました。

 

(義仲)「我こそは朝日将軍 木曾義仲!」

(軍勢)「うおおおおっ!」

 

大音声とともに敵軍に突撃する義仲軍。

しかし、多勢に無勢。

一騎、また一騎と、義仲の兵は減ってゆき、

最後は兼平、巴を含む七騎だけになってしまいました。

 

 

(義仲)「巴、せめてそなただけでも落ちのびよ」

(巴)「いいえ、義仲様、巴は最後まで義仲様をお守りいたします」

(義仲)「ならぬ! 大将軍と言われた義仲じゃ。最後まで女を連れていたと言われるのは不甲斐ない」

 

諭された巴、泣く泣く義仲のもとを去っていくのであります。

 

 

残ったその他の武将たち、一人また一人と討ち取られ、最後は義仲と兼平の二騎だけに。

 

(義仲)「兼平、わしもいよいよ終わりか? 今日は鎧が重く感じる」

 

珍しく弱音を吐く義仲。

 

(兼平)「殿、かくなる上はご自害なさってください」

(義仲)「何を言うか、兼平。死ぬ時は一緒じゃ、最後までともに戦おうぞ」

(兼平)「なりませぬ。大将軍とまで言われた殿が一介の雑兵に討たれてはならぬのです」

(義仲)「か、兼平…」

 

兼平に諭された義仲、意を決して松林に駆けていきました。

 

 

(兼平)「うおおっ! かかってこい! ここから先は通さぬ! わしが相手じゃ!」

 

義仲が自害する時をかせぐため、一人で鎌倉勢を防ぐ兼平。

 

(馬)「どどど、どどど、どぼっ…ずぼぼぼ、ひひん」

 

しかし、なんと義仲の乗った馬が田んぼにはまり、身動きができなくなったのであります。

 

 

(義仲)「くそっ、動けぬ」

 

立ち往生した義仲、兼平の身を案じ、後ろを振り向いた。

と、その刹那。

 

(矢)「びゅうっ、グサッ」

 

相模国の住人 石田為久(ためひさ)の矢が義仲の眉間を貫いたのであります。

こうして義仲は討ち取られてしまいました。

 

木曾義仲。享年三十一。

 

 

ラジオ紙芝居「木曾義仲と巴御前の生涯」

乱世を駆け抜けた悲運の武将、波乱万丈の物語。

これにて一旦おしまい!

ラジオ紙芝居 スタッフ 3:30 PM