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シーズンⅡ「巴御前」第7話「義高と大姫、悲しい恋物語」の巻(2020年10月13日・放送)

2020年10月13日

今回は「源平盛衰記」などに登場する

木曾義仲の子「清水義高」の悲しい恋物語について

ご紹介します。

 

このブログでも、絵とともにお話をご紹介します。

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木曾義仲の子 清水義高。

「源平盛衰記」などに登場する義高。

今回は、その悲しい恋物語をお伝えしましょう。

 

寿永2年、木曾義仲の勢力拡大を恐れた鎌倉の源頼朝。

十万の軍勢を信濃国に進軍させ、義仲に圧力をかけました。

そして、人質を出すか、戦をするか、義仲に迫ったのであります。

この時、人質の候補となったのが、義仲や頼朝の叔父、

志太義広(しだよしひろ)と源行家(みなもとのゆきいえ)。

もしくは、義仲の息子、義高だったのであります。

 

 

頼朝と合戦することを主張する家臣たち。

しかし、義仲の考えは違いました。

 

(義仲)「あくまでも大義は打倒平家。源氏同士で争っている場合ではない」

(義仲)「……義高、鎌倉へ行ってくれるか?」

 

最愛の息子を差し出す無念さを押し殺す義仲。

こうして、義高は鎌倉に迎え入れられ、頼朝の娘、大姫を許嫁といたしました。

このとき義高は十一歳、大姫はわずか六歳。

 

 

鎌倉での義高は、武芸に励み、幼いながらも、大姫と仲むつまじく暮らしていました。

少年と少女の淡~い恋。

しかし、悲劇が起こります。

京に進軍して、平家を都から追いやった義仲、後白河法皇の陰謀もあり、

頼朝の軍勢により討ち取られてしまったのです。

 

 

(義高)「大姫、父上が討ち取られた。覚悟はしていたが、私の命も危ない」

 

(大姫)「義高様、逃げてください」

 

幼い大姫は、大好きな義高を逃がすことにしました。

夜、女性の衣装を身にまとった義高は、静かに屋敷を抜け出します。

しかし、頼朝の追っ手に追いつかれ、哀れ、討ち取られてしまいます。

清水義高、享年十二。

 

 

義高が討ち取られたことを知った大姫は、父、頼朝を深く恨むことになりました。

成長した大姫に、いくつもの縁談が持ち込まれましたが、

自分の夫は義高だと主張し、全て断ります。

大姫は、義高のことをずっと想い続けたのです。

そして、二十歳(はたち)という若さで亡くなってしまいました。

 

義高と大姫の幼い恋心。

ああ、それはまるで、ロミオとジュリエットのようです。

今なお語り継がれる、とても悲しい鎌倉時代の恋物語。

 

 

<おわり>

ラジオ紙芝居 スタッフ 3:30 PM

シーズンⅡ「巴御前」第6話「義仲が愛した女性たち」の巻(2020年9月8日・放送)

2020年9月8日

 

美男子だったとして記録が残っている、木曾義仲。

とてもモテモテな人生を過ごしたのではないでしょうか。

今回は、義仲が愛した4名の女性についてご紹介します。

 

このブログでも、絵とともにお話をご紹介します。

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源平盛衰記に、美男子として描かれている「木曾義仲」

強くて美男子。

まさに、義仲は現在のイケメン的存在であり、女性にモテモテだったのであります。

 

義仲の最愛の女性は、ご存知、「巴御前」。

色白で、髪が長く、とても美しい女性であったことが「平家物語」に記されています。

しかし、しかーし、義仲には、巴御前の他にも、たくさんの女性がそばにいたのです。

 

 

 

その一人が、葵御前。

信濃国は栗田寺別当(くりたじのべっとう)、範覚(はんがく)の娘と伝わっています。

巴御前と同じく、葵御前も女武者として平家との戦いに参加しておりました。

しかし、倶利伽羅峠の戦いにおいて、激戦の果てに、命を落としてしまいます。

 

(義仲)「葵、お前の命。決して無駄にはせぬぞ…」

 

葵御前の死を悲しんだ義仲、葵のために、倶利伽羅峠の麓に塚を築き、供養したと伝えられています。

 

 

 

さて、山吹御前も、義仲のそばにいた女性の一人。

山吹御前は「平家物語」にのみ記されている女性で、信濃国から京の都まで行動をともにしたとのこと。

鎌倉の軍勢に攻められた義仲が京を脱出した際、山吹は京に残り、亡くなった。

いやいや、そうではなく、山吹が義仲の後を追って、現在の滋賀県大津市までたどり着き、しかし、義仲には会えず、敵に討ち取られた。

諸説あるようでございます。

 

 

 

そして、正室と伝わる藤原伊子(ふじわらのいし)。

義仲が京の都で娶った幼い妻。

義仲は、伊子をとても大事にしたそうであります。

伊子は、義仲が討ち死にした後、再び公家(くげ)の妻となり、子供を授かります。

この子供が、後に永平寺を開き、曹洞宗の開祖となる道元でございます。

 

 

 

戦いや病で亡くなった葵御前と山吹御前。

一方、巴御前は激動の鎌倉時代を、ただひたすら、義仲の菩提を弔いながら、91歳まで生き抜きました。

四者四様の愛情。

その全てを受け入れた義仲。

懐の深~い、魅力的な人物であったことを物語っているのではないでしょうか。

 

<おわり>

ラジオ紙芝居 スタッフ 3:30 PM

シーズンⅡ「巴御前」第5話「生き抜いていく巴」の巻(2020年8月11日・放送)

2020年8月11日

https://www.youtube.com/watch?v=Qe9iV8YuRGU

 

いよいよクライマックス。

巴の最期に迫ります。

 

このブログでも、絵とともにお話をご紹介します。

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粟津ヶ原で木曾義仲と別れた巴。

生まれ故郷の木曽にたどり着き、最愛の義仲や兄の樋口兼光、今井兼平、そして戦場で亡くなった多くの仲間たちを弔っていました。

と、そこに忍び寄る、源頼朝の追っ手。

 

(追っ手)「お前は巴だな。鎌倉に連れて行くぞ。それ、捕まえるのだ!」

 

 

 

こうして、鎌倉に召し出された巴。

義仲とともに行動していたことから裁きを受けることになりました。

しかし、頼朝の御家人、和田義盛が、巴を自分の妻にしたいと申し出たのであります。

豪傑として知られていた和田義盛は、巴を嫁に迎えて、強い子供をもうけたいと考えていたのです。

そして、生まれたのが、朝比奈義秀。

義盛の思惑どおり、義秀はたいへん剛力な武者に成長しました。

 

 

 

ところが、巴の平穏な暮らしは、長く続きませんでした。

源頼朝が亡くなった後、北条氏が有力な御家人を排除し、鎌倉幕府の実権を握ります。

義盛と義秀も北条氏に目をつけられ、和田一族は滅ぼされてしまったのです。

またもや、巴は一人身となってしまいました。

 

 

 

「倶利伽羅峠の戦い」で一緒に戦った、越中武士団の石黒氏を頼って、越中国にやってきた巴。

そこで出家して尼となり、義仲たちの菩提を弔う日々を過ごします。

駒王丸と過ごした木曽の風景。

平家を打倒するための挙兵、その時の高揚感。

連戦連勝、そして倶利伽羅峠での激戦。

都の人に歓迎されて入京した日のよろこび。

義仲との最期の別れ…。

 

(巴)「ああ、義仲様と過ごした日々が懐かしい…」

 

 

 

めまぐるしく変わっていく世の中。

年老いた巴にも、最期の時が迫ってきました。

 

(巴)「義仲様、巴も、ようやく、そちらにまいります」

 

そして、辞世の句。

 

「まぼろしよ 夢よとかわる 世の中に など涙しも つきせざるらん」

 

巴、享年九十一。

その当時としては、たいへんな長生きでした。

波乱万丈の人生を歩んだ巴。

穏やかな死に顔。

若い日の巴が宿ったかのように…。

 

<おわり>

ラジオ紙芝居 スタッフ 3:30 PM

シーズンⅡ「巴御前」第4話「永遠の愛を誓う」の巻(2020年7月14日・放送)

2020年7月14日

 

源頼朝が派遣した鎌倉の軍勢を勢多(瀬田)・宇治で

迎え撃つ義仲軍ですが、兵の数が足りず苦戦してしまいます。

そして巴御前に落ち延びるよう、義仲は伝えました・・・

 

このブログでも、絵とともにお話をご紹介します。

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源頼朝が派遣した鎌倉の軍勢。

それを勢多(瀬田)・宇治で迎え撃つ義仲軍ですが、兵の数が足りません。

しかも、義仲は京で娶った伊子(いし)が愛おしく、戦地に向かおうとしないのです。

ついに家臣の一人が、義仲を諫(いさ)めるため、切腹しました。

 

 

 

これで目が覚めた義仲、わずかな味方を引き連れ、鎌倉勢に立ち向かいます。

その中にいた巴。

 

(巴)「義仲様は、今日、討ち死にを覚悟で戦っている。私も最後まで義仲様のそばに!」

(巴)「えいっ! ばさーっ(薙刀の擬音) かかって参れ!」

 

巴も力の限り戦いますが多勢に無勢。

ついに、最後の五騎となってしまいました。

 

 

 

(義仲)「巴、お前は落ち延びよ」

 

(巴)「何を言われるのですか。私は最後まで義仲様と戦います」

 

(義仲)「お前の気持ちはうれしい。だが、朝日将軍とまで讃えられたわしが、最後の戦いに女を連れていたと言われたくないのだ」

 

(巴)「嫌です」

 

なかなか、巴は聞き入れようとしません。

 

 

 

(義仲)「分かってくれ。わしが討ちとられた後、わしや仲間を弔ってくれ。そして、後世にわしのことを伝えてくれないか」

 

義仲の真剣な説得に、巴は泣く泣く落ち延びることを決意しました。

 

(巴)「義仲様、ずっと、ずっと愛していました」

 

(義仲)「わしもだ、巴。お前に出会えて幸せだった。達者で暮らせよ」

 

(巴)「義仲様、最後に、最後に私の戦いぶりをご覧下さい。さらばです」

 

そう言った巴。

相手軍に駆け入り、敵の武将の首を腕でしめて倒しました。

そして、鎧を脱ぎ、まっすぐに駆けていったのであります。

 

 

 

巴が落ち延びた後、義仲は、幼い時からともに育った今井兼平と二騎だけになりました。最後まで勇猛に戦いましたが、二人とも討ち死に。

これが、猛将木曾義仲の最期でありました。

 

(巴)「義仲様…」

 

義仲が討ち取られた瞬間、峠に立っていた巴。

愛する人の名前をつぶやく、その胸中や、いかに?

そして、巴のその後の人生は?

 

<おわり>

ラジオ紙芝居 スタッフ 3:30 PM

シーズンⅡ「巴御前」第3話「巴の誓い」の巻(2020年6月9日・放送)

2020年6月9日

 

倶利伽羅峠の戦いで平家の大軍を撃ち破った木曾義仲と巴御前。

勢いそのまま、京の都へと入りましたが、そこで待ち受けていたのは・・・

 

このブログでも、絵とともにお話をご紹介します。

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倶利伽羅峠の戦いで平家の大軍を撃ち破った木曾義仲。

勢いそのまま、京の都へと入りました。

平家に苦しめられていた庶民は、喜びをもって義仲たちを迎えます。

 

(巴)「義仲様、ついに、京の都に! 見て下さい。みんなが私たちのことを歓迎してくれています!」

 

感無量の巴。

 

(義仲)「そうだ、巴! 俺は新しい世を築くぞ! 我々を歓迎してくれる民のためにも!」

 

 

 

後白河法皇から「朝日将軍」の称号を賜り、人生の絶頂にいた義仲。

しかし、都の状況はかんばしくありませんでした。

平家が食糧を持ち去ってしまい、食べるものが不足していたのです。

 

(巴)「義仲様、源氏の軍勢が民の食べ物を奪っているとのこと」

 

(義仲)「うーむ、木曽の兵士たちには厳しく申し付けているのだが…。それ以外の者どもが悪さを働いているようだ…」

 

 

 

義仲は、巴らとともに治安回復を図ります。

 

(擬音など)「おらーっ、ドスン、ガラガラ、きゃーっ、がしゃん」

 

乱暴狼藉を働く兵士。

そこへ駆けつけた巴。

 

(巴)「民に乱暴狼藉を働くとは! 許しません!」

 

(兵)「うわー。巴だ! 助けてくれー」

(兵)「もう悪いことはしません! 堪忍してくれー」

 

 

 

しかし、巴の奮闘も焼け石に水。

追い打ちをかけるように、後白河法皇が義仲の邪魔をするようになりました。

 

(後白河)「新しい政治だと? 武士にそのようなこと、できるわけがなかろう!」

 

(巴)「義仲様は、ただ純粋に、民の暮らしを守ろうとしているだけ。

朝廷や貴族だけが裕福なこの世の中を正そうとしているのに…」

 

義仲の純真さ、優しさを知っているだけに、巴の悲しさは募る一方です。

 

 

 

さらに、平家を追撃した義仲軍、苦戦を強いられ、有能な家臣を多く失ってしまいました。

義仲の味方についていた武将たちも、一人また一人と国へ帰っていきます。

さらには、後白河法皇が鎌倉の源頼朝と手を結び、義仲を排除する動き。

まさに四面楚歌。

 

(巴)「ああ、京の都に来たときには6万騎の軍勢だったのに。今はわずかな兵しか残っていない…」

「でも、でも、私は最後まで義仲様を守る!」

 

固く誓う巴でありました。

 

< おわり >

ラジオ紙芝居 スタッフ 3:30 PM

シーズンⅡ「巴御前」第2話「倶利伽羅峠の戦い」の巻(2020年5月12日・放送)

2020年5月12日

 

木曽義仲が活躍したことで有名な、倶利伽羅峠の戦い。

今回は、巴御前の視点から戦いの模様についてみてみます。

 

このブログでも、絵とともにお話をご紹介します。

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① 元服した義仲と女武者巴

 

駒王丸は十三歳の春に元服。

木曾冠者次郎源義仲を名乗るようになりました。

そして、駒王丸が義仲となっても、変わらずそばにいたのが巴。

武芸を磨き、頼もしい女武者として成長していったのであります。

 

 

② 平家の横暴。嘆く巴

 

この頃、世の中では源氏と平家が対立。

都では平家一門が勢力をふるい、庶民に対して横暴を働いていました。

 

(巴)「ああ、なんてひどい。幼い子どもも飢えているなんて」

(義仲)「そうだ、巴。これ以上、平家の横暴を許してはならぬ」

 

そんな折、後白河法皇の皇子、以仁王が平家打倒に立ち上がり、

義仲のもとにも追討の命令書が届きます。

 

 

③ 女武者巴の活躍

 

以仁王に呼応し、ついに旗挙げした義仲。

集まった兵は一千騎。

むろん、巴も鎧を身につけ義仲のそばにおります。

合戦が始まり、いよいよ激突する義仲軍と平家軍。

 

(平家軍兵士)「うおっ、あれは女武者ではないか?」

(平家軍兵士)「なんと、豪傑な!」

 

「びゅん、ばさっ」

(巴)「えい! やーっ! まだまだ!」

(巴)「わが名は巴! 命の惜しくないものはかかってこられよ!」

 

常に最前線で薙刀をふるい、次々と敵を撃ち破っていく巴。

そして、巴の活躍もあって、義仲軍は快進撃を続けるのであります。

 

 

④ 倶利伽羅峠の戦い

 

撃破に次ぐ撃破。

京の都を目指し、北陸へ進出した義仲軍。

対する平家軍、十万の大軍を投入。

平家の大軍と義仲の軍勢は、越中と加賀の国境にある倶利伽羅峠で

衝突することとなりました。

 

(巴)「義仲様のため、必ずや手柄を立てて参ります」

(義仲)「巴、あまり無茶をするなよ」

 

義仲の心配をよそに、巴は一軍の将として、一千騎を率いて勇猛に戦います。

 

 

⑤ 勝利する義仲と巴

 

そして、倶利伽羅峠の戦いは、牛の角に松明をつけて

敵に突撃させる奇襲作戦『火牛の計』によって、義仲軍の圧勝で終わります。

 

(義仲)「はっ、はっはっは。はっ、はっはっは。やった、やったぞ! はっはっはっは」

(腹の奥底から響いてくるような不気味な笑い声)

 

谷底を埋め尽くす平家軍のなきがらを見下ろす義仲。

 

(巴)「義仲様…ああ、これが私の知っている義仲様?」

 

勝利に酔いしれる義仲の姿を見て、なぜか不安に駆られる巴。

 

(巴)「でも私が必ず、必ず、義仲様をお守りいたします」

 

改めて心に誓う巴でありました。

 

< おわり >

ラジオ紙芝居 スタッフ 3:30 PM

シーズンⅡ「巴御前」第1話「義仲・巴、出会い」の巻(2020年4月14日・放送)

2020年4月14日

2020年4月よりこの番組も「シーズンⅡ」に突入しました。

今月からは巴御前を軸に物語を展開します。

引き続き、お楽しみください。

 

このブログでも、絵とともにお話をご紹介します。

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平安時代末期、源平合戦のさなかに、すい星のごとく現れ、京の都に進軍した天才武将、木曾義仲。

この義仲のそばにいて、ともに戦っていたのが「巴」という女武者。

巴御前の生涯とは、いかなるものだったのでしょうか?

 

 

 

平安時代末期、信濃国。

一人の男の子が川辺で水の流れを見つめておりました。

この男の子の名は駒王丸。

後の木曾義仲であります。

 

(四郎)「おーい、駒王丸ぅ」

(走ってきて転ぶ)ゴロゴロ、ドスン (四郎)「いてて…」

(駒王丸)「何を慌ててるんだ、四郎」

(四郎)「お、俺に弟か妹ができるんだ。駒王丸、一緒に屋敷に来てくれ!」

 

 

 

駒王丸が立ち上がったその時、川の流れが渦巻いているところに龍の姿が見えました。

 

(駒王丸)「わっ!龍が出た!」

 

駒王丸が指さした方を四郎が見ても、何もいません。

 

(四郎)「何言ってるんだ。屋敷に急ぐぞ!」

 

四郎の後を追う駒王丸。

しかし、もう一度、渦巻くほうを振り向くと…

 

(龍)「私はあなたのそばでずっとお守りいたします」

 

龍の声が聞こえた気がしたのであります。

 

 

 

屋敷に着くと、四郎の兄の次郎が待っておりました。

 

(次郎)「遅いぞ、二人とも。もうすぐ生まれるようだぞ」

(赤ちゃん)「おぎゃーおぎゃー」

(四郎)「あっ!生まれた。父上、男の子ですか?女の子ですか?」

(兼遠)「うむ。女の子だ。お前たちの妹だ」

 

次郎と四郎の父親で、駒王丸の養父である中原兼遠が答えます。

 

(兼遠)「『ともえ』と名付けたぞ」

(駒王丸)「ともえ……かわいい名前ですね」

(兼遠)「うむ。駒王丸殿。ぜひとも、我が娘をかわいがっていただきたい」

 

 

 

(みんな)「あはは、あはは」(遊ぶ音)「ザブン、バシャバシャ」

 

数年の後、駒王丸は次郎、四郎、そして巴と川遊びをしておりました。

次郎と四郎が泳ぎの腕を競っています。

駒王丸と巴は少し離れたところで泳いでいました。

 

(駒王丸)「うっ、ごぼっ、ぶくぶく」

 

駒王丸も泳ぎは得意でしたが、うっかり、川の深いところでおぼれそうになったのです。と、その時。

 

 

 

(泳ぐ音)「スイー、スイー」

 

巴が、まるで龍のように、力強く、しなやかに泳いできて、駒王丸を助けたのであります。

 

(駒王丸)「ふー、あやうくおぼれるところであった。巴、ありがとう」

(巴)「私はずっと駒王丸様のそばにいて、いつでも駒王丸様をお守りいたします」

 

その声を聞いて、はっとする駒王丸。

もしかして、巴は龍神の使いなのでは?

巴が生まれたあの時、川辺で聞いた龍の声。

あれは、巴の声だったのでは?

駒王丸の心に、巴への淡い想いが宿った瞬間でございました。

 

 

ラジオ紙芝居『巴御前』「義仲・巴、出会い」の巻。

今日はここまで!

ラジオ紙芝居 スタッフ 3:30 PM

第12話「義仲最期」の巻(2020年3月10日・放送)

2020年3月10日

義経軍に追い詰められ、北陸へ逃れてきた木曽義仲が

粟津の地で潔く散ることを決意し、最期の戦いを挑むことにしました。

義仲の最期、そして義仲と常に行動を共にしていた巴御前は

どうなってしまうのか・・・

 

このブログでも、絵とともにお話をご紹介します。

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今井兼平と再会し、ここ粟津の地で潔く散ることを決意した義仲。

鎌倉勢に最期の戦いを挑むことにしました。

 

(義仲)「我こそは朝日将軍 木曾義仲!」

(軍勢)「うおおおおっ!」

 

大音声とともに敵軍に突撃する義仲軍。

しかし、多勢に無勢。

一騎、また一騎と、義仲の兵は減ってゆき、

最後は兼平、巴を含む七騎だけになってしまいました。

 

 

(義仲)「巴、せめてそなただけでも落ちのびよ」

(巴)「いいえ、義仲様、巴は最後まで義仲様をお守りいたします」

(義仲)「ならぬ! 大将軍と言われた義仲じゃ。最後まで女を連れていたと言われるのは不甲斐ない」

 

諭された巴、泣く泣く義仲のもとを去っていくのであります。

 

 

残ったその他の武将たち、一人また一人と討ち取られ、最後は義仲と兼平の二騎だけに。

 

(義仲)「兼平、わしもいよいよ終わりか? 今日は鎧が重く感じる」

 

珍しく弱音を吐く義仲。

 

(兼平)「殿、かくなる上はご自害なさってください」

(義仲)「何を言うか、兼平。死ぬ時は一緒じゃ、最後までともに戦おうぞ」

(兼平)「なりませぬ。大将軍とまで言われた殿が一介の雑兵に討たれてはならぬのです」

(義仲)「か、兼平…」

 

兼平に諭された義仲、意を決して松林に駆けていきました。

 

 

(兼平)「うおおっ! かかってこい! ここから先は通さぬ! わしが相手じゃ!」

 

義仲が自害する時をかせぐため、一人で鎌倉勢を防ぐ兼平。

 

(馬)「どどど、どどど、どぼっ…ずぼぼぼ、ひひん」

 

しかし、なんと義仲の乗った馬が田んぼにはまり、身動きができなくなったのであります。

 

 

(義仲)「くそっ、動けぬ」

 

立ち往生した義仲、兼平の身を案じ、後ろを振り向いた。

と、その刹那。

 

(矢)「びゅうっ、グサッ」

 

相模国の住人 石田為久(ためひさ)の矢が義仲の眉間を貫いたのであります。

こうして義仲は討ち取られてしまいました。

 

木曾義仲。享年三十一。

 

 

ラジオ紙芝居「木曾義仲と巴御前の生涯」

乱世を駆け抜けた悲運の武将、波乱万丈の物語。

これにて一旦おしまい!

ラジオ紙芝居 スタッフ 3:30 PM

第11話「孤立する義仲」の巻(2020年2月11日・放送)

2020年2月11日

 

後白河法皇の策略に翻弄される義仲。

対抗すべく後白河法皇の軍勢を撃ち破りましたが・・・

 

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対立する義仲を排除するため、鎌倉の源頼朝と手を組んだ後白河法皇。

ついに、兵を集め、義仲を攻める準備を始めました。

葛藤の末、売られた喧嘩を買うことにした義仲。

あっという間に後白河法皇の軍勢を撃ち破り、法皇を幽閉してしまいます。

 

 

しかし、法皇の住まいを焼き討ちしたことで、味方だった武将たちの心は離れ、義仲はますます苦しい立場になるのでした。

追い打ちをかけるように、頼朝が弟の範頼(のりより)と義経を京の都へ派遣。

これに対抗する義仲、後白河法皇から征東大将軍の地位を手に入れます。

しかし、時すでに遅し。

範頼・義経の軍勢は京の入口である瀬田・宇治へと近づいておりました。

 

 

そして始まった、宇治川の戦い。

この時、義仲が派遣できた軍勢はわずか数百騎。

 

「ぴゅん、ひゅーん、ひゅーん、グサッ」(矢の音)

 

矢が降り注ぐ中、宇治川に乗り入れる義経軍。

 

「うおおおおっ」

「バシャバシャ、ひひーん」

「シャキーン、グサッ」

「ぐぐぐ…無念…」

 

義仲四天王の根井行親(ねのいゆきちか)や楯親忠(たてちかただ)らの奮闘もむなしく、義経軍に撃破されてしまいます。

 

 

一方、京を守っていた義仲。

 

(義仲)「これは、まずい。法皇を連れて、京を脱出するぞ! 巴!」

(巴)「で、ですが、もう、義経軍が法皇の住まいに迫ろうとしています!」

(義仲)「かくなる上は、我々だけで出発じゃ!」

 

逃れるように京を後にする義仲。

朝日将軍とまで讃えられた義仲でしたが、ここに至って、付き従う武将はわずかな数に減っていたのであります。

 

 

北陸へ逃れようとした義仲、なぜか、義仲四天王の今井兼平が守る瀬田方面へと進路を変えます。

義仲と兼平、「死ぬ時は一緒」と誓い合った仲。

そのことを思い出したのでした。

 

(兼平)「よ、義仲様…」

(義仲)「兼平…」

 

再会を果たした二人。

もしや、最期の戦いに挑む覚悟をしたのでありましょうか。

 

<おわり>

ラジオ紙芝居 スタッフ 3:30 PM

第10話「後白河法皇と源頼朝の陰謀」の巻(2020年1月14日・放送)

2020年1月14日

 

平家を京の都から追いやり

入京を果たした木曾義仲でしたが

さまざまなことに翻弄されて思うようにことが進みません・・・

 

このブログでも、絵とともにお話をご紹介します。

 

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源氏一族の中で、いち早く平家を京の都から追いやり、入京を果たした木曾義仲。

倶利伽羅峠の戦いから二ヶ月たらずの快進撃でした。

しかし、義仲の前には大きな問題が立ちはだかっておりました。

都を去った平家一門が、食べ物を全て持って行ってしまったので、

義仲の軍勢およそ6万人分の食糧が、ほとんど都には残っていなかったのであります。

 

 

食べ物にありつけない武士たち。

庶民の家に押し入り、食糧を奪ったり、乱暴狼藉をはたらく者がでてきました。

 

(武士)「えーい。我々は平家を都から追いやった功労者だぞ。食べ物を出せ!」

(庶民)「ひえー。うちにはもう食べるものは残っていません」

(武士)「うるさい!文句を言うな。ずどん、どがん、がしゃん(家を壊す擬音)」

 

義仲は、乱暴狼藉をはたらいた者を厳しく処罰しますが、混乱は収まりません。

はじめは義仲の入京を喜んでいた庶民も、がっかりして、

義仲に対して冷ややかな目線を送るようになります。

 

 

新しい国づくりを目指して京へやってきた義仲。

平家追討の功労者である以仁王(もちひとおう)の子、

北陸宮(ほくりくのみや)を新しい天皇に推挙いたしました。

しかし、後白河法皇に反対されてしまいます。

 

(後白河)「義仲め、一介の武士が皇位継承に口を出しおって!」

 

後白河法皇は義仲を、疎んじるようになったのであります。

 

 

なんとか名誉挽回したい義仲は、西国(さいごく)に落ち延びた平家の追討に向かいます。

しかし、海上での戦いに慣れていない義仲軍、水島の戦いにおいて、

平家の水軍に大敗してしまいました。

失意の義仲のもと、京の都から、さらに驚くべき報せが。

 

 

なんと、後白河法皇が頼朝と手を組み、義仲を排除しようとしていたのです。

義仲はすぐさま兵を率いて京に戻りました。

 

(義仲)「自分は国のために戦ってきました。そんな自分をさしおいて、頼朝に肩入れするおつもりか!」

 

驚いた後白河法皇は、ひとまず義仲をなだめます。

しかし、自分に無礼な態度をとった義仲に対する怒りは収まりません。

都の治安回復と後白河法皇の策略に翻弄される義仲。

いったい、どうなってしまうのでしょうか?

 

<おわり>

ラジオ紙芝居 スタッフ 3:30 PM